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このベースラインがすごい! The Whoの楽曲も…マカロニえんぴつのベース・高野賢也が紹介

このベースラインがすごい! The Whoの楽曲も…マカロニえんぴつのベース・高野賢也が紹介

マカロニえんぴつの高野賢也(Ba)が「思わず弾きたくなるベースライン3選」をセレクトした。

高野が登場したのは、11月11日(火)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。

マカロニえんぴつのデビュー10周年を振り返る

11月11日は「ベースの日」ということで、この日の「MUSIC+1」にはマカロニえんぴつのベーシストである高野がゲスト出演。高野は『STEP ONE』には初出演となった。

サッシャ:なんと、ディレクターと幼なじみということで。

ノイハウス:びっくりしました。普通にゲームとかしていた仲みたいな?

高野:そうですね。正月は僕の家で飲んで「じゃあ、またよいお年を」と言って別れます。

サッシャ:真冬の織姫と彦星みたいな状態になってます。J-WAVEでは『THE KINGS PLACE』でもお世話になっています。12月2日(火)に出演するんですよね。

高野:「J-WAVE THE KINGS PLACE LIVE 2025 WINTER」に出ます。

サッシャ:お世話になります。2025年で、デビュー10周年のマカロニえんぴつです。6月には横浜スタジアムで2デイズ行い、合わせると5万5,000人です。

高野:うれしいです。

サッシャ:デビューのころに想像してましたか?

高野:してなかったですよ。デビューする前の下積みの廃盤になった曲も横浜スタジアムでやりました。

サッシャ:胸熱ですね。

高野:初めてその曲をライブハウスでやったときの景色と全然違いました。

サッシャ:そのときは何人だったんですか?

高野:10人いればラッキーというぐらいでした。

サッシャ:しかも10人のうち、お友だち何人ですか? みたいな。

高野:本当に身内ばかりでした。

サッシャ:そこから5万5,000人になりました。

高野:ライブをしているとき、その(当時の)曲をやったら泣いちゃいました。

サッシャ:でもそれは頑張り、そして想いが詰まっていたからですね。

高野:応援しているたくさんの人が全国から観に来てくれたのが、やっぱりいちばんうれしいです。

サッシャ:続けてよかったなみたいな。だって、順風満帆なばかりではないわけだから。

高野:苦労はたしかにありましたけど、全部がマイナスではないので。そのとき見た景色がハマスタでの感動につながったんじゃないかなと思います。

サッシャ:ライブハウスの景色があるから、ハマスタの景色が特別に見えるわけですもんね。そのときから応援してくださっているファンもありがたいですね。

高野:本当にうれしいです。

高校生のころに「修行」として弾いた曲

『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ここでしか聴けない「+1」な質問や話題をアーティストとお届けしている。この日は「マカえんベーシストが選ぶ、思わず弾きたくなるベースライン3選!」と題して、高野が曲をセレクトしていった。

ノイハウス:早速、1曲目いっちゃいましょう。

高野:Red Hot Chili Peppersの『Right on Time』です。

Right on Time

サッシャ:やはりFlea(Red Hot Chili Peppersのベーシスト)は欠かせないですか。

高野:この曲は高校生のころに修行として。

サッシャ:難しいってこと?

高野:指の「ドゥドゥダダ」というオクターブを16分(音符)でやるというのが。そもそも、この曲が入っている『Californication』というアルバムは、ベーシストはみんな通るであろう教材。練習になるというか「ここを通ってから」というのを、いろいろな人たちから聞いていたので。

ノイハウス:難しいんですか? このリズムやスピードというのは。

高野:早すぎるとこけちゃうし、遅すぎるとモタるというか。流れをつなげていくというのが難しいです。

ノイハウス:リズムをキープしながらですからね。

高野:お世話になりましたね。

サッシャ:Fleaのベースというのは、ベーシストから見てなにが魅力的なんですか?

高野:実は、おちゃらけているようですごく真面目な人で、ベースラインをじっくり考えるタイプらしいんです。

サッシャ:感覚で弾いているわけではない?

高野:理論で。インスタでも自主練動画を上げていて「嘘でしょ?」って。ライブではあんなにおちゃらけているというか。

サッシャ:わかります。

ノイハウス:カジュアルに、大変でないかのように(弾いているのに)。

高野:あのギャップが好きです。

サッシャ:実は緻密に考えられたベースラインだからこそ、練習のしがいもあるんですね。

耳で覚えて“歌った”ほうがいいベース

高野が2曲目に選んだのはDirty Loopsの『Work Shit Out』だ。

Dirty Loops - Work Shit Out

ノイハウス:これもあらためて聴くとベースがすごいです。

サッシャ:Dirty Loopsはベースがかなり印象的ですよね。

高野:スウェーデンのバンドです。この人たちは9月に日本に来て。

サッシャ:ひさしぶりに来ましたよね。ドラム、ベース、キーボードの編成です。

高野:Billboard Live YOKOHAMAに観に行きました。この曲が特に好きで、ライブでやってくれたんですが、ずっと安定してこの(ベースの)刻みをやっていて。僕はそういうファンク系のベースラインも好きなんです。マカロニの『悲しみはバスに乗って』という曲があるんですが、そのAメロもこういう要素を入れています。

マカロニえんぴつ「悲しみはバスに乗って」MV

サッシャ:そうなんですか。

高野:この曲は『悲しみはバスに乗って』の参考になった曲で。ただ、本当に疲れるので4小節が限界です。

サッシャ:Dirty Loopsに『STEP ONE』で1回話を聞いたんですが、彼らの出身国のスウェーデンでは、音楽大学とかを無料で受講できるんです。学費がタダなので、いろいろな人に音楽のチャンスがあって。彼らももともとバックバンドやスタジオミュージシャンをやっていた人たちで、音楽理論をちゃんと音楽大学で学んできているから、さっきのFleaと通ずるんじゃないかと僕は想像します。きっと理論の上に成り立っているんじゃないかなという気がします。

高野:ベースの方もたしかFleaに憧れてるんです。

サッシャ:ここはつながっているんだ。

高野:そういうところはあると思います。音楽理論の変態というか(笑)、大学をふたつ卒業してまた別の大学に入っていて。楽器のレンタル回数歴代1位と言われてるらしいです。

サッシャ:借りまくったんだ。

高野:すごく熱心な方です。

ノイハウス:高野さんもそういう理論に熱心なんですか?

高野:本当はじっくり考えたいところもあるんですが、やっぱり制作で時間がないときは「勢いで弾くのもいいな」と。最近はそういうものに自分が出せるものを詰め込んで、生身で戦うような感じでやっています。

サッシャ:でも、いざというときに出る引き出しは、日ごろからの鍛錬や吸収したものですからね。だから、いきなりのときに差がきっと出るんですよね。

高野:それも楽しいです。レコーディングしていて、たまたま生まれたフレーズが気に入るみたいな。ライブでちょっとアレンジを加えるのも楽しいです。

サッシャ:どんどん曲が進化していくわけですね。

番組ではDirty Loopsの『Work Shit Out』をオンエアし、高野とサッシャは感想を語り合う。

サッシャ:手数が半端ないですね。

高野:これは無理です。譜面がちょうど発売されてちらっと見たんですけど。

サッシャ:音符が羅列?

高野:1ページ目を見てやめました(笑)。

サッシャ:プロのベーシストがそう思うんですか。

高野:譜面を読むタイプなんですけど、これは読みながらやるよりは目をつぶって耳で覚えて“歌った”ほうがいいなと。

サッシャ:耳コピして頭の中で音を出して、それに合わせて弾いたほうがいいと。

高野:合わせてやったほうがいいです。

弾いていない間(ま)を魅せるベース

高野が3曲目に選んだのはThe Whoの『The Real Me』。同曲のベースの魅力について解説した。

The Real Me

サッシャ:レジェンドがきました。

高野:やはり、ここは紹介したいなと。

サッシャ:この曲の魅力は?

高野:もう歌ってますよね。

ノイハウス:ベースが?

高野:ベースというよりはブラス的な、トランペットに近いです。楽曲のなかの“飾り”が、僕たちが知っているベースとちょっと違うところにいっているのが魅力的です。

ノイハウス:ベースの使い方というか弾き方がそもそも違うと。

高野:「そこのポジションいくんだ」という。

サッシャ:The Whoのころって、たとえば機材もそんなにいまほど潤沢になかったじゃないですか。そう考えるとエフェクトも少ないし、そのぶん「どう聴かせるか」というのに苦労したのかしら。

高野:たしかに。

サッシャ:いまだったら音像、音色とか、たぶんいくらでもいじれると思います。

高野:音色というよりはテク、音域で魅せているのがやっぱり、その人たちが生きたロック時代の武器なんだろうなと思います。

サッシャ:しかも一発生演奏だろうしね。

ノイハウス:これを真似して弾くとなると、思わず弾きたくなるベースラインですが、どうなんですか?

高野:本当は弾きたいけど、やっぱりうちはギターふたり、キーボードもいるのでやったらたぶん怒られます(笑)。

サッシャ:編成的な話ね(笑)。一般的なポイントはありますか?

ノイハウス:テクニックとして真似をするのは難しいんでしょうか。

高野:難しいというより、弾いていない間(ま)を魅せているのが魅力的なんです。

ノイハウス:そこも含めてなんですね。

高野:それで親しみが出てきたと思ったら、急にハイポジションの高域のほうで弾いたりとか。ずっとルート弾きではないんです。

サッシャ:ルート弾きというのは同じことの繰り返しね。

高野:コードのルートを弾くだけではない、ロックバンドの新しいというか開拓者に近いです。

マカロニえんぴつの最新情報は公式サイトまで。

J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。

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番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00