週休3日、休みの日は"私のAI"に働いてもらう─今後の働き方を専門家が語る

佐々木久美がナビゲートする、J-WAVE『LOGISTEED RADIONOMICS』。世の中の仕組みや動きを経済の角度で見つめ、ビギナーの視点を大切にしながら、貯蓄や投資などの知識を楽しく学んでいくプログラムだ。

2月20日(金)放送の本番組では、都市部と地方における「週休3日」の捉え方の違いや、生成AIを活用した未来の働き方について、株式会社週休3日の代表取締役社長・永井宏明さんが語った。

番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。

・ポッドキャストページ

週休3日を売りに、若い人材を確保する

永井さんは、静岡県浜松市出身。北海道教育大学を卒業後、地元の浜松市で印刷・広告営業の会社勤務を経てウェブ系のコンサルタント会社に転職。29歳でクライアントの経営者から誘われ、週休3日で働く総務課長となる。その後、介護施設長を8年にわたって務める。このときの経験が起業のきっかけとなり、2016年に株式会社週休3日を創業。2017年より週休3日制の導入支援と、週休3日薬剤師.comの事業を開始した。

永井さんは、都市部と地方における働き方の意識の違いを指摘。深刻な人材不足に直面する地方で「週休3日」がどのような意味を持つのか、リアルな視点から語った。

永井:まず、都市部において週休3日の働き方ってどんどん増えているんですよね。一方で、地方では増えてないんです。それは経営者の方とかに、週休3日が嫌いな人がけっこう多くて。

佐々木:好き嫌いの話なんですね(笑)。

永井:単純に「嫌いで」みたいなところがあって。ただ地方は、もはやそう言っていられないくらい若い人も、人自体も減ってきている。それこそ需要と供給の関係で、「週休3日でもいいから働いてくれないか」という話がここから一気に出てくるんじゃないかなと思います。

佐々木:地方こそ週休3日をどんどん取り入れていく時代になると。

永井:そうなんです。今は都市部とか一部の職種だけが週休3日と言われてるんですけど、むしろ地方では、なかなか都市部と同じような報酬が提示できないところもある。たとえば、「仕事のやりがい」とかになってくると、都市部の仕事のほうが非常にやりがいを感じられる部分は正直あるとは思うんですよね。そうはいっても、都市部で生活してる方も、地方へ移住するのに興味ある方っていうのは、いろいろなアンケートを見てるとけっこう数字があって。

佐々木:そうなんですね。

永井:じゃあ、そうしたときに地方は何を売りにするか。そこをもうひと押しするところからすると、「週休3日で働くことができるよ」っていうのを売りにして、地方が若い人材を採用するっていう流れになってくるんじゃないかなと思いますね。

佐々木:本当に週休3日が主流になってくる時代がくるんですね。

AIで週休3日が導入しやすい時代に

永井さんは「まず、選択肢がある会社に人は集まる」と持論を展開。「週休3日」のさらに強力な後押しとなるのが「生成AI」の存在だという。

永井:今はSNSを使った副収入だとか、要するに副業、そういった普通の正社員以外での報酬もほしいよというニーズも増えてきています。そういったことを考えても、やっぱり週休3日で働きたい人が増えてくるのは間違いないだろうなと。さらに生成AIを活用すると、都市部だけでなく地方でも、仕事やビジネスがスムーズになっていくと思うんです。今までインターネットが普及してきたというのは、「記憶の部分を頭の外に出した」みたいなことだと思うんですけど、今は「思考そのものが外に出せちゃう時代」になってきているんです。そうしたときに、今までの働き方だと「週休3日で働いていて、休みの日はどうなるの?」というデメリットがあります。でも、そこに生成AIがいたら「私が休みの日には、私のAIに仕事をしてもらおう」とか「仕事のことを訊いてみよう」とか、そういうかたちで補完できます。そうすると、より週休3日制を導入しやすい時代になってくると思います。

佐々木:生成AIと週休3日というのは、かなり相性がいいんですね。その選択肢がある社会の未来っていうのはどういうふうになっていくと思いますか?

永井:そもそも日本の社会は、「諦める社会」だと思うんですよ。たとえば、(学生時代に)ボランティアをやっていたけれども、社会人になるからひと区切りにする。本当はもうちょっと続けたい趣味があって、本当はもっと力を入れていきたくても「社会人になるからいったん諦めよう」ということになる。でも、週休3日の正社員で新卒から社会人になれるとしたら、そういったことを継続できると思うんですよね。そうなると諦めなくていいじゃないですか。ひょっとすると、そちらのほうからも、経済的に貢献できるような事業が生まれるかもしれない。諦めないでいられる社会のほうが、確実に日本の成長につながるだろうなと思いますね。

佐々木:もっと育つはずだった芽を、育てられる時代になっていく可能性があるんですね。

週休3日という柔軟な選択肢は、個人の趣味やライフワークにとどまらず、「起業」というキャリアのあり方すらも変えていくという。

永井:たとえば、起業という視点で考えても今、起業しようとなると、正社員で働いていたのを退職して、完全にその退路を断って起業しなきゃいけないという風潮みたいなのもあって。

佐々木:ありますね。

永井:もちろん、それも大事なんですけど、ただ本当にそうやって選択できる人って非常に少ないと思うんです。本当は起業したらビジネスで成功する可能性のある人もたくさんいると思うんです。だから、たとえば週休3日の正社員にペースダウンして、給料は少し減るけども、休みの日も合わせて週の3日間でまずは起業してみようみたいな。そういう選択肢が出てくると、起業がうまくいった人はソフトランディングでどんどん起業した事業を育てていけばいい。起業がうまくいかなかったら、やってみてダメだったからこそ、本業に戻ったときに本業に対する熱の入れ方が変わってくると思うんですよ。いい意味でちゃんと選択肢があって、それを体験して、自分が選んだことになる。もっと週休3日の働き方が広がったほうが、納得した生き方ができる世の中になっていくと思います。

お金はソフトクリームみたい

番組の最後には、ゲストへ恒例となっている「あなたにとってお金とは?」という問いが永井さんに投げかけられた。

永井:いろいろ考えたんですけど「溶けるもの」。

佐々木:溶けるもの?

永井:現実的なところで。私は子どもが4人いて、4姉妹なんですけど、お金が生活のなかで「溶けていく」んですよ。「なくなる」じゃないんです、「溶けていく」んです。夏にソフトクリームをアスファルトの上に置いたみたいに。だから、溶けていくのを見るしかない面があります。ビジネスの点からしても、溶けるんですよ。

佐々木:そうなんですか?

永井:実は、株式会社週休3日を創業したときに、最初は地元で「週休3日でいいから紹介してね」ということで10事業者ぐらい手を挙げてもらったんですよ。実際に週休3日で働きたい人を集めて紹介させていただこうとしたら、10事業者の全員が手を引いたんですよ。

佐々木:現実的な話になってしまって。

永井:どんどん溶けていくんですよ。これはまずいぞということで、少しその視点を変えて始めたのが「週休3日薬剤師.com」で。私どもの会社は静岡にありますけど、初めて週休3日で紹介した方が北海道の薬剤師さんなんですよ。

佐々木:すごい!

永井:それで溶けずに済んだ。

佐々木:溶けたことから得た「溶けずに済んだこと」なんですね。

永井:だからお金っていうのは溶けるもの。溶けるからこそ、どうやってお金と向き合うか、関わるかっていうのが大事なんだろうなと思います。

株式会社週休3日の詳細は公式ホームページまで。

『LOGISTEED RADIONOMICS』では、世の中の仕組みや動きを経済の角度で見つめ、ビギナーの視点を大切にしながら、貯蓄や投資などを実践的に真剣かつ楽しく知識を蓄え、学んでいく。オンエアは毎週金曜22時30分から。
番組情報
LOGISTEED RADIONOMICS
毎週金曜
22:30-23:00

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