お弁当は交換日記 伊藤まさこの『おべんと帖 百』

J-WAVE土曜の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・善奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。4月16日のオンエアでは、スタイリストの伊藤まさこさんが登場しました。

伊藤さんは自他ともに認める“食いしん坊”で、スタイリストとしての仕事や子育てに奮闘しつつ、美味しいものを求めて日本各地はもちろん海外にも出かけます。そんな伊藤さんの『おべんと帖 百』は、お弁当を軸に母と娘の日々をつづったエッセイ。現在高校3年生の娘さんに、小学校から10年間、毎日お弁当を作ってきたそうです。

伊藤さんが使っているのは、娘さんが小学校入学のとき買った「曲げわっぱ」のお弁当箱。しかし彼女が中学生になった頃、「もっと可愛いピンクのが欲しい」と言われ、買い替えたこともあるそう。ところが、3ヶ月くらいで「もういい。こっちの曲げわっぱの方がおいしいそう」と、もとの曲げわっぱのお弁当に戻ったそうです。

「曲げわっぱ自体が呼吸をするので、すごくご飯がおしくなるし、作る人にとっても食べる人にとっても良いお弁当箱だなって、使ってみて実感しました。このお弁当箱も10年目なので、すごく思い入れがありますね」(伊藤さん、以下同)

そんなお弁当箱を使った毎日のお弁当づくりですが、伊藤さん母娘にとって、お弁当は大きなコミュニケーションツールだったと話します。

「私にとっては、娘に作るお弁当は交換日記みたいな感じかなぁ。すごい忙しい日があって、全然話せなくても、空のお弁当箱を見たら『今日は元気だったんだね』ってホッとするっていうか。『ごちそうさま』って行ってくれたら嬉しいとか。私も忙しいので、あまり構ってあげられないんですね。でもご飯だけはちゃんと作ろうっていうのは、お弁当づくりが始まったときに決めたことで。娘もそれを大事にしてることは分かってくれてると思う」

それは、こんなエピソードからも読み取れます。

「中学生くらいかな、『おいしかったよ、ごちそうさま』と言ってくれるようになったり、前は『ごちそうさま』って行ってポンと(お弁当箱を)置くだけだったんだけど、最近は洗ったりとか。お弁当を通してだんだん娘は大人になっているとか、成長を感じたりします。最初から考えると10年、大きくなったなと思います」

これを聞いた渡辺祐は、「娘さんに作るお弁当は交換日記。文章は書いてないけど、お互いにちゃんとそこには言葉がある、ということなんですね」とコメント。「1個の道具を長く大事に使うことも教えられるよね。(お弁当箱は)子どもにとって初めて、5年とか10年とかいう単位で1つの道具を使い続けるってことに気付く、ひとつのアイテムなんだなって気付きました」とも。

心温まる、母と娘のお弁当を通したエピソード。あなたはお弁当箱にどんな思い出がありますか?

【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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