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異例の大ヒット!大人もはまる、子ども向け『怪談えほん』

異例の大ヒット!大人もはまる、子ども向け『怪談えほん』

J-WAVE 平日(月~木)朝の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MITSUBISHI JISHO TOKYO DICTIONARY」。 8月17日のオンエアでは、子ども向けの怖い絵本ブームを
取り上げました。

今、街の本屋さんで子ども向けの怖い絵本が売れているそうです。 このブームの先駆けとなったのが、岩崎書店が発行する『怪談えほん』。 このシリーズは累計13万部を売り上げ、絵本としては異例のヒットを記録中。 最近では、宮部みゆきさん、京極夏彦さん、柴門ふみさんといった一流作家も、 続々と怖い絵本を手掛けているというのです。

そんな子ども向けの怖い話や怪談話。実は、ここ10年ほど姿を消しつつありました。 理由は子どもに不気味なもの、怖いものを近づけるのはやめようという風潮から。 昔話や童話の世界でも、原作にあった怖いシーンの内容を変更することが増えていました。 たとえば『かちかち山』はもともとは悪いタヌキがおばあさんを殺してしまうという残酷な話でしたが、 おばあさんを困らせるという内容に変更したり、タヌキに仇討ちする話から、 仲直りして良いタヌキになりましたとさ、といった結末に変更したり……。

そんな時代を経て、高まりつつある子どもの怖い絵本ブーム。 今、子どもの親世代が、怖い絵本の良さに気付き始めたということでしょうか。 怪談専門誌『幽』編集長・東雅夫さんは、 怖い絵本は子どもの教育に役立つものがたくさん秘められていると言います。

「怖い物語には、人生の真実とか、真理とか、あるいは教訓とか、 そういうものがいっぱい秘められている場合が多いと思うんですね。 そういう切実なテーマが込められているから、我々はそれを読んで恐ろしさを感じたり、 不思議さを感じたりするんじゃないかと思うので。子どもたちが、いずれ成長をして、 本の外側の現実の世界で恐怖とか、あるいは想定外のいろいろな出来事とか、 そうしたものに直面したときにも、かつての書物の中で体験していたことというのが、 きっと役立つのではないかと考えています」(東さん)

生きていく上で怖いと感じることは、人間にとって、大切な感覚感性です。 子どもたちは、もともと好奇心が旺盛なので、怖い絵本の読み聞かせイベントを開催すると、 もっと読んでほしいという声も多いのだそうです。
そんな子どもの感性を大人が先回りして、 その感性を育む環境を取り去ってしまうというのもいかがのものか……。 この秋は親子一緒に、体の底からゾクゾクっとする感覚を、 怖い絵本で楽しんでみてはいかがでしょうか。

【関連サイト】
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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