「ゴミ」から「資源」へ。サーキュラーエコノミーを知る1時間、学生はどう感じた?

提供:三菱電機

さまざまな社会課題に向き合う三菱電機グループ。その技術・サービスに気軽に触れられるイベントスペースが、銀座にある三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」だ。

そんなMEToA Ginzaで3月12日(日)、「共創ライブ #7 未来に残そう!『これからのリサイクル』を考える1時間」と題したイベントが行われた。「共創ライブ」は、サスティナブルな暮らしの実現に向けて定期開催される、三菱電機グループと多彩なゲストが織りなすトークセッションだ。

さらにMEToA Ginzaでは6月まで、体験型イベント「リサイクル DISCO リサイクルも、ターンテーブルも、まわせばハッピー!」も開催中。このイベントに、J-WAVEの大学生・専門学生コミュニティ「J-WAVE WACODES」のメンバーが訪れた。トークの内容や得られた学びを、本人たちがレポートする。

また24日(金)オンエアのJ-WAVE『START LINE』では、J-WAVE WACODESが同イベントについて語る。時間は18:50-18:55、「MAKE IT HAPPEN」のコーナーにて。

(J-WAVE NEWS編集部)

捨てずに資源に変える─サーキュラーエコノミーの可能性



トークセッションに登場したのは、サーキュラーエコノミー研究家でサスティナブル・ビジネスアドバイザーの安居昭博さん、三菱電機リサイクル共創センターの中村保博さん、そして社会派動画メディア「RICE MEDIA」代表でファシリテーターのトムさんの3名。サーキュラーエコノミーの事例などが語られました。 

安居さんからは、サーキュラーエコノミー先進国のオランダ企業の実例を交えながら日本の現状についてお話がありました。サーキュラーエコノミーとは、循環型経済という現在の大量生産、消費、破棄ではなく、廃棄物や汚染物を出さない製品設計や循環を意識する経済を指します。これまで捨てられていたものをリソースに変えることができれば、日本は新たな形の資源大国になれるかもしれない──「WasteはResourceだ」というキーワードを用いて語られた内容には、参加者も驚いた様子でした。
事例として、くるりが主催する音楽フェス「京都音楽博覧会」が紹介されました。同フェスでは、過去のイベントの生ゴミの廃棄量を元に、会場に生ゴミを堆肥化できるコンポストを設置し、農業の力を生かして樹木の育成を目指しているのだそうです。

プラスチックをリサイクルしやすくする高度技術を開発

トムさんは「RICE MEDIA」において、「1ヶ月プラなし生活」を経験。難しさを実感したことから、プラスチックとの向き合い方を考えていきたいと語りました。
近年、レジ袋の有料化などで、脱プラスチックの推進を感じる機会も増えました。しかし、プラスチックのリサイクル技術に取り組んできた三菱電機の中村さんの解説によると、今後もプラスチックの使用率が増えていくという予測があるのだそうです。
そんな中で、三菱電機が開発した、プラスチックのリサイクルにかかわる技術が注目されています。「数種類のプラスチック」を高度選別して再利用しやすくするというものです。日本の高度技術の可能性、未来へのアプローチが語られる1時間となりました。

「共創ライブ」は以下のYouTubeページにアーカイブされています。今回のトークセッションも、3月末に配信予定です。

■「共創ライブ」アーカイブ
https://www.youtube.com/@metoaginza7015

リサイクルの問題は、「我慢」「大変」「面倒」といったネガティブな印象も抱かれがちです。しかし、今回のトークセッションが照らしたのは、大量生産・大量消費・大量廃棄型から脱却した豊かな未来像であり、新たなビジネスチャンスでした。
トークセッション後、参加者は「リサイクル DISCO リサイクルも、ターンテーブルも、まわせばハッピー!」と題した企画展示へ。DJになりきって、前述したプラスチックの高度選別を体験するゲームを楽しみました。また、参加者同士がグループセッションで、「今日から環境のために取り組みたいアクション」を決める時間も。楽しみながら考え、行動につながるイベントとなりました。
(レポート執筆:WACODES 4年 芳賀帆奈)

サーキュラーエコノミーの学びを、学生はどう受け止めた?

トークセッション、企画展示、グループセッションに参加した「J-WAVE WACODES」の感想は?

・リサイクルは「やらないと損」な時代に

3月12日、METoA Ginzaで開かれた共創ライブを一言で表すとしたら、“ワクワク”だと思います。
「WasteはResourceだ」という言葉から始まった、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さん、三菱電機の中村保博さん、そして「RICE MEDIA」代表のトムさんの鼎談は目から鱗の情報がたくさんありました。ある分野ではゴミとなってしまうものが、ある分野では喉から手が出るほど欲しい資源に変えられること。プラスチックをリサイクルする際に使われる、三菱電機の高度な選別技術。
身近なものがどんどんサスティナブルなものに変わっていく現代において、リサイクルがめんどうくさいものではなく、知らないともったいない!やらない方が損している!と言い切れる未来になるのも近いのだと実感できた、楽しい一時間でした。

(WACODES 2年 渡辺はる)

・コミュニケーションの場で活用の施策を

循環型社会を認知させるには、サーキュラーデザインを活用し、コミュニケーションを行う場で活用できる施策を行っていくことが必要だと感じました。トーク中で印象に残ったのは、「ゴミは資源 =ウェイストはリソース」。鼎談に出てきたアーバンマイニングやプラなし生活などのキーワードは、生産者にも消費者にも印象付けられるものだったと思います。グリーンサイクルシステムズの技術を用いて家電製品をリサイクルする三菱電機グループの活動や、黒川温泉の生ごみや落ち葉を活用した肥作りなど、良いモデルを小さなところから大きくサステナビリティな共創の場として提唱することで、面白くかつ経済的に薫染されるのかもしれません。

(WACODES 3年 赤金諒亮)

・「月額制で借りるジーンズ」が印象に残った

SDGsへの取り組みの中で脱プラスチックなどが進められている昨今、消費者一人一人がリサイクルに対して積極的なアクションを起こすことは容易でないのが現実です。今回のトークセッションで、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博さんが紹介してくださった「MUD Jeans(マッド・ジーンズ)」は、お客さんがジーンズを購入するのではなく、月額制で借りて最終的に返却をするサービスを展開しています。企業が自社製品を回収しリサイクルを行うこのシステムは、消費者がリサイクル活動に参加できる画期的なシステムだと思いました。その他にも、リサイクルに対する国内外の取り組みについてお話を伺い、参加者で年齢や職業の垣根を超えた交流会や、三菱電機が取り組むプラスティックリサイクルについてゲームを通して体験してきました。

(WACODES 1年 琥珀)

・音楽フェスの事例に感銘を受けた

今回参加してみて、身近なことからサスティナブルな社会づくりについて考えられるよい体験ができました。トークセッションで特に印象的だったのは、京都音楽博覧会のコンポストの事例です。イベント会場にコンポストを設置し、フードエリアで出た食品廃棄物を堆肥にするという仕組みは、ほかのフェスやイベントでも応用していけるとよいのではないかと思いました。 「〜してはいけない」、「〜しなければいけない」という発想ではなく、見方を変えたり組み合わせ方を考えたりすることで、環境にやさしく、経済的にも合理性があり、さらに人々も心地よい、本当に持続可能な在り方が実現するかもしれないのだと感じました。

(WACODES 3年 日比楽那)

・三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」公式サイト
https://metoa.jp/

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