日向坂46の五期生・鶴崎仁香が新ナビゲーターを務めるJ-WAVE『LOGISTEED RADIONOMICS』。世の中の仕組みや動きを経済の角度で見つめ、ビギナーの視点を大切にしながら学んでいくプログラムだ。
4月3日(金)放送の本番組では、「経済とは?」をテーマに経済アナリストの森永康平さんが解説した。
番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
今回のテーマは「経済とは?」。経済アナリストの森永さんがわかりやすく説明する。
森永:いきなり「経済」と言うと難しいと思うので、基本的な部分からお訊きしたいんですけど、鶴崎さんにとってお金って何ですか?
鶴崎:お金は「人生を彩るパレットのようなもの」かなって考えてます。
森永:詩的な感じですね。具体的にどんなイメージですか?
鶴崎:お金はより自分の可能性を広げてくれたり、明日の彩りを与えてくれる、豊かにしてくれるものだと思っています。
森永:なるほど。僕は、お金は「選択肢を増やすための道具」って思ってるんですよね。あればあるほどいいってわけではないんだろうけど、ある程度、あることによって選択肢が多いっていうのが本当の意味での豊かさみたいに僕は思っています。ただ、一般的には教科書とかだと「社会を流れる血液みたいなものだ」みたいに書かれていますよね。お金って、役割がいくつかあると思うんですけど、その役割って何だか知ってますか?
鶴崎:そういった可能性とかを実際の経験とか実現に向ける交換装置みたいなものなのかなと思っています。
森永:教科書などにはお金には3つの役割があると書いてありまして、ひとつが「交換手段」です。昔はお金を使わずに物々交換をしていたのですが、人によって違うじゃないですか。肉が好きな人からしたら肉の価値は高いけど、嫌いな人からしたら肉なんかいらないってなる。
鶴崎:みんなに共通するものが必要になってきますよね。
森永:そう。だから、交換手段としてお金を用意しましょうと。そして、ふたつ目は「価値尺度」。先ほどお話ししたものに近いんですけど、たとえば僕は肉がすごく好きだとしたら、「肉100グラムを渡してあげるから魚50匹くれよ」みたいな話になると思うんですけど、肉を嫌いな人からすると「そんな肉をもらってもいらないし」ってなっちゃいますよね。
鶴崎:困っちゃいますね(笑)。
森永:肉と魚って言われても好き嫌いで価値が離れてしまう。それだと交換手段として使えないので、たとえば「金1グラムはこういう価値だよね」っていうものを決めてしまって、自分がどうとかあなたがどうじゃなくて、この硬貨にはこれぐらいの価値があるんだと決めてしまう。そういう価値手段ですね。
そして3つ目の役割は「価値の貯蔵手段」だと森永さんは言う。
森永:昔は物々交換をしましたから、「貯金しよう」となったときに「じゃあ、このあいだもらったお魚を残しとこうかな」としても、腐るからどんどん価値が減る、みたいな話になっちゃうんです。
鶴崎:たしかに。生ものだとそうですね。
森永:なので、「腐らないものにしましょう」ということで、貝殻を使っていたりしました。その名残りで、お金に関する漢字を見てみると財産の「財」とか貯めるの「貯」とか、金貨銀貨の「貨」とか全部「貝」って漢字が入ってるんですよ。
鶴崎:本当だ、見事に。
森永:それは昔、貝をお金の代わりに使っていたから。あとは塩とかね。昔は本当に物で交換していたけど、途中から塩とか貝殻に変えていきましたと。ただ、貝だと割れたりするから、「もうちょっと丈夫なやつがほしくない?」みたいな話になって、出てきたのがいわゆる金属貨幣です。
森永:今みたいなきれいなコインじゃないんですけども、今のコインの原型みたいなのが出てきたっていう感じですね。そして、世界最古の紙幣は中国で960年ごろに出てきた「交子(こうし)」と言われています。一方、日本の最古の貨幣としてよく言われてるのが「富本銭(ふほんせん)」です。
鶴崎:耳にしたことあります。
森永:知ってるんですか?
鶴崎:日本史を選択していたこともあって知っていました。飛鳥池遺跡から発掘されたけど、ちょっと壊れてるものだったり未完成のものだったりとか作る材料とかも一緒に発掘されたことから、富本銭が最初の貨幣だったと裏付けられたと習った記憶があります。
森永:私より詳しいんじゃないかって感じがしますけども(笑)。僕が若いころは、まだ富本銭は見つかっていなかったので、日本でいちばん古いお金は「和同開珎(わどうかいちん)」と言われていました。
続いて、森永さんは「そもそもお金はどこからやってくる?」と鶴崎に質問する。
鶴崎:自分自身の頑張りとか努力の対価かなって、ふと思いました。
森永:その答えはすごく正しいと思います。お金って、バナナみたいに木になっているわけじゃないから、「どこからくるか?」って言われると、現代の社会においては頑張ったこと、つまり仕事ですよね。仕事の対価としてお給料というかたちでお金をもらえるわけだし、子どもでいったらお手伝いをしたらお小遣いでお金をもらえたりするわけなので。
鶴崎:はい、もらってました(笑)。
森永:基本的には働く対価としてお金がもらえる。「経済」って言われるとちょっと難しく感じるかもしれないですけど、こうしてお仕事をしていることが、いわゆる「経済活動」と呼ぶことができると思いますし、そういう意味では鶴崎さんも僕も経済活動の一員なんです。誰もそんなこと考えないと思うんだけど、実は普通に生きてるだけでみんなが日本経済を作っているっていうことなんですよね。
鶴崎:循環させてるんですね。
森永:じゃあ、「経済」ってどんなイメージありますか? なんか難しいみたいな。
鶴崎:そうですね。経済に関連する言葉って難しいものが多いですよね。
森永:経済っていうと株とか金融とか、難しい感じがしますよね。そもそも経済はちゃんと正式名称があって、ある四字熟語を省略した言葉なんですけど、何の略かわかりますか?
鶴崎:わかります。「経世済民(けいせいさいみん)」です。
森永:すごいですね。
鶴崎:社会科の先生がおっしゃってたような気がするんですけど、それまで完全に「経済」っていう二文字の熟語だと思ってたからこそ、「四字熟語だったんだ!」と思って、そのときの衝撃のあまりにずっと覚えてるというか定着してますね。
森永:経世済民の「経世」は社会とか国家を統治するっていう意味です。「済民」は国民の人たちが豊かになれるようにという意味で、昔だと飢饉が起きたりとか自然災害とかどうしても避けられないことが起きたときに民を救ってあげましょうと。
鶴崎:徳政令とか出したりしてましたもんね。
森永:経世済民はもともと中国由来の言葉ではあるんですけれども、ただ一方で日本でも西洋の文化とか知識が入ってきたときに、「経世済民って、英語でいうエコノミーなんじゃない?」みたいな感じで、経世済民が「経済」になり、それが英語にするとエコノミーだよねって感じになったので、私みたいな経済にまつわる仕事をしている人たちを「エコノミスト」なんて呼んだりするんですけど、それは経済を分析したりする仕事をしてる人ですよっていうことですね。
鶴崎:経済活動……いろんなことが含まれていそうで、ひと言で表すのが難しいです。
森永:実は、僕らが普通に生きていると経済活動をやっちゃうんですよね、やろうと思わなくても。経済活動にはいろいろありまして、生産とか分配とか消費とか、いろんな行動が経済活動に含まれます。たとえば「消費」の話をしてみると、ラジオのお仕事をして給料もらいましたと。その給料で家賃を払ったり、コンビニで買い物してみたりとかっていうのはお金を使ってるわけなので、それを「消費」と言って、これがまさに経済活動ということになるわけです。
鶴崎:そうした流れを経済活動っていうんですね。
森永:そうですね。「生産」もわかりやすく言えば、工場で自動車を作るみたいな。ほかにも、僕らがラジオでしゃべっていて、リスナーさんが聴いてくれるみたいな。これもある意味で音声サービスみたいな感じで、ひとつの生産活動になり、その対価でお金をもらったら、それを使って消費をして、場合によっては将来のために貯蓄するかもしれない。こういうのも全部が経済活動って言うんですけども、そのなかでより身近なものがあって、それは「家庭経済」です。コンビニで買い物をしたりとかお洋服を買ったりとか、いわゆる「家計」と呼ばれる人たちがやっている行動です。
鶴崎:家計簿につながるような。
森永:そうです。そして、経済の主体には「企業」と「政府」もあります。政府は想像しにくいですけど、国がやってくれていることを指すので、道路を作るとか、図書館とか、ゴミを収集してくれるとか、そういう公共のサービスをやってくれているもの。
鶴崎:バスとか電車とかもですか?
森永:そうですね。一方で税金を取ったりみたいな。100円の飲み物を買っても110円ですって言われて、その10円が消費税だったりするわけですよね。こういうのを徴収してるのは「国」という感じですよね。
鶴崎:はい。しっかりメモっておきます。
森永さんは、4月10日(金)の『LOGISTEED RADIONOMICS』にも引き続き出演。『LOGISTEED RADIONOMICS』オンエアは毎週金曜22時30分から。
4月3日(金)放送の本番組では、「経済とは?」をテーマに経済アナリストの森永康平さんが解説した。
番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
お金は「人生を彩るパレットのようなもの」
前任のナビゲーター・佐々木久美からバトンを受け取った鶴崎は、2025年に日向坂46に加入した22歳で、現在大学4年生。「大学と両立しながら、このラジオでも学んでいきたい」と意気込みを語った。今回のテーマは「経済とは?」。経済アナリストの森永さんがわかりやすく説明する。
森永:いきなり「経済」と言うと難しいと思うので、基本的な部分からお訊きしたいんですけど、鶴崎さんにとってお金って何ですか?
鶴崎:お金は「人生を彩るパレットのようなもの」かなって考えてます。
森永:詩的な感じですね。具体的にどんなイメージですか?
鶴崎:お金はより自分の可能性を広げてくれたり、明日の彩りを与えてくれる、豊かにしてくれるものだと思っています。
森永:なるほど。僕は、お金は「選択肢を増やすための道具」って思ってるんですよね。あればあるほどいいってわけではないんだろうけど、ある程度、あることによって選択肢が多いっていうのが本当の意味での豊かさみたいに僕は思っています。ただ、一般的には教科書とかだと「社会を流れる血液みたいなものだ」みたいに書かれていますよね。お金って、役割がいくつかあると思うんですけど、その役割って何だか知ってますか?
鶴崎:そういった可能性とかを実際の経験とか実現に向ける交換装置みたいなものなのかなと思っています。
森永:教科書などにはお金には3つの役割があると書いてありまして、ひとつが「交換手段」です。昔はお金を使わずに物々交換をしていたのですが、人によって違うじゃないですか。肉が好きな人からしたら肉の価値は高いけど、嫌いな人からしたら肉なんかいらないってなる。
鶴崎:みんなに共通するものが必要になってきますよね。
森永:そう。だから、交換手段としてお金を用意しましょうと。そして、ふたつ目は「価値尺度」。先ほどお話ししたものに近いんですけど、たとえば僕は肉がすごく好きだとしたら、「肉100グラムを渡してあげるから魚50匹くれよ」みたいな話になると思うんですけど、肉を嫌いな人からすると「そんな肉をもらってもいらないし」ってなっちゃいますよね。
鶴崎:困っちゃいますね(笑)。
森永:肉と魚って言われても好き嫌いで価値が離れてしまう。それだと交換手段として使えないので、たとえば「金1グラムはこういう価値だよね」っていうものを決めてしまって、自分がどうとかあなたがどうじゃなくて、この硬貨にはこれぐらいの価値があるんだと決めてしまう。そういう価値手段ですね。
そして3つ目の役割は「価値の貯蔵手段」だと森永さんは言う。
森永:昔は物々交換をしましたから、「貯金しよう」となったときに「じゃあ、このあいだもらったお魚を残しとこうかな」としても、腐るからどんどん価値が減る、みたいな話になっちゃうんです。
鶴崎:たしかに。生ものだとそうですね。
森永:なので、「腐らないものにしましょう」ということで、貝殻を使っていたりしました。その名残りで、お金に関する漢字を見てみると財産の「財」とか貯めるの「貯」とか、金貨銀貨の「貨」とか全部「貝」って漢字が入ってるんですよ。
鶴崎:本当だ、見事に。
森永:それは昔、貝をお金の代わりに使っていたから。あとは塩とかね。昔は本当に物で交換していたけど、途中から塩とか貝殻に変えていきましたと。ただ、貝だと割れたりするから、「もうちょっと丈夫なやつがほしくない?」みたいな話になって、出てきたのがいわゆる金属貨幣です。
そもそもお金はどこからやってくる?
森永さんによると、もっとも古い金属貨幣は紀元前670年ごろ、現在のトルコの一部で使われていた「エレクトロン貨」だという。森永:今みたいなきれいなコインじゃないんですけども、今のコインの原型みたいなのが出てきたっていう感じですね。そして、世界最古の紙幣は中国で960年ごろに出てきた「交子(こうし)」と言われています。一方、日本の最古の貨幣としてよく言われてるのが「富本銭(ふほんせん)」です。
鶴崎:耳にしたことあります。
森永:知ってるんですか?
鶴崎:日本史を選択していたこともあって知っていました。飛鳥池遺跡から発掘されたけど、ちょっと壊れてるものだったり未完成のものだったりとか作る材料とかも一緒に発掘されたことから、富本銭が最初の貨幣だったと裏付けられたと習った記憶があります。
森永:私より詳しいんじゃないかって感じがしますけども(笑)。僕が若いころは、まだ富本銭は見つかっていなかったので、日本でいちばん古いお金は「和同開珎(わどうかいちん)」と言われていました。
続いて、森永さんは「そもそもお金はどこからやってくる?」と鶴崎に質問する。
鶴崎:自分自身の頑張りとか努力の対価かなって、ふと思いました。
森永:その答えはすごく正しいと思います。お金って、バナナみたいに木になっているわけじゃないから、「どこからくるか?」って言われると、現代の社会においては頑張ったこと、つまり仕事ですよね。仕事の対価としてお給料というかたちでお金をもらえるわけだし、子どもでいったらお手伝いをしたらお小遣いでお金をもらえたりするわけなので。
鶴崎:はい、もらってました(笑)。
森永:基本的には働く対価としてお金がもらえる。「経済」って言われるとちょっと難しく感じるかもしれないですけど、こうしてお仕事をしていることが、いわゆる「経済活動」と呼ぶことができると思いますし、そういう意味では鶴崎さんも僕も経済活動の一員なんです。誰もそんなこと考えないと思うんだけど、実は普通に生きてるだけでみんなが日本経済を作っているっていうことなんですよね。
鶴崎:循環させてるんですね。
森永:じゃあ、「経済」ってどんなイメージありますか? なんか難しいみたいな。
鶴崎:そうですね。経済に関連する言葉って難しいものが多いですよね。
森永:経済っていうと株とか金融とか、難しい感じがしますよね。そもそも経済はちゃんと正式名称があって、ある四字熟語を省略した言葉なんですけど、何の略かわかりますか?
鶴崎:わかります。「経世済民(けいせいさいみん)」です。
森永:すごいですね。
鶴崎:社会科の先生がおっしゃってたような気がするんですけど、それまで完全に「経済」っていう二文字の熟語だと思ってたからこそ、「四字熟語だったんだ!」と思って、そのときの衝撃のあまりにずっと覚えてるというか定着してますね。
森永:経世済民の「経世」は社会とか国家を統治するっていう意味です。「済民」は国民の人たちが豊かになれるようにという意味で、昔だと飢饉が起きたりとか自然災害とかどうしても避けられないことが起きたときに民を救ってあげましょうと。
鶴崎:徳政令とか出したりしてましたもんね。
森永:経世済民はもともと中国由来の言葉ではあるんですけれども、ただ一方で日本でも西洋の文化とか知識が入ってきたときに、「経世済民って、英語でいうエコノミーなんじゃない?」みたいな感じで、経世済民が「経済」になり、それが英語にするとエコノミーだよねって感じになったので、私みたいな経済にまつわる仕事をしている人たちを「エコノミスト」なんて呼んだりするんですけど、それは経済を分析したりする仕事をしてる人ですよっていうことですね。
みんな生きているだけで経済活動をしている
一方、「経済活動」という言葉もよく耳にするが、鶴崎はどんなイメージを持っているのだろうか。鶴崎:経済活動……いろんなことが含まれていそうで、ひと言で表すのが難しいです。
森永:実は、僕らが普通に生きていると経済活動をやっちゃうんですよね、やろうと思わなくても。経済活動にはいろいろありまして、生産とか分配とか消費とか、いろんな行動が経済活動に含まれます。たとえば「消費」の話をしてみると、ラジオのお仕事をして給料もらいましたと。その給料で家賃を払ったり、コンビニで買い物してみたりとかっていうのはお金を使ってるわけなので、それを「消費」と言って、これがまさに経済活動ということになるわけです。
鶴崎:そうした流れを経済活動っていうんですね。
森永:そうですね。「生産」もわかりやすく言えば、工場で自動車を作るみたいな。ほかにも、僕らがラジオでしゃべっていて、リスナーさんが聴いてくれるみたいな。これもある意味で音声サービスみたいな感じで、ひとつの生産活動になり、その対価でお金をもらったら、それを使って消費をして、場合によっては将来のために貯蓄するかもしれない。こういうのも全部が経済活動って言うんですけども、そのなかでより身近なものがあって、それは「家庭経済」です。コンビニで買い物をしたりとかお洋服を買ったりとか、いわゆる「家計」と呼ばれる人たちがやっている行動です。
鶴崎:家計簿につながるような。
森永:そうです。そして、経済の主体には「企業」と「政府」もあります。政府は想像しにくいですけど、国がやってくれていることを指すので、道路を作るとか、図書館とか、ゴミを収集してくれるとか、そういう公共のサービスをやってくれているもの。
鶴崎:バスとか電車とかもですか?
森永:そうですね。一方で税金を取ったりみたいな。100円の飲み物を買っても110円ですって言われて、その10円が消費税だったりするわけですよね。こういうのを徴収してるのは「国」という感じですよね。
鶴崎:はい。しっかりメモっておきます。
森永さんは、4月10日(金)の『LOGISTEED RADIONOMICS』にも引き続き出演。『LOGISTEED RADIONOMICS』オンエアは毎週金曜22時30分から。
番組情報
- LOGISTEED RADIONOMICS
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毎週金曜22:30-23:00