今、クリスマスのヒットソングが出ない理由

J-WAVEで放送中の番組「TOPPAN FUTURISM」(ナビゲーター:小川和也・相楽樹)。12月24日(日)のオンエアでは、音楽評論家の鹿野淳さんをお迎えしました。

小川は、「今でも昔のクリスマスソングばかりが流れていて、最近はクリスマスのヒットソングが出てないんじゃないか?」との印象を持っているようですが…

鹿野:日本の場合、1970年代の後半から消費活動が活性化し、その一連として、クリスマスソングが出てきたことが印象深いですね。
小川:では、日本でクリスマスソングがリリースされるようになったのは、1970年あたりなんですか?
鹿野:そうですね。「クリスマスにどこのレストランを予約するのか」「クリスマスは渋谷じゃなくて、やっぱり六本木」といった、「特別にシャレた場所に行くんだ!」という時代を彩ることの1つとしてクリスマスソングがありました。そこに音楽業界もどんどん参入していって、「冬の歌といえば、クリスマスソング」という形がでてきたんです。
小川:僕らの世代だと、CMとタイアップしたクリスマスの名曲が、セットとして世の中に流通していく感じだと思うんですけど…。
鹿野:一番メジャーなのが、ユーミンの「恋人がサンタクロース」(1980年)、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」(1983年)、そして、サザンオールスターズの「シャ・ラ・ラ」(1980年)と、いまだに日本を代表するシンガーが国民的なクリスマスの大名曲を発売したのが1980年代初頭から中期くらいまでなんですよね。
小川:この3曲だけでも1980年代にかたまっていますね。

時代背景やCMのタイアップによって広がっていったクリスマスソングですが、現在ではヒットが生まれにくい背景があるそうです。その理由のひとつとして鹿野さんは、「日本でハロウィーンが台頭してきた影響が大きい」と話します。鹿野さんいわく、この5年間でハロウィーン・ブームが起こり、そのブームはいまだにずっと右肩上がりで、「ハロウィーンがクリスマスを完全に食っちゃってると思うんですよね」とのこと。

他にもクリスマスソングについての貴重な考察があれこれ飛び出しましたが、最後に「良いクリスマスソングと出会うために必要なこと」を伺うと、鹿野さんいわく「『僕らは1人で生きていない』という考え方を持つこと」だそう。

鹿野:本当に苦しくなったときにすがるのは、自分が1番大切にしていた存在…それは家族であったり、苦しかった時に助けてくれた友達だったりだと思うんです。そういう“人の大切さ”をクリスマスではずっと歌い続けてきて、そういうものが音楽の中に必要だとクリスマスソングは教え続けてくれたと思うんです。今、クリスマスソングが少なくなっているのだとすれば、改めて僕ら自身が、どうして今自分が生きているのか、誰に生かされているのかを考え、そういう空気が人間の中で生まれてきたときに、また音楽が時代を変えていくと思います。そうすれば、あの頃のクリスマスソングのソウルをアップデートしたかたちで奏でてくれるんじゃないかな。

そんなふうに話してくれた鹿野さんでした。

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【番組情報】
番組名:「TOPPAN FUTURISM」
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/futurism/

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