J-WAVE月ー木曜22時の番組「AVALON」(水曜ナビゲーター:満島真之介)。8月10日のオンエアでは、「自殺」について議論しました。かなり重いテーマですが、命について考える上で決して避けられないテーマでもあります。
「僕はこういう話をしたかった、というか、みんなと一緒に考えたかった」と満島。スタジオでは今回このテーマを一緒に考えてくださるゲストとして、「夜回り先生」こと、水谷修さんをお迎えしました。
水谷さんは、かつて定時制高校の先生として、毎晩生徒たちが夜遊びしそうな場所を巡回し、子どもたちが誤った道に進まないよう、時に優しく時に厳しく生徒を指導されてきました。
水谷さんと初めてお会いした満島は、「日本人の先輩方の中で、会いたい方5本の指に入るんです」と感激。
水谷さんが「夜回り」を始めたのは、今から25年前、35歳のとき。当時、横浜にある生徒数800人という全国最大の夜間高校に勤められていました。
「その子どもたちは授業に来ない、来ても邪魔する、暴れる。しかも横浜中華街の入り口にあって、周りは非常に危険な場所なんですね。その子どもたちと人間関係を作ろう、危険なことに巻き込まれないように早く帰そうと思って始めたのが、“夜回り”です」(水谷さん)
25年間、子どもたちと接してきた中で、「時代によっての子どもたちが抱える問題の変化はありますか?」との満島の質問に、「全く違います」と水谷さん。
昔は、夜の街はギラギラした目の子どもたちで溢れていて、暴走族も盛んで、みんな生きる力が溢れていた…と振り返りました。しかし「この10年、“夜回り”空振りです。夜の街に子どもたちがいない」(水谷さん)。一見、それは良いことのように思えますが、実はそうではないそうです。
その理由はスマホ。現代の子どもたちは、わざわざ夜の街に出かけなくても、スマホがあれば十分遊べてしまいます。外に出ないことで、心を病む子どもたちが増えているそうです。
「家にいてスマートフォンやってたって、誰とも触れ合わない。夜なんていうのは、考えることが全て暗くなる時間なんですね。太陽の下では誰も死にたいなんて思わない。でも、夜はちょっとしたことで『死にたい』になってしまう…」と、現代の子どもたちが抱える問題を語る水谷さん。
家の外に出ないことで、子どもたちの抱える心の病や問題、そしてそのことによって「自殺」の方向に進む子どもたちが、昔よりも見えにくくなっているのかもしれません。
水谷さんは、「死にたい」など、いろいろな悩みを抱える子どもたちの声を24時間体制で聞く「水谷青少年問題研究所」を2004年に作られました。それから12年。電話の数は数え切れず、届いたメールは91万件、関わった子どもたちの数は40万人以上にもなるそうです。その中で悲しいことに227人もの子どもたちが自ら死を選びました。
「一人の子が死ぬたびに…何度辞めようと思ったかわかりません。それでも闘い続けてきたのは、関わった子どもたちの本当に多くが、笑顔になって昼の世界に戻ってきてくれるから」(水谷さん)
しかし、水谷さんはこうも話します。
「よく僕に『あなたはたくさんの人を救ってる』って言う人がいる。僕は誰一人助けたことがない。人なんて人を助けられない。しかも言葉でなんて。(中略)自分は自分で救わなければない。僕は教員だから教えているだけです」。確かに「言葉で救われた」とは言いますが、言葉はきっかけや理由であって、自分を救えるのは最終的には自分しかいないのかもしれません。
今回、そんな水谷さんが番組に出演してくださったのには、ある理由がありました。「この番組に出ようと思ったのは、満島くんが大好きなんだけど、日本一周やったんでしょ? 自転車で」と水谷さん。
満島は、20歳のときに自転車で日本一周をやり遂げたのですが、水谷さん曰く「(自転車での日本一周は)人を一番強くする」とのこと。日中は一生懸命走って、夜は「死にたい」なんて考える余裕もないほど疲れきっている…。そして行く先々で出会う人たちとの触れ合いがあります。
「実は今から1,200年前、弘法大師空海が四国88カ所のお遍路で、このことに気付いていたんです」と水谷さん。そして「これから悩んでいる子には、満島くんのように自転車で日本一周しろ、と勧めようかと思ってます」話しました。
それを受けて満島も「おすすめします! いいんですよ、失敗したって。途中で帰ったって。だからその一歩。自転車で10キロ走るだけでいい。その一歩を出すことがとても大切かもしれない」と、今悩んでいる子どもたちに向けてメッセージを送りました。さらに「悩むな! 動け!」と水谷さん。
今回、とてもシビアな内容でしたが、いつにも増してリスナーのみなさんからメッセージが届きました。それに満島は、「何か誰かに言いたい、伝えたいんだけど、この人に伝えるのは怖いし、これが広まったらやだなぁ…とか、いろんなことをみんな思うと思うわけ。でも、今日の『AVALON』がそういう(自分の言いたいことを言える)場をになった」と、手応えを感じていました。
あなたは「自殺」について、どう考えますか?
【関連サイト】
「AVALON」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/avalon/
「僕はこういう話をしたかった、というか、みんなと一緒に考えたかった」と満島。スタジオでは今回このテーマを一緒に考えてくださるゲストとして、「夜回り先生」こと、水谷修さんをお迎えしました。
水谷さんは、かつて定時制高校の先生として、毎晩生徒たちが夜遊びしそうな場所を巡回し、子どもたちが誤った道に進まないよう、時に優しく時に厳しく生徒を指導されてきました。
水谷さんと初めてお会いした満島は、「日本人の先輩方の中で、会いたい方5本の指に入るんです」と感激。
水谷さんが「夜回り」を始めたのは、今から25年前、35歳のとき。当時、横浜にある生徒数800人という全国最大の夜間高校に勤められていました。
「その子どもたちは授業に来ない、来ても邪魔する、暴れる。しかも横浜中華街の入り口にあって、周りは非常に危険な場所なんですね。その子どもたちと人間関係を作ろう、危険なことに巻き込まれないように早く帰そうと思って始めたのが、“夜回り”です」(水谷さん)
25年間、子どもたちと接してきた中で、「時代によっての子どもたちが抱える問題の変化はありますか?」との満島の質問に、「全く違います」と水谷さん。
昔は、夜の街はギラギラした目の子どもたちで溢れていて、暴走族も盛んで、みんな生きる力が溢れていた…と振り返りました。しかし「この10年、“夜回り”空振りです。夜の街に子どもたちがいない」(水谷さん)。一見、それは良いことのように思えますが、実はそうではないそうです。
その理由はスマホ。現代の子どもたちは、わざわざ夜の街に出かけなくても、スマホがあれば十分遊べてしまいます。外に出ないことで、心を病む子どもたちが増えているそうです。
「家にいてスマートフォンやってたって、誰とも触れ合わない。夜なんていうのは、考えることが全て暗くなる時間なんですね。太陽の下では誰も死にたいなんて思わない。でも、夜はちょっとしたことで『死にたい』になってしまう…」と、現代の子どもたちが抱える問題を語る水谷さん。
家の外に出ないことで、子どもたちの抱える心の病や問題、そしてそのことによって「自殺」の方向に進む子どもたちが、昔よりも見えにくくなっているのかもしれません。
水谷さんは、「死にたい」など、いろいろな悩みを抱える子どもたちの声を24時間体制で聞く「水谷青少年問題研究所」を2004年に作られました。それから12年。電話の数は数え切れず、届いたメールは91万件、関わった子どもたちの数は40万人以上にもなるそうです。その中で悲しいことに227人もの子どもたちが自ら死を選びました。
「一人の子が死ぬたびに…何度辞めようと思ったかわかりません。それでも闘い続けてきたのは、関わった子どもたちの本当に多くが、笑顔になって昼の世界に戻ってきてくれるから」(水谷さん)
しかし、水谷さんはこうも話します。
「よく僕に『あなたはたくさんの人を救ってる』って言う人がいる。僕は誰一人助けたことがない。人なんて人を助けられない。しかも言葉でなんて。(中略)自分は自分で救わなければない。僕は教員だから教えているだけです」。確かに「言葉で救われた」とは言いますが、言葉はきっかけや理由であって、自分を救えるのは最終的には自分しかいないのかもしれません。
今回、そんな水谷さんが番組に出演してくださったのには、ある理由がありました。「この番組に出ようと思ったのは、満島くんが大好きなんだけど、日本一周やったんでしょ? 自転車で」と水谷さん。
満島は、20歳のときに自転車で日本一周をやり遂げたのですが、水谷さん曰く「(自転車での日本一周は)人を一番強くする」とのこと。日中は一生懸命走って、夜は「死にたい」なんて考える余裕もないほど疲れきっている…。そして行く先々で出会う人たちとの触れ合いがあります。
「実は今から1,200年前、弘法大師空海が四国88カ所のお遍路で、このことに気付いていたんです」と水谷さん。そして「これから悩んでいる子には、満島くんのように自転車で日本一周しろ、と勧めようかと思ってます」話しました。
それを受けて満島も「おすすめします! いいんですよ、失敗したって。途中で帰ったって。だからその一歩。自転車で10キロ走るだけでいい。その一歩を出すことがとても大切かもしれない」と、今悩んでいる子どもたちに向けてメッセージを送りました。さらに「悩むな! 動け!」と水谷さん。
今回、とてもシビアな内容でしたが、いつにも増してリスナーのみなさんからメッセージが届きました。それに満島は、「何か誰かに言いたい、伝えたいんだけど、この人に伝えるのは怖いし、これが広まったらやだなぁ…とか、いろんなことをみんな思うと思うわけ。でも、今日の『AVALON』がそういう(自分の言いたいことを言える)場をになった」と、手応えを感じていました。
あなたは「自殺」について、どう考えますか?
【関連サイト】
「AVALON」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/avalon/