バターを空気から作れる!? 実際に食べたビル・ゲイツも味わいに驚き

J-WAVEの番組『STEP ONE』には、気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2024年7月にオンエアされた同コーナーから、イチオシトピックを紹介する。

今回は「食品のイノベーション」に注目した模様をテキストで紹介。

【オンエア:2024年7月18日(木)/ナビゲート:サッシャ・ノイハウス萌菜】  

空気から作るバターをアメリカのスタートアップが開発

今回は、ノイハウスがガーディアン紙の記事を紹介。「ビル・ゲイツの支援を受けたカリフォルニアのスタートアップが、空気を原料としたバターを完成」という内容だ。

【元記事】ビル・ゲイツの支援を受けたカリフォルニアのスタートアップが、空気を原料としたバターを完成(外部リンク)

ノイハウス:このコーナーでもいろいろ代替品の紹介はしてきましたが、個人的に面白いイノベーションの分野だと思っています。代替品というのは、動物性食品、たとえばお肉、ヨーグルト、卵などを別の食品で置き換えるものです。身近なものだと、豆乳や大豆ミートなどですね。今回のスタートアップのウェブサイトでは、「二酸化炭素に少し熱と水素を加えるの。それに酸素を混ぜて、誰もが大好きでよだれをそそるような油脂を作り上げるのさ」と軽い口調で記載されています。

カリフォルニア州サンノゼにある「Savor」というスタートアップは、乳製品を含まないバターを開発した。空気から二酸化炭素を、水から水素を取り出し、これを加熱して酸化。そこから脂肪酸を分離して脂肪分子を形成するプロセスで代替バターを作り出すのだという。

ノイハウス:これまでにも二酸化炭素を原料にたんぱく質を作る会社は他にもあったようですが、微生物も使っていたそうなんですね。Savorは科学プロセスのみで油脂を作ります。

原材料が“空気”の商品が今後増えるかもしれない?

今回のスタートアップは、会社の設立に至った発想もユニークだ。

ノイハウス:気候変動が進むなか、人間が食品を育て、加工するエネルギー、たとえば化石燃料を燃やすといった流れが問題ならば、「人間が化石燃料を食べればいいのではないか」というアイデアから会社が生まれたそうです。置き換えるとCO2を食べるという考えに進んでいって、現在は油を作るに至ったということですね。

空気から作るバターの1カロリーに当たるCO2の排出量は、無塩バターの3分の1ほど。環境負荷の点でも成果を見せている。販売は早くとも2025年以降の見通しだが、ビル・ゲイツは一足先に代替バターを実際に食べたそうだ。

ノイハウス:ビル・ゲイツいわく「バターを食べていないとは信じられなかった」という評価なので、さらに興味が湧きますね。もちろん、自然のものに対して科学的なもの、という点で抵抗を感じる方もいると思います。ただ、私は動物から作った乳製品より品質や透明性が保てる可能性があるんじゃないかなと思います。全部が科学プロセスでできるものなら毎回同じものが作れますし、分子レベルではバターと変わらない製品ですよね。

科学プロセスで作られた油は食品だけでなく、今後は石鹸や化粧品など幅広い分野で活用できるようSavorは検討しているそうだ。

ノイハウス:おいしい空気から作るとおいしいバターができるのかといった点も気になりますね。カルフォルニアの企業なので、もしかしたらアメリカでは来年食べられるのかもしれませんね。日本に来るのはいつになるでしょうか。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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