藤井尚之が、「1981年の久留米」をテーマに亀田誠治と音楽談議を繰り広げた。
藤井が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは11月12日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
亀田:尚之さんが17歳の頃っていうことですね。
藤井:僕、12月生まれなので16歳って感じがしますけど(笑)。なぜ16歳かって、バイクの運転免許を取れた歳でもあったので、ドライブっていうくくりではそういうところでこの年代を選びました。
亀田:久留米は地元ですもんね。
早速、空想ドライブがスタート。藤井は1曲目にThe Champsの『Tequila』を紹介した。
藤井:サックスで初めてこの曲をコピーしたんですよ。これは自分がサックスプレイヤーになるきっかけだったので。
亀田:ブラスバンドとかそういうところから始めたわけではないってことですか。
藤井:そうなんですよ。もともとあの時代にけっこう兄貴(藤井フミヤ)と一緒で小学5、6年生のときに、キャロルとかクールスとか日本のロックンロールバンドから影響を受けて、僕はベースを弾いてたんですよ。
亀田:ええー! 先輩(笑)!
藤井:それで時が流れて、チェッカーズっていうバンドが組まれて、当時のチェッカーズのベースが辞めることになって大土井裕二さんが入るんですけど、入る前に僕が先にチェッカーズでベースを弾いてたんです。でもステージに立ったことはないんです。大土井裕二さんが正式に入ってくるってなって、僕はいらなくなったんですよ。そこで「かわいそうだから、サックスでもやったら?」みたいな(笑)。
亀田:あはは(笑)。
藤井:棚からぼた餅じゃないですけど(笑)。サックスって楽器は当時のロックンロールにはつきものだったんですけど(日本では)誰もやってないし、これ逆にカッコいいし目立つぞっていうところで飛びついて我流で練習しました。
亀田:これは踊れそうですね。
藤井:これもコピーしてた曲です。レパートリーに入ってるんですけど、原曲とチェッカーズ、うちの兄ちゃんのキーが半音とか1音とか違ってたんですよ。キーが違うので原曲をそのままコピーできないじゃないですか。それが大変でしたね。
亀田:脳内変換して。
藤井:譜面を起こしてとかできないので、とにかくそのフレーズを体の中に入れて。
亀田:すごいバンドっぽい。
藤井:それで兄ちゃんのキーに変換して演奏するっていうのをこの頃からやらなきゃいけなかったんですよ(笑)。楽器を始めたばかりなんだけどキーも変えてやらなきゃいけないっていう試練がありました。それを克服していく楽しさもあったりとかもしましたけどね。
続いて藤井は、クールスの『彼女はダイナマイト』をセレクトした。
藤井:この曲に触れた瞬間は(今回のテーマである81年より)もっと前なんですよ。小学4年とか5年かな。兄貴が中学生になっていて、いろんな情報を仕入れてくるじゃないですか。「これ、聴け」って兄貴に言われて聴いたときにカルチャーショックを受けましたね。
亀田:当時、リアルタイムでクールスってどんなバンドだったですか。
藤井:けっこう、久留米にもライブでいらっしゃったんですよ。舘(ひろし)さんが辞めてたんですけど、舘さんが抜けたあとのクールス・ロカビリークラブはよく来てましたね。チェッカーズは舘さんの前座もやったこともあるし、クールスも、ジョニー大倉さんとクールスと横浜銀蝿っていう組み合わせで久留米でやったときもチェッカーズが前座をさせてもらってますね。この曲は小学生のときに衝撃を受けて、俺もこういうバンドをやりたいって思いました。
亀田:そのときからバンド願望があったんですね。
藤井:キャロルも知ってたんですけど、どちらかというと、クールスのサウンドとルックスにガッツリやられましたね。
亀田:革ジャンは?
藤井:革ジャンは持ってませんし、まだ小学生だったから髪型もリーゼントは……。
亀田:小学生でリーゼントしたらちょっと(笑)。
藤井:ところが卒業写真を撮るときに、思いっ切りリーゼントにして写ろうと思ったら、先生に「髪を洗ってきなさい」って言われて、学校の洗面所で石けんで洗いました(笑)。
藤井:小学生のとき、親戚のお兄ちゃんが高校時代からジャズ研でジャズのレコードをたくさん集めていたんです。その兄ちゃんの家は、居間にステレオがあって。当時うちの家にはステレオがなかったから、そこに行って、ジャズを聴かせてもらってました。Curtis Fullerってすごくキャッチーじゃないですか。哀愁のある感じ。サックスも親戚の兄ちゃんの家にあったんですよ。壊れたサックスが。だからサックスはチェッカーズがきっかけで初めてやったんですけど、その頃からなんとなく触れてはいたんですね。だから始めるときもあんまり抵抗がなかったんですよね。
亀田:それは大事ですね。
藤井:こういうジャズを小学生のときから聴いてて「カッコいいな」って。でも、こういう音楽は宇宙人がやってるようなもんじゃないですか。こんな演奏なんてできるわけがないって。だから別世界のものっていう感覚がありましたね。
亀田:この時代の曲をアナログレコードで大きな音で聴くと本当に気持ちいいですよね。
藤井:気持ちいいですよね。本当にそこにアーティストがいらっしゃるようで。だからその頃を思い出したりしますよね。音楽ってこうじゃないといけないよねって。ポータブルっていうかそういうものになっちゃったけど、ちょっと大切にしてた感があるかなって。
藤井:今、けっこう一緒にやってるザ・トラベラーズっていう久留米のバンドがいるんですよ。彼らが完璧にジャンプ・ブルース・バンドっていうウッドベース、サックス、ギターでっていうスタイルなんですけど、このアルバムも、彼らにせーので演奏してって感じで。
亀田:へえ。みなさん久留米の方?
藤井:そうです。
亀田:すごいですね。ここに来ての久留米がえりっていう。
藤井:出身というか久留米在住なんですよ。このメンバーでツアーをまわっています。
亀田:そのツアーはどんなものになるんですか。
藤井:このサウンドな感じですね。今回のアルバムもほぼほぼ全部やってもらったんで、この香りのアレンジになってますし、自分的にはわりとルーツサウンドみたいな感じですね。
現在、藤井は兄・藤井フミヤの全47都道府県ツアー「FUMIYA FUJII 40th Anniversary Tour 2023-2024」のメンバーとして参加している。
藤井尚之の最新情報は、公式サイトまで。
藤井が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは11月12日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
実はチェッカーズでベースを弾いていた
今回、藤井は空想ドライブのテーマとして「1981年の久留米」をセレクトした。亀田:尚之さんが17歳の頃っていうことですね。
藤井:僕、12月生まれなので16歳って感じがしますけど(笑)。なぜ16歳かって、バイクの運転免許を取れた歳でもあったので、ドライブっていうくくりではそういうところでこの年代を選びました。
亀田:久留米は地元ですもんね。
早速、空想ドライブがスタート。藤井は1曲目にThe Champsの『Tequila』を紹介した。
藤井:サックスで初めてこの曲をコピーしたんですよ。これは自分がサックスプレイヤーになるきっかけだったので。
亀田:ブラスバンドとかそういうところから始めたわけではないってことですか。
藤井:そうなんですよ。もともとあの時代にけっこう兄貴(藤井フミヤ)と一緒で小学5、6年生のときに、キャロルとかクールスとか日本のロックンロールバンドから影響を受けて、僕はベースを弾いてたんですよ。
亀田:ええー! 先輩(笑)!
藤井:それで時が流れて、チェッカーズっていうバンドが組まれて、当時のチェッカーズのベースが辞めることになって大土井裕二さんが入るんですけど、入る前に僕が先にチェッカーズでベースを弾いてたんです。でもステージに立ったことはないんです。大土井裕二さんが正式に入ってくるってなって、僕はいらなくなったんですよ。そこで「かわいそうだから、サックスでもやったら?」みたいな(笑)。
亀田:あはは(笑)。
藤井:棚からぼた餅じゃないですけど(笑)。サックスって楽器は当時のロックンロールにはつきものだったんですけど(日本では)誰もやってないし、これ逆にカッコいいし目立つぞっていうところで飛びついて我流で練習しました。
藤井フミヤからおすすめされた楽曲は
続いて、藤井は2曲目にThe Coastersの『That Is Rock & Roll』を紹介した。亀田:これは踊れそうですね。
藤井:これもコピーしてた曲です。レパートリーに入ってるんですけど、原曲とチェッカーズ、うちの兄ちゃんのキーが半音とか1音とか違ってたんですよ。キーが違うので原曲をそのままコピーできないじゃないですか。それが大変でしたね。
亀田:脳内変換して。
藤井:譜面を起こしてとかできないので、とにかくそのフレーズを体の中に入れて。
亀田:すごいバンドっぽい。
藤井:それで兄ちゃんのキーに変換して演奏するっていうのをこの頃からやらなきゃいけなかったんですよ(笑)。楽器を始めたばかりなんだけどキーも変えてやらなきゃいけないっていう試練がありました。それを克服していく楽しさもあったりとかもしましたけどね。
続いて藤井は、クールスの『彼女はダイナマイト』をセレクトした。
藤井:この曲に触れた瞬間は(今回のテーマである81年より)もっと前なんですよ。小学4年とか5年かな。兄貴が中学生になっていて、いろんな情報を仕入れてくるじゃないですか。「これ、聴け」って兄貴に言われて聴いたときにカルチャーショックを受けましたね。
亀田:当時、リアルタイムでクールスってどんなバンドだったですか。
藤井:けっこう、久留米にもライブでいらっしゃったんですよ。舘(ひろし)さんが辞めてたんですけど、舘さんが抜けたあとのクールス・ロカビリークラブはよく来てましたね。チェッカーズは舘さんの前座もやったこともあるし、クールスも、ジョニー大倉さんとクールスと横浜銀蝿っていう組み合わせで久留米でやったときもチェッカーズが前座をさせてもらってますね。この曲は小学生のときに衝撃を受けて、俺もこういうバンドをやりたいって思いました。
亀田:そのときからバンド願望があったんですね。
藤井:キャロルも知ってたんですけど、どちらかというと、クールスのサウンドとルックスにガッツリやられましたね。
亀田:革ジャンは?
藤井:革ジャンは持ってませんし、まだ小学生だったから髪型もリーゼントは……。
亀田:小学生でリーゼントしたらちょっと(笑)。
藤井:ところが卒業写真を撮るときに、思いっ切りリーゼントにして写ろうと思ったら、先生に「髪を洗ってきなさい」って言われて、学校の洗面所で石けんで洗いました(笑)。
ジャズは「別世界のもの」という感覚があった
藤井は最後の空想ドライブミュージックとしてCurtis Fullerの『Five Spot After Dark』を紹介した。藤井:小学生のとき、親戚のお兄ちゃんが高校時代からジャズ研でジャズのレコードをたくさん集めていたんです。その兄ちゃんの家は、居間にステレオがあって。当時うちの家にはステレオがなかったから、そこに行って、ジャズを聴かせてもらってました。Curtis Fullerってすごくキャッチーじゃないですか。哀愁のある感じ。サックスも親戚の兄ちゃんの家にあったんですよ。壊れたサックスが。だからサックスはチェッカーズがきっかけで初めてやったんですけど、その頃からなんとなく触れてはいたんですね。だから始めるときもあんまり抵抗がなかったんですよね。
亀田:それは大事ですね。
藤井:こういうジャズを小学生のときから聴いてて「カッコいいな」って。でも、こういう音楽は宇宙人がやってるようなもんじゃないですか。こんな演奏なんてできるわけがないって。だから別世界のものっていう感覚がありましたね。
亀田:この時代の曲をアナログレコードで大きな音で聴くと本当に気持ちいいですよね。
藤井:気持ちいいですよね。本当にそこにアーティストがいらっしゃるようで。だからその頃を思い出したりしますよね。音楽ってこうじゃないといけないよねって。ポータブルっていうかそういうものになっちゃったけど、ちょっと大切にしてた感があるかなって。
久留米ゆかりのメンバーでツアーも
藤井は11月1日に、デビュー40周年記念のセルフカバー・オールタイムベストアルバム『Coin a Phrase』をリリースした。そこに収録のチェッカーズ時代の曲『NANA』をオンエアした。藤井:今、けっこう一緒にやってるザ・トラベラーズっていう久留米のバンドがいるんですよ。彼らが完璧にジャンプ・ブルース・バンドっていうウッドベース、サックス、ギターでっていうスタイルなんですけど、このアルバムも、彼らにせーので演奏してって感じで。
亀田:へえ。みなさん久留米の方?
藤井:そうです。
亀田:すごいですね。ここに来ての久留米がえりっていう。
藤井:出身というか久留米在住なんですよ。このメンバーでツアーをまわっています。
亀田:そのツアーはどんなものになるんですか。
藤井:このサウンドな感じですね。今回のアルバムもほぼほぼ全部やってもらったんで、この香りのアレンジになってますし、自分的にはわりとルーツサウンドみたいな感じですね。
現在、藤井は兄・藤井フミヤの全47都道府県ツアー「FUMIYA FUJII 40th Anniversary Tour 2023-2024」のメンバーとして参加している。
藤井尚之の最新情報は、公式サイトまで。
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2023年11月19日28時59分まで
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番組情報
- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
-
毎週日曜21:00-21:54