「おはようモーニング」というセリフをつけた主人公・ムッタのイラスト
漫画家の小山宙哉が、漫画『宇宙兄弟』(講談社)の最終回に向けての心境を語った。
小山が登場したのは、12月10日(水)放送のJ-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)内、あらゆる世界の本質にインサイトしていくコーナー「MORNING INSIGHT」だ。
別所:起きたら必ずやるルーティンってあります?
小山:まず、猫にエサをあげてトイレ掃除をして、そのあとはカフェに行って「モーニングページ」をやります。
別所:それはなんですか?
小山:A4のノートに3ページぐらい思いついたことを書くんですけど、僕は1ページぐらいですね。朝のうちに書き出すことで頭の中が整理されて、集中力が高まるという効果があると言われています。
別所:それはいつぐらいからやられているんですか?
小山:今年始めました(笑)。
別所:『宇宙兄弟』もクライマックスを迎えていますから、頭の中でいろんなことが動いているんでしょうね。
小山:設定は2025年で近未来を描いていたんですけど、まさか追いつくとは思いませんでした。
別所:多くの方々に勇気や希望を与える作品だと思いますが、連載はどんな思いでスタートされたのでしょうか?
小山:最初は向井万起男さんの『君について行こう:女房は宇宙をめざした』(講談社)という本を読んだことがきっかけです。向井さんが奥様であり宇宙飛行士の向井千秋さんの打ち上げを見送るというエッセイを書かれていて、それを兄弟でやってみようと思いました。
別所:もとから宇宙に興味があったり、宇宙飛行士を夢見ていたのでしょうか?
小山:そういうのはなかったんですけど、名前に「宙」の字が入っているのもあって、運命的なものを感じました。
別所:『宇宙兄弟』は18年連載されて、まさにライフワークですよね。ご自身のエピソードが反映されることはあるのでしょうか?
小山:そうですね。普段の体験がちょこちょこ入ってます。僕自身、漫画家になる前はサラリーマン、デザイン会社で働いていたので、主人公が宇宙飛行士を目指していたのに別の場所で働いていたところは、共感しながら描けたところです。
別所:『宇宙兄弟』を描くうえで最初に決めていた、揺るがない軸はありますか?
小山:『宇宙兄弟』に限った話ではありませんが、漫画のなかでキャラクターがいちばん大事だと思っています。キャラクター一人ひとりを人間として描くことは軸にしていますね。
続いて、漫画ができるまでの工程について聞いた。
別所:シナリオづくりはどのようにしていますか?
小山:まずプロットとして、起こる出来事を文字で箇条書きします。そのうえで「ネーム」と呼ばれる作業に入り、20ページぶんのコマ割りとセリフ、さらに簡単なラフ絵を描いていきます。
別所:その工程はずっと変わらずやってきているのでしょうか?
小山:そうですね。ネームは原稿前の下書きのようなもので、ネームがあがったら次は原稿となります。
別所:漫画家さんはみなさん同じような手法なのでしょうか?
小山:みんなそうだと思いますね。原稿にするのは大変なので、ネームというラフな段階で編集に見てもらって、直すところがあれば直します。
別所:いろんなキャッチボールをしながら漫画ができあがるわけですね。
別所:4回「ぐらい」というのはどういう意味なのでしょうか(笑)?
小山:僕はいつも先までそこまで決めていなくて(笑)。
別所:いつごろから完結させようという思いになっていたのでしょうか?
小山:うちのスタッフが言うには、5年前から終わると言っていたらしいです(笑)。
別所:そうなんですか!? ずっと支持され続けていた作品ですよね?
小山:終わりたいって思いはずっとあったので、終わるまでに必要な、描きたいエピソードがあったんですよね。それをしっかり描いていきました。
別所:難しいとは思いますが、ここから先どうなるのか少し教えていただけないでしょうか?
小山:なにを話せるかな(笑)。僕も楽しみにしているって感じですかね(笑)。
別所:宇宙人は出てきますか(笑)?
小山:そうなったらあと10巻は伸びますね(笑)。僕も面白くしたいなって思っていますし、最後の絵がどうなるんだろうなって感じですね。まだイメージできていないです。
別所:連載を振り返って、お宝だなって感じるシーンやセリフはなんですか?
小山:セリフもたくさん書いてきたので決められないんですけど、シーンとしては主人公のムッタがシャロンをハグするところです。
別所:そこがグッとくる?
小山:自分のなかでもそうですし、「そうするんだ」みたいな、こっちも気づかされた感覚がありました。キャラクターが動いてくれる瞬間があって、こちらの想定を超えてくることがあるんですよね。
別所:素敵なエピソードをありがとうございます。ちなみに、小山さんご自身の宝物はなんですか?
小山:物で言うと、最近は書くことが好きなので万年筆を大事に使っています。万年筆で筆記する楽しさというのを再確認しました。
別所:万年筆って奥が深いですよね。完結したときに誰か小山先生にプレゼントしてあげてほしいです!
『宇宙兄弟』の最新情報は公式サイトまで。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分ごろから。
小山が登場したのは、12月10日(水)放送のJ-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)内、あらゆる世界の本質にインサイトしていくコーナー「MORNING INSIGHT」だ。
朝のルーティンは「モーニングページ」
小山宙哉は1978年生まれ、京都府出身の漫画家。2006年に漫画雑誌『モーニング』で『ハルジャン』の連載を開始し、翌2007年に同誌で『宇宙兄弟』の連載をスタートした。同作は瞬く間に人気を獲得し、アニメ化や映画化もされ、幅広い世代から支持を集めている。宇宙飛行士や宇宙開発の実像を丁寧に描く作風は、国内外の宇宙関係者からも高く評価されている。まずは、小山の朝のルーティンを聞いた。別所:起きたら必ずやるルーティンってあります?
小山:まず、猫にエサをあげてトイレ掃除をして、そのあとはカフェに行って「モーニングページ」をやります。
別所:それはなんですか?
小山:A4のノートに3ページぐらい思いついたことを書くんですけど、僕は1ページぐらいですね。朝のうちに書き出すことで頭の中が整理されて、集中力が高まるという効果があると言われています。
別所:それはいつぐらいからやられているんですか?
小山:今年始めました(笑)。
別所:『宇宙兄弟』もクライマックスを迎えていますから、頭の中でいろんなことが動いているんでしょうね。
近未来の設定が現実に追いついた
2007年12月から連載がスタートした『宇宙兄弟』。完結間近の心境を問われた小山は、「だいぶかかりましたね!」と笑顔で語る。┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓┏━┓
— 宇宙兄弟【公式】 (@uchu_kyodai) July 22, 2025
┃次┃┃巻┃┃完┃┃結┃┃!┃
┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛┗━┛
日付けが変わりました!『宇宙兄弟』45巻、本日発売です!
宇宙兄弟は、次巻で完結します。
本当にあと少し、ムッタたちの物語を最後まで一緒に見届けてください! pic.twitter.com/ve41bglENQ
別所:多くの方々に勇気や希望を与える作品だと思いますが、連載はどんな思いでスタートされたのでしょうか?
小山:最初は向井万起男さんの『君について行こう:女房は宇宙をめざした』(講談社)という本を読んだことがきっかけです。向井さんが奥様であり宇宙飛行士の向井千秋さんの打ち上げを見送るというエッセイを書かれていて、それを兄弟でやってみようと思いました。
別所:もとから宇宙に興味があったり、宇宙飛行士を夢見ていたのでしょうか?
小山:そういうのはなかったんですけど、名前に「宙」の字が入っているのもあって、運命的なものを感じました。
別所:『宇宙兄弟』は18年連載されて、まさにライフワークですよね。ご自身のエピソードが反映されることはあるのでしょうか?
小山:そうですね。普段の体験がちょこちょこ入ってます。僕自身、漫画家になる前はサラリーマン、デザイン会社で働いていたので、主人公が宇宙飛行士を目指していたのに別の場所で働いていたところは、共感しながら描けたところです。
別所:『宇宙兄弟』を描くうえで最初に決めていた、揺るがない軸はありますか?
小山:『宇宙兄弟』に限った話ではありませんが、漫画のなかでキャラクターがいちばん大事だと思っています。キャラクター一人ひとりを人間として描くことは軸にしていますね。
続いて、漫画ができるまでの工程について聞いた。
別所:シナリオづくりはどのようにしていますか?
小山:まずプロットとして、起こる出来事を文字で箇条書きします。そのうえで「ネーム」と呼ばれる作業に入り、20ページぶんのコマ割りとセリフ、さらに簡単なラフ絵を描いていきます。
別所:その工程はずっと変わらずやってきているのでしょうか?
小山:そうですね。ネームは原稿前の下書きのようなもので、ネームがあがったら次は原稿となります。
別所:漫画家さんはみなさん同じような手法なのでしょうか?
小山:みんなそうだと思いますね。原稿にするのは大変なので、ネームというラフな段階で編集に見てもらって、直すところがあれば直します。
別所:いろんなキャッチボールをしながら漫画ができあがるわけですね。
連載完結は5年前から考えていた?
いよいよクライマックスを迎える『宇宙兄弟』について、小山は「掲載はあと4回ぐらい」と語り、完結が近いことを示唆する。別所:4回「ぐらい」というのはどういう意味なのでしょうか(笑)?
小山:僕はいつも先までそこまで決めていなくて(笑)。
別所:いつごろから完結させようという思いになっていたのでしょうか?
小山:うちのスタッフが言うには、5年前から終わると言っていたらしいです(笑)。
別所:そうなんですか!? ずっと支持され続けていた作品ですよね?
小山:終わりたいって思いはずっとあったので、終わるまでに必要な、描きたいエピソードがあったんですよね。それをしっかり描いていきました。
別所:難しいとは思いますが、ここから先どうなるのか少し教えていただけないでしょうか?
小山:なにを話せるかな(笑)。僕も楽しみにしているって感じですかね(笑)。
別所:宇宙人は出てきますか(笑)?
小山:そうなったらあと10巻は伸びますね(笑)。僕も面白くしたいなって思っていますし、最後の絵がどうなるんだろうなって感じですね。まだイメージできていないです。
別所:連載を振り返って、お宝だなって感じるシーンやセリフはなんですか?
小山:セリフもたくさん書いてきたので決められないんですけど、シーンとしては主人公のムッタがシャロンをハグするところです。
別所:そこがグッとくる?
小山:自分のなかでもそうですし、「そうするんだ」みたいな、こっちも気づかされた感覚がありました。キャラクターが動いてくれる瞬間があって、こちらの想定を超えてくることがあるんですよね。
別所:素敵なエピソードをありがとうございます。ちなみに、小山さんご自身の宝物はなんですか?
小山:物で言うと、最近は書くことが好きなので万年筆を大事に使っています。万年筆で筆記する楽しさというのを再確認しました。
別所:万年筆って奥が深いですよね。完結したときに誰か小山先生にプレゼントしてあげてほしいです!
『宇宙兄弟』の最新情報は公式サイトまで。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分ごろから。
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2025年12月17日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
-
月・火・水・木曜6:00-9:00
-
別所哲也
