日向坂46の五期生 鶴崎仁香が、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんの解説を交えながら、「税金」について学んだ。
この内容をお届けしたのは、7月10日(金)放送のJ-WAVE『LOGISTEED RADIONOMICS』(ナビゲーター:鶴崎仁香)。世の中の仕組みや動きを経済の角度で見つめ、ビギナーの視点を大切にしながら学んでいくプログラムだ。
番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
柏木さんは、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、NPO法人マネー・キャリアカウンセラー協会を設立。2006年、MBAを取得後、育児中に博士号を取得。現在は立教大学経済学部特任教授を務め、学生たちに経営戦略やマーケティングなどを教えているほか、テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍している。著書は『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』(三笠書房)などがある。
鶴崎:国の主な収入源のおよそ7割を占めているのが租税、つまり税金だと伺いました。
柏木:そうなんです。国の収入源は税金が占めているんです。では鶴崎さん、税金にはどんな種類があるか、ご存知ですか?
鶴崎:身近なところでは消費税が真っ先に思い浮かびました。
柏木:たしかに、そうですよね。さまざまな税金がありますが、大きく分けると3つに分類されるんです。まずひとつ目は「どこに納めるか」。そしてふたつ目は「納め方」。3つ目は「何に対しての税金か」。この3つで分けられるんですね。ひとつ目の「どこに納めるか」については、国に納める国税、そして地方公共団体に納める地方税、そして地方税はさらに道府県税、そして市町村税に分かれます。続いてふたつ目の「納め方」ですが、税金を納める人と負担する人が同じ金額を納めることを直接税といいます。では、ここで問題です。税金を納める人と負担する人が異なる税金を何と呼ぶでしょうか?
鶴崎:直接税の反対っていうことですよね。そう考えると「間接税」ですか?
柏木:すばらしい。そうなんです。
間接税には、消費税のほかに、酒税、たばこ税、関税などがあり、一方の直接税には、所得税、法人税、相続税、贈与税などがある。
鶴崎:消費税は自分が買い物したときやサービスを受けたときに、物の値段やサービスに上乗せされて一緒に払っているので、直接払っているような気がするんですけれども、なぜ間接税なんですか?
柏木:消費税は、消費者や個人が企業や支払う店に負担して、企業や店などが納めるので間接税となります。
鶴崎:なるほど。だから、消費税と同じように直接払っているように思えても、酒税やたばこ税も間接税なんですね。
柏木:そして税金を何に対して納めるか、先ほどの3つ目「何に対しての税金か」にあたるんですけれども、所得税は所得に対しての税金、そして相続税は相続した預貯金や財産に対しての税金ということになるんです。
柏木:鶴崎さんが生まれたとき、消費税はありましたか?
鶴崎:私は2004年生まれなので、すでにありました。
柏木:私が生まれたときには消費税はなくて、徐々に消費税が導入されました。1989年(平成元年)に最初の消費税が導入され、そのときは「所得や消費、資産などにバランスの取れた税体系を構築するため」という目的だったんです。今は、年金、医療、介護など社会保障の安定的な財源を確保して、国民福祉の充実を図ることが目的になっているのですが、導入当初は違っていたんです。
鶴崎:目的が変化したんですね。
柏木:そうなんです。消費税の導入前までは、日本の税制は所得税が中心だったけれど、これは会社員の負担が重いのに、物やサービスに対する課税がほとんど行われていないという不公平感があったんですね。こうしたことを改善するために消費税が導入されたんです。導入当初、消費税は何パーセントだったか、ご存知でしょうか?
鶴崎:1989年の年号と一緒に覚えていたんですけれども、3パーセントですね。
柏木:すごいですね、そうなんです。導入当初は税率は3パーセントでした。
柏木さんによると、消費税は、贅沢品などに課されていた従来の物品税に代わる、より公平な税財源として導入されたという。
鶴崎:どんどん税率がアップしていきましたよね。
柏木:そうなんです。1997年に5パーセントに引き上げられ、2014年には8パーセントに。そして2019年に10パーセントになりました。
鶴崎:8パーセントに上がったとき、当時10歳で小学校高学年だったんです。当時のお小遣いが、小1が100円、小2が200円といった感じで、(10歳のころは)500円とかだったので、(消費税が)8パーセントに上がるとなると、この3パーセントの差がすごく大きく感じて。友だち同士でも「8パーセントに上がるって本当に?」みたいな、テレビを見てすごく話題になりましたし、100円均一とかで購入した際にも小銭がすごく増えてしまうのがネックで。新しく小銭入れみたいなものをお母さんに買ってもらったり。遠足のおやつ代も300円じゃ足りないような気がしてしまって、「350円にしない?」「消費税も上がったし」ってお願いしちゃったりしていました。当時はすごく大きな問題でしたね。
柏木:ですよね。
鶴崎:それこそ今でも1,000円、1万円って変わっていくと、消費税の差もすごく大きくなるじゃないですか。そう思うとやっぱり、たくさんの方に影響を与える問題ではありますよね。
その後、2019年に消費税率が10パーセントへ引き上げられた際、初めて軽減税率が導入された。
鶴崎:軽減税率は、テイクアウトは8パーセントで、店内で飲食すると10パーセントになる、そういった違いの税率のことですよね?
柏木:そうなんです。そのときもいろいろ話題になったんですけれども、対象の商品だけ8パーセント、それ以外のところは10パーセントというものなんです。テイクアウトの商品によっても異なりますので、あくまで対象となる商品が8パーセントというわけなんですね。軽減税率の対象となっているのは生活必需品である飲食料品と定期購読の新聞です。外食や酒類は除外されています。
鶴崎:生活必需品って人それぞれのようにも気がするのですが。
柏木:まさにそれがたびたび話題になっているんですけれども、たとえば日用品である洗剤、トイレットペーパー、生理用品、オムツ、また医薬品などは軽減税率の対象外になっているんですね。現在、政府・与党では食料品の消費税を期間限定で1パーセントにする案が浮上しているんですけれども、こちらも調整中で、まだこの番組の収録をしている段階ではどうなるかわかっていません。
鶴崎:「平等」ではなく「公平」ですね。
柏木:租税の負担には公平の原則というのがあるのですが、公平には2種類あるんです。
鶴崎:公平が2種類とはどういうことですか?
柏木:ピンとこないという方が多いと思うんですけれども、ひとつは「垂直的公平」といって、「負担できる能力が高い人ほど多額の納税をすべき」という考え方です。つまり、格差の是正を目的とした公平なんです。たとえば、相続税や所得税がそれにあたります。そしてもうひとつは「水平的公平」です。「同じ所得であれば誰もが同じ金額を納税すべき」という、これは脱税の防止を目的とした公平です。消費税や酒税は本体の価格と同時に税金も負担していますので、脱税をしにくいといったロジックなんです。
鶴崎:そう考えると、消費税は公平じゃない場面もあるような気がします。実際のところはどうなんでしょうか?
柏木:垂直的公平で考えると、どうしても矛盾を感じてしまうと思います。消費税は低所得者ほど負担の割合が大きくなるわけですね。これを「消費税の逆進性」といいます。この逆進性の主な原因というのが、所得に占める消費の割合です。低所得者は生活必需品や光熱費、家賃などに所得の大半をあててしまうわけなんですね。なので、おのずと消費税の負担が相対的に大きくなるわけです。一方の高所得者は可処分所得の多くを貯金や投資に回すために、同じ税率でも負担の割合は小さくなります。同じように消費していても高所得者なのでその割合が減るという意味ですね。
柏木さんは、消費税は一見すると不公平に感じられるものの、見方を変えれば、その捉え方も変わってくると説明する。
柏木:日本では消費税収の多くが年金、医療、介護、子育てなどの社会保障にあてられています。なので、これらの給付は低所得者に相対的にまわりまわると大きな恩恵をもたらすということになります。そのため、この税の負担と給付を合わせた純負担で見ると、必ずしも制度全体が逆進性とは言えないという見方もあります。つまり、消費税単体で考えると逆進性というのは存在するのですが、社会保障とのセットで考えるとこの負担の公平性が改善されるという見方もあります。
鶴崎:たしかに、仰るとおりですね。逆進性を緩和する策などはあったりするんですか?
柏木:はい。そのために軽減税率という制度が導入されています。食料品などの税率を低く8パーセントに設定することで、低所得者の負担を軽減する試みなんですね。
柏木さんは、次週7月17日(金)の『LOGISTEED RADIONOMICS』にも引き続き出演した。『LOGISTEED RADIONOMICS』のオンエアは毎週金曜22時30分から。
この内容をお届けしたのは、7月10日(金)放送のJ-WAVE『LOGISTEED RADIONOMICS』(ナビゲーター:鶴崎仁香)。世の中の仕組みや動きを経済の角度で見つめ、ビギナーの視点を大切にしながら学んでいくプログラムだ。
番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
税金は大きく分けて3つに分類される
今回は「税金」をテーマに、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんの解説を交えながら、税金の仕組みをひもといていく。柏木さんは、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、NPO法人マネー・キャリアカウンセラー協会を設立。2006年、MBAを取得後、育児中に博士号を取得。現在は立教大学経済学部特任教授を務め、学生たちに経営戦略やマーケティングなどを教えているほか、テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍している。著書は『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』(三笠書房)などがある。
鶴崎:国の主な収入源のおよそ7割を占めているのが租税、つまり税金だと伺いました。
柏木:そうなんです。国の収入源は税金が占めているんです。では鶴崎さん、税金にはどんな種類があるか、ご存知ですか?
鶴崎:身近なところでは消費税が真っ先に思い浮かびました。
柏木:たしかに、そうですよね。さまざまな税金がありますが、大きく分けると3つに分類されるんです。まずひとつ目は「どこに納めるか」。そしてふたつ目は「納め方」。3つ目は「何に対しての税金か」。この3つで分けられるんですね。ひとつ目の「どこに納めるか」については、国に納める国税、そして地方公共団体に納める地方税、そして地方税はさらに道府県税、そして市町村税に分かれます。続いてふたつ目の「納め方」ですが、税金を納める人と負担する人が同じ金額を納めることを直接税といいます。では、ここで問題です。税金を納める人と負担する人が異なる税金を何と呼ぶでしょうか?
鶴崎:直接税の反対っていうことですよね。そう考えると「間接税」ですか?
柏木:すばらしい。そうなんです。
間接税には、消費税のほかに、酒税、たばこ税、関税などがあり、一方の直接税には、所得税、法人税、相続税、贈与税などがある。
鶴崎:消費税は自分が買い物したときやサービスを受けたときに、物の値段やサービスに上乗せされて一緒に払っているので、直接払っているような気がするんですけれども、なぜ間接税なんですか?
柏木:消費税は、消費者や個人が企業や支払う店に負担して、企業や店などが納めるので間接税となります。
鶴崎:なるほど。だから、消費税と同じように直接払っているように思えても、酒税やたばこ税も間接税なんですね。
柏木:そして税金を何に対して納めるか、先ほどの3つ目「何に対しての税金か」にあたるんですけれども、所得税は所得に対しての税金、そして相続税は相続した預貯金や財産に対しての税金ということになるんです。
消費税はなぜ導入された?
鶴崎が「そういえば、消費税は昔はなかったですよね?」と柏木さんに問いかけ、ここから話題は消費税の成り立ちへと移っていく。柏木:鶴崎さんが生まれたとき、消費税はありましたか?
鶴崎:私は2004年生まれなので、すでにありました。
柏木:私が生まれたときには消費税はなくて、徐々に消費税が導入されました。1989年(平成元年)に最初の消費税が導入され、そのときは「所得や消費、資産などにバランスの取れた税体系を構築するため」という目的だったんです。今は、年金、医療、介護など社会保障の安定的な財源を確保して、国民福祉の充実を図ることが目的になっているのですが、導入当初は違っていたんです。
鶴崎:目的が変化したんですね。
柏木:そうなんです。消費税の導入前までは、日本の税制は所得税が中心だったけれど、これは会社員の負担が重いのに、物やサービスに対する課税がほとんど行われていないという不公平感があったんですね。こうしたことを改善するために消費税が導入されたんです。導入当初、消費税は何パーセントだったか、ご存知でしょうか?
鶴崎:1989年の年号と一緒に覚えていたんですけれども、3パーセントですね。
柏木:すごいですね、そうなんです。導入当初は税率は3パーセントでした。
柏木さんによると、消費税は、贅沢品などに課されていた従来の物品税に代わる、より公平な税財源として導入されたという。
鶴崎:どんどん税率がアップしていきましたよね。
柏木:そうなんです。1997年に5パーセントに引き上げられ、2014年には8パーセントに。そして2019年に10パーセントになりました。
鶴崎仁香が振り返る消費税率の変化
鶴崎は、消費税率が8パーセントに引き上げられた当時のことを覚えているという。鶴崎:8パーセントに上がったとき、当時10歳で小学校高学年だったんです。当時のお小遣いが、小1が100円、小2が200円といった感じで、(10歳のころは)500円とかだったので、(消費税が)8パーセントに上がるとなると、この3パーセントの差がすごく大きく感じて。友だち同士でも「8パーセントに上がるって本当に?」みたいな、テレビを見てすごく話題になりましたし、100円均一とかで購入した際にも小銭がすごく増えてしまうのがネックで。新しく小銭入れみたいなものをお母さんに買ってもらったり。遠足のおやつ代も300円じゃ足りないような気がしてしまって、「350円にしない?」「消費税も上がったし」ってお願いしちゃったりしていました。当時はすごく大きな問題でしたね。
柏木:ですよね。
鶴崎:それこそ今でも1,000円、1万円って変わっていくと、消費税の差もすごく大きくなるじゃないですか。そう思うとやっぱり、たくさんの方に影響を与える問題ではありますよね。
その後、2019年に消費税率が10パーセントへ引き上げられた際、初めて軽減税率が導入された。
鶴崎:軽減税率は、テイクアウトは8パーセントで、店内で飲食すると10パーセントになる、そういった違いの税率のことですよね?
柏木:そうなんです。そのときもいろいろ話題になったんですけれども、対象の商品だけ8パーセント、それ以外のところは10パーセントというものなんです。テイクアウトの商品によっても異なりますので、あくまで対象となる商品が8パーセントというわけなんですね。軽減税率の対象となっているのは生活必需品である飲食料品と定期購読の新聞です。外食や酒類は除外されています。
鶴崎:生活必需品って人それぞれのようにも気がするのですが。
柏木:まさにそれがたびたび話題になっているんですけれども、たとえば日用品である洗剤、トイレットペーパー、生理用品、オムツ、また医薬品などは軽減税率の対象外になっているんですね。現在、政府・与党では食料品の消費税を期間限定で1パーセントにする案が浮上しているんですけれども、こちらも調整中で、まだこの番組の収録をしている段階ではどうなるかわかっていません。
税金の「公平」にはふたつの考え方がある
続いて柏木さんは、「税金は国民の義務として納めなければならないものであり、租税の負担は公平でなければならない」と解説する。鶴崎:「平等」ではなく「公平」ですね。
柏木:租税の負担には公平の原則というのがあるのですが、公平には2種類あるんです。
鶴崎:公平が2種類とはどういうことですか?
柏木:ピンとこないという方が多いと思うんですけれども、ひとつは「垂直的公平」といって、「負担できる能力が高い人ほど多額の納税をすべき」という考え方です。つまり、格差の是正を目的とした公平なんです。たとえば、相続税や所得税がそれにあたります。そしてもうひとつは「水平的公平」です。「同じ所得であれば誰もが同じ金額を納税すべき」という、これは脱税の防止を目的とした公平です。消費税や酒税は本体の価格と同時に税金も負担していますので、脱税をしにくいといったロジックなんです。
鶴崎:そう考えると、消費税は公平じゃない場面もあるような気がします。実際のところはどうなんでしょうか?
柏木:垂直的公平で考えると、どうしても矛盾を感じてしまうと思います。消費税は低所得者ほど負担の割合が大きくなるわけですね。これを「消費税の逆進性」といいます。この逆進性の主な原因というのが、所得に占める消費の割合です。低所得者は生活必需品や光熱費、家賃などに所得の大半をあててしまうわけなんですね。なので、おのずと消費税の負担が相対的に大きくなるわけです。一方の高所得者は可処分所得の多くを貯金や投資に回すために、同じ税率でも負担の割合は小さくなります。同じように消費していても高所得者なのでその割合が減るという意味ですね。
柏木さんは、消費税は一見すると不公平に感じられるものの、見方を変えれば、その捉え方も変わってくると説明する。
柏木:日本では消費税収の多くが年金、医療、介護、子育てなどの社会保障にあてられています。なので、これらの給付は低所得者に相対的にまわりまわると大きな恩恵をもたらすということになります。そのため、この税の負担と給付を合わせた純負担で見ると、必ずしも制度全体が逆進性とは言えないという見方もあります。つまり、消費税単体で考えると逆進性というのは存在するのですが、社会保障とのセットで考えるとこの負担の公平性が改善されるという見方もあります。
鶴崎:たしかに、仰るとおりですね。逆進性を緩和する策などはあったりするんですか?
柏木:はい。そのために軽減税率という制度が導入されています。食料品などの税率を低く8パーセントに設定することで、低所得者の負担を軽減する試みなんですね。
柏木さんは、次週7月17日(金)の『LOGISTEED RADIONOMICS』にも引き続き出演した。『LOGISTEED RADIONOMICS』のオンエアは毎週金曜22時30分から。
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2026年7月17日28時59分まで
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