J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー『BEHIND THE SCENE』。4月9日(火)のオンエアでは「プロが教えるウソの見抜き方」にフォーカス。元衆議院議員で弁護士の若狭 勝さんをゲストにお招きしました。
■元検事が教える「ウソ反応」とは
若狭さんは、元東京地検特捜部の検事です。取り調べのプロ中のプロがどのようにウソを崩すのか、まずは連日報道されている国会での加計・森友問題の答弁のウソについて訊きました。
若狭:検事の目から見ると、かなり隠蔽の連鎖、つまりウソがウソで塗り固められている様相を示してきている感じがします。犯罪になるかというのとは違う話ですが、話をごまかそうとしている。その場しのぎの話で切り抜けようと汲々としているのが表れてきています。しかし、今まで本当のことを話すのを躊躇していた人も結局自分の身が危なくなると、それを話しだす“転換点”を迎えるんですよね。企業とかで不祥事のときに隠蔽の連鎖で長年隠し通してきたものが、せきを切ったように誰かが言うとあらゆるものが出てきてしまう。今そのような様相に入りつつあると思うので、いろいろな真相が出てくる可能性があります。
ウソをつくと、ある反応が出ることもあるのだそう。
若狭:ウソの見抜き方として、質問された際の「ウソ反応」というのがあります。普通の人だと、自分の弱いところを突かれると防御本能の反応が出ますね。たとえば、夫の不倫を疑った妻が「昨日の夜、遅かったけど、どこで何をしていたの」と質問するとします。夫は「今、何て言った?」と答える。この“わかりやすい質問なのに聞き直す”というのが、ウソ反応の一つとしてあります。次に出てくるのは一般論。「どこに行っていたの」と訊かれたのに「今ね、会社が本当に大変で、決算期で、花見もあるし」という答え方をして、直接は答えない。さらに「答えてよ」と追求すると「俺を疑ってるのか」と逆質問するんです。これはウソを見抜くときのテクニックとして頭に入れておくといいと思います。
若狭さんは、国会での佐川宣寿・元財務省理財局長の証人喚問でもウソ反応を発見したそうです。
若狭:佐川さんは国会に慣れているのでなかなかウソ反応がでないのですが、参議院の森ゆうこさんの「総理秘書官の今井さんとこの件で会いましたか」という質問ではぐらかしてるんですよ。「今井秘書官に会いましたか」と訊かれているのに、「我々の仕事は部下があげてきた仕事を云々……」とはぐらかしていて、森さんが「そんなことじゃなくて、今井秘書官と会ったのですか」と追求すると「国会答弁については会っていません」と限定するんです。
「衆議院議員時代は心の中で『この人ウソをついてるな』と思いながら質問をしていたのですか」と訊くと、若狭さんは「国会議員って毎日エイプリルフールみたいなものですから」とウソは常態化していることを明かしました。また「政治家のウソは見抜きにくい」と続けます。
若狭:一般の人は本能的にウソ反応がでるんですが、政治家は日頃からウソをついているからウソ反応が出にくい。例えば国会で野党の人が質問しても大臣が一般論を長々と述べて答えを言わない、あれは時間稼ぎで野党の質問時間をなるべく少なくするために戦略的にやっているんです。日頃から戦略的にやっていると、そのウソ反応が、“弱いところを突かれたから”なのか、“戦略的にやってるのか”が見抜きにくいんです。
オンエアでは「政治家はウソつかない人はいない」「選挙の演説も『誇張しなければ誰も聞いてくれない』と思っている。できないことも『確実にやります』と言わなければいけないという風潮になっています」と、爆弾発言も飛び出しました。
最後に検事でも見抜けないウソをつくコツを訊きました。
若狭:前もって準備すること。私は模擬裁判というのを指導していたのですが、模擬裁判の証人は実際は見聞きしていないのに見たような答え方をするんです。その気で準備してその人になりきればウソは上手くできるんです。
日常のウソを見抜くヒント程度に、頭に入れておくとよいかもしれませんね。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
■元検事が教える「ウソ反応」とは
若狭さんは、元東京地検特捜部の検事です。取り調べのプロ中のプロがどのようにウソを崩すのか、まずは連日報道されている国会での加計・森友問題の答弁のウソについて訊きました。
若狭:検事の目から見ると、かなり隠蔽の連鎖、つまりウソがウソで塗り固められている様相を示してきている感じがします。犯罪になるかというのとは違う話ですが、話をごまかそうとしている。その場しのぎの話で切り抜けようと汲々としているのが表れてきています。しかし、今まで本当のことを話すのを躊躇していた人も結局自分の身が危なくなると、それを話しだす“転換点”を迎えるんですよね。企業とかで不祥事のときに隠蔽の連鎖で長年隠し通してきたものが、せきを切ったように誰かが言うとあらゆるものが出てきてしまう。今そのような様相に入りつつあると思うので、いろいろな真相が出てくる可能性があります。
ウソをつくと、ある反応が出ることもあるのだそう。
若狭:ウソの見抜き方として、質問された際の「ウソ反応」というのがあります。普通の人だと、自分の弱いところを突かれると防御本能の反応が出ますね。たとえば、夫の不倫を疑った妻が「昨日の夜、遅かったけど、どこで何をしていたの」と質問するとします。夫は「今、何て言った?」と答える。この“わかりやすい質問なのに聞き直す”というのが、ウソ反応の一つとしてあります。次に出てくるのは一般論。「どこに行っていたの」と訊かれたのに「今ね、会社が本当に大変で、決算期で、花見もあるし」という答え方をして、直接は答えない。さらに「答えてよ」と追求すると「俺を疑ってるのか」と逆質問するんです。これはウソを見抜くときのテクニックとして頭に入れておくといいと思います。
若狭さんは、国会での佐川宣寿・元財務省理財局長の証人喚問でもウソ反応を発見したそうです。
若狭:佐川さんは国会に慣れているのでなかなかウソ反応がでないのですが、参議院の森ゆうこさんの「総理秘書官の今井さんとこの件で会いましたか」という質問ではぐらかしてるんですよ。「今井秘書官に会いましたか」と訊かれているのに、「我々の仕事は部下があげてきた仕事を云々……」とはぐらかしていて、森さんが「そんなことじゃなくて、今井秘書官と会ったのですか」と追求すると「国会答弁については会っていません」と限定するんです。
「衆議院議員時代は心の中で『この人ウソをついてるな』と思いながら質問をしていたのですか」と訊くと、若狭さんは「国会議員って毎日エイプリルフールみたいなものですから」とウソは常態化していることを明かしました。また「政治家のウソは見抜きにくい」と続けます。
若狭:一般の人は本能的にウソ反応がでるんですが、政治家は日頃からウソをついているからウソ反応が出にくい。例えば国会で野党の人が質問しても大臣が一般論を長々と述べて答えを言わない、あれは時間稼ぎで野党の質問時間をなるべく少なくするために戦略的にやっているんです。日頃から戦略的にやっていると、そのウソ反応が、“弱いところを突かれたから”なのか、“戦略的にやってるのか”が見抜きにくいんです。
オンエアでは「政治家はウソつかない人はいない」「選挙の演説も『誇張しなければ誰も聞いてくれない』と思っている。できないことも『確実にやります』と言わなければいけないという風潮になっています」と、爆弾発言も飛び出しました。
最後に検事でも見抜けないウソをつくコツを訊きました。
若狭:前もって準備すること。私は模擬裁判というのを指導していたのですが、模擬裁判の証人は実際は見聞きしていないのに見たような答え方をするんです。その気で準備してその人になりきればウソは上手くできるんです。
日常のウソを見抜くヒント程度に、頭に入れておくとよいかもしれませんね。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/stepone/