ウルフルズのトータス松本(Vo)が、母への感謝の想いを語った。
松本が登場したのはJ-WAVEで11月23日(水・祝)に放送された『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Acecook Soup Harusame Presents THANKS TO ALL』(ナビゲーター:堀田 茜)。「感謝を伝えよう=THANKS TO ALL」今こそ伝えたい感謝のキモチを綴る9時間のプログラムだ。このトークは、番組公式ページから音声でも楽しめる。
・番組公式ページ https://www.j-wave.co.jp/holiday/20221123/
堀田:改めて30周年というのは実感としていかがですか?
松本:自分たちにはピンときてなかったんです。「30年もやってきたのか、そういやそうかな」みたいな、わりとフワッとしたイメージだったんです。だけど、自分たちのキャンペーンで「30年」って繰り返し言うじゃないですか。言えば言うほど重みが出てきて、あとからついてきたような感じなんです。
堀田:気づいたら30年経っていたという感じなんですね。
松本:1、2年目とかは数えないですからね。「そうか、30年か」というのは、気づいたらというのが近いかもしれない。
堀田:20周年も通ってこられたわけですが、20周年と30周年って違いますか?
松本:20周年のときはウルフルズは活動を休止していたから、お祝いができなかったんです。それもデカいんですよ。
堀田:それを経ての30周年ということは、また改めて重みがあるということですね。デビューは1992年5月13日ですが、結成は1988年。結成からデビューまで4年間ありました。そこから『ガッツだぜ!!』『バンザイ~好きでよかった~』『それが答えだ!』『明日があるさ』『ええねん』など、誰もが知るヒット曲を連発してきました。結成当初からデビューに至るまでは大変でしたか?
松本:「ヒット連発」とか言われますけど、連発じゃないです。本当に何年もかけて、トータルで見たらなんとなく何曲かあるなという感じで、ほとんどが空振りしてますから。
堀田:波に乗るまでは紆余曲折があった?
松本:もちろんデビューまでライブハウスでずっと活動していても、なかなか動員が増えないとか。そういう壁もあったし、デビューがやっとできてもどんな曲を書いたらヒットするのかも本当にわからなくて。いろいろな人と「ああでもない、こうでもない」と言いながら仕事をしていました。自分では全然連発したようなイメージ、自覚がないんですよ(笑)。
堀田:長く音楽を作り続けていると、どうしても自分の得意なほうに行ってしまったり、手グセのようなものがついてしまうというお話をよく聞きます。そういったことはありますか?
松本:むしろ手グセって武器やから、手グセしかしないという風に振り切っているかもしれない。若いころは自分が「できること」と「したいこと」の能力が備わっているかがよくわからない。だから、憧れるものにすぐ食いついて「こういうのやりたい」とか、要するにとっ散らかる傾向にあるんです。だけど、ちゃんと自分を冷静に見られるようになってくると「自分はあれができないけどこれができる」みたいなことがわかってきて。
堀田:なるほど。
松本:「これができる」というところに特化してやっていくしか、いまはやらないです。だから手グセは武器だから、やりやすいこと、得意なことしかやらない。
堀田:すごい! 重みが違います。
松本:いやいや(笑)。
堀田:若いときは逆に、軸ができてないからこそブレる時期もあったという。
松本:人の言うことを聞きすぎるというか、ブレるじゃないですか。
堀田:ブレブレです(笑)。
松本:まあブレるのも大事なことなんですけど、どこまでブレたらいいかというのは、自分のなかで一応ちゃんと線を引いておかないと、若いときに無駄にブレて後悔することもあるんですよね。それが曲とかになってくると、自分が書いたのに心底好きになれない曲とかがあったりするから、そういう後悔はあるんです。
松本:これはベタになるんですけど母親ですかね。まあ父親と母親どっちかなと思ったんですけど、母親が勝つのかな(笑)。感謝したい人だらけなんですけど、誰かと言われると母親になるのかな。
堀田:仲はいいんですか?
松本:いいときと悪いときのサイクルがあります。
堀田:仲がいいときはどういったお話をされるんですか?
松本:最近だとSNSがあるのでやりとりしあったりとか。
堀田:SNSでやりとり!?
松本:以前よりは直接しゃべったりはなくなったけど、特に離れているので会うこともなかなかないし。近年こういうことになってからは、3年近く会えていないんですけど。でもまあ、やりとりはしていますね。
以前は関西方面でライブがあると、必ず会場に来てくれたという松本の母。「一番見たくないのに、ステージから見えてしまう」と笑う。
堀田:目がいっちゃうんですかね。
松本:関係者のエリアがあるから「(いるのは)大体あの辺やな」というのはわかっているんやけど、それでもやっぱりメチャメチャ身内ならではのエネルギーを送ってくるんですよね。「ああ、また見つけた」「出た、とうとう見つけてしまった」みたいなのはありましたね。
堀田:かわいい。
松本:(笑)。
堀田:どういったところに感謝を伝えたいですか?
松本:なんだかんだ言っても一番応援してくれた人だと思うし、それをあまり表に出さずに「とにかく身内は騒がずだ」ということで、とにかく黙って応援してくれていたと思います。あとは身近だからこそ、自分より身近な人にも言えないこと、たとえば細かい僕の所作についてのこととか。ホンマに大きなお世話やと思って、腹立つこともいっぱいあるんですけど。まず歌番組に出てきたら深々とお辞儀をしろとか、すごい細かいんです。「木村拓哉さんはすごくお辞儀しているよ」って。
堀田:(笑)。
松本:たとえがまたスゴいというか(笑)。
堀田:両親ならではですね。
松本:そうなんです。髪がちょっと長いと「切れ」って言うし、今日みたいに無精ひげ生はやしていると、剃ってテレビに出ろ、剃って雑誌でしゃべれとか言うし。なんせ細かいんです。
堀田:いまだに言ってくるんですか?
松本:いまだに言うんですよ。でもそういうことを全部ひっくるめても感謝しかないなと。親父に「これだけギターが欲しいって言ってるんだから、買ってやれば?」って言ってくれたのもおふくろだし。音楽をやりたいからちょっと就職したくないと言ったときも、親父はメチャクチャ怒りましたけど「しょうがないこの子が言うんやから、ちょっと様子を見たら」って言ってくれたのも母親で、そこは感謝しかないです。
堀田:その感謝の気持ちをお母様に伝えたことはありますか?
松本:面と向かって言うのも気持ち悪いから(笑)、あんまりそういうことは言ったことはないけれども。ストレートではないけれど、今からかける曲にそういうのをちょっと込めた部分はあります。
堀田:その曲の意図は?
松本:曲を書いたきっかけも「いろいろ言ってくるからイライラするなあ、いちいちカチンとくるなあ」ということだったけど、「そういう人はかわいいんじゃないの」って自分なりに発想を転換して、母親のそういうところを『かわいいひと』ということにして、この曲を書いたんです。
堀田:改めてこの曲をそういう気持ちで聴くと自分の両親にも会いたくなるというか、伝えなきゃと思います。
松本:歌詞にありますが、まだハワイには行けないですけどね。
番組ではウルフルズの『かわいいひと』をオンエアした。
ウルフルズの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
松本が登場したのはJ-WAVEで11月23日(水・祝)に放送された『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Acecook Soup Harusame Presents THANKS TO ALL』(ナビゲーター:堀田 茜)。「感謝を伝えよう=THANKS TO ALL」今こそ伝えたい感謝のキモチを綴る9時間のプログラムだ。このトークは、番組公式ページから音声でも楽しめる。
・番組公式ページ https://www.j-wave.co.jp/holiday/20221123/
デビュー30周年
ウルフルズは、今年5月にデビュー30周年を迎えた。堀田:改めて30周年というのは実感としていかがですか?
松本:自分たちにはピンときてなかったんです。「30年もやってきたのか、そういやそうかな」みたいな、わりとフワッとしたイメージだったんです。だけど、自分たちのキャンペーンで「30年」って繰り返し言うじゃないですか。言えば言うほど重みが出てきて、あとからついてきたような感じなんです。
堀田:気づいたら30年経っていたという感じなんですね。
松本:1、2年目とかは数えないですからね。「そうか、30年か」というのは、気づいたらというのが近いかもしれない。
堀田:20周年も通ってこられたわけですが、20周年と30周年って違いますか?
松本:20周年のときはウルフルズは活動を休止していたから、お祝いができなかったんです。それもデカいんですよ。
堀田:それを経ての30周年ということは、また改めて重みがあるということですね。デビューは1992年5月13日ですが、結成は1988年。結成からデビューまで4年間ありました。そこから『ガッツだぜ!!』『バンザイ~好きでよかった~』『それが答えだ!』『明日があるさ』『ええねん』など、誰もが知るヒット曲を連発してきました。結成当初からデビューに至るまでは大変でしたか?
松本:「ヒット連発」とか言われますけど、連発じゃないです。本当に何年もかけて、トータルで見たらなんとなく何曲かあるなという感じで、ほとんどが空振りしてますから。
堀田:波に乗るまでは紆余曲折があった?
松本:もちろんデビューまでライブハウスでずっと活動していても、なかなか動員が増えないとか。そういう壁もあったし、デビューがやっとできてもどんな曲を書いたらヒットするのかも本当にわからなくて。いろいろな人と「ああでもない、こうでもない」と言いながら仕事をしていました。自分では全然連発したようなイメージ、自覚がないんですよ(笑)。
「手グセ」は武器
松本は楽曲を制作する際のポリシーについて語った。堀田:長く音楽を作り続けていると、どうしても自分の得意なほうに行ってしまったり、手グセのようなものがついてしまうというお話をよく聞きます。そういったことはありますか?
松本:むしろ手グセって武器やから、手グセしかしないという風に振り切っているかもしれない。若いころは自分が「できること」と「したいこと」の能力が備わっているかがよくわからない。だから、憧れるものにすぐ食いついて「こういうのやりたい」とか、要するにとっ散らかる傾向にあるんです。だけど、ちゃんと自分を冷静に見られるようになってくると「自分はあれができないけどこれができる」みたいなことがわかってきて。
堀田:なるほど。
松本:「これができる」というところに特化してやっていくしか、いまはやらないです。だから手グセは武器だから、やりやすいこと、得意なことしかやらない。
堀田:すごい! 重みが違います。
松本:いやいや(笑)。
堀田:若いときは逆に、軸ができてないからこそブレる時期もあったという。
松本:人の言うことを聞きすぎるというか、ブレるじゃないですか。
堀田:ブレブレです(笑)。
松本:まあブレるのも大事なことなんですけど、どこまでブレたらいいかというのは、自分のなかで一応ちゃんと線を引いておかないと、若いときに無駄にブレて後悔することもあるんですよね。それが曲とかになってくると、自分が書いたのに心底好きになれない曲とかがあったりするから、そういう後悔はあるんです。
母親への感謝とそこから生まれた歌
番組が放送された11月23日は勤労感謝の日。堀田は松本に感謝を伝えたい人物がいるかと尋ねた。松本:これはベタになるんですけど母親ですかね。まあ父親と母親どっちかなと思ったんですけど、母親が勝つのかな(笑)。感謝したい人だらけなんですけど、誰かと言われると母親になるのかな。
堀田:仲はいいんですか?
松本:いいときと悪いときのサイクルがあります。
堀田:仲がいいときはどういったお話をされるんですか?
松本:最近だとSNSがあるのでやりとりしあったりとか。
堀田:SNSでやりとり!?
松本:以前よりは直接しゃべったりはなくなったけど、特に離れているので会うこともなかなかないし。近年こういうことになってからは、3年近く会えていないんですけど。でもまあ、やりとりはしていますね。
以前は関西方面でライブがあると、必ず会場に来てくれたという松本の母。「一番見たくないのに、ステージから見えてしまう」と笑う。
堀田:目がいっちゃうんですかね。
松本:関係者のエリアがあるから「(いるのは)大体あの辺やな」というのはわかっているんやけど、それでもやっぱりメチャメチャ身内ならではのエネルギーを送ってくるんですよね。「ああ、また見つけた」「出た、とうとう見つけてしまった」みたいなのはありましたね。
堀田:かわいい。
松本:(笑)。
堀田:どういったところに感謝を伝えたいですか?
松本:なんだかんだ言っても一番応援してくれた人だと思うし、それをあまり表に出さずに「とにかく身内は騒がずだ」ということで、とにかく黙って応援してくれていたと思います。あとは身近だからこそ、自分より身近な人にも言えないこと、たとえば細かい僕の所作についてのこととか。ホンマに大きなお世話やと思って、腹立つこともいっぱいあるんですけど。まず歌番組に出てきたら深々とお辞儀をしろとか、すごい細かいんです。「木村拓哉さんはすごくお辞儀しているよ」って。
堀田:(笑)。
松本:たとえがまたスゴいというか(笑)。
堀田:両親ならではですね。
松本:そうなんです。髪がちょっと長いと「切れ」って言うし、今日みたいに無精ひげ生はやしていると、剃ってテレビに出ろ、剃って雑誌でしゃべれとか言うし。なんせ細かいんです。
堀田:いまだに言ってくるんですか?
松本:いまだに言うんですよ。でもそういうことを全部ひっくるめても感謝しかないなと。親父に「これだけギターが欲しいって言ってるんだから、買ってやれば?」って言ってくれたのもおふくろだし。音楽をやりたいからちょっと就職したくないと言ったときも、親父はメチャクチャ怒りましたけど「しょうがないこの子が言うんやから、ちょっと様子を見たら」って言ってくれたのも母親で、そこは感謝しかないです。
堀田:その感謝の気持ちをお母様に伝えたことはありますか?
松本:面と向かって言うのも気持ち悪いから(笑)、あんまりそういうことは言ったことはないけれども。ストレートではないけれど、今からかける曲にそういうのをちょっと込めた部分はあります。
堀田:その曲の意図は?
松本:曲を書いたきっかけも「いろいろ言ってくるからイライラするなあ、いちいちカチンとくるなあ」ということだったけど、「そういう人はかわいいんじゃないの」って自分なりに発想を転換して、母親のそういうところを『かわいいひと』ということにして、この曲を書いたんです。
堀田:改めてこの曲をそういう気持ちで聴くと自分の両親にも会いたくなるというか、伝えなきゃと思います。
松本:歌詞にありますが、まだハワイには行けないですけどね。
番組ではウルフルズの『かわいいひと』をオンエアした。
ウルフルズの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
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2022年11月30日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE HOLIDAY SPECIAL Acecook Soup Harusame Presents THANKS TO ALL
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2022年11月23日(水・祝)9:00-17:55