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劇場不足を逆手にとった「ラップで演劇」

劇場不足を逆手にとった「ラップで演劇」

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MITSUBISHI JISHO TOKYO DICTIONARY」。11月24日(木)のオンエアでは、昨今の都内の劇場不足の中で生まれた「ラップで演劇」をキーワードにお届けしました。

「2016年、劇場・ホールが不足する」。去年のこの時期、こんな話題がさまざまなメディアで報じられていました。実際に1970年代から80年代に建てられた施設の多くが改修期間に入り、演劇・小劇場の世界は劇場不足という課題に悩まされていますが、新たな潮流も生まれているようです。

「東京の小劇場事情は、省スペース・特殊な場所で演劇をやっている劇団が目立つようになりました」と語るのは、劇団「ジエン社」を主宰し、劇作家として活動する山本健介さん。劇場をステージとしない演劇で、彼らがステージとするのは、カフェや廃校になった学校の教室や貸会議室。実は今、そんな劇団が増えているそうです。

そうした空間でどんな演劇が上演されているのかというと、例えば「ラップで言葉と体と謎の動きで言葉をあちこちに構成する」ものだそうです。

ラップを演出に取り入れて活動している「東葛スポーツ」という演劇ユニットは、ステージには大きなセットはなく、演者がラップで劇を進行していきます。こうした作品を作ることについて、東葛スポーツを主宰する金山寿甲さんは「DJみたいなことを趣味でやっていたので、ラップをやりたいというより『ヒップホップ的な演劇をやってみたいな』と思い、一本、ラップ調で音楽を流して作りました。オリジナリティーのあるものができたので、この方向で進めていけば何か面白いものができると思いました」と、そのきっかけを語ってくれました。

金山さんのお話によると、例えば下北沢の劇場はもう数年先まで予約が埋まってとれないという事情もあるようです。セットがないため仕込みが1日でできる手軽さから、空いているギャラリーで上演してみたところ、手応えを感じだそうです。

実際に劇場がとれないという現実を直視しながら、既存の空間でできることを考え、行き着いたのが「ラップで演劇」。1970年代以降から、つかこうへい、野田秀樹、鴻上尚史、三谷幸喜といった人たちが活躍した新劇場ブームから40年以上経ち、この先東京では、劇場ではない舞台から新しい才能が羽ばたいていく予感を感じさせます。

ちなみに、今回紹介した「東葛スポーツ」が現在上演中の舞台も、もとは学校の教室だった場所がステージになっているそうですよ。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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