
直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化した『この夏の星を見る』が、7月4日(金)に全国公開されます。J-WAVEは本作において、劇中音楽の監修を務めています。そこで公開に先駆けて、本作とコラボレーションした新たなポッドキャスト番組「ハラカド天文部」を立ち上げました。
映画の公開を盛り上げていく『ハラカド天文部』では、映画に関係するゲストはもちろん、宇宙や天文に関係する幅広いゲストを迎えて、全ての映画ファン、宇宙・天文ファンに向けて配信していきます。ホストを務めるのは、映画『この夏の星を見る』の監督・山元環と脚本家の森野マッシュ。
映画の出演キャストやスタッフに加え、宇宙や天文に詳しい多彩なゲストを迎え、映画の見どころはもちろん、映画鑑賞がさらに楽しめる星空の魅力やトリビアなど、知的好奇心を刺激する“星空トーク”を配信。J-WAVEリスナーをはじめ、宇宙好き、天文ファン、そしてこれから映画を見るすべての人に贈る、映画鑑賞がもっと楽しくなるプレトークを展開します。
トーク内容は、同時に開設される映画『この夏の星を見る』公式noteにて、テキストでも楽しめるよう書き起こしとして掲載していきます。J-WAVE NEWSでは、その内容を全文転載で紹介。テキストで、ポッドキャストで、お好みに合わせてお楽しみください。
公式note URL:https://note.com/konohoshi_movie
山元環&森野マッシュがご挨拶
山元環(以下、山元):映画監督の山元環です。
森野マッシュ(以下、森野): 脚本家の森野マッシュです。よろしくお願いします。
山元: いやー、初めてのラジオってことで緊張しますね。
森野: わかります。私も初ラジオなので、何を話していいやら(笑)。でも、こうやって映画のことを自分たちで話せるのって貴重ですよね。
山元:ほんまに。脚本家って裏方の仕事やから、表に出る機会ってあんまりないしな。
天文部って、憧れだった
森野:番組名が「ハラカド天文部」なので、私たちも入部ということですね(笑)。
山元: 物理的にラジオブースが部室みたいな設定やからね。マッシュは実際、天文部だった?
森野:幻の部活って感じでした。私の学校にはなかったから、ずっと憧れてて。なんか、放課後に星を見に行くって、すごくかっこよくないですか?
山元: わかる。でも望遠鏡がある学校ってそもそも少ないしな。
監督と脚本家、それぞれのルーツ
山元:僕は大阪出身で、高校は芸能文化科に通ってました。落語とか三味線とか、日本舞踊とかやってたよ。
森野:落語やってたんですか?最高じゃないですか!
山元: ほとんどふざけてたけどね(笑)。でも、その頃の体験が映画の感覚にも活きてると思う。で、その後大阪芸大に進学して映像を学びました。
森野:私は埼玉生まれで、大学では純文学を学んでました。そこから脚本に興味を持って、シナリオセンターに通って。でも途中で留学に行っちゃって、授業についていけなくなったり…(笑)。
山元:でもその後、広告代理店で働いてたんでしょ?
森野:はい、営業だったんですけど、正直向いてなかったです(笑)。でも、クリエイティブの人たちに可愛がってもらって、コピーライティングとかやらせてもらって。それでやっぱり脚本がやりたいって思って、辞めて…NHKのコンクールで『ケの日のケケケ』という作品で大賞をいただきました。
山元:あれ、面白かったよ。タイトルのインパクトすごい(笑)。
辻村深月作品を映画にするということ
森野:実は私、高校生の頃から辻村深月先生の大ファンで…。
山元: それで今回の映画の脚本に抜擢されたわけやけど、どうだった?最初聞いた時。
森野: 叫びました(笑)。本当にうれしくて。でも、原作が好きすぎて、書きたくない気持ちもあったんです。変えたくなかった。好きなままでいたかった。
山元: でも映画にするってなると、文章の繊細な透明感をどう映像にするかってめちゃくちゃ難しいよね。
森野: ほんとに。キーボード打つ手が震える日々でした(笑)。
山元: 僕も初めて小説を読んだとき、「こんな透明度ある作品、映像化してええんやろか」って戸惑ったもん。でも、それだからこそやりたくなった。自分の価値観を壊してでも挑戦してみたかった。
星空と感情と、主演・桜田ひよりさん
山元:今作の肝はやっぱり“星空”の描写。VFX含め、どう表現するかずっと悩んでた。
森野:コロナ禍の天文部を描くって設定も絶妙でしたよね。リモートでつながって、スターキャッチコンテストで星を早く捉えるっていう。
山元: そうそう。物理的な距離を超えて、「同じ空を見てる」っていう感覚。これがめちゃくちゃ大事。
森野: 主人公の朝を演じた桜田ひよりさんも本当に素晴らしくて。マスク越しでも、目だけで全部伝えてくれた。星空が宿ってるみたいでした。
山元: ほんまに。彼女の演技があったから、余計な演出いらんって思ったくらいやった。
スローハイツの神様が人生を変えた
山元: そういえば、マッシュが一番好きな辻村作品ってなんやっけ?
森野:『スローハイツの神様』です。もう、すべてが詰まってる。夢と才能、絶望と希望。しかも主人公が脚本家で、「脚本家って職業があるんだ」って初めて知ったのがこの作品でした。
山元: じゃあ本当に辻村作品が人生を変えたんやな。
森野:そうなんです。だから今回、映画化に関われたことは、まさに夢の実現で…。
最後に
森野: 久しぶりにこんなに山元さんとがっつり喋れた気がします。楽しかったです。
山元:ほんまやね。いつもは会議とか撮影の合間にバタバタ喋ってるから。今回はじっくり振り返れてよかった。
(この記事は、Podcastコンテンツ「ハラカド天文部」のダイジェスト記事です。)
現在、エピソード2も公開中です。映画監督という仕事のこだわり、やりがいなどを掘り下げています。
映画『この夏の星を見る』は、2025年7月4日全国公開予定。
<山元監督プロフィール>
1993年1月22日生まれ。2019年に公開されたショートフィルム 『ワンナイトのあとに』がyoutubeで300万回再生され話題になり、その後、監督・脚本を務めたBUMP配信ドラマ「今日も浮つく、あなたは 燃える。」の切り抜き等がSNSで総再生回数4億回を超える。昨今では「夫婦が壊れるとき」(NTV)、「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~」(TX)、「痛ぶる恋の、ようなもの」(TX)では監督・脚本を務める。
<森野マッシュプロフィール>
1996年9月24日生まれ。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域を修了。坂元裕二教授の元で脚本を学び、「FIN」にて第47回城戸賞最終選考に選される。2022年に『ケの日のケケケ』が第47回創作テレビドラマ大賞にて大賞 を受賞。近年では、「沼オトコと沼落ちオン ナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~」(TX)や「君となら恋をしてみても」(MBS)、「VRおじさんの初恋」(NHK)の脚本を担当。
映画ファン、宇宙・天文ファンに向けて配信
『この夏の星を見る』は、新型コロナウィルスが蔓延した2020年の夏、複雑な思いを抱える中高生たちが登場する群像劇です。リモート会議を駆使して全国で繋がっていく天文部の生徒たちを描き、年齢層を問わず心に響く青春の物語として支持されてきました。映画の公開を盛り上げていく『ハラカド天文部』では、映画に関係するゲストはもちろん、宇宙や天文に関係する幅広いゲストを迎えて、全ての映画ファン、宇宙・天文ファンに向けて配信していきます。ホストを務めるのは、映画『この夏の星を見る』の監督・山元環と脚本家の森野マッシュ。

トーク内容は、同時に開設される映画『この夏の星を見る』公式noteにて、テキストでも楽しめるよう書き起こしとして掲載していきます。J-WAVE NEWSでは、その内容を全文転載で紹介。テキストで、ポッドキャストで、お好みに合わせてお楽しみください。
公式note URL:https://note.com/konohoshi_movie
【第一回】ハラカド天文部:山元環&森野マッシュがご挨拶
山元環&森野マッシュがご挨拶
山元環(以下、山元):映画監督の山元環です。
森野マッシュ(以下、森野): 脚本家の森野マッシュです。よろしくお願いします。
山元: いやー、初めてのラジオってことで緊張しますね。
森野: わかります。私も初ラジオなので、何を話していいやら(笑)。でも、こうやって映画のことを自分たちで話せるのって貴重ですよね。
山元:ほんまに。脚本家って裏方の仕事やから、表に出る機会ってあんまりないしな。
天文部って、憧れだった
森野:番組名が「ハラカド天文部」なので、私たちも入部ということですね(笑)。
山元: 物理的にラジオブースが部室みたいな設定やからね。マッシュは実際、天文部だった?
森野:幻の部活って感じでした。私の学校にはなかったから、ずっと憧れてて。なんか、放課後に星を見に行くって、すごくかっこよくないですか?
山元: わかる。でも望遠鏡がある学校ってそもそも少ないしな。
監督と脚本家、それぞれのルーツ

監督:山元環
森野:落語やってたんですか?最高じゃないですか!
山元: ほとんどふざけてたけどね(笑)。でも、その頃の体験が映画の感覚にも活きてると思う。で、その後大阪芸大に進学して映像を学びました。
森野:私は埼玉生まれで、大学では純文学を学んでました。そこから脚本に興味を持って、シナリオセンターに通って。でも途中で留学に行っちゃって、授業についていけなくなったり…(笑)。
山元:でもその後、広告代理店で働いてたんでしょ?
森野:はい、営業だったんですけど、正直向いてなかったです(笑)。でも、クリエイティブの人たちに可愛がってもらって、コピーライティングとかやらせてもらって。それでやっぱり脚本がやりたいって思って、辞めて…NHKのコンクールで『ケの日のケケケ』という作品で大賞をいただきました。
山元:あれ、面白かったよ。タイトルのインパクトすごい(笑)。
辻村深月作品を映画にするということ

脚本:森野マッシュ
山元: それで今回の映画の脚本に抜擢されたわけやけど、どうだった?最初聞いた時。
森野: 叫びました(笑)。本当にうれしくて。でも、原作が好きすぎて、書きたくない気持ちもあったんです。変えたくなかった。好きなままでいたかった。
山元: でも映画にするってなると、文章の繊細な透明感をどう映像にするかってめちゃくちゃ難しいよね。
森野: ほんとに。キーボード打つ手が震える日々でした(笑)。
山元: 僕も初めて小説を読んだとき、「こんな透明度ある作品、映像化してええんやろか」って戸惑ったもん。でも、それだからこそやりたくなった。自分の価値観を壊してでも挑戦してみたかった。
星空と感情と、主演・桜田ひよりさん
山元:今作の肝はやっぱり“星空”の描写。VFX含め、どう表現するかずっと悩んでた。
森野:コロナ禍の天文部を描くって設定も絶妙でしたよね。リモートでつながって、スターキャッチコンテストで星を早く捉えるっていう。
山元: そうそう。物理的な距離を超えて、「同じ空を見てる」っていう感覚。これがめちゃくちゃ大事。
森野: 主人公の朝を演じた桜田ひよりさんも本当に素晴らしくて。マスク越しでも、目だけで全部伝えてくれた。星空が宿ってるみたいでした。
山元: ほんまに。彼女の演技があったから、余計な演出いらんって思ったくらいやった。
スローハイツの神様が人生を変えた
山元: そういえば、マッシュが一番好きな辻村作品ってなんやっけ?
森野:『スローハイツの神様』です。もう、すべてが詰まってる。夢と才能、絶望と希望。しかも主人公が脚本家で、「脚本家って職業があるんだ」って初めて知ったのがこの作品でした。
山元: じゃあ本当に辻村作品が人生を変えたんやな。
森野:そうなんです。だから今回、映画化に関われたことは、まさに夢の実現で…。
最後に
森野: 久しぶりにこんなに山元さんとがっつり喋れた気がします。楽しかったです。
山元:ほんまやね。いつもは会議とか撮影の合間にバタバタ喋ってるから。今回はじっくり振り返れてよかった。
(この記事は、Podcastコンテンツ「ハラカド天文部」のダイジェスト記事です。)
現在、エピソード2も公開中です。映画監督という仕事のこだわり、やりがいなどを掘り下げています。
映画『この夏の星を見る』は、2025年7月4日全国公開予定。
<山元監督プロフィール>
1993年1月22日生まれ。2019年に公開されたショートフィルム 『ワンナイトのあとに』がyoutubeで300万回再生され話題になり、その後、監督・脚本を務めたBUMP配信ドラマ「今日も浮つく、あなたは 燃える。」の切り抜き等がSNSで総再生回数4億回を超える。昨今では「夫婦が壊れるとき」(NTV)、「沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~」(TX)、「痛ぶる恋の、ようなもの」(TX)では監督・脚本を務める。
<森野マッシュプロフィール>
1996年9月24日生まれ。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻脚本領域を修了。坂元裕二教授の元で脚本を学び、「FIN」にて第47回城戸賞最終選考に選される。2022年に『ケの日のケケケ』が第47回創作テレビドラマ大賞にて大賞 を受賞。近年では、「沼オトコと沼落ちオン ナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~」(TX)や「君となら恋をしてみても」(MBS)、「VRおじさんの初恋」(NHK)の脚本を担当。
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