音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
言葉、場所、頭の中…日常や人生を豊かにする「めぐり」について語り合う

メディア・コミュニティ“me and you”を運営する編集者の野村由芽&竹中万季

言葉、場所、頭の中…日常や人生を豊かにする「めぐり」について語り合う

J-WAVEで放送中のプログラム『わたしたちのスリープオーバー』(毎週金曜 25:30-26:00)。「性にまつわることを、いつもの自分の温度で話してみませんか?」というコンセプトの番組で、ポッドキャストでも配信中だ。ナビゲーターは、ライフ&カルチャーコミュニティ〈She is [シーイズ] 〉での活動を経て独立し、現在は新たなメディア・コミュニティ“me and you”を運営する編集者の野村由芽&竹中万季。
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3月17日(金)のオンエアでは、セルフケアブランド「MEGLY(メグリー)」とコラボレーション。「この春、めぐらせたいもの」をテーマに番組をお届けした。

・番組のポッドキャストはこちら
https://spinear.com/shows/our-sleepover/

「めぐり」とは何か?

MEGLYは「自分を大切にして、みんなを大切にする」という思いのもと、こころ、からだ、人、社会、地球、様々なめぐりをよくして、みんなが光る世界と未来を目指しているセルフケアブランド。me and youはその姿勢に共感し、オンラインメディア『MEGLY&CO』の運営に携わっている。それがきっかけとなり、今回のコラボレーションに繋がった。

WEBサイトでは「めぐらせたいもの、なんですか?」というテーマでメッセージを募集中(3/31まで)。ここでいう「めぐり」は、物理的なものに限らない。me and youのふたりは、公式サイトで、こう説明している。

<「めぐり」と一言で言っても、身体の滞りや心のよどみなど自分自身に関わるものをはじめとし、他者との関係性、組織やコミュニティ、そして社会の状況や地球環境など、さまざまなものが浮かぶかもしれません。そして、それは一つひとつが独立しているのではなく、どこかでつながり、循環しあっているものだとも思います。(「【声の募集】めぐらせたいもの、なんですか?」より)>
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人の言葉や過ごした場所が、人生にめぐってゆく

番組では、「この春はじめたいこと」を街頭インタビュー。大学生になるという女性は、ヨーロッパ留学を目指して英語を勉強したいと話す。理由は、「高校時代にフランス語の先生がおもしろかったから」。授業ではフランス文学の引用と解説などもあったそうだ。

「“若さとは無駄なことに対する情熱です”みたいな話があって。私も、勉強とかじゃなくても情熱を注いでいいんだなと思いました」

女性の話を聞いたふたりは……。

竹中:すごくいい先生。

野村:先生の言葉って、残ることがありますよね。言うほうは“残そう”と思っているとは限らないし、何が残るかは(言われたときは)わからないけど……。

竹中:それがめぐりめぐって、自分の道や夢につながったり。そういうことが感じられるお話でしたね。

野村:ね。人のつながりや場所のつながりなど、いろんなことが含まれたエピソードでしたね。

ライブで瞑想…アーティストのあたたかな気持ちが共有される場に

心がめぐる季節にぴったりの作品もおすすめした今回のオンエア。野村が紹介したのはインドにルーツを持つシンガーソングライター・Raveena(ラヴィーナ)。来日ライブで、こんな体験をしたのだそう。

野村:ラヴィーナはスイートな歌声で、“癒やし”と称されることも多いソウルシンガーなんですけど、ライブに行ったら、なんと瞑想の時間があったんですよ。ライブ中にラヴィーナが、「これから瞑想をはじめる」というようなことを英語で言って。それまでは、みんなすごく盛り上がっていたんですけど、静かになっていったんです。みんなで深く息を吸って吐いて。

竹中:へえ……!

野村:照明も含めて、すごくマインドフルネスな雰囲気になっていって。1-2分瞑想してからそのまま曲に入っていったんですけれど、その曲のあいだ、みんな「スーン」と聴いて。これはライブパフォーマンスとして瞑想をしているわけではなくて、ラヴィーナ自身がもともと、すごく瞑想を大事にしている人だったんです。彼女が日常で大事にしている癒しや幸福、自己肯定や愛を感じる時間を、そのライブ会場にいる人達と共有する、おすそわけするような感じで。そういうあたたかい気持ちが伝わってきて、すごくよかったです。

竹中:うんうん。

野村:ライブ中って、どんなに素晴らしいライブでも、(よい意味で)意識が浮遊するじゃないですか。いろんな思想を揺り動かしてくれるのがライブの醍醐味だと思うんです。「この音楽いいなあ」って思うのも素敵なんですけど、サウンドやライブの雰囲気によって過去の思い出がよみがえったりして。

竹中:うん、あるある。

野村:過去の記憶に浸っているとき、(ラヴィーナの瞑想によって)スーっと今いる場所に呼び戻されて、また違う体験になるというか。

竹中:なかなかできない体験だよね。ライブってステージと客席が分かれているから、空間が区切られているように感じることもあるけど、みんなで一緒に瞑想することで、一体感が生まれておもしろいですね。

野村:ほんと、体験できてすごくよかった。去年発売されたラヴィーナのアルバムに収録されている最後の曲も、マインドフルネスをうながすような楽曲で、寝る前に聴いています。

竹中:眠る前のよい習慣も見つかって、ラヴィーナのポジティブな空気がめぐりましたね。

脳に“めぐる余白”を生み出すために

WEBサイトには、「自分の思考や頭の中をめぐらせたい」という声が届いた。インターネットやSNSによってインプットする情報量が増え、頭の中がいっぱいになってしまっているからだという。「インプットを減らして脳を休める。できれば瞑想をはじめたい」「インプットと同じ量のアウトプットをしていく」と締めくくられていた。

竹中:情報量は本当に多いですよね。私も悩んでいます。

野村:まきちゃん(竹中)、最近 SNSとの距離感はどうですか?

竹中:1年前と比べると、最近はけっこう折り合いがつきまして。

野村:どんなふうに折り合いがついてきました?

竹中:前はSNSをタイムリーに見られなかったときに、相手に対する謎の罪悪感があって。自分の中で無意識に義務化していたこととか、それに縛られていたことに気づいたことが大きいです。今はルールをメモに書いて見返すようにしたり、アカウントをいくつかに分けて気分によって使い分けたりしています。ゆめさん(野村)はどうですか?

野村:そうですね、脳を休めるとか、目を休めることを意識的にやっています。スマホとかSNSとか何かしら見てしまうので、情報を入れる時間をストップするという、わりとシンプルなことをしています。「目を休めるんだ」と言い聞かせて目をぼんやりさせていると、気づいたら寝てしまっていたり(笑)。

竹中:なるほど、まさにラヴィーナがライブでシェアしてくれた瞑想のおかげもあるんですかね。

野村:うん。まさに瞑想的な穏やかな時間、静かな時間をつくるようにしています。

竹中:静かだと、頭の中がめぐるよね。そういう時間を大切にしたいですね。

食べ物にまつわる、不思議なめぐりあわせ

続いては、海外の方からのメッセージを紹介。台湾に留学してすぐに、母が昔から作ってくれていた料理に出会った、というもの。その料理は母が20代のころ、中国で一人旅をしているときに初めて食べ、おいしさに感激して日本でも作りはじめたのだそう。母と同じくらいの年齢になって、同じ料理に出会う──そんな不思議なめぐりあわせが綴られていた。

竹中:めぐりめぐってますね。

野村:素敵な話。食べ物って(めぐりが)ありますよね。自分でゼロから料理を開発するって、けっこう難しいじゃないですか。誰かに教えてもらったり、旅先でおいしいものに出会って、それを真似て作りはじめたり、何かきっかけがあると思うんです。例えば、親が作ってくれた料理が、どこから来たレシピなのか、どういうきっかけで作りはじめた料理なのか、作ってくれた人に聞いてみたらおもしろそうじゃないですか?

竹中:確かに、聞いてみたいかも。意外と知らないですよね。

野村:聞いたことないですよね。昔、実家に『大きいひき肉』って書いてあるレシピ本があって。ひき肉を崩さないでそのまま焼くっていう(笑)。

竹中:えー、すごい! ニッチでいいね(笑)。

野村:ニッチで大胆でしょ。『大きいひき肉』を参考に作られていた料理は、本のタイトルから推測できるんだけど(笑)。

竹中:(笑)。でも、わからないことのほうが多いよね。自分が食べていたレシピが世代を超えてめぐりめぐっていたりとか、その食べ物が遠くの誰かからめぐってきたものだったりとか。

野村:今、自分が食べているものだって地球の裏側からめぐりめぐって届いている可能性もありますから。

竹中:考えてみると料理ってすごいよね。

野村:すごい。

竹中:おなかがすいてきましたね(笑)。

MEGLY&COでは、めぐりにまつわるコラムや漫画を紹介している。

・公式サイト
https://media.megly-jp.com/

(構成=反中恵理香)

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