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GLAY・JIRO×LITE・JunIzawaが紹介する「このベースライン、ヤバいじゃん」と思う曲

GLAY・JIRO×LITE・JunIzawaが紹介する「このベースライン、ヤバいじゃん」と思う曲

11月11日(火)の「ベースの日」にちなみ、ツインベースバンド・CONTRASTZ(コントラスツ)のメンバーであるGLAYのJIROとLITEのJunIzawaがゲストとして出演し、過去のベース遍歴や好きなベーシストについて熱く語った。

CONTRASTZが登場したのは、11月9日(日)放送のJ-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。世界のミュージックシーンからJ-WAVEが厳選した100曲を4時間にわたってお届けするプログラムだ。

ベースになった理由「ベースが空いてたから」「友だちにもらったから」

まずは、「ベースの日」にちなんで、JIROとJunIzawaがベースを選んだ理由から訊いた。

クリス:11月11日は「ベースの日」、これは亀田誠治さんが2014年に提唱して誕生した記念日だそうです。JIROさんはGLAYでよく亀田さんとお仕事されていますよね。おふたりがベースを選んだきっかけを教えてください。

Izawa:ベースは中学生のときからなので、もう四半世紀続けてるわけです。普通に中学生のころに「バンドをやってみない?」って同級生に誘われて、そのバンドはオリジナル曲のバンドだったんですけど、空いてた席がベースだったんですね。

JIRO:僕は中学校1年生のときからギターを弾いていたんですけど、当時バンドブームだったので、周りに楽器をやってる友だちがいっぱいいたんです。それで高校生のときに、友だちから「もう楽器弾けないからやめようと思ってて、お前ベースいらないか?」って言われていただいたんですよ。たしか、B.C. RichのWarlock(ワーロック)だったと思います。

クリス:すごいな。それ、けっこう高価だったでしょう?

JIRO:いや、でも学生のころだったから、安いやつだったと思うんですけど。それで、ギターの片手間にベースを始めたんです。

クリス:あらためてお伺いしますが、ベースの魅力ってなんですか?

Izawa:ベースはあんまり目立たない楽器だと思うんですけど、音符とリズムを立ててベースとドラムがくっついたり、プラスそのリズム以外に音符も鳴らせるじゃないですか。だから、どっちもベースの役割として必要とされるところが魅力だと思います。

クリス:なるほどね。ベースはパーカッシブでもあり、メロディックでもあるという。JIROさんはどうですか?

JIRO:まさにIzawa君の言うとおりですね。どの音楽にもベースってやっぱり欠かせないものなので。「ベースの音がわからないよ」っていう人たちも、ベースのリズム音やそれ以外の音も意識しながら音楽を聴いてると思うんです。バンドにとってベースは大事なものです。

JIRO「変拍子をどう攻略するか」リズムにこだわったツインベース

そんなふたりが結成したツインベースバンド・CONTRASTZは10月29日(水)に1stアルバム『CONTRASTZ』をリリースした。クリスはふたりに、バンド結成の経緯やアルバムについて訊いた。



JIRO:Izawa君が最近ソロアルバムを出していて(7月発売の2ndソロアルバム『haunts』)、いろんなアーティストといっぱいコラボしてたんですよ。それを聴いて、なんかえらいかっこいいなと思ってて、Izawa君に「なんかあったら俺も誘ってくれない?」みたいなことを言ったら「マジっすか」ってなって。その次の日にはこのアルバムの2曲目に収録されてる『PIGEON』っていう曲をすぐ作ってきてくれたんですよ。それで「じゃあ、1回遊びでやってみましょうか」みたいな感じになって、そこからスタートしました。

クリス:Izawaさんは最初からベースに特化したソロアルバムにしようと思っていたわけですね。

Izawa:いや、僕のソロアルバムは、むしろベースをそこまで目立たせないようにしてるんです。僕の母体である所属バンド・LITEはけっこうオルタナティブで、マスロックって言われるジャンルになると思ってるので、僕のソロはLITEとはちょっと違うエレクトロの方面で考えてます。DJに近いようなライブをしようと思って。



クリス:弦楽器としてのベースは必要ない?

Izawa:そうですね。といっても、たとえばスクエアプッシャーとかはもともとベーシストだし、エレクトロとベースがくっついてるような音楽を求めてやってるんですけど。

クリス:そうか、じゃあトラックはエレクトロだけど生ベースという、いわゆるベースギター。

Izawa:はい。でも、CONTRASTZは僕のソロとはまた違う方向性にしないと、と思って。だから本当に、JIROさんから声をかけていただいたことがうれしかったですね。

クリス:ツインベースバンドってどんなところが楽しいですか? たとえば、当然、ふたりのパートは違うと思うんだけれど、ひとりがちょっと高めの多弦を弾いて、もうひとりはローのパートを弾くとか? ツインベースってどういう感じなんだろう。

JIRO:1曲のなかで、Izawa君が高いところから入って、僕が低いところから入って、逆転してまた戻ってくるみたいな構成はやっぱり多いと思います。同じ音階で弾き合うとぶつかってしまうので。『CONTRASTZ』って、すごく変拍子が多いんですよ。GLAYはほとんど変拍子を使わないから、最初にデモがIzawa君から送られてきたときに「かっこいいな」と思っても、じゃあ実際に作業に入るかってなるとフリーズしちゃうんですよ。難しい、頭がさっぱりわからない、どうやって数えていいんだろう? みたいな感じになっちゃって。それを攻略するのが楽しかったです。

クリス:Izawaさん、マスロック好きなんですね。

Izawa:でも、僕自身の初めての変拍子体験はGLAYの『誘惑』だったんですよ。そもそも、僕がやってたジャンルだから得意だったというだけなので、変拍子にとらわれた状態で作ってるつもりはないですし、あくまで自然に聴こえるような、自分の中でのタイミングが変拍子になったらいいなくらいの感じで。聴く人に面白いなって思ってもらえたらいいなと思ってます。

クリス:基本的にベース2本のサウンドは前例ってあまりないですもんね。過去に少しあるけれども、ひな形はないわけですし。だから、試行錯誤しつつ作っていくっていうことなんでしょうね。

Izawa:さっきの話に近いんですけど、音符とリズムっていう意味では、やっぱりツインベースってリズム隊がふたりいる感じなんですよ。なので、そのリズムにけっこう特化してないと面白味があんまりなくて。そういう意味ではけっこうリズムにはこだわったのかな。

番組では、アルバム『CONTRASTZ』の収録曲『UNITE』をオンエアした。

CONTRASTZ / UNITE Visualizer

好きなベーシストは?

ベース談義はまだまだ続き、ふたりの好きなベーシストへと話は移っていった。

Izawa:最近、JIROさんとふたりでLES CLAYPOOL(レス・クレイプール)っていうベーシストのライブを観に行きました。彼は僕の憧れのベーシストなんですが、やっぱり度肝を抜かれたというか、すごかったですね。ありえないほど手が大きくて、だからこそこういうベースが弾けるんだなって痛感しました。

クリス:LES CLAYPOOLはやっぱりすごいですか。プライマスとかショーン・レノンとかで弾いてる人ですよね。

JIRO:僕はプレイ面ではさほど影響を受けてはないんですけど、好きなベーシストはRed Hot Chili PeppersのFleaです。ちょうど僕より10歳年上で誕生日も1日違いなので、自分の将来とかを考えるときにまず最初にFleaの姿を考えます。

クリス:Fleaから影響を受けたことはありますか?

JIRO:ベーシストでありながら誰よりも目立ってるとか、そういう部分はやっぱりパフォーマーとして影響を受けましたね。ベースでもこんなに派手でいいんだとか。

ふたりが思う、すごいベースライン

クリスは次に、「『このベースライン、ヤバいじゃん』と思った曲を教えていただきたい」と切り出した。

クリス:Izawaさんが選んだのはSTAP Sigh Boysの『You Belong to Disco』。これはなぜ?

You Belong to Disco

Izawa:音符の長さのスイッチのオン・オフがすごいなって思って。「ドゥー」のあとの「トゥ」って止まるとこあるじゃないですか。その「トゥ」の部分は点じゃなくて、ちょっと長いんですよ。なんか母音がちょっと残ってるみたいな。めちゃくちゃマニアックですみません(笑)。その16分音符がすごい歯切れよすぎるとファンキーなノリが出ないから少し長いという。たぶん、これシンセベースなんです。打ち込みで作ってるベースだとは思うんですけど、作曲者がそこまでこだわって指定したというところも僕はいいなと思いました。

クリス:シンセベースって自分でも弾いてみたりしますか?

Izawa:はい。作曲中に最初に自分のベースを作るときもあるし、それ以前にシンセベースを弾くこともあるし。シンセベースって生のベースだと出ない音域も出ちゃうので、そっちがほしいときはシンセベースをメインにして、裏でちょっと生のベースを足すぐらいなバランスのときもけっこうあります。

クリス:JIROさんが選んだ「このベースライン、ヤバいじゃん」はDoja Catの『Attention』でした。この曲、怪しいですね。

Doja Cat - Attention (Official Video)

JIRO:そうなんですよ。そこにこのベースラインが。もうやばいな、完璧すぎるなって。決して難しくはないし、おかずも多くないし。でも、実に堂々としてるなっていうか。しかも同じフレーズでずっと展開していくんですよ。

Izawa:これを弾くとけっこう難しいんじゃないですか。

JIRO:いや、これはね、修行だね。同じことを弾かないほうが簡単かもしれないね。

Izawa:本当、長いほうが難しい。

違う方向性の新曲をすでに制作中

最後に、CONTRASTZとしての次のビジョンについて訊いた。

クリス:ベースで新しい音楽を作ろうとしているわけですが、何かビジョンとか見えてきてますか? ふたりで共同制作してみて、なんか道が見えてきたみたいな。

JIRO:1stアルバム『CONTRASTZ』は7曲入りだったんですが、リリース前からもうすでに新しい曲を作ってます。それが1stアルバムとはちょっと違った方向性になってきたりしてるので、可能性はすごくいっぱいあるかなって思ってます。

Izawa:『CONTRASTZ』は全部合わせて23分ぐらいなんですよ。それだとライブができないなっていう考えから、じゃあちょっと継続して曲作りしていこうっていう流れになりました。『CONTRASTZ』ができてから、JIROさんとプライベートで遊んでる最中に「こういう曲よくない?」って提案をいただいて。で、そっちの道は僕がいままで作ったことのない道だったので、それに向かっていま2ndアルバムを作ってるっていう感じです。

クリス:さっきもちょっと話が出ましたが、ベースって多弦で高いところを弾いたらすごい高音域まで出るから、ギターの音域もいけるじゃないですか。また、逆にギターよりも低い音域がいけるとも言えるから、ベースって1本でメロディ、リズム、打楽器が弾けちゃうんですよね。次の道は他のボイス系もベースでやっちゃうって感じですか? それとも、ほかの楽器も含めて基本的にはドラムベースでやってこうみたいな感じなのかな。

Izawa:他の楽器だったり、そのボーカルだったりっていうのは、けっこう僕の中ではその曲が関係することが命だと思ってるので、そういう意味ではなんでも使いたいなと思ってます。なんなら、使ったことがない楽器を使ってみたいですけどね、リコーダーとか。

クリス:ライブの予定はありますか?

JIRO:まだないんですよね。

Izawa:いま、それを目標に曲を作ってるので、いつか近いうちに。

CONTRASTZの最新情報は公式サイトまで。

『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。放送は毎週日曜の13時から。

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番組情報
SAISON CARD TOKIO HOT 100
毎週日曜
13:00-16:54

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