「私、一生、恋愛しないから」。いつも不機嫌そうに、日々を淡々と暮らすOLを広瀬すずが演じる映画『水は海に向かって流れる』が、6月9日(金)から全国公開となる。
高校生の熊沢直達(大西利空)は、通学のため叔父の家で居候をすることに。しかし、待ち合わせ場所に現れた謎の女性・榊千紗(広瀬すず)が案内したのはシェアハウスだった。会社員だと聞いていた叔父・歌川茂道(高良健吾)は、密かに漫画家となり、ユーモラスな住人と共同生活を送っていたのだ。榊は笑顔を見せないが、気まぐれに手料理を振る舞ってくれるなど、親切な一面も。次第に淡い思いを抱き始める直達だが、ふたりには思わぬ因縁があった──人と真摯に向き合うこと、優しくあることの大切さを再認識させてくれる、やわらかな物語だ。
	
大西利空:僕は最初に原作を読ませていただいて、高良さんと同じように、自分の気持ちを胸に秘めていた榊さんが感情を表に出すに至るまでの心境の変化に惹かれました。その後、撮影に入っても、仕上がった作品を観ても、景色などの情景や、榊さんが作るおいしそうな食べ物など、細部まで気が配られたきれいな作品だと思いました。
	
大西:明るさや色遣いなどに映画ならではの美しさを感じて、「自分がこの作品に携われて本当によかったな」と思える作品になりました。
高良:僕は観終わったあとに、「大西くん、すごい」と思って。
大西:ありがとうございます。
	
高良:野球の話とか、漫画の話とかだよね。
大西:撮影以外では、楽しい話をしていましたよね。
高良:「カップラーメン、何が好き?」みたいな話とか(笑)
大西:現場にいっぱい置いてあったんですよね。「やっぱりシーフードじゃないか」みたいな話をしていました(笑)。
	
大西:高良さんが演じたニゲミチ先生は、ちょっと抜けているところもあるけれど、やっぱり直達にとっては小さい頃からよくしてくれた存在で……今までそういった役柄の人と関わる役があまりなかったこともあって僕が悩んでいると、高良さんはすごく心に響くアドバイスをしてくださいました。そして、役への向き合い方も勉強になりました。コメントで寄せた「本当に家族みたい」という言葉は、僕が小さい頃は現場にお母さんがついてきてくれていたんです。
	
大西:はい。そこからどんどん独り立ちしていって、ひとりで、あるいはマネージャーさんと現場に行くようになってみて、頼れる存在が近くにいてくれると気持ち的にラクになると感じたんです。僕がよくしていただいたからこそ、これから大人になって、同じ悩みを抱えている人に出会ったら恩返しができたらいいなと思いました。「大人になる」ということについて考えさせられたし、すごく勉強になる経験でした。
──そんな大西さんの姿から、高良さんは何を感じていたのでしょうか。大西さんは現在17歳、高良さんが芸能界に入られた年齢と近いですが、かつての自分と重なる部分はありましたか。
	
──大西さんは、広瀬さんと二人きりのシーンも多いですね。感情を生のまま溢れ出させるような難しいお芝居もありました。
大西:二人きりのシーンではプレッシャーを感じるんじゃないかという不安もあったのですが、広瀬さんは気さくで明るくて、すごく優しく話してくださって。でも芝居の表現の仕方は、すごく迫力がありました。間近で見ていて、僕の人生の中でも本当に5本の指に入るくらいの衝撃でした。まるで、榊千紗という人物を介して自分の気持ちを言っているかのような自然さに圧倒されました。作品に対しての向き合い方も、ストイックで真っすぐな方でした。
	
大西:僕も、すごくうれしかったです。撮影が終わってから主題歌が入った状態の作品を観るまで時間が空いたので、どんな歌になるのかなと楽しみにしていたんです。実際に聴くと、曲単体で聴いても楽しいけど、映画と合わさることによって、作品のよさが新しく感じられる曲だなと思いました。
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高良:最近よく聴くのは、邦楽だとラッパーのZORNくんとか、ロックだったら、踊ってばかりの国とかが好きですね。気合いを入れるときはZORNくんかな。
大西:僕は最近、K-POPにハマりまして。
高良:おお!
大西:ちょっと自分でもびっくりしています。
高良:なんていうグループ?
	
――「特にこの曲!」というのはありますか?
大西:難しい……もう、めちゃめちゃ聴くんですよ。曲の内容的には『正解』が本当に大好きで。あと『桃源郷』も、曲のテンポが速くて好きです。
──高良さんは過去にJ-WAVEのオンエアでも、おすすめの楽曲をご紹介いただいたことがあり、よく音楽を聴かれる印象があります。新しいアーティストとはどう出会っていますか?
【関連記事】高良健吾がプレイリストに必ず入れている曲は?
高良:周囲に音楽を好きな人やミュージシャンが多いので、そこからですね。友だちが作ったプレイリストを送ってもらって聴いて、気になった曲をディグっていきます。好きな曲の系統は気分によっても変わってきますが、昔は激しさや速さを持つ曲が好んでいたんですけど、今はアンビエントような安らげる音楽も聴くようになりました。
	
高良:気合いを入れるときに聴く曲として答えると、ZORNくんの『Love Yourself』ですね。弱ったときに聴くと「よっしゃ!」と背中を押される気持ちになりますし、最後の1分のパンチラインがすごいんです。
大西:家族でも恋愛でもない、特別な関係性を描いています。共感できたり、涙するような部分があったり、いろんな感情を抱かせてくれる、心あたたまる作品だと思います。音楽との関係性もすごくいい作品なので、ぜひ観に来てください。
	
【作品情報】
・出演
広瀬すず
大西利空
高良健吾 戸塚純貴 當真あみ 勝村政信
北村有起哉
坂井真紀 生瀬勝久
・監督
前田哲
・原作
田島列島「水は海に向かって流れる」 講談社「少年マガジン KCDX 」
・脚本
大島里美 音楽 羽毛田丈史
・主題歌
スピッツ『ときめきpart1』
・公式サイト
https://happinet-phantom.com/mizuumi-movie/
高校生の熊沢直達(大西利空)は、通学のため叔父の家で居候をすることに。しかし、待ち合わせ場所に現れた謎の女性・榊千紗(広瀬すず)が案内したのはシェアハウスだった。会社員だと聞いていた叔父・歌川茂道(高良健吾)は、密かに漫画家となり、ユーモラスな住人と共同生活を送っていたのだ。榊は笑顔を見せないが、気まぐれに手料理を振る舞ってくれるなど、親切な一面も。次第に淡い思いを抱き始める直達だが、ふたりには思わぬ因縁があった──人と真摯に向き合うこと、優しくあることの大切さを再認識させてくれる、やわらかな物語だ。
©2023 映画『水は海に向かって流れる』 製作委員会 ©田島列島 講談社
人との関わりが心を溶かしていく─映像も細部まで美しい映画
――人気漫画『子供はわかってあげない』などで知られる田島列島さんの作品が原作です。大人たちの情けなさを描きながらも、みんなが愛おしく見えてくる、優しい作品だと感じました。おふたりは、初めて物語に触れたとき、どんな印象を持ちましたか。大西利空(左)、高良健吾(右)
大西利空:僕は最初に原作を読ませていただいて、高良さんと同じように、自分の気持ちを胸に秘めていた榊さんが感情を表に出すに至るまでの心境の変化に惹かれました。その後、撮影に入っても、仕上がった作品を観ても、景色などの情景や、榊さんが作るおいしそうな食べ物など、細部まで気が配られたきれいな作品だと思いました。
©2023 映画『水は海に向かって流れる』 製作委員会 ©田島列島 講談社
大西:明るさや色遣いなどに映画ならではの美しさを感じて、「自分がこの作品に携われて本当によかったな」と思える作品になりました。
高良:僕は観終わったあとに、「大西くん、すごい」と思って。
大西:ありがとうございます。
『水は海に向かって流れる』本予告
大人と少年。それぞれが得た学び
──叔父と甥という、つながりの深い間柄でしたね。撮影以外では、どんな話をされましたか。高良:野球の話とか、漫画の話とかだよね。
大西:撮影以外では、楽しい話をしていましたよね。
高良:「カップラーメン、何が好き?」みたいな話とか(笑)
大西:現場にいっぱい置いてあったんですよね。「やっぱりシーフードじゃないか」みたいな話をしていました(笑)。
大西:高良さんが演じたニゲミチ先生は、ちょっと抜けているところもあるけれど、やっぱり直達にとっては小さい頃からよくしてくれた存在で……今までそういった役柄の人と関わる役があまりなかったこともあって僕が悩んでいると、高良さんはすごく心に響くアドバイスをしてくださいました。そして、役への向き合い方も勉強になりました。コメントで寄せた「本当に家族みたい」という言葉は、僕が小さい頃は現場にお母さんがついてきてくれていたんです。
©2023 映画『水は海に向かって流れる』 製作委員会 ©田島列島 講談社
大西:はい。そこからどんどん独り立ちしていって、ひとりで、あるいはマネージャーさんと現場に行くようになってみて、頼れる存在が近くにいてくれると気持ち的にラクになると感じたんです。僕がよくしていただいたからこそ、これから大人になって、同じ悩みを抱えている人に出会ったら恩返しができたらいいなと思いました。「大人になる」ということについて考えさせられたし、すごく勉強になる経験でした。
──そんな大西さんの姿から、高良さんは何を感じていたのでしょうか。大西さんは現在17歳、高良さんが芸能界に入られた年齢と近いですが、かつての自分と重なる部分はありましたか。
気さくだけど、芝居はストイック。広瀬すずのすごさ
――主演の広瀬すずさんは今回、いつも不機嫌そうに、淡々と生きる女性を演じていました。現場ではどんな印象を受けましたか?©2023 映画『水は海に向かって流れる』 製作委員会 ©田島列島 講談社
──大西さんは、広瀬さんと二人きりのシーンも多いですね。感情を生のまま溢れ出させるような難しいお芝居もありました。
大西:二人きりのシーンではプレッシャーを感じるんじゃないかという不安もあったのですが、広瀬さんは気さくで明るくて、すごく優しく話してくださって。でも芝居の表現の仕方は、すごく迫力がありました。間近で見ていて、僕の人生の中でも本当に5本の指に入るくらいの衝撃でした。まるで、榊千紗という人物を介して自分の気持ちを言っているかのような自然さに圧倒されました。作品に対しての向き合い方も、ストイックで真っすぐな方でした。
©2023 映画『水は海に向かって流れる』 製作委員会 ©田島列島 講談社
ふたりがよく聴く音楽は?
――同作の主題歌は、スピッツが書き下ろした『ときめきpart1』。繊細な爽やかさを持つ楽曲で、作品とマッチしていました。『水は海に向かって流れる』主題歌スペシャルムービー
大西:僕も、すごくうれしかったです。撮影が終わってから主題歌が入った状態の作品を観るまで時間が空いたので、どんな歌になるのかなと楽しみにしていたんです。実際に聴くと、曲単体で聴いても楽しいけど、映画と合わさることによって、作品のよさが新しく感じられる曲だなと思いました。
【関連記事】スピッツが語る『ときめきpart1』制作秘話
高良:最近よく聴くのは、邦楽だとラッパーのZORNくんとか、ロックだったら、踊ってばかりの国とかが好きですね。気合いを入れるときはZORNくんかな。
大西:僕は最近、K-POPにハマりまして。
高良:おお!
大西:ちょっと自分でもびっくりしています。
高良:なんていうグループ?
――「特にこの曲!」というのはありますか?
大西:難しい……もう、めちゃめちゃ聴くんですよ。曲の内容的には『正解』が本当に大好きで。あと『桃源郷』も、曲のテンポが速くて好きです。
──高良さんは過去にJ-WAVEのオンエアでも、おすすめの楽曲をご紹介いただいたことがあり、よく音楽を聴かれる印象があります。新しいアーティストとはどう出会っていますか?
【関連記事】高良健吾がプレイリストに必ず入れている曲は?
高良:周囲に音楽を好きな人やミュージシャンが多いので、そこからですね。友だちが作ったプレイリストを送ってもらって聴いて、気になった曲をディグっていきます。好きな曲の系統は気分によっても変わってきますが、昔は激しさや速さを持つ曲が好んでいたんですけど、今はアンビエントような安らげる音楽も聴くようになりました。
高良:気合いを入れるときに聴く曲として答えると、ZORNくんの『Love Yourself』ですね。弱ったときに聴くと「よっしゃ!」と背中を押される気持ちになりますし、最後の1分のパンチラインがすごいんです。
人と人の特別な関係性を描く、心あたたまる物語
――最後に、『水は海に向かって流れる』が気になっている読者へのメッセージをお願いします。大西:家族でも恋愛でもない、特別な関係性を描いています。共感できたり、涙するような部分があったり、いろんな感情を抱かせてくれる、心あたたまる作品だと思います。音楽との関係性もすごくいい作品なので、ぜひ観に来てください。
【作品情報】
・出演
広瀬すず
大西利空
高良健吾 戸塚純貴 當真あみ 勝村政信
北村有起哉
坂井真紀 生瀬勝久
・監督
前田哲
・原作
田島列島「水は海に向かって流れる」 講談社「少年マガジン KCDX 」
・脚本
大島里美 音楽 羽毛田丈史
・主題歌
スピッツ『ときめきpart1』
・公式サイト
https://happinet-phantom.com/mizuumi-movie/