キタニタツヤが、自身の音楽のルーツや、楽曲『青のすみか』に込めた想いを明かした。
キタニが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは7月12日(水)、13日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
キタニ:『青のすみか』はアニメのオープニングテーマとして書かせていただいた曲で、青春というものがテーマになっています。青春といっても、アニメ自体はシリアスでダークなものだったりします。その青春の奥にある寂しい感じというか、一筋縄ではいかない、苦悩や葛藤を爽やかな音の皮に包んでいます。
青春時代はすごく喜ばしいこと、大事なこと、友だちとのことなど、いい側面がすごくあると思うんですけど、僕は青春時代を苦々しいものとして覚えているんです。
「何で友だちにあんなことを言っちゃったんだろう」とか「何であんな行動を取ったんだろう」など、今思い出すと、道端で声を出したくなるような、そういう恥ずかしいことばっかりを大人になっても覚えているもので。
でもそういう記憶こそ、自分の人格形成の一助になっているというか。大人になってから、心を形成するものになっている感覚があって、ある種、苦しかった青春時代を自分で救ってやるぜという、そういう思いで作った曲になっています。
「青春時代をテーマに曲を書いてくれ」と言われても、そういうことを思ってしまうことがキタニタツヤらしいというか(笑)。よくない思い出の方が多いのかな(笑)。もちろん美しい思い出もあるんですけどね。
ただ、今こうして昔のことを思い返すと、どうしても寂しい思い出になってしまうんです。当時聴いていた音楽のこともそう。そういう僕らしい青春感を音と言葉にできたらなぁと思って作ったので、この寂しさをわかってくれる人と、そこに気づかない人はどっちもいるんだろうなと思っています。でも強いて言えば、同じように青春時代が苦しかったって人をこの曲で拾い上げて、わかるなって共感してもらえたらと思っています。
【関連記事】東大卒のベーシスト・キタニタツヤが思う「ベースのよさ」とは?
キタニ:この曲は2007年リリースなので、僕が11歳の頃に出た曲だったんですね。僕が初めて行ったライブフェス『ARABAKI ROCK FEST.』で、1番最初に見たバンドがDOESかMO'SOME TONEBENDERだったんですけど、DOESを観たときに1番最初に聴いたのが『三月』でした。
「これめちゃくちゃいいじゃん……!」となって、それからその記憶をずっと覚えていて。そんな中で今回ルーツに選んだのは、この前、僕がリリースした曲がなんだか寂しい曲だったので、その寂しさの核になっているのが何なんだろうと思ったときに『三月』なのかなと。
この曲はタイトル通り、3月がテーマになっているんですけど、出会いと別れの季節というありきたりなものを、もの寂しい雰囲気に包んで曲にしているというのが、子どものときから印象的でした。ぜひ皆さまにも聴いてもらいたいなぁと思って選ばせてもらいました。キタニっぽい寂しさをこの曲から感じ取れるかもしれないです。
キタニの楽曲の中にある寂しさの核となっているのがDOESの『三月』から受けた影響。そういう意味では、初めて訪れた『ARABAKI ROCK FEST.』で大きな出会いを果たしたようだ。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【キタニタツヤ 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
キタニが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは7月12日(水)、13日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
青春時代の「苦しさ」を救う楽曲
2014年からネット上に楽曲を公開し始め、ボカロPとして活動をスタートさせたキタニ。2017年から楽曲提供と並行して、ソロ活動も行い始めた。2020年にメジャーデビューを果たし、シンガーソングライターとしての活動以外にも、サポートベースや楽曲提供など、ジャンルを越境した活躍を見せている。今回は人気テレビアニメ『呪術廻戦』第2期『懐玉・玉折』(MBS / TBS系)のオープニングテーマ曲『青のすみか』で表現した自分らしさについて語ってもらった。青のすみか / キタニタツヤ - Where Our Blue Is / Tatsuya Kitani
青春時代はすごく喜ばしいこと、大事なこと、友だちとのことなど、いい側面がすごくあると思うんですけど、僕は青春時代を苦々しいものとして覚えているんです。
「何で友だちにあんなことを言っちゃったんだろう」とか「何であんな行動を取ったんだろう」など、今思い出すと、道端で声を出したくなるような、そういう恥ずかしいことばっかりを大人になっても覚えているもので。
でもそういう記憶こそ、自分の人格形成の一助になっているというか。大人になってから、心を形成するものになっている感覚があって、ある種、苦しかった青春時代を自分で救ってやるぜという、そういう思いで作った曲になっています。
「青春時代をテーマに曲を書いてくれ」と言われても、そういうことを思ってしまうことがキタニタツヤらしいというか(笑)。よくない思い出の方が多いのかな(笑)。もちろん美しい思い出もあるんですけどね。
ただ、今こうして昔のことを思い返すと、どうしても寂しい思い出になってしまうんです。当時聴いていた音楽のこともそう。そういう僕らしい青春感を音と言葉にできたらなぁと思って作ったので、この寂しさをわかってくれる人と、そこに気づかない人はどっちもいるんだろうなと思っています。でも強いて言えば、同じように青春時代が苦しかったって人をこの曲で拾い上げて、わかるなって共感してもらえたらと思っています。
【関連記事】東大卒のベーシスト・キタニタツヤが思う「ベースのよさ」とは?
自分の中の「寂しさの核」になっているもの
自らの青春時代について語ってくれたキタニ。そんな彼は、ルーツの一曲としてDOESの『三月』を選んだ。キタニ:この曲は2007年リリースなので、僕が11歳の頃に出た曲だったんですね。僕が初めて行ったライブフェス『ARABAKI ROCK FEST.』で、1番最初に見たバンドがDOESかMO'SOME TONEBENDERだったんですけど、DOESを観たときに1番最初に聴いたのが『三月』でした。
「これめちゃくちゃいいじゃん……!」となって、それからその記憶をずっと覚えていて。そんな中で今回ルーツに選んだのは、この前、僕がリリースした曲がなんだか寂しい曲だったので、その寂しさの核になっているのが何なんだろうと思ったときに『三月』なのかなと。
この曲はタイトル通り、3月がテーマになっているんですけど、出会いと別れの季節というありきたりなものを、もの寂しい雰囲気に包んで曲にしているというのが、子どものときから印象的でした。ぜひ皆さまにも聴いてもらいたいなぁと思って選ばせてもらいました。キタニっぽい寂しさをこの曲から感じ取れるかもしれないです。
キタニの楽曲の中にある寂しさの核となっているのがDOESの『三月』から受けた影響。そういう意味では、初めて訪れた『ARABAKI ROCK FEST.』で大きな出会いを果たしたようだ。
DOES 『三月』
【キタニタツヤ 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。