orange pekoeのナガシマトモコ(Vo)が、orange pekoeの活動満了を発表した現在の心境や影響を受けたアーティスト、もっとも尊敬するミュージシャンについて語った。
ナガシマが登場したのは、1月17日(土)放送のJ-WAVE『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。ナガシマはノースカラーズの「無添加ポテトチップス うすしお味」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
クリス:これ、「満了」なんですね。
ナガシマ:「終了」とか「解散」とかではなく、「満了」だなって思ったんですね。やりきったというか。
クリス:いつくらいからそういう気分になったんですか。
ナガシマ:実を言うと、長年どうかなって思っていて。新曲を作るということは、orange pekoeの次の章を始めることになると思っていたんですけど、なかなか納得いくものができなくて。どうかなって言ってたんですけど、私の体調があまりよくなかったので、まずは自分のペースでやれる感じで、ライブだけやっていこうかなって。ライブはすごく楽しかったですし、そうしてマイペースにライブだけやっていたら、気がついたら10年くらい経っちゃったんですけど(笑)。
クリス:なるほどね。
ナガシマ:体調が回復してきたので、満を持して新しいのを作ろうかなってやり始めて。私っていうものと、藤本一馬っていうものが持っているもの、そのケミストリーがorange pekoeなんですけど。そのいちばんいい落としどころっていうか、着地点を毎作品でやってたんですけど、その「次はここだ!」っていうのが見つからなかったというか。無理やりやってしまうと、orange pekoeっていうものが持っているよかったこととか、そういうことを曲げてしまうかなと思ったので、ここまでやりきったのだから一度orange pekoeっていうかたちは終わって、お互いソロアーティストとしてこれからコラボする可能性もあるかもしれないけど、そういうのでいいのではないかなって。
ナガシマ:さすがに12年経つとめちゃくちゃあったので、新譜だけでいくと、私って二面性がありまして。ひとつはただの歌好き女みたいな(笑)。歌ってたら幸せみたいなところがあって。そういう自分は歌ってて楽しい、ダフト・パンクとかデュア・リパとかそのへんのダンサブルな歌ものは大好きで車とかでよく聴いてたんですけど、もうひとつの一面があって。そっちはプロデューサー目線というか、クリエイティブ目線というか。音楽をいまあるものだけで伝統的にまわっていくだけではなくて、それを回転した末に音楽の歴史のなかで流れていく新しい道みたいなのが起こるじゃないですか。アートもそうだと思うんですけど、アートとしての音楽の楽しさみたいなものを楽しみたいというか。今回はそっちの一面でチョイスしたのがジェイムス・ブレイクの『Overgrown』と、ソランジュの『A Seat at the Table』。ここ12年くらいで自分のなかでもすごいなって思った2枚ですね。
クリス:どこがすごいと思われたんですか?
ナガシマ:ジェイムス・ブレイクはデビューアルバムの『James Blake』っていうアルバムもめっちゃかっこいいんですけど、『Overgrown』を聴いたときに彼の実験性と、それにプラスしてシンガーソングライターとしてのミュージシャンシップというか、本質的なよさみたいなのを感じて。歌とピアノが基本になりながらすごく実験性を彼は推し進めていて面白いな、すごいなっていつも思っていてずっとチェックしちゃうシンガーソングライターというか。プロデューサーですね。
ナガシマ:ソランジュはビヨンセの妹ってことで、この作品の前はけっこう普通のR&Bをやってたんですけど、この『A Seat at the Table』で急に、ブラック・ライブズ・マターのときの深い想いをこういうかたちで昇華するの? みたいな。強いかたちでそのフラストレーションをそのまま表現するアーティストって多いと思うんですけど、彼女は禅的というかすごくミニマルに持っていって。でも美しいし、すごいなって思いました。
クリス:スティーヴィーの魅力はなんでしょうか?
ナガシマ:やっぱり歌が圧倒的に心に迫るし、歌詞のメッセージ性や美しさ、そして曲も天才だし、アレンジもクリエイティブだし、本当に世界に与えられた宝だなって思います。
クリス:どのアルバムがいちばん好きですか?
ナガシマ:時期によって変わっていくんですけど、『Songs In The Key Of Life』と70年代の3部作(『Talking Book』『Innervisions』『Fulfillingness' First Finale』)ですね。
クリス:俺、いちばん好きなスティーヴィーの曲って『Golden Lady』なんです。
ナガシマ:わかる! 私も『Golden Lady』かもです。大好き。
クリス:これ、シンセベースなんですよ。
ナガシマ:(よく聴いてみると)そうですね。
クリス:なんかベースの音が違うなって思ったらシンセベースだったんですよね。
ナガシマ:スティーヴィーのシンセベースってかっこいいですよね。
クリス:このアルバムタイトルにはどんな想いが込められているんですか?
ナガシマ:先ほども言ったんですけど、この10年ほどライブばっかりしていて。リリースもないのにずっとライブに来てくださってた方がいて、本当にありがたいなって思っていて。そういう方々へのありがとうの気持ちと、このあとorange pekoeとしてのライブはなくなるのでライブの思い出をパッケージングしたかったっていうのがあって。春夏に歌いたい曲と、秋冬に歌いたい曲がけっこう傾向があって、そのシーズンごとに歌っていた曲を、ライブのセットリストみたいな感じで並べたんですよね。なので、またライブを思い出してもらったり、ライブに来たことがない方はこういう感じのライブだったのかなって思ってもらえるようなベストアルバムにしたいなっていうのがありました。
アルバムのブックレットには活動25年間の想いを綴った、メンバーふたりのテキストが掲載されている。
クリス:あらためて活動「満了」なんですよね。「終了」じゃなくて。
ナガシマ:やりきったという感じですね。orange pekoeとしてのお役目があったと思うんです。90年代っていうすごいみんなが物質主義でイケイケだったときから、私たちが活動を始めた2000年代初頭ってそのバブルがはじけて、どんどんイケイケっていう時代ではなくなって。そのときになってorange pekoeはお役目として、自分の心が感じる幸せを大事にしていこうよっていうメッセージをのせて歌ってた。それが2025年になったときに自分を大事にするのって当たり前になってきてくれたなって。いまってセルフラブとか自分をケアすることが当たり前になって、自分の気持ちを大事にしようっていうことが、この25年で発展してきてくれたなって思ったときに、orange pekoeが2001年に言ってた「幸せを自分の心の中に見つけようよ」っていうメッセージが、もしかしたらちょっとズレちゃうかもって思ったんですね。
クリス:ズレちゃう?
ナガシマ:基本として大事なんですけど、それが逃げになっちゃったりするかもしれない、と。私が感じている次の段階は、光と闇。このアルバムに収録してる『It's Dawn』って曲でも触れているんですけど。
ナガシマ:その痛みの部分を無視しないで、それもあるけど私たちは光を選ぶっていう。いまってそういう闇の部分がどんどん出てきてる、SNSとかもそうだし、それをちゃんと見た上で、光をみんなで選んでいくみたいなフェーズにきっとなっていくだろうなって思ったときに、orange pekoeとしてのお役目は終わったのかなってふっと思ったんですね。
番組ではorange pekoeの代表曲『Happy Valley』をオンエアした。
orange pekoeは、3月1日(日)にラストライブ「orange pekoe with the Big Band Party Night FINAL!!!」を神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催する。ライブの詳細や最新情報は公式サイトまで。
また、ナガシマトモコのソロ名義Tomoko Niaの初ライブ「Hello, It's Tomoko Nia!」が1/30(金)に南青山BAROOMで開催される。こちらもTomoko Nia 公式サイトやSNSに詳細を掲載中。
番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
ナガシマが登場したのは、1月17日(土)放送のJ-WAVE『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。
この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。ナガシマはノースカラーズの「無添加ポテトチップス うすしお味」を持参し、ビールとともに楽しんだ。
「ここまでやりきった」活動満了に込めた想い
orange pekoeは1998年にボーカリストのナガシマトモコと、ギター・作曲・プログラミングを担当する藤本一馬により結成。およそ25年間の活動を経て、2025年秋にユニットの活動満了を表明した。クリス:これ、「満了」なんですね。
ナガシマ:「終了」とか「解散」とかではなく、「満了」だなって思ったんですね。やりきったというか。
クリス:いつくらいからそういう気分になったんですか。
ナガシマ:実を言うと、長年どうかなって思っていて。新曲を作るということは、orange pekoeの次の章を始めることになると思っていたんですけど、なかなか納得いくものができなくて。どうかなって言ってたんですけど、私の体調があまりよくなかったので、まずは自分のペースでやれる感じで、ライブだけやっていこうかなって。ライブはすごく楽しかったですし、そうしてマイペースにライブだけやっていたら、気がついたら10年くらい経っちゃったんですけど(笑)。
クリス:なるほどね。
ナガシマ:体調が回復してきたので、満を持して新しいのを作ろうかなってやり始めて。私っていうものと、藤本一馬っていうものが持っているもの、そのケミストリーがorange pekoeなんですけど。そのいちばんいい落としどころっていうか、着地点を毎作品でやってたんですけど、その「次はここだ!」っていうのが見つからなかったというか。無理やりやってしまうと、orange pekoeっていうものが持っているよかったこととか、そういうことを曲げてしまうかなと思ったので、ここまでやりきったのだから一度orange pekoeっていうかたちは終わって、お互いソロアーティストとしてこれからコラボする可能性もあるかもしれないけど、そういうのでいいのではないかなって。
この12年間で「すごい」と思った楽曲は?
『SAPPORO BEER OTOAJITO』には2014年以来の出演となったナガシマは、この12年間でどのような音楽を聴いてきたのだろうか。ナガシマ:さすがに12年経つとめちゃくちゃあったので、新譜だけでいくと、私って二面性がありまして。ひとつはただの歌好き女みたいな(笑)。歌ってたら幸せみたいなところがあって。そういう自分は歌ってて楽しい、ダフト・パンクとかデュア・リパとかそのへんのダンサブルな歌ものは大好きで車とかでよく聴いてたんですけど、もうひとつの一面があって。そっちはプロデューサー目線というか、クリエイティブ目線というか。音楽をいまあるものだけで伝統的にまわっていくだけではなくて、それを回転した末に音楽の歴史のなかで流れていく新しい道みたいなのが起こるじゃないですか。アートもそうだと思うんですけど、アートとしての音楽の楽しさみたいなものを楽しみたいというか。今回はそっちの一面でチョイスしたのがジェイムス・ブレイクの『Overgrown』と、ソランジュの『A Seat at the Table』。ここ12年くらいで自分のなかでもすごいなって思った2枚ですね。
クリス:どこがすごいと思われたんですか?
ナガシマ:ジェイムス・ブレイクはデビューアルバムの『James Blake』っていうアルバムもめっちゃかっこいいんですけど、『Overgrown』を聴いたときに彼の実験性と、それにプラスしてシンガーソングライターとしてのミュージシャンシップというか、本質的なよさみたいなのを感じて。歌とピアノが基本になりながらすごく実験性を彼は推し進めていて面白いな、すごいなっていつも思っていてずっとチェックしちゃうシンガーソングライターというか。プロデューサーですね。
James Blake - Retrograde
Solange - Cranes in the Sky (Official Video)
尊敬するのは「いまも昔もスティーヴィー・ワンダー」
「もっとも尊敬するミュージシャンは?」と訊かれたナガシマは、「いまも昔もスティーヴィー・ワンダー」と即答した。クリス:スティーヴィーの魅力はなんでしょうか?
ナガシマ:やっぱり歌が圧倒的に心に迫るし、歌詞のメッセージ性や美しさ、そして曲も天才だし、アレンジもクリエイティブだし、本当に世界に与えられた宝だなって思います。
クリス:どのアルバムがいちばん好きですか?
ナガシマ:時期によって変わっていくんですけど、『Songs In The Key Of Life』と70年代の3部作(『Talking Book』『Innervisions』『Fulfillingness' First Finale』)ですね。
クリス:俺、いちばん好きなスティーヴィーの曲って『Golden Lady』なんです。
ナガシマ:わかる! 私も『Golden Lady』かもです。大好き。
Golden Lady
ナガシマ:(よく聴いてみると)そうですね。
クリス:なんかベースの音が違うなって思ったらシンセベースだったんですよね。
ナガシマ:スティーヴィーのシンセベースってかっこいいですよね。
「orange pekoeのお役目は、あの時代で終わったのかな」
orange pekoeは2025年12月3日に、新曲2曲を含む2枚組オールタイムベストアルバム『orange pekoe All Time Best 2001-2025 春夏秋冬、日々詠歌』をリリースした。orange pekoeのラストアルバム、新曲2曲を含んだ2枚組オールタイムベスト盤『All Time Best 2001-2025 春夏秋冬、日々詠歌』12/3発売🌼ただいま各サイト予約特典付きで、ご予約受付中です https://t.co/I6JjLYHpXg pic.twitter.com/qcgsRmmMGs
— orangepekoeofficial (@orangepekoe_jp) November 7, 2025
ナガシマ:先ほども言ったんですけど、この10年ほどライブばっかりしていて。リリースもないのにずっとライブに来てくださってた方がいて、本当にありがたいなって思っていて。そういう方々へのありがとうの気持ちと、このあとorange pekoeとしてのライブはなくなるのでライブの思い出をパッケージングしたかったっていうのがあって。春夏に歌いたい曲と、秋冬に歌いたい曲がけっこう傾向があって、そのシーズンごとに歌っていた曲を、ライブのセットリストみたいな感じで並べたんですよね。なので、またライブを思い出してもらったり、ライブに来たことがない方はこういう感じのライブだったのかなって思ってもらえるようなベストアルバムにしたいなっていうのがありました。
アルバムのブックレットには活動25年間の想いを綴った、メンバーふたりのテキストが掲載されている。
クリス:あらためて活動「満了」なんですよね。「終了」じゃなくて。
ナガシマ:やりきったという感じですね。orange pekoeとしてのお役目があったと思うんです。90年代っていうすごいみんなが物質主義でイケイケだったときから、私たちが活動を始めた2000年代初頭ってそのバブルがはじけて、どんどんイケイケっていう時代ではなくなって。そのときになってorange pekoeはお役目として、自分の心が感じる幸せを大事にしていこうよっていうメッセージをのせて歌ってた。それが2025年になったときに自分を大事にするのって当たり前になってきてくれたなって。いまってセルフラブとか自分をケアすることが当たり前になって、自分の気持ちを大事にしようっていうことが、この25年で発展してきてくれたなって思ったときに、orange pekoeが2001年に言ってた「幸せを自分の心の中に見つけようよ」っていうメッセージが、もしかしたらちょっとズレちゃうかもって思ったんですね。
クリス:ズレちゃう?
ナガシマ:基本として大事なんですけど、それが逃げになっちゃったりするかもしれない、と。私が感じている次の段階は、光と闇。このアルバムに収録してる『It's Dawn』って曲でも触れているんですけど。
It's Dawn
番組ではorange pekoeの代表曲『Happy Valley』をオンエアした。
【HD】orange pekoe「Happy Valley」OFFICIAL MUSIC VIDEO
また、ナガシマトモコのソロ名義Tomoko Niaの初ライブ「Hello, It's Tomoko Nia!」が1/30(金)に南青山BAROOMで開催される。こちらもTomoko Nia 公式サイトやSNSに詳細を掲載中。
番組の公式サイトには、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週土曜18時から。
番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週土曜18:00-18:54