佐々木俊尚が語る「多拠点居住」のススメ

J-WAVE日曜朝6時からの番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「FRONTIERS」。8月14日のオンエアでは、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚さんをお迎えしました。

佐々木さんは、東京だけでなく日本全国に活動の拠点を合計3つ持つ「3拠点居住」を実践されています。その場所とは、軽井沢と福井だそうですが、3拠点居住を始めたきっかけは、東日本大震災。東京だけに家があることが不安になったことで、軽井沢の家は震災の年から借り始めたそうです。

そして福井の家は「福井の会社の人たちと共同で、陶芸作品に絵を描くというアート活動」を始めることになり、その関係で陶芸施設の中に家を持つようになったのだとか。

1ヶ月の中の割合で言うと、4週間のうち1週間は軽井沢。4日ほど福井というペースで行っているそうです。「3拠点居住」と聞くと少し大変そうですが、「良い点」を聞いてみると「人間関係がそれぞれ別にあるので、東京だけの人間関係の輪ではない、新しい人間関係がどんどん増えていくおもしろさ」と答える佐々木さん。これを聞いた平井は「移住した先のコミュニティにうまく馴染めなくて悩むという話も聞きますが…」と疑問をぶつけます。

しかし、佐々木さんは「そういう人こそ、まず『多拠点居住』から入ったほうがいい」と断言。

その理由はと言うと、「『地方に移住したい』と、いきなり東京から離れると、そりゃ行った先で馴染めなかったり、東京が恋しくなったり、人間関係で悩んでも相談できる人がいなかったり…と、いろいろ起きてしまうんです。地方は家賃が安いので、まず借りて、行ったり来たりしてみると向こうに行って寂しくなったら東京に戻って来ればいいし、向こうで話し相手がいなければ東京の友人に相談すればいいし…と、少しずつコミュニティに入っていくことができるんじゃないか」と、実体験をもとにした持論を話してくれました。

実際、限界集落に移住した佐々木さんの友人も、すぐ移り住んで限界集落の閉鎖的なコミュニティで「あの人誰?」とならないように、「まず家を借りてお盆と正月だけ行き、ひよこまんじゅうを近所のおばあちゃんに配ってました(笑)」という下準備をして馴染んでから移住すると、コミュニティにも入りやすかったそうです。

佐々木さんの持論としては、移住を考えている人もまず多拠点居住を試してみて、「いざとなれば東京に帰ればいいくらいの気持ちで行ったほうがいいと思います」とのことでした。

地方のコミュニティを作りたい人、東京に疲れた人、これから移住を考えている人…。さまざまな人にオススメできる「多拠点居住」。これから実践していく人が増えていくかもしれませんね。

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

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