静かな図書館が「議論の場」に その理由は?

J-WAVE平日(月~木)朝の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MITSUBISHI JISHO TOKYO DICTIONARY」。6月16日のオンエアでは、進化する大学の図書館事情をピックアップしました。

梅雨に入り、自宅でゆっくり本を読んだり、図書館の利用をする人も多いかもしれません。図書館といえば静かに読書や勉強をする場として利用されますが、近年、大学の図書館では「議論の場所」に使われていることをご存知でしょうか。

世田谷区の成城大学では、ガラスで仕切られた液晶ディスプレイやホワイトボードが用意されたスペースが用意され、学生たちが活発な議論を行い課題に取り組んでいます。このようなスペースは「アクティブラーニングスペース」と呼ばれ、多くの大学が導入し始めているそう。

筑波大学・図書館情報メディア系 准教授・呑海沙織さんによれば、設置している大学は、平成26年度で338大学。全体の43.4パーセントの大学に設置されていて、3年間で約2.5倍に増加しているという調査結果がでているそうです。

この背景には、文部科学省が、従来の知識を伝えるだけの大学教育から、自分で考えて問題解決する「アクティブラーニング」へ転換を推奨しているという事情もあるとか。そのため、課題解決型の授業が増え、学生の間で議論や発表練習のニーズが高まっているようです。

また、お茶の水大学では、図書館内に「キャリアカフェ」をオープン。エントリーシートの書き方講座、出張留学相談など、就職のための相談会が定期的に行われています。帝京大学・八王子キャンパスでは、読んだ本の感想や、次に本を読む人へのメッセージを書き込める本棚を導入。本を通した学生同士のコミュニケーションに一役買っているそうです。

従来の利用方法から、時代のニーズに対応して変化し続ける図書館。普段、図書館に行かない人も梅雨を機会に、街の図書館へ出かけてみてはいかがでしょうか? 最近の図書館の進化に驚いたり、思いもしなかった本との出会いがあるかも・・・。

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