J-WAVE土曜24時からの番組「BOOK BAR」(ナビゲーター:大倉眞一郎・杏)。毎週ナビゲーターの二人が「今読むべき本」としてオススメの本を持ち寄っていますが、9月24日のオンエアでは、杏がこんな本を持参していました。
その本は「良心は道徳をつくるが、その逆はないぞ」という芥川龍之介の言葉を引用するページから始まります(ちなみにその元の言葉は「良心は道徳をつくるかもしれぬ。しかし道徳はいまだかつて良心の『良』の字もつくったこともない」ですが)。杏のオススメはそんな“道徳”を見つめる本、『新しい道徳「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか』(北野武・著)です。
杏や大倉は“ビートたけし”こと北野武さんに対して、「道徳に寄り添っているキャラクターではなく、イメージとしては『道徳なんてよぉ』という立場」「ビートたけしで出てきたときは、まるで道徳をひっくり返すようなことを言っていた」というイメージを持っていますが、実際に北野さんのそういう観点からの“道徳”が書かれているそうで、杏は「北野さんが道徳を一冊どう語るんだろうか」ということがとても興味深く、手にとったのだとか。
杏によれば本の内容は、「道徳にはツッコミがたくさんできる」「数学はつっこめないしツッコミがないのが美しい」「なんなんだろう道徳って」という文章からスタートするそうで、小学校の道徳の授業でよく議題に上がるという「自分を見つめて」というテーマに対しても「他人さえ見つめられないし、見つめる必要なんてないんじゃないの?」「見つめる必要があるのなんて犯罪者くらいだろ」と、北野さんらしい言葉が綴られているようで、これには大倉も思わず吹き出していました。
その他にも「『ウサギとカメ』の話は響くのか? そもそも今の社会ではウサギはカメと闘ってくれないぞ?」など、杏によると「今なんとなく存在している“道徳”というものについて、ご自身の体験やツッコミを加えながら『そこから、あなたはどう考えますか?』と、語りかけられる」ような一冊になっているそうです。
大倉も、学校の道徳の授業について思うことがあったようで、「『これが正しいです』という授業は、基本的に道徳にはないはずだと思うんです」と提言。これについて杏は、北野さんの言葉を借りながら、こう話します。
「どうしても学校という期間の中で“正解”“不正解”をテストで提示しなきゃいけない。じゃあ『あなたはどんなことをすると気持ちがいいですか?』『最近うれしかったことは?』という質問に、先生や親が喜ぶ答えを言う子どもを形成するだけだと。確かにな、と。『これ言ったら怒られるだろうな』というのは…ちょっといろいろ考えさせられますね…」(杏)
本書の冒頭にも、「人の話を鵜呑みにする人は今すぐ本を閉じろ」「何かを得ようとしてこの本を開くな」というようなことが書かれており、本から何かを得ようとするのではなく、自分で考えることを促しています。この機会に手にとって考える時間をつくりたくなる1冊でした。
【関連サイト】
「BOOK BAR」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/bookbar/
その本は「良心は道徳をつくるが、その逆はないぞ」という芥川龍之介の言葉を引用するページから始まります(ちなみにその元の言葉は「良心は道徳をつくるかもしれぬ。しかし道徳はいまだかつて良心の『良』の字もつくったこともない」ですが)。杏のオススメはそんな“道徳”を見つめる本、『新しい道徳「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか』(北野武・著)です。
杏や大倉は“ビートたけし”こと北野武さんに対して、「道徳に寄り添っているキャラクターではなく、イメージとしては『道徳なんてよぉ』という立場」「ビートたけしで出てきたときは、まるで道徳をひっくり返すようなことを言っていた」というイメージを持っていますが、実際に北野さんのそういう観点からの“道徳”が書かれているそうで、杏は「北野さんが道徳を一冊どう語るんだろうか」ということがとても興味深く、手にとったのだとか。
杏によれば本の内容は、「道徳にはツッコミがたくさんできる」「数学はつっこめないしツッコミがないのが美しい」「なんなんだろう道徳って」という文章からスタートするそうで、小学校の道徳の授業でよく議題に上がるという「自分を見つめて」というテーマに対しても「他人さえ見つめられないし、見つめる必要なんてないんじゃないの?」「見つめる必要があるのなんて犯罪者くらいだろ」と、北野さんらしい言葉が綴られているようで、これには大倉も思わず吹き出していました。
その他にも「『ウサギとカメ』の話は響くのか? そもそも今の社会ではウサギはカメと闘ってくれないぞ?」など、杏によると「今なんとなく存在している“道徳”というものについて、ご自身の体験やツッコミを加えながら『そこから、あなたはどう考えますか?』と、語りかけられる」ような一冊になっているそうです。
大倉も、学校の道徳の授業について思うことがあったようで、「『これが正しいです』という授業は、基本的に道徳にはないはずだと思うんです」と提言。これについて杏は、北野さんの言葉を借りながら、こう話します。
「どうしても学校という期間の中で“正解”“不正解”をテストで提示しなきゃいけない。じゃあ『あなたはどんなことをすると気持ちがいいですか?』『最近うれしかったことは?』という質問に、先生や親が喜ぶ答えを言う子どもを形成するだけだと。確かにな、と。『これ言ったら怒られるだろうな』というのは…ちょっといろいろ考えさせられますね…」(杏)
本書の冒頭にも、「人の話を鵜呑みにする人は今すぐ本を閉じろ」「何かを得ようとしてこの本を開くな」というようなことが書かれており、本から何かを得ようとするのではなく、自分で考えることを促しています。この機会に手にとって考える時間をつくりたくなる1冊でした。
【関連サイト】
「BOOK BAR」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/bookbar/