J-WAVE平日20時からの番組「JAM THE WORLD」(水曜ナビゲーター:安田菜津紀)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。8月24日(水)のオンエアでは、フィンランドの育児支援制度「ネウボラ」について、世田谷版ネウボラをスタートさせた世田谷区長、保坂展人さんにお話を伺いました。
日本では先日発表された厚生労働省のまとめで、全国の児童相談所が昨年度に対応した児童虐待の件数が、過去最多の10万件を超えたことが明らかになったばかり。増え続ける児童虐待への対応を強化するため、厚生労働省は育児問題を抱える家庭を支援する拠点の整備を進める姿勢ですが、そんな中で、児童虐待が激減し、出生率もアップしたフィンランドの育児支援制度「ネウボラ」に大きな注目が集まっているのだそうです。
保坂さんいわく、「ネウボラ」とはフィンランド語で「相談する場」という意味だそうで、フィンランドでは妊娠がわかると病院ではなくまずネウボラに行き、そこで自分の担当となる保健師=「ネウボラおばさん」に会います。
そしてそのネウボラおばさんと共に、妊娠中の検査から、出産に関わるいろいろな手続きを一緒にしていくのです。この二人三脚は出産後も子どもが学校に入るまでの長期間続くそうで、この期間の記録は50年間保存され、子どもが思春期になって問題が出たときなど、成長の過程で振り返る材料になるだけでなく、その子が親になったとき、サポートの力の入れ具合の手掛かりとしても役立っているそうです。
ちなみにフィンランドは2014年、NGO団体「Save the Children」が発表した「母親に優しい国ランキング」で1位になりました。日本は残念ながら32位。フィンランドが「お母さんに優しい国」だと感じたひとつの例として保坂さんが挙げたのが、国から贈られる「育児パッケージ」です。これはベビーベッドサイズの箱の中に、約50のアイテム(防寒具や室内着、おむつ、哺乳瓶、ブラシ、歯磨き粉、よだれかけなど)が入っていて、このパッケージがあればとりあえず子育てができる、というもの。
「フィンランドでは赤ちゃんが生まれたとき、祝い金か育児パッケージかどちらかを選ぶことができるのですが、ほとんどの母親たちがこの育児パッケージを選んでいるそうです。子どもが生まれると国から育児のための小包が届くというのは非常に素晴らしいことだと思います」(保坂さん、以下同)
そんな保坂さんが区長を務める世田谷区では、先月7月から「世田谷版ネウボラ」がスタートしました。
「フィンランドとの大きな違いは、世田谷区の方が人口がとても多い上に、保健師さんの数は少ない点です」と語る保坂さん。これまでも世田谷区ではプレママパパ講座や、産後ケアセンターで助産師さんからアドバイスを受けられるなど、出産育児支援サービスはありましたが、各場所で会う担当者は全員、違う人でした。
「ネウボラおばさんのように、子どもが生まれてから育っていく過程を1人の担当者がトータルで支援していく方が的確なアドバイスをしやすい。本当は世田谷区も1人の保健師さんが1人の妊婦さんを見ることにしたいんですが、今は人数的に無理なので、まずは世田谷区を大きく5つのエリアに分け、保健師さん、看護師さん、助産師さんら子どもに関わる専門家で5つのチームを作り、チームごとに各地域のこれから子どもを生み育てる皆さんの相談を受けるかたちでスタートしました。
今は始まったばかりなので、違う保健師さんが対応することも時にはあるかもしれません。しかし少なくともチームで情報は共有でき、チームで支え見守るというかたちはこれまでありませんでしたし、今は5チームですが、将来はその数をどんどん増やしていきたいと思っています」
さて、8月25日(木)20時から始まる「JAM THE WORLD」のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」では、テロや麻薬、犯罪多発地帯に潜む闇を、危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんが緊急リポート。世界が抱える犯罪ネガティブをポジティブに変える秘策について一緒に考えます。どうぞお聴き逃しなく!
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
日本では先日発表された厚生労働省のまとめで、全国の児童相談所が昨年度に対応した児童虐待の件数が、過去最多の10万件を超えたことが明らかになったばかり。増え続ける児童虐待への対応を強化するため、厚生労働省は育児問題を抱える家庭を支援する拠点の整備を進める姿勢ですが、そんな中で、児童虐待が激減し、出生率もアップしたフィンランドの育児支援制度「ネウボラ」に大きな注目が集まっているのだそうです。
保坂さんいわく、「ネウボラ」とはフィンランド語で「相談する場」という意味だそうで、フィンランドでは妊娠がわかると病院ではなくまずネウボラに行き、そこで自分の担当となる保健師=「ネウボラおばさん」に会います。
そしてそのネウボラおばさんと共に、妊娠中の検査から、出産に関わるいろいろな手続きを一緒にしていくのです。この二人三脚は出産後も子どもが学校に入るまでの長期間続くそうで、この期間の記録は50年間保存され、子どもが思春期になって問題が出たときなど、成長の過程で振り返る材料になるだけでなく、その子が親になったとき、サポートの力の入れ具合の手掛かりとしても役立っているそうです。
ちなみにフィンランドは2014年、NGO団体「Save the Children」が発表した「母親に優しい国ランキング」で1位になりました。日本は残念ながら32位。フィンランドが「お母さんに優しい国」だと感じたひとつの例として保坂さんが挙げたのが、国から贈られる「育児パッケージ」です。これはベビーベッドサイズの箱の中に、約50のアイテム(防寒具や室内着、おむつ、哺乳瓶、ブラシ、歯磨き粉、よだれかけなど)が入っていて、このパッケージがあればとりあえず子育てができる、というもの。
「フィンランドでは赤ちゃんが生まれたとき、祝い金か育児パッケージかどちらかを選ぶことができるのですが、ほとんどの母親たちがこの育児パッケージを選んでいるそうです。子どもが生まれると国から育児のための小包が届くというのは非常に素晴らしいことだと思います」(保坂さん、以下同)
そんな保坂さんが区長を務める世田谷区では、先月7月から「世田谷版ネウボラ」がスタートしました。
「フィンランドとの大きな違いは、世田谷区の方が人口がとても多い上に、保健師さんの数は少ない点です」と語る保坂さん。これまでも世田谷区ではプレママパパ講座や、産後ケアセンターで助産師さんからアドバイスを受けられるなど、出産育児支援サービスはありましたが、各場所で会う担当者は全員、違う人でした。
「ネウボラおばさんのように、子どもが生まれてから育っていく過程を1人の担当者がトータルで支援していく方が的確なアドバイスをしやすい。本当は世田谷区も1人の保健師さんが1人の妊婦さんを見ることにしたいんですが、今は人数的に無理なので、まずは世田谷区を大きく5つのエリアに分け、保健師さん、看護師さん、助産師さんら子どもに関わる専門家で5つのチームを作り、チームごとに各地域のこれから子どもを生み育てる皆さんの相談を受けるかたちでスタートしました。
今は始まったばかりなので、違う保健師さんが対応することも時にはあるかもしれません。しかし少なくともチームで情報は共有でき、チームで支え見守るというかたちはこれまでありませんでしたし、今は5チームですが、将来はその数をどんどん増やしていきたいと思っています」
さて、8月25日(木)20時から始まる「JAM THE WORLD」のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」では、テロや麻薬、犯罪多発地帯に潜む闇を、危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんが緊急リポート。世界が抱える犯罪ネガティブをポジティブに変える秘策について一緒に考えます。どうぞお聴き逃しなく!
【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/