「美魔女」の生みの親がしかけるフリーペーパーって?

J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。お休み中の別所哲也に代わり、宮本絢子と、クルミドコーヒー店主・影山知明がナビゲーターを担当しました。8月1日(火)のオンエアでは、「TOKYO VOICE」編集長・山本由樹さんをお迎えし、お話を伺いました。

山本さんは光文社で「STORY」「美ST」といった雑誌を立ち上げ、“美魔女ブーム”の生みの親としても知られています。現在は新しいメディアやコンテンツマーケティングの形を作りあげています。

出版業界不況の中で、新しいチャレンジとして7月30日に創刊した「TOKYO VOICE」はフリーペーパー。「書店で売ることに希望が持てなくなった」「雑誌自体の説得力や信頼度が下がった」と、これまでやってきた雑誌という分野に対してシビアの意見も口にしていらっしゃいましたが、読者と広告主の両方から収入を得るという仕組みが壊れた今、「『TOKYO VOICE』でフリーという価値観を提供したかった」と語ります。

山本さんは「プロの仕事が必ずしも良いものとは言えない時代。一番良くないのは視聴者や読者に“共感性”という言葉で“寄り添おう”とすること」と言います。

「共感性というのは今を紐解く大事なキーワードですが、寄り添っちゃだめなんです。ファッション誌でも、読者をマーケティングして、ターゲットを明確にし、そこにピンポイントで作る、つまり寄り添おうとすると、みんな同じになって、結果的に同じような雑誌ばかりになってしまう。コンビニのようなサービスも看板が違うだけで、POSに管理されているから同じなんです。そこにイノベーションは起こらない」(山本さん)

そこで、これからのキーワードとして考えたのが「フリー」だそう。“無料”だけでなく“自由”という意味で、読者から買ってもらうための記事をやめれば、作り手側の思いや考えでものが作れて、際立ったものができれば自然と共感性も生まれるといいます。

「TOKYO VOICE」はA3サイズで、かばんに入らない、書店で並べることを想定しないなど、見た目から振り切っていますが、そのコンセプトも「東京にいる多様な人たちの声を届ける」というもので、これまで山本さんが手がけてきたようなファッションや店の情報も一切なく、ひたすら無名の東京人たちの生きる姿と声を届ける内容になっているそう。広告も、共感してくれるクライアントと話しながら作り上げるという自由なものなのだとか。

「書店に来ない若者たちに紙媒体を体験をしてほしい」という思いもあり、若者の集まるカフェやアパレルなど全国170ヶ所のショップで配布を始めた「TOKYO VOICE」。これまでの枠にとらわれない新たな感覚のメディアに注目です。

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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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