シンガーソングライター・ヒグチアイが、新曲の制作エピソードや、人生のターニングポイントについて語った。
ヒグチが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」。ここでは4月29日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
甲斐:競輪ということで応援ソングに聴こえますけど、歌詞に注目するとラブソングの要素もあるなと感じました。応援にもいろいろあって、同楽曲は相手に寄り添っているような感じがあって、ふたりの物語に繋がっているなと私は思いましたね。
ヒグチ:応援するってことを今までしてこなくて、「応援するような自分の人生を歩んでいるのだろうか。人のことを応援している場合ではないんじゃないか」とずっと思っていたんですよ。だけど、応援するものができたときに「この人の気持ちを考えて自分はそばで応援したいな」と思えたというか。たとえばスポーツ選手がミスをしたとしても、「自分だったらこういう気持ちだからそばにいてあげたいな」みたいな、そういう寄り添う応援になっているんですね。だからラブソングみたいにも聴こえるのかなと思います。
甲斐:なるほど。こちらの楽曲はオファーがあってから書き下ろしたものなんでしょうか?
ヒグチ:いいえ。サッカーのワールドカップを観ていたときに書きました。ただただ応援している時間みたいなものが自分にとっては大事だったんだなってことに気付いたんです。応援のあとは自分も前向きになれるし、頑張ろうと思えるんですよね。それに気付いて書いた曲ですね。
甲斐:そうだったんですね。応援されているような気分にもなりましたし、背中を押してくださるような楽曲だと感じました。
ヒグチ:うれしいです。
甲斐:ヒグチさんの歌声もすごく力強いですし、美しい曲だなと思いました。
ヒグチ:先生から「君はすごくジャズが似合う声をしているから、絶対にジャズをやったほうがいいよ」と言われて、ポップスを選ぶという。そして今の世界に入りましたね。
甲斐:ジャズではなくポップスを選んだのはなぜですか?
ヒグチ:ジャズが似合うんだったらこういう声の人がたくさんいるんじゃないかと思って。じゃあ、ジャズに似合う声の人がポップスをやっているほうがちょっと変な感じがしていいんじゃないかなと思ったんです。右へ行けと言われたら左に行くみたいな、天邪鬼なところがずっとあったので、それがいいほうに向いてここまできたのかなって感じはします。
甲斐:そういう言葉を言われたけど違う道を行くって、不安やプレッシャーはなかったんですか?
ヒグチ:勝気な性格をしていたんですけど、「こういう風になりたいな」がたくさんあるより、「こういう風になりたくないな」がたくさんあったから、自分で隙間を選んでいけたんじゃないかなって感じます。
甲斐:そうだったんですね。
ヒグチ:なりたいって気持ちは広すぎるというか、なりたくないほうが狭くて、選びやすいのかなって今は思いますね。
甲斐:ジャズ・ボーカルを専攻されてよかったなと思うことはありますか?
ヒグチ:ジャズを聴くタイミングが18歳ぐらいだったのがよかったですね。一度触れておくと「あのときに触れたものだな」という安心感があるというか。20代までにやってみたかったことって今はいっぱいある気がしていて、そのなかの1つにジャズをやっておいてよかったなって思うんですよね。今、ジャズを聴いても懐かしい気持ちになれるから。そういう記憶を思い出せるポイントを作れたのはよかったですね。
甲斐:じゃあ、ヒグチさんの心のなかにはいつもジャズがあるんですね。
ヒグチ:あると思います。ちゃんと勉強はしなかったですけれど(笑)。
ヒグチ:2歳頃から中学2年生ぐらいまで習っていた先生といろんなことがあって、会わなくなってしまった時期があったんですね。で、最近再会したんですよ。それがけっこう私にとっては大きな出来事でした。先生の連絡先も知らないし、今何をしているのかもわからない状況で、先生の名前で検索したらホームページが出てきたんです。でも2011年ぐらいで止まっていて、何も連絡先が書いていなかったから、とりあえず先生のピアノ教室の道順をGoogle mapで見ていたんです。そうしたら周りの電柱に先生の旦那さんの税理士事務所の看板があったんですね。そこに電話番号が書いてあったので、連絡することにしたんです(笑)。
甲斐:すごい!
ヒグチ:電話をかけたら覚えてくれていました。それで再会することができたんですけど、そのときに先生が「ちゃんと根っこをしっかりさせないといい木が育たないし、いい葉っぱが出ないよ」って話を昔してくれていたことを思い出して。ちゃんと人生とか生活をしっかりさせないと音楽はいいものにならないって私がずっと思っていたのは、先生の言葉だったってことに気付いて、再会できてよかったなと思いました。
甲斐:先生に感謝を伝えられたということですね。
ヒグチ:まずは「若気の至りですみません」と謝りましたけどね(笑)。そういうことも全部含めて今は仲良くできているので、会いたいなと思う人にはこれからも会いたいなと思いますね。
甲斐:素敵な先生ですね。
ヒグチアイは5月から6月にかけて、東名阪を巡るワンマンライブ「HIGUCHIAI band one-man live 2023 [産声] 」を開催予定。日程や会場の詳細、最新情報は公式サイトをチェック。
『BLUE IN GREEN』ワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」では、ゲストの今を形作った出会いや体験を訊く。放送時間は12時55分ごろから。
ヒグチが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」。ここでは4月29日(土)のオンエアをテキストで紹介する。
ワールドカップをきっかけに楽曲制作
4月19日、ヒグチアイは新曲『祈り』を配信リリースした。楽曲は2023年度競輪ブランド新TVCM「並走のリレー」に起用されている。祈り
ヒグチ:応援するってことを今までしてこなくて、「応援するような自分の人生を歩んでいるのだろうか。人のことを応援している場合ではないんじゃないか」とずっと思っていたんですよ。だけど、応援するものができたときに「この人の気持ちを考えて自分はそばで応援したいな」と思えたというか。たとえばスポーツ選手がミスをしたとしても、「自分だったらこういう気持ちだからそばにいてあげたいな」みたいな、そういう寄り添う応援になっているんですね。だからラブソングみたいにも聴こえるのかなと思います。
甲斐:なるほど。こちらの楽曲はオファーがあってから書き下ろしたものなんでしょうか?
ヒグチ:いいえ。サッカーのワールドカップを観ていたときに書きました。ただただ応援している時間みたいなものが自分にとっては大事だったんだなってことに気付いたんです。応援のあとは自分も前向きになれるし、頑張ろうと思えるんですよね。それに気付いて書いた曲ですね。
甲斐:そうだったんですね。応援されているような気分にもなりましたし、背中を押してくださるような楽曲だと感じました。
ヒグチ:うれしいです。
甲斐:ヒグチさんの歌声もすごく力強いですし、美しい曲だなと思いました。
ジャズではなくポップスの道に進んだ理由
番組では、ゲストから「今を形作った体験」を訊く。ヒグチにとっての人生の転機は、大学生時代にジャズ・ボーカルを専攻したことだという。ヒグチ:先生から「君はすごくジャズが似合う声をしているから、絶対にジャズをやったほうがいいよ」と言われて、ポップスを選ぶという。そして今の世界に入りましたね。
甲斐:ジャズではなくポップスを選んだのはなぜですか?
ヒグチ:ジャズが似合うんだったらこういう声の人がたくさんいるんじゃないかと思って。じゃあ、ジャズに似合う声の人がポップスをやっているほうがちょっと変な感じがしていいんじゃないかなと思ったんです。右へ行けと言われたら左に行くみたいな、天邪鬼なところがずっとあったので、それがいいほうに向いてここまできたのかなって感じはします。
甲斐:そういう言葉を言われたけど違う道を行くって、不安やプレッシャーはなかったんですか?
ヒグチ:勝気な性格をしていたんですけど、「こういう風になりたいな」がたくさんあるより、「こういう風になりたくないな」がたくさんあったから、自分で隙間を選んでいけたんじゃないかなって感じます。
甲斐:そうだったんですね。
ヒグチ:なりたいって気持ちは広すぎるというか、なりたくないほうが狭くて、選びやすいのかなって今は思いますね。
甲斐:ジャズ・ボーカルを専攻されてよかったなと思うことはありますか?
ヒグチ:ジャズを聴くタイミングが18歳ぐらいだったのがよかったですね。一度触れておくと「あのときに触れたものだな」という安心感があるというか。20代までにやってみたかったことって今はいっぱいある気がしていて、そのなかの1つにジャズをやっておいてよかったなって思うんですよね。今、ジャズを聴いても懐かしい気持ちになれるから。そういう記憶を思い出せるポイントを作れたのはよかったですね。
甲斐:じゃあ、ヒグチさんの心のなかにはいつもジャズがあるんですね。
ヒグチ:あると思います。ちゃんと勉強はしなかったですけれど(笑)。
意外な方法でかつての恩師と再会
ヒグチの人生に影響を与えた人物は、幼少期から習っていたクラシックピアノの先生だという。ヒグチ:2歳頃から中学2年生ぐらいまで習っていた先生といろんなことがあって、会わなくなってしまった時期があったんですね。で、最近再会したんですよ。それがけっこう私にとっては大きな出来事でした。先生の連絡先も知らないし、今何をしているのかもわからない状況で、先生の名前で検索したらホームページが出てきたんです。でも2011年ぐらいで止まっていて、何も連絡先が書いていなかったから、とりあえず先生のピアノ教室の道順をGoogle mapで見ていたんです。そうしたら周りの電柱に先生の旦那さんの税理士事務所の看板があったんですね。そこに電話番号が書いてあったので、連絡することにしたんです(笑)。
甲斐:すごい!
ヒグチ:電話をかけたら覚えてくれていました。それで再会することができたんですけど、そのときに先生が「ちゃんと根っこをしっかりさせないといい木が育たないし、いい葉っぱが出ないよ」って話を昔してくれていたことを思い出して。ちゃんと人生とか生活をしっかりさせないと音楽はいいものにならないって私がずっと思っていたのは、先生の言葉だったってことに気付いて、再会できてよかったなと思いました。
甲斐:先生に感謝を伝えられたということですね。
ヒグチ:まずは「若気の至りですみません」と謝りましたけどね(笑)。そういうことも全部含めて今は仲良くできているので、会いたいなと思う人にはこれからも会いたいなと思いますね。
甲斐:素敵な先生ですね。
ヒグチアイは5月から6月にかけて、東名阪を巡るワンマンライブ「HIGUCHIAI band one-man live 2023 [産声] 」を開催予定。日程や会場の詳細、最新情報は公式サイトをチェック。
『BLUE IN GREEN』ワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」では、ゲストの今を形作った出会いや体験を訊く。放送時間は12時55分ごろから。
番組情報
- BLUE IN GREEN
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毎週土曜12:00-16:00