back numberの清水依与吏(Vo./Gu.)と亀田誠治が、「バブル期の東京」をテーマに音楽談義を展開した。
清水が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは2月5日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
back numberは1月に約4年ぶりのニューアルバム『ユーモア』をリリースした。
亀田:バブル期ってみんな分かるのかな?
清水:1986年の頃なので僕は2歳ですね。1986年から1991年あたりがどうやらバブル期と言われていて。
亀田:僕は青春ど真ん中でしたからね。
清水:それが羨ましいんですよ。本当にその頃のいろんなお話を聞かせていただいて、ある意味ハチャメチャだったよって話してくださる方もいるんですけど、何とも言えないツヤとちょっと品を感じるんですよね。実際に体験した方々は「品がなかった」って思う方も(いたと思います)。のちのち映像とかを見ると(肌の)露出が高かったりとかいろいろな部分で。でもすごく品があったと僕は感じがしていて、それがその頃にリリースされた楽曲たちを聴いたときに今の自分がワクワクできたりとか、少し今じゃないときにタイムスリップさせてもらえているような感覚をその当時の音楽にすごく感じるので、一緒にドライブしたいなと思いました。
そんな清水は空想ドライブミュージックの1曲目に小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』を選んだ。
亀田:言わずと知れた、時代を代表する名曲ですよね。
清水:まずこれが出てきますもんね。この曲はどこを切り取っても最強だなって思うんですよ。(この曲が主題歌の)『東京ラブストーリー』ってドラマのタイトルもそうだし内容もそうだし、今でも名作として語り継がれているわけじゃないですか。そしてこの曲のタイトル『ラブ・ストーリーは突然に』って今の自分が聴いても「これ、結局めちゃくちゃ影響を受けてるじゃん」って思うんですよね。back numberが『ユーモア』ってアルバムを出したんですけど、その中に『添い寝チャンスは突然に』って曲があったり。
亀田:あはは(笑)。
清水:以前にも『ラブストーリー』ってアルバムを出したときに、そのアルバムの最後の曲が『世田谷ラブストーリー』っていう曲だったり、めちゃくちゃこのあたりをうろうろさせてもらってるじゃんみたいな。もちろん楽曲も素晴らしいですし、幼少期から聴きすぎていてグッとくる定義みたいなものになりかけているというか。この時期の曲は全部そう思います。
清水:back numberがずっとやってきたことと距離が近いなって。これはかなり大人になってから知った曲なんですけど、角度が似てる、バブルのはずなのにっていう。一言でバブルって言ったとしてもそれは単なる記号だったり名前であったりするだけで、その中にはいろんな角度から葛藤していた人がいて、でも普遍的に単純に誰かのことを好きになって、好きじゃなくなられてとかがあって、ここにちゃんとニーズがあったっていうのがうれしいというか。これがちゃんとあって今でも直接的に俺が受け継いだなんて言えないですけど、やってることは同じなのかもしれないって思えたので選びました。
清水は「タイトルは『格好悪いふられ方』だけど、サウンドとしてもめちゃくちゃカッコいい」と続ける。
清水:どうしてもback numberって一人ひとりの顔が見えた方がいいからってことがあるけど、もちろんソロではないからあまりにもドラムが小さくとかってそういう考え方には至らないことが多いんですけど、これは音量ではなく存在感としてカッコよくて憧れですね。亀田さん、こういうのやりたいです(笑)。
亀田:やりましょうよ(笑)。
続いて清水は空想ドライブミュージックの3曲目にTM NETWORK『STILL LOVE HER (失われた風景)』を紹介した。
亀田:数あるTM NETWORKの作品からこの曲を選んだ理由は?
清水:『Get Wild』と迷ったんです、あれも大好きなので。『STILL LOVE HER (失われた風景)』はアニメ『シティーハンター』のエンディングで流れていて。それも再放送で夏休みとかにやってたりして作品としても大好きになって、本当にオープニングとかエンディングとか『シティーハンター』は音楽としても素晴らしくて。その中でもこの曲を聴いているときの気分が好きなんですよ。
亀田:どういう気分?
清水:あとあと知ったのがこの曲がロンドンについて歌われているみたいで。僕がロンドン大好きで。行ったときにものすごく肌に合ってるっていうのと自分たちが『逃した魚』っていうアルバムをインディーズ時代に作ったときはOasisとか知らなかったんですよね。だけどいろいろ聴き漁ったりしたりして、何年前かにOasis超カッコいいと思って聴いてみたら僕が思うギターの歪みのギターの音の理想がそこに全部あって、俺聴いてなかったぞと思って。何かロンドンにあるのかもしれないってことがあったりとかもして、あとあと合点があって。組み上がっていて。単純に子どもの頃から大好きでしたね。
清水:これは完全に俺のなかでユーミンの『春よ、来い』と並んで日本の音楽の到達点だと思っています。誰かが超えるとかそういうものではないです。ただそこに存在する金字塔というか、富士山です。
亀田:ふふふ(笑)。
清水:誰かが世界にはチョモランマがあるじゃんとか言う人がいるかもしれないですけど、そういうことじゃないです。これがいちばん。富士山は2個内でしょっていう。でも、今2曲言っちゃいましたけど。
亀田:あはは(笑)。
清水:あるのかいっていう(笑)。なぜ、これがその時代に生まれたのかがちょっと理解ができてない自分がいるんですよね。この曲を聴くともれなく夏を思い出すし、それが正直自分の中の記憶なのかもはやこの歌が連れてきてくれた記憶なのかもう区別がつかないですよね。夏はこれ、春は『春よ、来い』っていう。ものすごく美しい日本の四季を自分は生きてきたんだって胸を張れるのって実はこういう曲が彩ってくれているんですよね。
亀田:しかも呼び覚ましてくれる。だから糸で引かれてるような感じがありますよね。
清水:聴いてるとただ単純に涙が出てきちゃうんですけど、誰かを失ってとか失恋してとか明確な提示ではなく、単純に季節を歌ってると思うんですよね。これできないっす(笑)。もちろんいつかこれと肩を並べて遜色ないような歌詞とかも含めて「これは芸術と言ってもらっても過言ではないな」ってものを作れたらいいなと思いますけど、抜くとかそういう次元にいない曲ですね。本当に素晴らしいと思います。
【関連記事】back numberに聞く、名プロデューサーとの仕事「アイデアを上からじゃなく横からくれる」
清水:小島和也(Ba./Cho.)に、これを亀田さんにお願いしたいんだよって言ったらあいつも目をキラキラさせながら「それは最高だと思う」って言うくらい、この曲がback numberというか清水依与吏に戻してくれたっていう感覚がすごくありました。
亀田:それはうれしいですね。
清水:この曲を作っているときは楽しかったですし、亀田さんにただアレンジをしていただくとか、ただプロデュースをしていただくとかそういうものではない、より深くより広くしていただいたっていう感覚がすごくあるので、本当にこの曲をやっていただいてよかったです。
亀田:back numberと一緒に作品を作っていると、メインは依与吏さんとの会話になるんだけど、相当僕らはしゃべるよね。もともとおしゃべりな人間ってこともあるんですけど、受け取られる瞬間まで想像しながら相当しゃべってるよね。
清水:レコーディングの中での会話のパーセンテージはすごいことになりそうですよね(笑)。いつも助かってます。
back numberはニューアルバム『ユーモア』を引っ提げた全国ドームツアー「back number in your humor tour 2023」を3月よりスタートする。
Back numberの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
清水が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは2月5日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
back numberは1月に約4年ぶりのニューアルバム『ユーモア』をリリースした。
この曲はどこを切り取っても最強
今回、清水は空想ドライブミュージックのテーマに「バブル期の東京」を選んだ。亀田:バブル期ってみんな分かるのかな?
清水:1986年の頃なので僕は2歳ですね。1986年から1991年あたりがどうやらバブル期と言われていて。
亀田:僕は青春ど真ん中でしたからね。
清水:それが羨ましいんですよ。本当にその頃のいろんなお話を聞かせていただいて、ある意味ハチャメチャだったよって話してくださる方もいるんですけど、何とも言えないツヤとちょっと品を感じるんですよね。実際に体験した方々は「品がなかった」って思う方も(いたと思います)。のちのち映像とかを見ると(肌の)露出が高かったりとかいろいろな部分で。でもすごく品があったと僕は感じがしていて、それがその頃にリリースされた楽曲たちを聴いたときに今の自分がワクワクできたりとか、少し今じゃないときにタイムスリップさせてもらえているような感覚をその当時の音楽にすごく感じるので、一緒にドライブしたいなと思いました。
そんな清水は空想ドライブミュージックの1曲目に小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』を選んだ。
亀田:言わずと知れた、時代を代表する名曲ですよね。
清水:まずこれが出てきますもんね。この曲はどこを切り取っても最強だなって思うんですよ。(この曲が主題歌の)『東京ラブストーリー』ってドラマのタイトルもそうだし内容もそうだし、今でも名作として語り継がれているわけじゃないですか。そしてこの曲のタイトル『ラブ・ストーリーは突然に』って今の自分が聴いても「これ、結局めちゃくちゃ影響を受けてるじゃん」って思うんですよね。back numberが『ユーモア』ってアルバムを出したんですけど、その中に『添い寝チャンスは突然に』って曲があったり。
亀田:あはは(笑)。
清水:以前にも『ラブストーリー』ってアルバムを出したときに、そのアルバムの最後の曲が『世田谷ラブストーリー』っていう曲だったり、めちゃくちゃこのあたりをうろうろさせてもらってるじゃんみたいな。もちろん楽曲も素晴らしいですし、幼少期から聴きすぎていてグッとくる定義みたいなものになりかけているというか。この時期の曲は全部そう思います。
清水依与吏「亀田さん、こういうのやりたいです(笑)」
清水は2曲目に大江千里の『格好悪いふられ方』をセレクトした。清水:back numberがずっとやってきたことと距離が近いなって。これはかなり大人になってから知った曲なんですけど、角度が似てる、バブルのはずなのにっていう。一言でバブルって言ったとしてもそれは単なる記号だったり名前であったりするだけで、その中にはいろんな角度から葛藤していた人がいて、でも普遍的に単純に誰かのことを好きになって、好きじゃなくなられてとかがあって、ここにちゃんとニーズがあったっていうのがうれしいというか。これがちゃんとあって今でも直接的に俺が受け継いだなんて言えないですけど、やってることは同じなのかもしれないって思えたので選びました。
清水は「タイトルは『格好悪いふられ方』だけど、サウンドとしてもめちゃくちゃカッコいい」と続ける。
清水:どうしてもback numberって一人ひとりの顔が見えた方がいいからってことがあるけど、もちろんソロではないからあまりにもドラムが小さくとかってそういう考え方には至らないことが多いんですけど、これは音量ではなく存在感としてカッコよくて憧れですね。亀田さん、こういうのやりたいです(笑)。
亀田:やりましょうよ(笑)。
続いて清水は空想ドライブミュージックの3曲目にTM NETWORK『STILL LOVE HER (失われた風景)』を紹介した。
亀田:数あるTM NETWORKの作品からこの曲を選んだ理由は?
清水:『Get Wild』と迷ったんです、あれも大好きなので。『STILL LOVE HER (失われた風景)』はアニメ『シティーハンター』のエンディングで流れていて。それも再放送で夏休みとかにやってたりして作品としても大好きになって、本当にオープニングとかエンディングとか『シティーハンター』は音楽としても素晴らしくて。その中でもこの曲を聴いているときの気分が好きなんですよ。
亀田:どういう気分?
清水:あとあと知ったのがこの曲がロンドンについて歌われているみたいで。僕がロンドン大好きで。行ったときにものすごく肌に合ってるっていうのと自分たちが『逃した魚』っていうアルバムをインディーズ時代に作ったときはOasisとか知らなかったんですよね。だけどいろいろ聴き漁ったりしたりして、何年前かにOasis超カッコいいと思って聴いてみたら僕が思うギターの歪みのギターの音の理想がそこに全部あって、俺聴いてなかったぞと思って。何かロンドンにあるのかもしれないってことがあったりとかもして、あとあと合点があって。組み上がっていて。単純に子どもの頃から大好きでしたね。
この曲は日本の音楽の到達点
清水は空想ドライブミュージックの最後に井上陽水の『少年時代』をセレクトした。清水:これは完全に俺のなかでユーミンの『春よ、来い』と並んで日本の音楽の到達点だと思っています。誰かが超えるとかそういうものではないです。ただそこに存在する金字塔というか、富士山です。
亀田:ふふふ(笑)。
清水:誰かが世界にはチョモランマがあるじゃんとか言う人がいるかもしれないですけど、そういうことじゃないです。これがいちばん。富士山は2個内でしょっていう。でも、今2曲言っちゃいましたけど。
亀田:あはは(笑)。
清水:あるのかいっていう(笑)。なぜ、これがその時代に生まれたのかがちょっと理解ができてない自分がいるんですよね。この曲を聴くともれなく夏を思い出すし、それが正直自分の中の記憶なのかもはやこの歌が連れてきてくれた記憶なのかもう区別がつかないですよね。夏はこれ、春は『春よ、来い』っていう。ものすごく美しい日本の四季を自分は生きてきたんだって胸を張れるのって実はこういう曲が彩ってくれているんですよね。
亀田:しかも呼び覚ましてくれる。だから糸で引かれてるような感じがありますよね。
清水:聴いてるとただ単純に涙が出てきちゃうんですけど、誰かを失ってとか失恋してとか明確な提示ではなく、単純に季節を歌ってると思うんですよね。これできないっす(笑)。もちろんいつかこれと肩を並べて遜色ないような歌詞とかも含めて「これは芸術と言ってもらっても過言ではないな」ってものを作れたらいいなと思いますけど、抜くとかそういう次元にいない曲ですね。本当に素晴らしいと思います。
清水依与吏に戻してくれた曲
back numberは1月に約4年ぶりのニューアルバム『ユーモア』をリリース。収録曲の『ベルベットの詩』は亀田がプロデュースしている。【関連記事】back numberに聞く、名プロデューサーとの仕事「アイデアを上からじゃなく横からくれる」
亀田:それはうれしいですね。
清水:この曲を作っているときは楽しかったですし、亀田さんにただアレンジをしていただくとか、ただプロデュースをしていただくとかそういうものではない、より深くより広くしていただいたっていう感覚がすごくあるので、本当にこの曲をやっていただいてよかったです。
亀田:back numberと一緒に作品を作っていると、メインは依与吏さんとの会話になるんだけど、相当僕らはしゃべるよね。もともとおしゃべりな人間ってこともあるんですけど、受け取られる瞬間まで想像しながら相当しゃべってるよね。
清水:レコーディングの中での会話のパーセンテージはすごいことになりそうですよね(笑)。いつも助かってます。
back numberはニューアルバム『ユーモア』を引っ提げた全国ドームツアー「back number in your humor tour 2023」を3月よりスタートする。
Back numberの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
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