東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一とフレデリックの高橋 武、2人のドラマーが「最高のドラマー」をテーマに、それぞれ影響を受けたドラマーや好きなドラマーについて語った。
2人が登場したのは、3月13日(水)に放送されたJ-WAVE『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。
ドラマー3人で始まった今回の『SONAR MUSIC』。最初の話題は、ドラムを始めるきっかけとなったドラマーについて。まずは高橋が口を開く。
高橋:そもそも僕がドラムを始めたのは中学生の頃で、(当時は)あんまりドラムを誰が叩いているかって意識していなかった。どちらかというと「スティック回しているのすごい」とか「早く叩く」とか、ドラムをあまり深く掘ってない人からしたら簡単にすごいって思われそうなことを追求しがちだったけれど、高校に上がったくらいで、自分の好きなミュージシャンはみんな「シンプルなビートのほうが難しい」って言っているなって。
あっこゴリラ:はいはい(笑)。
高橋:それを表面的に理解したフリはできるけど、本当の意味で自分が何もわかってないんじゃないかって。シンプルで良いとされているものを探してひたすら聴き漁っているときに、マイケル・ジャクソンの『Billie Jean』を聴いたらちょっと分かったんですよ。
高橋:すごいシンプルなビートだけど、聴いていたら勝手に動いちゃうって。
あっこゴリラ:今、この3人とも動いちゃってるからね(笑)。
茂木:間違いない。
高橋:譜面上は「ドラムを始めて最初にチャレンジしてみよう」ってビートじゃないですか。でも、とてもマネできないし、このニュアンスにならない。そういうところで自分が『Billie Jean』を一時期ひたすら聴いていて、毎日この曲だけ叩く時期があったので、僕的には最初に影響を受けたかなって。レオン・ンドゥグ・チャンクラーってドラマーです。
茂木:それまでは歌謡曲を聴いていて、そのときは全然そんなことを考えもしなかったんだけど、洋楽を聴き始めたときに、なんかドラムの音が耳に入ってくるなって。後から振り返れば作りが全然違うからって分かるけど、当時はとにかく自分の耳にドラムの音が飛び込んできてしょうがなかった。これ何だと思って調べたら、ロッド・スチュワートの『Da Ya Think I'm Sexy?』(邦題:アイム・セクシー)』って曲で。
あっこゴリラ:これも勝手に体が動いちゃうやつですね。
茂木:当時、輸入盤が買えるお店ができて、最初に買った洋楽のアルバムがロッド・スチュワートのアルバムでした。誰が叩いているのかと思ったら、カーマイン・アピスでした。家にはギターの教本だけあるんだけど、でもそういうことじゃなくて、直感で「俺これ好きなんだ」って、バシッときちゃった感じだよね。
あっこゴリラ:最初にドラムが耳に行きがちですか?
茂木:プレイヤーの自分とリスナーの自分ってすみ分けていて、だからJ-WAVEとかつけてポンと出てきた新曲は、ただただどんな曲かなって全体で聴いちゃう。その後に「あれ、このドラム気になる」っていうのはもちろんある。
高橋:同じ感じですね。
高橋:沼澤 尚といえば海外ではチャカ・カーンとかボビー・ウーマックのツアーに参加していますし、国内でも本当に素晴らしいミュージシャンの方々とやっていますけれど、僕が沼澤 尚さんに衝撃を受けたのは、安藤裕子さんのバックで沼澤 尚さんが演奏されているライブを観に行ったとき。そのときシンバルの枚数が特別多かったわけではないけど、全部のシンバルが曲のキーに合って聴こえたんです。
あっこゴリラ:すげえ!
高橋:曲が変わっても、その曲のコードに合ってシンバルの音色が聴こえて「何じゃこれ?」って。当時、僕は20歳前後だったので、どちらかというと安易にドラムはメロディーのない楽器みたいな捉え方をしていた部分があったので、「なんで沼澤さんのドラムは、こんなに曲にハマって聴こえるんだろう」っていうのが入り口でした。そこからどハマりしましたね。
ここで高橋は「ちょうど沼澤さんが今の僕の歳くらいのときの曲」として13Catsの『If You Really Love Me~The River』を紹介。オンエアした。
一方、茂木が影響を受けたドラマーとしてザ・フーのドラマー、キース・ムーンの名前を挙げると、あっこゴリラが「そりゃそうだ!」と納得の様子。
茂木:キース・ムーンって破天荒でめちゃくちゃってイメージがあるんだけど、曲をこんなに生かしているというか、こんなに生命力を与えているドラマーもいないって思うくらい、ものすごいエネルギーを持ったドラマーだなって思う。
あっこゴリラ:世界でいちばん破天荒で有名なドラマーですよね。
茂木:ドラムセットもよく壊すしね。でも曲の理解度もすごいというか、めちゃくちゃ手数多いのにその曲のいちばんポイントになる「ここがツボでしょ」ってところは限りなく押さえる。キース・ムーンを聴いたときに「あ、そういうことをしていいんだ」と思えたんだよね。
中学3年の頃、進路でモヤモヤしていた茂木はキース・ムーンのドラムを聴いて、「こんな風にドラムで突破することってあるんだ」と衝撃を受け、「常識を壊すことを教えてもらった」と語った。
ここで茂木はザ・フーの『My Generation』をリクエスト。オンエアした。
高橋:もちろんプレーに関しては最高なんですけど、僕が特に考えさせられたのが、去年ドラムセミナーでガッドが来ていて、そのときに質問コーナーがあったんですよ。カジュアルな質問からテクニカルな質問までいろいろあったんですけれど、答えるまでにすごく考えるんですよ。
茂木:へえ。
高橋:これなら即答してもよさそうな答えでもめちゃくちゃ考えていて。それって訊いてくれた人に対してどういう言葉を選んで、どういう伝え方をしたらいいのかってことを考えてから言葉を発していると僕は感じたんです。それってスティーヴ・ガッドの音楽の向き合い方と繋がってくるなって思ったんですよ。
高橋は「逆に僕が後輩のドラマーに『これどうしたらいいですか?』とか訊かれたときに『こういう叩き方したらいいよ』と即答しちゃいそうなことでも、スティーヴ・ガッドはすごく考えていた」と感心する。
高橋:最初にかけた『Billie Jean』じゃないけど、結局答えがシンプルなところに行き着くとしても、そこに至るまでの過程を「みんながそうしてる」じゃなくて、自分の中で咀嚼してその結果・その答えに行き着いているかどうかって、結果的に演奏の仕方とかも変わってくるなと思っていて。スティーヴ・ガッドがその手順をちゃんと踏んでいる感じが、「そりゃそうだろう」って思いつつもめちゃくちゃスゲえなって感じました。
高橋は、スティーヴ・ガッドと言えばこのフレーズという1曲、ボブ・ジェームスの『Heads』をセレクト。オンエアした。
茂木:キース・ムーンのときもそうだったんですけど、それ以上にドラムの常識を覆してくれたっていうか、ドラムで考えないほうが面白いなって教えてもらったというか。他の楽器がやっていることをもっと聴いたら、もっと面白いドラムのパターンとか考えられて、ドラムも結局フレーズなんだなということをジガブーからめちゃくちゃ教わった気がします。
あっこゴリラ:ミーターズのドラマーに影響を受けたって人も多いですよね。
茂木:ドラムが歌っているんだよね。口で言いたくなるというか。
茂木は「これはたまらない」とミーターズの『Cissy Strut』をセレクト。「たぶんレッド・ツェッペリンとかミーターズにめちゃくちゃ影響を受けている」とその影響が読み解ける曲だと紹介した。
フレデリックは6月から全国6都市を巡るファンクラブ限定ワンマンライブ『Home Party Tour 2024』と対バンツアー『UMIMOYASU 2024』を開催する。 フレデリックの最新情報は、公式サイトまで。
東京スカパラダイスオーケストラは6月から全国ツアー「東京スカパラダイスオーケストラ 35th Anniversary TOUR『Voyage To Paradise』」がスタート。11月16日(土)には兵庫・阪神甲子園球場で35周年アニバーサリーライブ「35th Anniversary Live スカパラ甲子園」を開催する。東京スカパラダイスオーケストラの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
2人が登場したのは、3月13日(水)に放送されたJ-WAVE『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。
「聴いていると勝手に動いちゃう」
今回のテーマは「最高のドラマー」。もともとドラマーだったあっこゴリラはドラムの素晴らしさについて「言語を超えるし、お年寄りから子どもまでみんなが踊れる楽器」と表現し、茂木も同調していた。ドラマー3人で始まった今回の『SONAR MUSIC』。最初の話題は、ドラムを始めるきっかけとなったドラマーについて。まずは高橋が口を開く。
高橋:そもそも僕がドラムを始めたのは中学生の頃で、(当時は)あんまりドラムを誰が叩いているかって意識していなかった。どちらかというと「スティック回しているのすごい」とか「早く叩く」とか、ドラムをあまり深く掘ってない人からしたら簡単にすごいって思われそうなことを追求しがちだったけれど、高校に上がったくらいで、自分の好きなミュージシャンはみんな「シンプルなビートのほうが難しい」って言っているなって。
あっこゴリラ:はいはい(笑)。
高橋:それを表面的に理解したフリはできるけど、本当の意味で自分が何もわかってないんじゃないかって。シンプルで良いとされているものを探してひたすら聴き漁っているときに、マイケル・ジャクソンの『Billie Jean』を聴いたらちょっと分かったんですよ。
高橋:すごいシンプルなビートだけど、聴いていたら勝手に動いちゃうって。
あっこゴリラ:今、この3人とも動いちゃってるからね(笑)。
茂木:間違いない。
高橋:譜面上は「ドラムを始めて最初にチャレンジしてみよう」ってビートじゃないですか。でも、とてもマネできないし、このニュアンスにならない。そういうところで自分が『Billie Jean』を一時期ひたすら聴いていて、毎日この曲だけ叩く時期があったので、僕的には最初に影響を受けたかなって。レオン・ンドゥグ・チャンクラーってドラマーです。
「俺これ好きなんだ」直感で理解したドラムの音は?
一方、茂木がドラムを始めるきっかけは、小さい頃に聴いたラジオだったという。当時、ラジオから流れる全米ヒットチャートが大好きで、最初はギターがいいなと思ったが、ある日、耳がドラムの音に寄っていることに気が付いたという。茂木:それまでは歌謡曲を聴いていて、そのときは全然そんなことを考えもしなかったんだけど、洋楽を聴き始めたときに、なんかドラムの音が耳に入ってくるなって。後から振り返れば作りが全然違うからって分かるけど、当時はとにかく自分の耳にドラムの音が飛び込んできてしょうがなかった。これ何だと思って調べたら、ロッド・スチュワートの『Da Ya Think I'm Sexy?』(邦題:アイム・セクシー)』って曲で。
あっこゴリラ:これも勝手に体が動いちゃうやつですね。
茂木:当時、輸入盤が買えるお店ができて、最初に買った洋楽のアルバムがロッド・スチュワートのアルバムでした。誰が叩いているのかと思ったら、カーマイン・アピスでした。家にはギターの教本だけあるんだけど、でもそういうことじゃなくて、直感で「俺これ好きなんだ」って、バシッときちゃった感じだよね。
あっこゴリラ:最初にドラムが耳に行きがちですか?
茂木:プレイヤーの自分とリスナーの自分ってすみ分けていて、だからJ-WAVEとかつけてポンと出てきた新曲は、ただただどんな曲かなって全体で聴いちゃう。その後に「あれ、このドラム気になる」っていうのはもちろんある。
高橋:同じ感じですね。
衝撃を受けたドラマーたち
続いて、2人が影響を受けた「最高のドラマー」をそれぞれ紹介。高橋は1人目に沼澤 尚の名前を挙げた。高橋:沼澤 尚といえば海外ではチャカ・カーンとかボビー・ウーマックのツアーに参加していますし、国内でも本当に素晴らしいミュージシャンの方々とやっていますけれど、僕が沼澤 尚さんに衝撃を受けたのは、安藤裕子さんのバックで沼澤 尚さんが演奏されているライブを観に行ったとき。そのときシンバルの枚数が特別多かったわけではないけど、全部のシンバルが曲のキーに合って聴こえたんです。
あっこゴリラ:すげえ!
高橋:曲が変わっても、その曲のコードに合ってシンバルの音色が聴こえて「何じゃこれ?」って。当時、僕は20歳前後だったので、どちらかというと安易にドラムはメロディーのない楽器みたいな捉え方をしていた部分があったので、「なんで沼澤さんのドラムは、こんなに曲にハマって聴こえるんだろう」っていうのが入り口でした。そこからどハマりしましたね。
ここで高橋は「ちょうど沼澤さんが今の僕の歳くらいのときの曲」として13Catsの『If You Really Love Me~The River』を紹介。オンエアした。
一方、茂木が影響を受けたドラマーとしてザ・フーのドラマー、キース・ムーンの名前を挙げると、あっこゴリラが「そりゃそうだ!」と納得の様子。
茂木:キース・ムーンって破天荒でめちゃくちゃってイメージがあるんだけど、曲をこんなに生かしているというか、こんなに生命力を与えているドラマーもいないって思うくらい、ものすごいエネルギーを持ったドラマーだなって思う。
あっこゴリラ:世界でいちばん破天荒で有名なドラマーですよね。
茂木:ドラムセットもよく壊すしね。でも曲の理解度もすごいというか、めちゃくちゃ手数多いのにその曲のいちばんポイントになる「ここがツボでしょ」ってところは限りなく押さえる。キース・ムーンを聴いたときに「あ、そういうことをしていいんだ」と思えたんだよね。
中学3年の頃、進路でモヤモヤしていた茂木はキース・ムーンのドラムを聴いて、「こんな風にドラムで突破することってあるんだ」と衝撃を受け、「常識を壊すことを教えてもらった」と語った。
ここで茂木はザ・フーの『My Generation』をリクエスト。オンエアした。
実際に会ったスティーヴ・ガッドの姿勢を見て…
高橋は「最高のドラマー」の2人目に「そりゃそうだって感じだけど」と前置きしつつスティーヴ・ガッドを挙げた。高橋:もちろんプレーに関しては最高なんですけど、僕が特に考えさせられたのが、去年ドラムセミナーでガッドが来ていて、そのときに質問コーナーがあったんですよ。カジュアルな質問からテクニカルな質問までいろいろあったんですけれど、答えるまでにすごく考えるんですよ。
茂木:へえ。
高橋:これなら即答してもよさそうな答えでもめちゃくちゃ考えていて。それって訊いてくれた人に対してどういう言葉を選んで、どういう伝え方をしたらいいのかってことを考えてから言葉を発していると僕は感じたんです。それってスティーヴ・ガッドの音楽の向き合い方と繋がってくるなって思ったんですよ。
高橋は「逆に僕が後輩のドラマーに『これどうしたらいいですか?』とか訊かれたときに『こういう叩き方したらいいよ』と即答しちゃいそうなことでも、スティーヴ・ガッドはすごく考えていた」と感心する。
高橋:最初にかけた『Billie Jean』じゃないけど、結局答えがシンプルなところに行き着くとしても、そこに至るまでの過程を「みんながそうしてる」じゃなくて、自分の中で咀嚼してその結果・その答えに行き着いているかどうかって、結果的に演奏の仕方とかも変わってくるなと思っていて。スティーヴ・ガッドがその手順をちゃんと踏んでいる感じが、「そりゃそうだろう」って思いつつもめちゃくちゃスゲえなって感じました。
高橋は、スティーヴ・ガッドと言えばこのフレーズという1曲、ボブ・ジェームスの『Heads』をセレクト。オンエアした。
「ドラムも結局フレーズなんだって教わった」
続いて、茂木は2人目にニューオリンズのバンド・ミーターズのドラマー、ジョセフ“ジガブー”モデリステを紹介した。茂木:キース・ムーンのときもそうだったんですけど、それ以上にドラムの常識を覆してくれたっていうか、ドラムで考えないほうが面白いなって教えてもらったというか。他の楽器がやっていることをもっと聴いたら、もっと面白いドラムのパターンとか考えられて、ドラムも結局フレーズなんだなということをジガブーからめちゃくちゃ教わった気がします。
あっこゴリラ:ミーターズのドラマーに影響を受けたって人も多いですよね。
茂木:ドラムが歌っているんだよね。口で言いたくなるというか。
茂木は「これはたまらない」とミーターズの『Cissy Strut』をセレクト。「たぶんレッド・ツェッペリンとかミーターズにめちゃくちゃ影響を受けている」とその影響が読み解ける曲だと紹介した。
フレデリックは6月から全国6都市を巡るファンクラブ限定ワンマンライブ『Home Party Tour 2024』と対バンツアー『UMIMOYASU 2024』を開催する。 フレデリックの最新情報は、公式サイトまで。
東京スカパラダイスオーケストラは6月から全国ツアー「東京スカパラダイスオーケストラ 35th Anniversary TOUR『Voyage To Paradise』」がスタート。11月16日(土)には兵庫・阪神甲子園球場で35周年アニバーサリーライブ「35th Anniversary Live スカパラ甲子園」を開催する。東京スカパラダイスオーケストラの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は、月~木の22:00-24:00にオンエア。
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2024年3月20日28時59分まで
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番組情報
- SONAR MUSIC
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月・火・水・木曜22:00-24:00
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あっこゴリラ