洋楽ファン注目のフェス「rockin'on sonic」 山崎洋一郎が語る見どころ、そして音楽業界に感じる“波”

株式会社ロッキング・オン代表取締役社長の山崎洋一郎さんが「rockin'on sonic」のラインナップと見どころについて語った。

山崎さんが登場したのは、9月17日(火)から19日(木)に放送されたJ-WAVE『DIG UP!』(ナビゲーター:藤田琢己)。同番組では3日間にわたって2025年1月4日(土)、1月5日(日)に幕張メッセ国際展示場で初開催される新しい“洋楽”ロックフェス「rockin'on sonic」を特集した。

洋楽ロックを再び盛り上げるフェス開催!

「rockin'on sonic」は洋楽雑誌『rockin'on(ロッキング・オン)』と「SUMMER SONIC」や「LOUD PARK」などの主催で知られているクリエイティブマンプロダクションがタッグを組んで初開催される、新しい“洋楽”ロックフェスだ。

番組では「rockin'on sonic」のプロデューサーでもある山崎さんをゲストに迎え、開催への想いやその魅力を掘り下げることに。まず山崎さんはイベントを立ち上げた経緯について語った。

山崎:90年代、00年代の僕は洋楽の『rockin'on』の編集長をずっとやっていて、当時ものすごく洋楽が日本のなかで盛り上がっていました。フェスも立ち上がって「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」も生まれました。そのあたりの洋楽のロックを中心とした音楽みたいなものが、もう1回盛り上がってもらいたいなと、そういう場所を作りたいという本当にシンプルな想いです。僕が出てもらいたいアーティストのラインナップをメモしてリストにして、それを持ってクリエイティブマン代表の清水(直樹)さんのところに行って「一緒にやりませんか」という話を持ちかけた、という。本当にシンプル、ストレートな動機です。

山崎さんによると2024年の初頭には構想を練り始めたそうで、すぐに海外へのオファーを始めたという。ロッキング・オンとクリエイティブマンは2014年から「JAPAN JAM」でも協力関係にあるが、今回も力を合わせたいという想いは念頭にあったとのことだ。

山崎:「SUMMER SONIC」には毎年行っていて、すごくノウハウもたいしたものだなというのがあります。なにより僕とクリエイティブマン社長の清水さんは同世代で、すごく趣味も似ていて気が合うんです。だからこれは楽しく、うまくやれそうだなという想いはありまして、真っ先に相談したいと思いました。

藤田:アーティストの理想をリストアップするのは、そこでまた清水さんと盛り上がったんじゃないですか?

山崎:僕が持って行ったリストに清水さんも「いや、これは違うんじゃない?」とかがあるのかなと思いましたが、意外とすっと受け取ってくださって。「じゃあちょっと順番に、難しそうなものから当たってみましょうか」と、わりとすんなりと(進みました)。実際の今回のラインナップもほとんど、そのリストに最初に上げられていたような人たちが並んでいます。たぶん「これいいね」と思ってくださったと思うし、同じ想いだったと思います。

強力なラインナップ! ブッキングはどう進んだ?

現在発表されている出演アーティストは初日の1月4日がPULP、PRIMAL SCREAM、ST.VINCENT、JIMMY EAT WORLD、WEDNESDAY、LUVCAT。2日目の1月5日がWEEZER、DEATH CAB FOR CUTIE、MANIC STREET PREACHERS、THE LEMON TWIGS。追加発表も予定されているという。このラインナップについて、今回のオンエアのナビゲーターであり“ラジオのロックフェス”をコンセプトに掲げるポッドキャスト番組『TOKYO REAL-EYES PODCAST』も担当している藤田は、「理想のラインナップを出して、その通り受けてくれた、という印象を受けます」と所感を述べた。

山崎:このアーティストを聴いていらっしゃる世代の方、30代、40代の方々って、本当に熱く長きにわたって洋楽というものを愛してきたという、まさに洋楽リスナー経験者の方々だと思います。それが時代が変わって、こういうアーティストが、以前よりはあまりフェスなどにも呼ばれなくなった。単独公演も少し減ってきたかな、みたいななかで、きっと「もう1回盛り上がりたい」という想いは強いと思います。そういう来られる方の顔が僕のなかで見えたので、アーティストのラインナップ選びはすごく自分のなかで自然にできました。「こういう人をいま観たいよね」という思いでストレートにやりました。

レジェンダリーなアーティストも多いため、藤田は「ブッキングは難しかったのでは?」と質問。しかし実際には非常にスムーズに話が進んで行ったそう。海外アーティストにとって、年始のこの期間はすでに仕事を始めているタイミングでもあるため、山崎さんは「(交渉は)意外とスムーズでした」と振り返った。

山崎:それと、「日本にもっと来たい」とみなさん言ってくださるというか。以前はもっとジャパンツアーって激しく多かったんです。それがだんだん頻度が減ってきて「夏フェスにはたまに呼ばれるけど、でもそれだけでは(足りない)。もっと来たいよな」というのがあって。だからけっこう、快くOKしてくださったアーティストは多いです。

1月4日の出演アーティスト

放送の2日目には「rockin'on sonic」イベント初日、1月4日出演のアーティストについて掘り下げていった。

藤田:ヘッドライナーのPULP。キャリアは長いですけど、バッと広がっていったのは90年代ブリットポップの流れかなと。方やOASISやBlurがいるなかでも、このPULPは本国イギリスでものすごく影響力のあるバンドです。

山崎:PULPは本当にイギリスではOASIS、Blur、PULPと3バンドと言われることもあるぐらいの存在です。そしてなによりものすごくクオリティが高いバンドで、作品もそうだしライブもものすごくいい。彼らが23年に2度目の復活を遂げて、ツアーもやったのですが日本には来られなかったので、日本にいるファンはとても残念がっていました。なので今回のフェス出演というは僕自身すごくうれしいですし、待っていた方もたくさんいらっしゃると思います。

藤田:「あの曲で踊りたいぞ」とかあると思います。続いてPRIMAL SCREAM、WEDNESDAYの出演も告知されていました。PRIMALはもう、日本のファンは多いです。結成42年目、そんなにキャリアがあるのですね。

山崎:新しいビジュアルとかを見ても相変わらずかっこいいですよね。PRIMALは音楽性もものすごくアルバム毎に進化して面白いバンドですし、なによりBobby Gillespie(Vo)はロックスター。でもキラキラのロックスターというのではなくて、ちょっとアンダーグラウンドなロックスターというのを貫いている人で。彼をどこまでも見届けたいな、という想いをロックファンはみんな持っていると思うので、見届けていただきたいと思います。

2018年から本格始動したUSのバンドWEDNESDAYについて、山崎さんは若いバンドだが年齢の高いリスナーにも支持されており「若手で真っ先に呼びたいと思ったバンド」だと絶賛した。

藤田:そして、ST.VINCENT、JIMMY EAT WORLD、LUVCATの出演も発表になりました。JIMMY EAT WORLDの生『Sweetness』が観られますか?

山崎:そうですね。だからPRIMALとかManics(MANIC STREET PREACHERSの愛称)、PULPも含めてUK色が強いと、たぶん第一弾で言われるだろうなと思ったので「いやいや、それだけじゃないぞ」という。DEATH CAB、JIMMY EATという、ちゃんとそっちもしっかり押さえたいなという、バランスがありました。

1月5日の出演アーティスト

特集最終日の放送では、「rockin'on sonic」2日目出演のアーティストについて掘り下げていった。ヘッドライナーのWEEZERについて、山崎さんは「フェスを企画したときに、真っ先に名前が浮かんだアーティスト」とコメントした。

藤田:まあRivers Cuomo(Vo)でいうと、(彼にとって)日本という国もちょっと特別な国ですからね。

山崎:奥さまが日本人でね、しょっちゅう日本にも来られていて。

藤田:もう途中のMCもほぼ日本語なんじゃないかな? と思っちゃうぐらいの(笑)。

山崎:MC期待しちゃいますよね。

藤田:ということで、もうみんな大好き。これは若い方で聴いている方は「あなたが好きな日本のバンドたちもかなり影響を受けているよ」と言っても過言ではない。

山崎:WEEZERがいなければELLEGARDENも、ASIAN KUNG-FU GENERATIONもいなかった、と言ってもいいぐらいのバンドです。WEEZERはデビューアルバム『The Blue Album』の30周年記念で、アルバム再現ツアーを海外ではやっているんです。どうも本人たちのウェブサイトを見ると、そのツアーの流れにこの「rockin'on sonic」が入っているので、やってくれそうです。

続いてMANIC STREET PREACHERSに注目。15枚目のアルバムも完成間近という報道もあり、山崎さんは「新作の曲が聴けるのでは」と期待を寄せる。

山崎:そしてなにより、MANIC STREET PREACHERSってすごく有名だしキャリアが長いのですが「観たことない」という人がまだけっこういます。ライブバンドとしてとにかくすごいバンドなので、観ていない人はぜひこの機会で観てもらいたいです。

藤田:そして第1弾発表のなかにはTHE LEMON TWIGSも入っていました。これは世代的にはちょっと若めな感じはします。

山崎:ものすごく若いけど、かなりオールドスクールというか「Paul McCartneyかな?」みたいな音楽性でなんかほっこりしますよね。聴いていると僕、孫といるみたいです(笑)。

DEATH CAB FOR CUTIEの出演について、山崎さんは予想をしていたもののかなり大きな反響があったことを明かした、

藤田:2019年の「FUJI ROCK FESTIVAL」以来の来日になります。

山崎:彼らもアルバムの制作期間に入ると言っていたので、新曲とか彼らの場合はライブでやったりする可能性もすごくあるので、その辺も楽しみですね。

今、音楽業界に感じる波

山崎さんは今後新たに発表するアーティストが(両日で)6組控えていることを明かし、いま感じている音楽界の“波”について語った。

藤田:往年のグループたちもOASISが復活したりとすごく華やかに、いろいろなニュースを振りまいてくれるこの数か月です。

山崎:あとはLINKIN PARKが新しいボーカリストの方と新しくスタートという。

藤田:諸先輩方のバンドたちが活気づかせてくれています。

山崎:すごい時代に突入したなと思って。それこそTHE ROLLING STONESが北米ツアーをあの年齢でやっているじゃないですか。そういうクラシックロックの方々も元気だし、そしてまた今回の「rockin'on sonic」に呼ぶような90年代のアーティストもまた、そういう波が起きています。そういう人たちに影響を受けた新しい世代、それこそZ世代のバンドたちというのも、バンドだったりアーティストだったり、ロックもまたその世代で盛り上がり始めています。なんかすごく大きな波にまたなりつつあるな、という感じはすごくしますね。

「rockin'on sonic」開催情報

2025年1月4日(土)、5日(日)
<4日>開場12:00/開演13:30
<5日>開場11:00/開演12:30
会場:幕張メッセ国際展示場
◎チケット発売中!

「rockin'on sonic」の最新情報は、公式サイトまで。

『DIG UP!』ではJ-WAVEがおすすめするイベント情報をピックアップして紹介。イベント関係者や出演アーティストのコメントなどでイベントの魅力を伝える。放送は月曜から木曜の18時50分から。
番組情報
DIG UP!
月・火・水・木曜
18:50-19:00

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