「地元の風紀が乱れる」? 児童養護施設設立の困難

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」。10月から時間帯を変更し、新ナビゲーターのグローバーが、曜日別に登場するジャーナリストと共に、日本、そして世界で起きているニュースの本質に迫ります。

10月4日(水)のオンエアでは、水曜日のニュース・スーパーバイザーのフォトジャーナリスト・安田菜津紀が登場。新コーナー「UP CLOSE」でNPO「Living in Peace」の副理事長をお迎えし、地域の反対で新設・移設が断念に追い込まれる問題が増えている児童養護施設について掘り下げました。

“家庭に近い環境で育てる”という考え方が定着し、少ない人数で暮らすカタチに移行しつつある児童養護施設。ところが、地元住民の反対で、そもそも児童養護施設を作ることができないというケースが各地で増えているそう。

児童養護施設というのは、社会的養護施設のひとつで、親の代わりに別の大人が養育者となって子どもを育てる仕組みです。現在は全国に約600箇所あり、3歳から18歳までの子どもが3万人ほど暮らしています。子どもたちは4、5年を施設で生活した後、親の元へ戻ったり、自立をしていきます。

では、子どもたちは主にどういった事情から施設で暮らすことになるのでしょうか? ひとつは虐待。深刻な虐待がある場合はやはり、親から引き離さないと子どもが危険です。他には“親の養育困難”と呼ばれるもので、金銭的に困窮しているとか、親の精神的な問題があったりすると、子どもが施設で生活することが多くなるのだそう。

施設は子どもを守るための場所なので、外からは中のことがわからなくなっているそう。しかし、実際に住んでいる子どもたちは、学校に通い、習い事や塾にも行っていますし、勉強が好きな子どもは大学に進学するなど、一般的な子どもの暮らしをしています。

最近では、地域の反対で建設が断念されるケースが増えているということですが、反対の声にはどんなものがあるのでしょうか?

「一般的に施設が新設される、移転されるという時に出てくるのは、やっぱり『どんな子どもたちが来るのかわからない』ということからくる、感情的な不安。マイナスなイメージの方が強く出てしまいますので、『問題児が来るんじゃないか』とか、そのことによって『地元の風紀が乱れるんじゃないか』っていうのがやっぱり率先します」(副理事長、以下同)

地域に根ざした施設と考えると、地域の人に理解されないと、作ることは困難になってしまいます。施設の新設・移転の反対問題は最近に始まったことではなく、常にある問題だそう。ちなみに反対の声の主になっている、“施設ができることによって地域の風紀が乱れる”ということは実際に起きているのでしょうか?

「ここで暮らしている子どもたちというのは、本当に普通の子どもなんですよね。我々は日常的に会ってますけど、『あ、普通のかわいらしい子どもだな』というのが我々の意見。ということは、外の地域の人たちが関わってくるときにも、おそらく、そういうことを感じてもらえるだろうと」

虐待の傷がまだ癒えていない子どもの中には、それが発達障害の傾向性に繋がっているという場合も一部あるそうですが、「それが周りの人に悪影響を及ぼすかというと、決してそんなことはない」と副理事長。現代では、発達障害的な問題を持つ人は施設の外にも、たくさんいることが常識的になっています。「そういう意味でも、悪影響を及ぼすっていうのは、一部いるかもしれませんけど、一部というのは、なにも施設に限ったことじゃなくて、一般的な話ですよね。だからそこもきちんと伝えていかなきゃいけないんだな、というのは感じます」と語ってくれました。

「Living in Peace」の活動についてはHPで知ることができるので、ぜひご覧になってみてください。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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