KIRINJI・堀込高樹、アメリカの格言をイメージして作った楽曲は…新作『TOWN BEAT』の制作秘話

KIRINJIの堀込高樹が、2026年1月9日(金)にリリースするニューアルバム『TOWN BEAT』の制作の裏側を語った。

堀込が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスがいま声を届けたい人を迎える30分のトークプログラムだ。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。

ここでは、12月16日(火)にオンエアしたトーク内容をテキストでお届けする。

・ポッドキャストページ

気持ちが高ぶった感じが曲作りに反映されている

KIRINJIは2026年1月9日(金)にニューアルバム『TOWN BEAT』をリリースする。このアルバムは今年3月に配信した『歌とギター』のリミックスに加え、新曲6曲、提供曲のセルフカバー2曲を収録した全9曲入り。

クリス:今回のアルバムはどんなふうに制作されたんですか?

堀込:『歌とギター』は2024年の暮れぐらいにレコーディングしたのかな。そのあとずっと曲を作っていたんですけど、秋にライブがあって「秋か」って感じでのんびり作っていたらけっこう切羽詰まっちゃって(笑)。ずっと忙しくしていたので気持ちがアップな状態でいて、それが曲のテンポとか(に影響して)。ハイとまでは言わないけど、オンになってる感じ。

クリス:スタジオのなかにずっといるばかりではなかったってことですよね。

堀込:ライブやってスタジオに戻っての繰り返しで、ライブで気持ちが高ぶった感じが曲作りに反映されることが起きていたと思いますね。

クリス:普段もそうですか?

堀込:普段は切り替えたいってことでやっていたんですけど。ライブはライブで、それが落ち着いたら早く曲作りモードに入らなきゃなって感じで作っていましたが、今回はそういうことも言ってられなくて。やらないと終わらないので(笑)。だから、気分を切り替えないままやったみたいな感じですね。

クリス:1曲目は『ルームダンサー feat. 小田朋美』です。

堀込:「ルームダンサー」ってそんな言葉があるのかって話ですけど、「ルームランナー」みたいで面白いかなって。

ルームダンサー (feat. 小田朋美)

クリス:これはひとりで部屋で踊ってるイメージですか?

堀込:そんな感じです。

クリス:高樹さんも踊るのかな。

堀込:あんまり踊りってほどの激しさはないですけど、のるくらいで。踊りっていうとけっこう激しくないですか。手を動かし、足を動かしって感じで。

クリス:音楽にのってる。

堀込:それよりもうちょっとダンスっぽい感じの人をイメージしています。いわゆるジャズダンスとかヒップホップダンスとかああいう感じではなくて、オリジナルっぽい感じ(笑)。よく言えばピナ・バウシュみたいなコンテンポラリーな謎の動きを部屋でしてる、みたいな感じをイメージしてもらえたらと。歌詞のなかにいろんなダンスの種類が出ていますよね。あれは抽象的なものとか、そういうものをお題として踊ってみなさいっていう感じでやってみたらどうかなってところから発想していきました。

アメリカの名言をイメージしてできた1曲

堀込は今回のアルバムの楽曲制作について、「『反省と後悔』という曲以外は、ほぼ曲から作っていった」と話す。

堀込:なので、曲を作りながらアレンジをしながら、ここにおさまるのはどんな言葉がいいかなって探っていく感じですね。

クリス:『反省と後悔』って、なにかあったんですか?

堀込:いや、なにも(笑)。反省するけど後悔してないみたいな気持ちをそのまま歌っただけで、わりとわかりやすい。

クリス:なにかあったときに聴きたいです(笑)。あと、高樹さんすごいって思ったのは『flush! flush! flush!』ですね。これは乞うご期待ですよね。

堀込:アレンジしていても楽しかったですね。

クリス:ぶっ飛ぶ内容でした。日常の話からすごい日本の話になっていったり。『素敵な夜』は先行配信曲ですよね。

素敵な夜

堀込:これはLAGHEADSとの『どうして髭を? feat. KIRINJI』って曲を彼らが出して、それにKIRINJIとして参加したんですけど、ファンキーな曲だったんですよね。ああいうファンキーなアレンジでセルフカバーをしようと思って今回やってみました。メンバーもLAGHEADSの伊吹文裕くん(Dr.)と山本 連くん(Ba.)と宮川 純くん(Key.)が参加してくれました。

クリス:これは音楽はもちろんですけど、内容の物語がすごかったですね。

堀込:たしか、コロナのときに歌詞を書いたんですよ。マスクをしていて誰かわからないみたいな。知っている人かなと思ったら知らない人だったってことがあって、「こういう感じで行き違いがあったら面白いな」ってことから発想して書きました。

クリス:あのころは特にそういうことがありましたからね。

堀込:驚いたのが、コロナ禍は学校に入学するタイミングでマスクをしているから、マスクを取ったときに誰かわからないっていう謎の状態が起こるらしくて、それはすごいなって。

クリス:そういう日常のズレとかギャップとか意外性を高樹さんは見ていらっしゃるんだなって感じますね。

堀込:そうですね。普段のことが曲のモチーフになりますね。

クリス:聴き込んでいくと「え?」って話がいつもありますから。『LEMONADE feat. 小田朋美』も苦くてすっぱいばかりの日々をレモネードに変えたいってところがあって、すごいなって。

堀込:これはアメリカとかの格言とかことわざだかわからないですけど、レモンだけあってもすっぱいだけだけど、そこにハチミツとソーダを入れたらレモネードになるから、向き合い方次第だよっていうような名言があるらしくて。それをヒントにしました。

いままでの曲をリミックスしてみたいときはある

続いて、ニューアルバムに収録されている、今年3月に配信リリースされた『歌とギター』のリミックス版の話題に。

歌とギター

堀込:リミックスといっても、3月にリリースしたときの感じでこのアルバムに入れるとちょっと浮くなと思って。あっちはちょっと60年代ものを現代に焼き直した感じで。今回アルバムを作っているときにそういう気分じゃないな、もうちょっと普通のミックスにしようってことでした。もしかしたら聴く人によっては「変わってないじゃん」って思うかもしれない。

クリス:劇的に変えたわけではないんですね。

堀込:楽器の構成とかは一緒なので。でも、聴き比べてもらえるとちょっと違うかもしれないですね。

「今回のように、いままでの曲をリミックスしてみたいと思うときはありますか?」とクリスが尋ねると、「ありますね」と堀込が答えた。

堀込:特に兄弟でKIRINJIをやっていた時期だと、いまとはミックスのバランスが違うので、これもう1回ミックスをやり直して、ちゃんとやったらいまっぽくなるんだろうなって曲はいくつかあって。

クリス:それはそれでまた聴きたくなりますけどね。

堀込:でも、そういうことを思ってるの僕だけなので、おそらく。まわりは「そっか?」みたいな感じですからね。「いいんじゃない、これで」みたいな(笑)。

KIRINJIの最新情報は公式サイトまで。

ポッドキャスト配信中

クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。

堀込高樹も全4回に加えて、ポッドキャスト限定のエピソードも配信されている。






・ポッドキャスト限定のエピソードはこちらから
radikoで聴く
2025年12月23日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
TALK TO NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-13:30

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