雨のパレード・福永浩平が振り返る、毎週のように通った「渋谷タワレコの試聴機」で出会った楽曲

雨のパレードの福永浩平(Vo)が、自身の音楽のルーツや、新曲『paradigm』に込めた想いを明かした。

福永が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは2月15日(水)、16日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。

心からかっこいいと思える楽曲ができた

2013年に結成された雨のパレードは、福永、山﨑康介(G, Syn)、大澤実音穂(Dr)からなるバンド。2017年に発表された楽曲『Shoes』は「J-WAVE SONAR TRAX」にも選ばれている。今回は1月18日に配信リリースされたmabanuaプロデュースの楽曲『paradigm』に、どんな自分たちらしさを込めたのか語ってもらった。

福永:僕らは今年で結成10周年ということで、その10周年を飾る記念すべき第1曲目となっています。プロデューサーにmabanuaさんを迎えて、制作いたしました。本当に心からかっこいいと思える楽曲ができたなぁと感じています。

トランペットとサックスは、MELRAWの安藤康平さんに演奏してもらいました。素敵なソロをいれていただきました。めちゃくちゃかっこいいです。

mabanuaさんとの制作のやり取りは刺激的で、レコーディングも楽しかったですね。好きな映画の趣味とかも合って、そういう話もできたので、うれしかったです。

この『paradigm』という楽曲は、僕がバンドを10年続けてきて、本当にいろんなことがあった中で生まれた作品で。辞めたいとまでは言わないけれど、難しいなと思っている時期はたくさんあったので、10年やってこられたんだなっていう思いがあります。今まで、ずっと傍にいてくれている人、応援してくれている方々というのは、本当に大切な存在なんだなと改めて、このタイミングで感じました。そういう思いを込めた楽曲になっております。

僕ららしさは楽曲の中に含まれているので、ぜひ感じてほしいなと思います。歌詞は、ちょっと斜に構えているんですけど。僕としても、楽曲を作るときに、好かれようとしている時期があったんですよ。「こういう曲がもっといろんな人に聴かれるんじゃないかな……」とか。ほかのミュージシャンも常にそういう意識で作品と向き合っていると思うけど、僕はこのタイミングでそれを改め直しました。“自分のスタイルってこうなんじゃないかな”っていう強い気持ちを大事にして、ここからまた今までと分岐していくような思いでやっていけたらと考えています。

『paradigm』は“視点を変える”っていう意味で使っているんですけど、ここからまたギアをひとつ変えて、雨のパレードを頑張っていこうかなって思っています。

こういう曲もアルバムに入れていいんだ

今年で雨のパレードは結成10周年。そんなバンドのフロントマンのルーツとなる1曲は?

福永:僕のルーツの楽曲には、ボン・イヴェールの『____45_____』を選びました。正直、1曲に絞るのはすごく難しかったです。けれど、僕はこの曲が収録されたアルバム『22, A Million』がすごく好きで。

以前、渋谷タワレコの洋楽の新譜コーナーに、毎週のように通っていた時期があったんですね。試聴機に入っている曲を聴き漁って、何かいい曲があったら買ってというのを、お金も無い中で繰り返していました。

その中でこのアルバムを聴いたときに、1曲目はすごくきれいな曲だと思ったんです。でも、2曲目はすごく歪ませたドラムの音から始まって、声とかもファジーな感じで歪んでいたりして。一方、3曲目はボコーダーで声だけの曲っていうのがあったりして。そういう意味で音楽的な視野をめちゃくちゃ広げてもらったアルバムなんです。「こういう曲もアルバムに入れていいんだ」っていうのを提示してもらったというか。

なので、自分たちのアルバムにもインストの曲が必ず入っていたりだとか、ボコーダーだけの曲も真似して作ってみたりだとかしています。今でもライブアレンジでボコーダーだけの部分を作ったりとかしていますね。影響を受けたアーティストはたくさんいるんですけど、大好きだなと思えるのは、ボン・イヴェールのアルバム。本当にミュージシャンとしての視野を広げてもらいました。

ボン・イヴェールのアルバム『22, A Million』に出会い、音楽的な視野が広がったという福永。彼にとって、大きな影響を受けた作品であることに間違いなさそうだ。

Bon Iver - ____45_____ - Official Video

アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。

【雨のパレード 福永浩平 出演回のトークを聞く】

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前編後編

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前編後編

・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/

(構成=中山洋平)
番組情報
SONAR MUSIC
月・火・水・木曜
22:00-24:00

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