女性3割登用で政界に大変革or逆差別? 議論を呼ぶ「クオータ制」

J-WAVE 平日(月~金)夜の番組「JAM THE WORLD」 (ナビゲーター:
堤 未果)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。 9月24日のオンエアでは、
政治における男女間格差を是正するための割り当て制度 「クオータ制」を
取り上げました。

第二次安倍内閣組閣の際には、登用された5人の女性閣僚が注目を浴びました。
一方で、地方議員のセクハラ発言が相次いでいます。 日本は、女性議員の比率が
極めて少なく、地方議会の約4割は女性議員ゼロという状況。 世界で見ると、女性議員の比率は約190カ国のうち162番目、先進国の中ではビリなのだそう。 地方議会のドタバタ騒動も、まさに女性議員が少ないことが原因と言えるかもしれませんね。 そんな中、女性議員を一定数割り当てる「クオータ制」が注目されています。

「クオータ制」とは、一定比率を女性、ないしは女性・男性の両性に割り当てる
制度のこと。 議会に関して言うと、世界の半数以上、約100カ国でこのクオータ制がすでに導入されているのだそう。 日本ではなかなか議論が進みませんが、日本の近隣、台湾や韓国でも取り入れられています。 クオータ制によって、どんな変化が政治に起きるのでしょうか。 クオータ制に詳しい、上智大学法学部教授の三浦まりさんに聞きました。

「女性の数があまりに少ないと、なかなか女性の意見というものが言いづらい雰囲気ができてしまう、 これは職場でも感じられることかと思います。その意味で女性が3割ぐらいの人数を達成すると、 大きな変革が起きると一般的に言われています。具体的に、男性と女性ではニーズが異なる政策分野ってありますよね。 とりわけ、子育てや介護、あるいは女性の健康や性暴力など、 そういった分野に関して、女性のほうが敏感にニーズを察知する傾向が強い。 ですから、女性議員が増えてくると、政策にも大きな変化が出てくるということがあると思います」(三浦さん)

制度で3割を目安に、女性議席を一定数確保する必要があるわけですね。
これまで、孤軍奮闘する女性議員は政治家としての資質がないなんて言われてきましたが、 多数によって、政治家としての資質や価値観の基準自体も大きく変わる可能性もあると。 一方で、女性を優遇する逆差別だという意見もあります。

「クオータ制って意味があるんだろうかという議論は、どの国でもされているのですが、 そのときに重要になるのは、民主主義って何だろうという根源的なこと。
私たちの声を聞いてくれる代表を選ぶ制度が選挙制度なわけですから、 その選挙制度がよりフェアで、より民主的で、よりいろいろな人の声をすくい上げるもののほうがいいだろうと。 そういう制度って一体何だろうというふうになっていったときに、 なんで女性がこんなに少ないんだろうかと、さらにジェンダーだけでなく、
ほかのマイノリティーの意見はどうなっているんだろうかと議論が膨らんでいく。 その一つの仕組みとして、クオータを入れて、 議場における男女の不均衡を解決していこうとすることで議論が発展していくのではないでしょうか」(三浦さん)

なるほど。「クオータ制」が取り入れられたら、 旧来の日本の政治の世界が一新
するかもしれませんね。

【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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