酒蔵「一ノ蔵」の挑戦…売り上げを被災した子どもたちの支援に

J-WAVEの新番組「SUNRISE FUNRISE」(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「THERMOS SOCIAL PLAYGROUNDS」。3月11日(日)のオンエアでは、宮城県大崎市の酒蔵「一ノ蔵」に注目しました。

宮城県の北西部にある大崎市の水田農業は、生物の多様性を守るシステムが評価され、世界農業遺産に認定されています。この街から全国にその名を轟かせるのが「一ノ蔵」です。昭和48年に、赤字だった宮城県の小さな酒蔵4蔵が企業合同する形で蔵を作りました。スッキリとした宮城県らしい王道の辛口と、日本酒の新しいユーザーを開拓するための、軽やかな甘口の2つが主力になっています。

「一ノ蔵」代表取締役社長・鈴木 整さんは、震災時の様子を以下のように語ります。

鈴木:沿岸部で大きな被害を受けた酒蔵もあります。私たちも地震の被害に遭いました。(中略)「これからどうなるだろう」という不安で下を向いていたときに、春ぐらいに東北のお酒を応援するために、岩手県の酒蔵「南部美人」の久慈浩介さんが、自粛ムードの中で「花見をしましょうよ」と呼びかけてくれました。

震災発生後に鈴木さんが起こしたアクションは、よいお酒を造って全国の日本酒ファンに届けること、沿岸被災地の子どもたちに役立てる支援基金「ハタチ基金」へ、売り上げを寄付することでした。この基金で、女川町に放課後の学習を支援する施設ができ、同所を訪れた際に、心を打たれたという話を教えてくれました。

鈴木:土曜日に行くと、中学生が一生懸命勉強していて。「被災したあとに勉強を教えてくれた、東京から来たボランティアのお兄さんたちのように大学に行きたいので、僕は勉強したいんです」と言うんです。すごいなと思って。20年後、この子どもたちは、この女川という街の復興の礎になるすごい人材になっていくんだろうなと。復興のための未来への投資は、この子たちなんだなと思って。全国からの「東北の酒、頑張れ」という気持ちをバトンとしてお預かりして、子どもたちに届ける仕事をさせていただける責任と使命を、今年も感じています。

子どもたちの支援につながるお酒は「特別純米生原酒 3.11未来へつなぐバトン」と名付けられ、販売されています。鈴木さんは「蔵人の五感をフルに使って、酒を醸していくことがモットーです」と語りました。「一ノ蔵」の人と人が繋がるおいしい酒造りへの挑戦は続きます。

【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「SUNRISE FUNRISE」
放送日時:日曜6時―9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/sunrise/

関連記事