車がスマホ化? アップデートで機能を追加する「モデル3」

J-WAVE朝の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Denka MORNING VISION」。4月7日(木)のオンエアではアメリカの自動車会社「テスラ・モーターズの経営戦略」について、日経ビジネス記者の島津翔さんにお話を伺いました。

4月1日、アメリカのテスラ社が新型電気自動車「モデル3」を発表し、話題となりました。2003年にできた新興企業にもかかわらず、高級EV車のブランドメーカーとしてのイメージを確立しましたが、今回発表した新型車は量産車モデルでした。そこにはどんな経営戦略が隠されているのでしょうか。

「モデル3は簡単に言えば、一般の消費者が手に入れやすい中価格帯の電気自動車です。これまでの高級路線から大衆路線に舵を切ったといえます」と島津さん。価格は標準モデルで400万円程度。デザインは、これまでの流線型は踏襲しつつ、メルセデス・ベンツやBMWのような小型セダンタイプだそう。

そして電気自動車で重要なのが、1回の充電で走れる航続距離。「モデル3」は345キロメートルなので、同じ電気自動車である日産のリーフが280キロメートルであることと比較すると心配はないようです。安全性についても、「(同じ充電形式の)モデルSやXで特に大きな事故もないので、問題ないのかなといえます」(島津さん)とのこと。

この「モデル3」への反響はものすごく、なんと予約開始から3日で27万台をしました。これはかなり驚異的な数字なのだそうです。たとえば、東京、青山の店舗では開店前に行列ができ、海外では前日にテントを張って深夜から泊まり込む人も現れたとか。テスラ社の目標販売台数は50万台と掲げていますが、すでに予約だけで半数以上を達成してしまいました。

「まるでiPhoneの発売時にアップルストアで見られたような光景が、車の予約で見られるようになった」(島津さん)

「モデル3」で島津さんが特に注目しているのが「自動運転機能」。テスラ社は昨年、高級車モデルSにウィンカーを出すと自動で車線変更してくれる機能を搭載したのですが、「モデル3」にも搭載。「テスラの強みは、まるでスマホのようにソフトをアップデートすることで、車に最新の機能を追加できること」と島津さん。

車の機能をスマートフォンのように随時アップデートできる時代。まさに未来の車ですね。これまでの高級車も今回の量産車も同じようにアップデートできるので、モデル3の普及は自動運転の普及ともいえるそう。

これからOSの情報が開示されるようになれば、スマホのように第3者がアプリを開発する時代が到来します。それがグーグルやアップルのように寡占化になっていくのか、世界的な動向はまだ見えていない状況だそう。近い将来、自動車業界の勢力図もガラッと変わっていくかもしれません。

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