秦 基博、デビュー前を過ごした横浜。大学時代の思い出などを亀田誠治に明かす

秦 基博と亀田誠治が、「2000年頃の横浜」をテーマに音楽談議を展開した。

秦が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは4月2日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。

ライブハウスに出演を始めた18歳の頃

今回、秦は空想ドライブのテーマとして「2000年頃の横浜」を選んだ。

秦:僕がちょうどライブハウスに自分のオリジナル曲で出るようになったのが1999年くらいなんですけど、その頃にライブハウスに通うことも含めて横浜によく行っていたので、その当時の景色だったりとか、当時のみなとみらいとか山下公園近辺を思い浮かべながらドライブできたらなと思いました。

秦は空想ドライブミュージックの1曲目としてシャーデー『By Your Side』をセレクトした。



亀田:めちゃくちゃドライブに合いますね。

秦:当時、F.A.D YOKOHAMAというライブハウスに18歳で初めて出るんですけど、そこのオーナーさんにすごくかわいがっていただいていて。当時、僕は邦楽ばっかり聴いているようなタイプだったんですけど、「お前、もうちょっと違うジャンルの音楽を聴いたほうがいいぞ」って。

亀田:ライブハウスのおやじが教えてくれるやつだ。

秦:そうなんです。それでブラックミュージックとか洋楽、邦楽もですけど自分が今まで触れてなかったような音楽をいろいろ教えていただいてたんですよ。その中にシャーデーがあって、こういう音楽が世の中にあるんだなっていうのを感じた1曲だったんですよね。

亀田:音楽との素敵な出会いですね。今で言うプレイリストでレコメンされるっていうのではなくて、ライブハウスのおやじでしょ。

秦:「これをお前は聴くべきだ」って。

亀田:あはは(笑)。

続けて、秦はF.A.D YOKOHAMAで演奏するようになったきっかけを話す。

秦:僕の友だちの友だちがF.A.D YOKOHAMAでバイトをしてたんですよ。ある日、高校の卒業ライブだったんですけど、みんなで持ち時間を計算していったら30分どうしても余るっていう風になって、この時間を埋めなきゃいけないってなったときに「俺、弾き語りでやるよ」って。

亀田:カッコいい。

秦:全然そんなことはないんですけど、当時作ってた曲とちょっとコピーしたりしてやったんですよ。それをその子が観てて「F.A.Dに弾き語りの日があるけど出たら?」って言われて「出てるの?」って言って(笑)。それで出てみようと思って出たのが最初なんですよ。その子もブッキングの力はなかったと思うんですけど、たぶん紹介してくれて(出られたんだと思います)。

自分の「何ともならない空気」を思い出す曲

続いて、秦は2曲目の空想ドライブミュージックとして真心ブラザーズ『橋の上で(New Version)』を選曲した。



秦:当時、大学生の頃によく聴いてた曲です。この曲が入っている『真心』っていうアルバムを本当に繰り返し聴いていて、当時、確か大人の男の愛すべきダメなところみたいな、哀愁たっぷりみたいなコンセプトのアルバムだったので、当時の僕からするとちょっと背伸びして、背中で語る男の哀愁みたいなものの自分で感じながらすごく聴いてたアルバムです。その中でもこの曲がすごく好きで、2000年頃の自分の何ともならない空気をすごく思い出しますね。

亀田:大学生の頃?

秦:大学生でした。

亀田:これはF.A.D YOKOHAMAに出入りするくらい?

秦:はい。大学生ではあったので、そんなに頻繁には行ってなかったんですけど。

亀田:大学の授業がないときは何をしてたんですか。

秦:それこそ映画を観たりとか、曲を書いたりとかそっちにシフトしてはいましたね。

亀田:それはプロになろうという気持ちがあったからですか。

秦:そうですね。もちろん徐々に芽生えていった思いだったとは思うんですけど、いっぱい音楽を聴いていっぱい映画を観て、いっぱい本を読んでっていう時期だぞってF.A.Dのオーナーさんに言われてたのもあって、大学に行くより先に映画をいっぱい借りてきて1日観てるとか、そのあとにすぐ曲を書くとか、そんなことばっかりしてましたね。

亀田:アーティスト・秦 基博の創作の種がここにあるって感じがしますね。

秦:そのときに感じたこととかいっぱい今に繋がってるものがたくさんある気がしますね。

秦は3曲目としてThe Foundations『Build Me Up Buttercup』をセレクトした。



秦:それこそ当時、いろんな映画を観ていて。ちょっと哲学的な映画とか沁みる系とかたくさん観てたんですけど、『メリーに首ったけ』のめちゃくちゃラブコメの底抜けに明るい感じがたまらなくキュンときてしまって。エンディングでこの曲がかかるんですよね。当時、全然ブラックミュージックとかこういうものに触れてなかったので、何って理由もわからずというか、音楽ジャンルはどうでとかってことではなくて、あのキュンとした気持ちをこの曲がさらに倍増されていて。

亀田:なるほど。

秦:当時を思い出すんですよね。

亀田:『メリーに首ったけ』ってキャメロン・ディアスとか出てる映画ですよね。

秦:本当にかわいくて。ずっとバカバカしいんですけど、最後にこの曲がかかって全部が包まれて、なんかキュンとしたなって思って終わるというか。いい映画を観たなっていう気持ちになれましたね。だからこの曲が好きなんですよね。

横浜の景色とEGO-WRAPPIN’

秦は最後の空想ドライブミュージックとしてEGO-WRAPPIN'『くちばしにチェリー』を紹介した。



秦:最初に紹介したシャーデーと、EGO-WRAPPIN'の『色彩のブルース』が同じCDの中に入ってたんですよ。

亀田:ライブハウスのおやじ(がセレクトしたやつ)の。

秦:はい。

亀田:すごい振れ幅ですね。

秦:僕がそこで初めて『色彩のブルース』を聴くんですけど、めちゃくちゃカッコいいなって。中納良恵の歌声のすごさとかいろんなことにシビれていって、当時『私立探偵 濱マイク』っていう永瀬正敏さんが主演されているドラマがあって、これは横浜が舞台で。当時ちょっと出てたF.A.Dの系列店なんかもこのドラマに使われてたりして、このドラマをすごく観てたので、『くちばしにチェリー』が主題歌だったから、その辺を通ってた感じをすごく思い出すんです。みなとみらいとかすごくきれいな街の横浜と、また一方である昔ながらの横浜が持ってる景色だったり空気だったりがこのドラマでたくさん出てくるんですけど、そのEGO-WRAPPIN’の中納さんの歌声の持つ表情がまたそれと相まって、一筋縄じゃないぞっていう、横浜もきれいなだけじゃなくて歴史があってっていうところも感じる曲ですね。

亀田:横浜といってもいろんな景色が詰まってて、そこで秦さんは青春時代を満喫したわけですね。

秦:今、「青春時代はいつだった?」って言われると、あのとき横浜によく行ってた頃だなって思える時期ですね。そのときに青春を過ごしてるなんて思わないじゃないですか。でも自分にとっていつが青春だったのかなって本当に思える時期っていうのは、自分が何ものでも本当になくてただただもがいていてっていうあの横浜の景色とともにあった自分なのかなって思います。

子どもが描く絵のように、自分の思っているままに

秦は7枚目のオリジナルアルバム『Paint Like a Child』を3月22日にリリース。番組ではタイトル曲の『Paint Like a Child』をオンエアした。
亀田:すごく新しいサウンドだね。でも秦さんの歌は秦さんの歌ですね。

秦:タイトルの『Paint Like a Child』は、子どもが描く絵のように、自分の思っているままに、より自由に音楽をかたちにしたいなって思ってやりたいことをやっているって感じなんですけど。

亀田:この曲のドラムは生?

秦:キックだけ打ち込みですね。

亀田:完全にパソコン由来のいわゆるサブスクライクな音楽とは違って、やっぱり秦さんが歌うと本当に切ないというかJ-POPのわびさびをいつも感じますね。どんなサウンドをまとっていてもそれを感じます。

秦:もちろんやってみたいサウンドとかたくさんあってたくさんトライするんですけど、結局歌が好きなので。歌をどう聴かせるかっていうことには向かって行くと思うんですよね。

秦はこのアルバムをひっさげた全国ツアー「HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2023 ―Paint Like a Child― supported by NIHON SAFETY」を、4月29日(土)からスタートする。

秦 基博の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
radikoで聴く
2023年4月9日28時59分まで

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番組情報
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
毎週日曜
21:00-21:54

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