cero・髙城晶平、細野晴臣やくるりからの影響を語る。“キュン”とするポイントは

ceroの髙城晶平(Vo/Gt)が、自身の音楽ルーツや影響を受けたアーティストを語った。

髙城が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談議を繰り広げる番組だ。オンエアは6月2日(金)。ceroは5月に5年ぶりとなるニューアルバム『e o』をリリースした。

この番組では、ゲストがビールに合う“おみや”を紹介する。髙城は焼きそばパンを持参し、ビールとともに楽しんだ。

最初は「アコギが3人いるバンド」をやっていた

髙城は音楽好きな両親のもと、家にはレコードやギターがある環境で育ったという。

髙城:中学くらいからせっかく家にあるし触ってみようかなというところからアコギを始めて。2、3曲ちょっと練習で弾けるようになったら、すぐに自分の曲をオリジナルで書くようになりました。

クリス:すぐオリジナルに。

髙城:それがまずやりたいからギターを触り始めたので。

クリス:憧れのギタリストがいたとかではなく。

髙城:作曲がしたかったんです。

クリス:バンドはいつ始めたんですか。

髙城:ceroは高校卒業してからくらいなんですけど、バンド自体を始めたのは高校1年生くらいからですね。うちの高校は都立では珍しく軽音楽部がなくて、しかもエレキ楽器が禁止っていう、それこそ昭和みたいな、エレキは不良の始まりだ、みたいな学校で。僕らより前の代でケガをさせたり、そういうことがあったんですよね。

クリス:けっこうヤンチャな生徒が多かったわけですね。

髙城:なぜかそれがエレキ楽器のせいになって禁止になってたと。だったらアコギでやろうってことで、アコギが3人くらいいる感じのバンドを結成しました。

クリス:どんな曲をやってたの?

髙城:当時、オリジナル曲もやってましたし、フリッパーズのカバーとか、アコギ3人でジャカジャカやるので僕の父親が好きだったアメリカってバンドとか、あの辺の感じをやってみたりとか。

髙城の高校の先輩には、音楽家、プロデューサー、作曲家、マルチ弦楽器奏者など幅広く活動する高田 漣もいたという

クリス:周りにはミュージシャンが多い環境だったのかな。

髙城:そうですね。周りでもけっこうやっている人は多かったし、ライブハウスも比較的あったのでよくやってましたね。

クリス:最初から歌を歌われてたんですか。

髙城:ボーカルをやってました。

クリス:最初に歌った曲ってなんですか。

髙城:それこそギターを触り始めてコードで歌うってどういうことだろうって思って練習してたのが、うちの母親がサザンオールスターズが好きで母親に聴かせてやろうと思って『いとしのエリー』を練習して歌ったりとかして、それが一応最初と言えば最初なのかなって。

細野晴臣やくるりからの影響

髙城は影響を受けたアーティストとして、細野晴臣をあげた。

髙城:あの人って時代時代でいろんなことをされていて。テクノのときもあれば、フォークみたいなときもあったり、エキゾって言われることをやったりとか。そのバイオグラフィーのとっちらかり方みたいなのが好きで。自分もとっちらかったことをやってみたいっていうのがもとにあるので、そういうアーティストが常に好きですね。

クリス:細野さんの場合だといろんなジャンルをやられてきてるけど、メロディーが共通してるのかな。

髙城:メロディーもだし、そこはかとなく一貫したものがあるんですよね。心意気なのか哲学なのかわからないですけど、そこが逆にとっちらかればとっちらかるほど見えてくるところがあって。そういうところが好きですね。

また、髙城は高校時代、くるりにも影響を受けたと明かす。

髙城:『図鑑』っていうアルバムがあって、それがちょうど高校1年生のときに出て。そのアルバムもある意味すごくとっちらかったアルバムで、ロックもあればフォークもあって、打ち込みもあったり。

クリス:岸田(繁)さんは一言で語れない人ですからね。

髙城:そういうところに自分はキュンとしてしまうんですよね。今ではクラシックというかオーケストラの曲を書いたりされてますからね。本当にいろんなことを意欲的にやって、そういう人が好きなんですよね。

クリス:細野さんと交流あるんじゃないかな。

髙城:たぶんそうだと思います。よく一緒にやってたりされてると思うので。

クリス:とにかくいろんなものを吸収してきたアーティストというか。

髙城:1個のことをずっとやっていく人もすごくカッコいいと思うし、憧れもすごくあるんですけど、とても自分はできそうにないなっていつも思うんですよね。それよりかは常に迷いながらいろいろやっているほうがシンパシーみたいなものを感じられるのかもしれませんね。

メンバーそれぞれの成果を持ち寄って作ったアルバム

髙城はコロナ禍の2020年に、Shohei Takagi Parallela Botanica名義のソロアルバム『Triptych』をリリースしている。

Shohei Takagi Parallela Botanica / ミッドナイト・ランデヴー 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

髙城:2020年の緊急事態宣言になるかならないかくらいに出て、大変な時期に出しちゃってあんまり注目されなかったんですけど(笑)。『Triptych』というタイトルで、絵画でいう3連画っていうやつですよね。3曲、3曲、3曲の9曲で3部構成みたいになっているので、こう名付けました。

クリス:ceroとは違うアプローチを取られたんですか。

髙城:そうですね。さっき言っていたアメリカとかうちの父親から受けてきた影響、シンガーソングライターの音楽ってあんまりceroの現場で生かすことをしてこなかったので、いずれやりたいなって思ってたことをこのタイミングでまとめてやったかたちなので、だいぶceroとは違うアウトプットになっていると思います。

そして、ceroは5月に5年ぶりとなるニューアルバム『e o』をリリースした。

cero『e o』

クリス:5年ぶりっていうことは、その間にソロアルバムも出して、パンデミックっていうことでジッとしてた感じですか。

髙城:そんなつもりもなかったんですけど、結果的にそうなってしまいましたよね。先行きが見えない中でがむしゃらにもがいて出してもよかったけど、ここはひとつ腰を据えてじっくりやろうと。それぞれソロも出したし、その成果を持ち帰ってceroに集約するわけですから、もうちょっと集中してやりたいよねってことで、自分たちの場所を持って。最初は吉祥寺に集まる場所を作って、後半は事務所の1室に作ってやったりとかして、ひたすら3人で集まって作りまくるってことをやって、ようやく出せました。

クリス:このアルバムの付属Blu-rayには、昨年7月に日比谷野外大音楽堂で行ったライブの模様も収録も収録されてますね。

髙城:まるまる収録されてます。せっかくなのでぜひ観ていただきたいですね。

6月からceroの全国ツアー「e o Release Tour 2023」がスタートしている。

クリス:今回のツアーはどのような感じになります?

髙城:『e o』の曲を中心にやっていくと思うんですけど、それに合わせてこれまでの曲も『e o』に合わせた感じにアップデートして、うまく混ぜ合わせながらいけたらいいなと思います。

【翌週のオンエア】cero・髙城晶平が作詞を語る。曲が先か後かで、仕上がりはどう変わる?

番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
radikoで聴く
2023年6月9日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30

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