僧侶が語る、空海・かつ丼・ベイビーメタルの共通点

J-WAVE土曜 22時からの番組「OTHERS」(ナビゲーター:ふかわりょう)。9月24日のオンエアでは、「日本合コン協会」代表の絵音さんと一緒に、異色の経歴を持つお坊さん、飛鷹全法(ひだかぜんぽう)さんに、お寺や仏教の魅力について聞きました。

飛鷹全法さんは高野山別格本山 三宝院の副住職として、お坊さんというイメージの枠に捉われない多角的な活動を行っています。それもそのはず、その経歴からして異色でした。飛鷹さんは東京大学法学部を卒業後、大学院時代にITベンチャーの立ち上げに参画。その後、自ら起業し、国際交流基金事業のプロデュースをするなど、さまざまな仕事を経て、住職という道にたどり着いたというプロフィールを持っています。

そんな飛鷹さん。最終的に、「僕が言いたいのは、空海さんと、とんかつ屋の親父と、SU-METAL(BABYMETALのボーカル)は同じレイヤーにいるという話なんです。これを何とか多くの人と共有したい」というお話だったのですが、一体どういうことなのでしょう。

まずは「相当好き」という、かつ丼について。とんかつ屋のかつ丼か、蕎麦屋のかつ丼か…その命題に悩んでいたとき、その二つの技術を融合させた奇跡の融合を遂げた、とんかつ店「とんかつ やまいち」(神田)に出会ってしまったのだとか。

「まず、とんかつの肉の揚げ方が抜群でありつつ、それと出汁とご飯と卵の調和がまさに奇跡的なバランスで実現しているんですよ。これはすごいなと思って、この親父さんはただ者じゃないなと」(飛鷹さん)

そんな奇跡の融合を見せてくれたかつ丼屋の親父と、高野山の開祖、空海さんには共通点があると言いますが、どういうことなのでしょう。

飛鷹さんいわく、日本人は大みそかにはお寺の除夜の鐘を聞き、神社に初詣に行き、クリスマスやハロウィン文化も楽しむという、異質なものが共存するのが文化だと言えます。実はこれ、空海の影響が大きいとのこと。もともと日本にあった神様と大陸から伝来してきた仏教が共存するという仕組みをきちんと整えた人こそが、空海なのだそう。

「僕は空海さんという人は、ある意味、日本文化のOSみたいなものをデザインした人じゃないかなと思っていて。もし、OSが一つのアプリしか動かないということになると、ほかのものが入ったらフリーズしてしまうとか、排除しようという力学になるけども、そうではなく違うアプリが動くという設計をしていれば、密教とか、神道というアプリが共存できるわけです。多様性を許容することができること、それは日本文化のプラスの要素じゃないかと思っています」

さらに、話は大ファンだというBABYMETALの話へ。BABYMETALは、女性三人組の「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成されたユニット。その人気は海外から火がつき、現在ではコアなメタルファンさえも虜にしています。飛鷹さんは、その魅力について、熱く語ります。

「アイドルのかわいらしさとメタル音楽という、その調和を超えて新しい価値に変換し得ているのが、ボーカルであるSU-METALだと思うんです。彼女の歌とかパフォーマンス力は天才的だなと思っていて、ある時期の尾崎豊みたいな感じがするんですよ。限界を超えていく才能みたいな」

とんかつ屋の親父、SU-METAL、空海の共通点は、異質なものを融合させるという、不可能を可能にする情熱と天才性があるということなんですね。最後に、これから飛鷹さんがやりたいことについて聞きました。

「仏教というのは、ものすごいクリエイティブだし、空海さんという人もすごく面白い人なんです。でも、どんなふうにそこと触れ合っていいのか、インターフェイスがないと、なかなかそこに入って行けない。だから、僕みたいに外から入った人間が、多くの人たちに伝統の世界と触れ合うインターフェイスをデザインする、そんな役割みたいなのが、少しでもできればいいのかなと思っています」

これからの多様性のある時代をより豊かに生きるヒントは、意外と身近な、お寺や仏教という日伝統文化にあるのかも?と考えさせられたオンエアでした。

【関連サイト】
「OTHERS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/others/

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