「ぷじぱらのぷぴちょ」って一体誰のこと?

J-WAVEの番組「GOOD NEIGHBORS」(ナビゲーター:クリス智子)。9月5日(火)のオンエアでは、文献学者の山口謠司さんをゲストにお迎えしました。

山口さんは大東文化大学文学部の准教授で、今年、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞)で、第29回和辻哲郎文化賞を受賞されました。また、『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』『日本語の奇跡』『大人の漢字教室』など、日本語に関する本をいくつも書かれています。

紀元前500年くらいまでさかのぼって過去の文献を読むことで日本語を研究されている山口さんは、そのおもしろさを“変化していくこと”だとおっしゃいます。「語彙の変化ももちろんありますし、発音の変化、そういうものを調べていくと、昔の人たちがどんな風なお話をしていたのか、しゃべり方をしていたのか、もう、掘っても掘ってもいっぱいおもしろいことがある」(山口さん、以下同)

これを聞いてクリスは「例えば奈良時代の人が今、目の前に来たとしましょう。そしたら会話は難しいんですか?」と質問。すると「まったくわからないと思いますね」と山口さん。当時の文章を読むことはできても、それは発音が違うからだそうです。

「例えば、“はひふへほ”って昔はなかったんですよ。奈良時代までいきますと、“ぱぴぷぺぽ”としか発音していないんですね。ですから、藤原不比等(ふじわらのふひと)っていう必ず日本史に出てくる人がいますけど、彼の名前も“ぷじぱらのぷぴちょ”っていうんです(笑)」

これには思わず「ほんとですか!?」と笑ってしまったクリスですが、事実のようです。当時の人に「ふじわらのふひと」と言っても、誰のことを言っているのか伝わらないそうです。ちなみに“はひふへほ”を使うようになったのは、江戸時代になってからとのこと。なんだか最近のような気がしますね。

時代によっての言葉の変化を知るには、その時代時代の辞書を並べて新しい言葉がいつ出てきたのかを調べていくのだそう。とても地道な作業です。

「言語というのは、だいたい100年単位に変わっていくんですよね。ですから、100年前の人とはお話ができるかもしれません」

例えば、150年前の明治時代の初めの頃の人たちが話していた言葉は、私たちは6割くらいはわからないかもしれない、とおっしゃいます。そうすると、何代も前の祖先とは、もし会えたとしても普通に話ができないのかもしれませんね。

ちなみに、昔の人は“さしすせそ”は“つぁちつつぇつぉ”、“たちつてと”は“ちゃちちゅちぇちょ”としか発音できなかったそうで、さらに話すスピードも現代人の3分の1くらいで、すごくゆっくりだった、とも。

語彙だけではなく、発音や話すスピードまで時代とともに変化しているのですね。とても奥深い日本語の歴史に驚かされたオンエアとなりました。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「GOOD NEIGHBORS」
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

関連記事