J-WAVEで放送中の番組『FUTURISM』(ナビゲーター:小川和也・南沢奈央)。12月22日(日)のオンエアでは、2020年1月31日(金)公開の映画『AI崩壊』で監督・脚本を手掛けた入江 悠をゲストに迎え、「2030年。世の中はAI(人工知能)で崩壊してしまうのか?」をテーマに、未来のAIについて考えた。
■AIを題材にした理由
映画『AI崩壊』のあらすじは……。
舞台は2030年の日本。年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴など、国民のあらゆる個人データを管理する医療AI「のぞみ」が暴走し、生きる価値のない人間を選別して殺戮するという未曾有のパニックを引き起こす。そんな中、「のぞみ」を開発した桐生浩介(大沢たかお)がAIを暴走させたテロリストの容疑者と断定されてしまう。天才科学者から一転、容疑者となった桐生の決死の逃亡劇がはじまる……。
映画『AI崩壊』公式ホームページ
小川:昔から「AIを題材にした映画を撮ろう」と考えていたんですか?
入江:そんなに昔からではありません。ただ、AI自体に興味があったので、最近の日本の盛り上がりから「今なら企画が通るんじゃないか」と思い脚本を書きました。
小川:なぜAIに興味を持たれたんですか?
入江:僕が映画にハマった子どもの頃は『ターミネーター』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかSF映画の全盛期だったので、「AIって何だろうな」と子ども心に吸い込まれていました。
南沢:今回、AIをテーマにした映画なので、AIについて勉強されたんではないですか。 入江:漫画とか映画で知っていたAIの知識だけじゃ書けなかったので、専門家に取材しながら覚悟を決めて書きました。
■AIと社会課題は密接な関係
入江は、映画『AI崩壊』の設定を2030年にした理由について「僕たちの生きている社会と地続きで観てもらえる映画にしたかった」と語る。
入江:ふと「今から10年前ってどうだったんだろうか」と考えたときに、スマホが普及したのってわりと最近だなと。そういった気付かない変化って訪れているんじゃないかなと思って、10年というスパンだったら日本映画でも描けるのではないかと考えました。
小川:一方で2030年ってけっこうリアルな世界なので、演出は難しくなかったですか?
入江:それは難しかったですね。「僕たちの社会がどんな風になっていくか」まで考えなければいけなくなる。100年後の世界とかになると手塚治虫の漫画『火の鳥』みたいに空想的な内容が許されるけど、10年後だと地に足を付けたものじゃないといけなくなるので。
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会
また、設定を2030年にしたもうひとつの理由に「2020年東京オリンピック・パラリンピック後の世界を描きたかった」からだと明かす。
入江:今、都市も地方も変化していますよね。僕がデビューした作品が『SR サイタマノラッパー』という埼玉県の田舎を舞台にした映画だったこともあり、ローカルと東京の関係に感心があったんですよね。どういうふうに都市が変貌していくのかと考えたときに、少子高齢化は進行していくので、そこら辺の影響がでるんじゃないかなと思って、オリンピック後の世界を設定しました。
小川:映画に登場する社会課題は現実でもありますよね。
入江:そうですね。AIを研究者も未来の社会を設計することにそれらが密接に関わるという考えを持っているので、AIを扱う上で外せないことだと思います。
■AIと人間が共存するカギは?
入江は映画『AI崩壊』で医療AIを登場させたことについて、こう語る。
入江:AIが最初に一番力を発揮するのは医療分野じゃないかと仮説を立てました。難病治療や個別医療などにAIが強い力を持つと思うので。
小川:おそらくガンの診断は早い段階でみなさんが「AIってこう役立つんだ」と実感できるサービスになるんじゃないかと思います。
入江:レントゲンなど個人のデータを見るのも、人力で確認するよりAIでやったほうが早くて正確性もあるんじゃなかと。そういった内容はかなりリサーチしましたね。
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会
入江は、10年後の未来にAIと人間が共存するカギは「人に会いに行くこと」だと話す。
入江:AI化が進むと、いろいろと自動でやってくれることも増え、人間一人ひとりが分断されていくような気がします。でも、目の前の人と話すことで得られる情報って意外と多いんです。そういった「こういう人が話しているんだ」とか「こういう肉声なんだ」とかの部分は、まだAIが取りこぼすノイズだと思います。そういう情報は、人間にとってこれから重要になってくると思います。
最後に入江は、「これからAIと付き合わざるを得ない社会になると思うので、映画『AI崩壊』がその入口になれば」と語った。ぜひ劇場へ足を運び、2030年の社会を想像してみては? 映画『AI崩壊』は、2020年1月31日(金)全国ロードショー。
『FUTURISM』では、「未来を創る鍵を探る」をテーマに、各分野で活躍するゲストを毎回迎えてお送りしている。時間は21時から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年12月29日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『FUTURISM』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/futurism/
▼公開情報
タイトル:『AI崩壊』
公開表記:2020年1月31日(金)全国ロードショー
配給表記:ワーナー・ブラザース映画
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会
■AIを題材にした理由
映画『AI崩壊』のあらすじは……。
舞台は2030年の日本。年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴など、国民のあらゆる個人データを管理する医療AI「のぞみ」が暴走し、生きる価値のない人間を選別して殺戮するという未曾有のパニックを引き起こす。そんな中、「のぞみ」を開発した桐生浩介(大沢たかお)がAIを暴走させたテロリストの容疑者と断定されてしまう。天才科学者から一転、容疑者となった桐生の決死の逃亡劇がはじまる……。
映画『AI崩壊』公式ホームページ
小川:昔から「AIを題材にした映画を撮ろう」と考えていたんですか?
入江:そんなに昔からではありません。ただ、AI自体に興味があったので、最近の日本の盛り上がりから「今なら企画が通るんじゃないか」と思い脚本を書きました。
小川:なぜAIに興味を持たれたんですか?
入江:僕が映画にハマった子どもの頃は『ターミネーター』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかSF映画の全盛期だったので、「AIって何だろうな」と子ども心に吸い込まれていました。
南沢:今回、AIをテーマにした映画なので、AIについて勉強されたんではないですか。 入江:漫画とか映画で知っていたAIの知識だけじゃ書けなかったので、専門家に取材しながら覚悟を決めて書きました。
■AIと社会課題は密接な関係
入江は、映画『AI崩壊』の設定を2030年にした理由について「僕たちの生きている社会と地続きで観てもらえる映画にしたかった」と語る。
入江:ふと「今から10年前ってどうだったんだろうか」と考えたときに、スマホが普及したのってわりと最近だなと。そういった気付かない変化って訪れているんじゃないかなと思って、10年というスパンだったら日本映画でも描けるのではないかと考えました。
小川:一方で2030年ってけっこうリアルな世界なので、演出は難しくなかったですか?
入江:それは難しかったですね。「僕たちの社会がどんな風になっていくか」まで考えなければいけなくなる。100年後の世界とかになると手塚治虫の漫画『火の鳥』みたいに空想的な内容が許されるけど、10年後だと地に足を付けたものじゃないといけなくなるので。
また、設定を2030年にしたもうひとつの理由に「2020年東京オリンピック・パラリンピック後の世界を描きたかった」からだと明かす。
入江:今、都市も地方も変化していますよね。僕がデビューした作品が『SR サイタマノラッパー』という埼玉県の田舎を舞台にした映画だったこともあり、ローカルと東京の関係に感心があったんですよね。どういうふうに都市が変貌していくのかと考えたときに、少子高齢化は進行していくので、そこら辺の影響がでるんじゃないかなと思って、オリンピック後の世界を設定しました。
小川:映画に登場する社会課題は現実でもありますよね。
入江:そうですね。AIを研究者も未来の社会を設計することにそれらが密接に関わるという考えを持っているので、AIを扱う上で外せないことだと思います。
■AIと人間が共存するカギは?
入江は映画『AI崩壊』で医療AIを登場させたことについて、こう語る。
入江:AIが最初に一番力を発揮するのは医療分野じゃないかと仮説を立てました。難病治療や個別医療などにAIが強い力を持つと思うので。
小川:おそらくガンの診断は早い段階でみなさんが「AIってこう役立つんだ」と実感できるサービスになるんじゃないかと思います。
入江:レントゲンなど個人のデータを見るのも、人力で確認するよりAIでやったほうが早くて正確性もあるんじゃなかと。そういった内容はかなりリサーチしましたね。
入江は、10年後の未来にAIと人間が共存するカギは「人に会いに行くこと」だと話す。
入江:AI化が進むと、いろいろと自動でやってくれることも増え、人間一人ひとりが分断されていくような気がします。でも、目の前の人と話すことで得られる情報って意外と多いんです。そういった「こういう人が話しているんだ」とか「こういう肉声なんだ」とかの部分は、まだAIが取りこぼすノイズだと思います。そういう情報は、人間にとってこれから重要になってくると思います。
最後に入江は、「これからAIと付き合わざるを得ない社会になると思うので、映画『AI崩壊』がその入口になれば」と語った。ぜひ劇場へ足を運び、2030年の社会を想像してみては? 映画『AI崩壊』は、2020年1月31日(金)全国ロードショー。
『FUTURISM』では、「未来を創る鍵を探る」をテーマに、各分野で活躍するゲストを毎回迎えてお送りしている。時間は21時から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年12月29日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『FUTURISM』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/futurism/
▼公開情報
タイトル:『AI崩壊』
公開表記:2020年1月31日(金)全国ロードショー
配給表記:ワーナー・ブラザース映画
(c)2019映画「AI崩壊」製作委員会