J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Denka MORNING VISION」。3月7日(水)のオンエアでは、人手不足が深刻化するアルバイトやパート採用問題に注目。東洋経済オンライン副編集長、武政秀明さんに、バイト採用における基準の変化などを解説していただきました。
■採用難は今後も継続…需要が高まる仕事は
近年、人材確保が難しいといわれていますが、パート・アルバイト採用の物差しとなる時給の水準からみても、人材獲得競争が激化していることが伺えます。
武政:人材サービス企業のPERSOLグループ調査によると、昨年12月の全国のアルバイトの平均時給は1,052円と過去最高の数字で、前年同月比でみると34ヶ月連続増加しています。コンビニスタッフの需要増加や、仮想通貨や格安スマートフォンの台頭による影響でコールセンターの需要が高まっており、全国的な採用難は2018年も継続すると予想されています。
武政さんが20年ほど前、ファミリーレストランでアルバイトをしていたときの時給は700円。これは、まわりの飲食店と比べても低い水準ではありませんでした。しかし今の時給は、フード系の時給が平均990円。地域差はありますが、パート・アルバイトの時給は20年前から4割以上も高い水準になっていることになります。
■採用状況における価値観の変化
採用条件においてもこれまでの価値観が変化しているようです。たとえば「正社員登用あり」という項目にも変化があります。
武政:採用側がパート・アルバイトを集めるために時給を上げても、他社も追随しコスト高になるので経営が成り立ちません。そこで「正社員として登用する可能性もあります」と謳う企業が増えてきています。例えば一定の勤続年数を経て、正社員と同等かそれ以上の成果とやる気があると会社が判断した場合、面接や試験を経て正社員への道が開かれるようです。
とはいえ、採用時期にばらつきがあるので、「あてにして応募して痛い目をみることもあるかもしれません」と武政さん。また、「正社員登用あり」が最近は必ずしも有効な条件ではなくなりつつあると述べました。
それはなぜか。今年、実施される労働契約法18条における「5年ルール」が正社員登用の道を広げつつあるため、あえて正社員の道を明示しなくても、同じ職場で長く働けば、自動的に長期安定雇用が実現できるようになる土壌も整ってきているからです。
■人材確保に向けて問われる企業の対応力
「正社員登用あり」の先にある条件など、採用の多様化は進んでいるようですが、企業や店舗が“働く力”を確保するために、今後どんな対応が求められるのでしょうか?
武政:パート・アルバイトが重要な戦力になる会社は、非正規のままで仕事をすることに魅力を打ち出す努力が必要となってきました。自由度の高さや、職務内容が限定されている反面、求職者のニーズに合っているなどです。ただしこれはどの職場でもできることなので、さらに独自の努力を打ち出していく必要があります。パート・アルバイトだけに行う研修プログラムや、独自のインセンティブ制度を設けたり、正社員よりも優遇されるくらいの仕組みを構築するような発想が、人材を獲得していく上では欠かせません。パート・アルバイトで働くことが魅力的に感じるように企業側も努力していかなければならない局面になっています。
バイトやパートでも職場で働くことの魅力が問われる時代、働きがいやモチベーションを高める努力など、さらなる付加価値が問われることになりそうです。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
■採用難は今後も継続…需要が高まる仕事は
近年、人材確保が難しいといわれていますが、パート・アルバイト採用の物差しとなる時給の水準からみても、人材獲得競争が激化していることが伺えます。
武政:人材サービス企業のPERSOLグループ調査によると、昨年12月の全国のアルバイトの平均時給は1,052円と過去最高の数字で、前年同月比でみると34ヶ月連続増加しています。コンビニスタッフの需要増加や、仮想通貨や格安スマートフォンの台頭による影響でコールセンターの需要が高まっており、全国的な採用難は2018年も継続すると予想されています。
武政さんが20年ほど前、ファミリーレストランでアルバイトをしていたときの時給は700円。これは、まわりの飲食店と比べても低い水準ではありませんでした。しかし今の時給は、フード系の時給が平均990円。地域差はありますが、パート・アルバイトの時給は20年前から4割以上も高い水準になっていることになります。
■採用状況における価値観の変化
採用条件においてもこれまでの価値観が変化しているようです。たとえば「正社員登用あり」という項目にも変化があります。
武政:採用側がパート・アルバイトを集めるために時給を上げても、他社も追随しコスト高になるので経営が成り立ちません。そこで「正社員として登用する可能性もあります」と謳う企業が増えてきています。例えば一定の勤続年数を経て、正社員と同等かそれ以上の成果とやる気があると会社が判断した場合、面接や試験を経て正社員への道が開かれるようです。
とはいえ、採用時期にばらつきがあるので、「あてにして応募して痛い目をみることもあるかもしれません」と武政さん。また、「正社員登用あり」が最近は必ずしも有効な条件ではなくなりつつあると述べました。
それはなぜか。今年、実施される労働契約法18条における「5年ルール」が正社員登用の道を広げつつあるため、あえて正社員の道を明示しなくても、同じ職場で長く働けば、自動的に長期安定雇用が実現できるようになる土壌も整ってきているからです。
■人材確保に向けて問われる企業の対応力
「正社員登用あり」の先にある条件など、採用の多様化は進んでいるようですが、企業や店舗が“働く力”を確保するために、今後どんな対応が求められるのでしょうか?
武政:パート・アルバイトが重要な戦力になる会社は、非正規のままで仕事をすることに魅力を打ち出す努力が必要となってきました。自由度の高さや、職務内容が限定されている反面、求職者のニーズに合っているなどです。ただしこれはどの職場でもできることなので、さらに独自の努力を打ち出していく必要があります。パート・アルバイトだけに行う研修プログラムや、独自のインセンティブ制度を設けたり、正社員よりも優遇されるくらいの仕組みを構築するような発想が、人材を獲得していく上では欠かせません。パート・アルバイトで働くことが魅力的に感じるように企業側も努力していかなければならない局面になっています。
バイトやパートでも職場で働くことの魅力が問われる時代、働きがいやモチベーションを高める努力など、さらなる付加価値が問われることになりそうです。
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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/