ピアノスリーピースバンド・Ryu MatsuyamaのRyuが、音楽の原体験や方向性について語った。
Ryuが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは10月7日(金)で、Ryuは前週から続けての登場となる。
【前週の放送】Ryu Matsuyama・Ryuの運命を変えた、イタリアから日本へのデモCD
Ryu Matsuyamaは、9月28日にフルアルバム『from here to there』をリリースした。
クリス:日本に来てからはミュージシャンとして活動してたんですか。
Ryu:それはさすがにムリだったので。収入面もそうですけど、それだけでは生活ができなかったので最初はゲーム会社で働いていました。
クリス:そこからオフタイムに音楽をやるようになって、どんどん音楽がメインになったっていきさつですよね。
Ryu:そうですね。
クリス:今の音楽性と以前の音楽性では違います?
Ryu:ベースにあるものは一緒で、変わってないような気がしていますが、ポップの部分を僕らは研究してると思ってるので、ポップさをどういうふうなかたちで自分たちのベースに持ち込めるかと、ずっと再現しようとしています。
Ryuは、レディオヘッドやシガー・ロス、ボン・イヴェール、モグワイ、ビョークなどの音楽を好むそうで、クリスはそれらのアーティストは心の内面を照らすような音楽だと表現する。
クリス:当然、(Ryuさんの音楽は)そういったエッセンスがありますけど、最近の音楽のほうがシティポップな感じですよね。
Ryu:その部分は共作したOvallのmabanuaさんだったりとか、関口シンゴさんやSuzuki Shingoさんと協力して。僕らの固まっていた部分というか、レディオヘッドとかモグワイとかシガー・ロスを再現しようとしてしまっていたところがあったので、むしろ新しいエッセンスをmabanuaさんたちからいただいて、僕らの中に落とし込めたら最高だなって思っていたので、それでたぶんシティの部分が強くなっているんだと思います。
クリス:あんなにモグワイが日本で人気だとは、ちょっとびっくりしました。人が溢れかえってましたからね。
Ryu:すごく失礼ですけど、僕も思いました。
クリス:3、4分ポップスの方程式とは真逆の音楽じゃないですか。
Ryu:(笑)。昔は僕がモグワイって言うとわからない人のほうが多かったけど、ああいう感じでフジロックに出てくれて、ああいう感じでみんなが観ていたのが胸熱でした。
クリスはフジロックに出演した幾何学模様というバンドが気になったそうで……。
クリス:サイケデリックな感じで、60'sとか70'sっぽい、いまだにベルボトムを履いてるような、すごくヒッピーカルチャーな日本のバンドで。四人囃子とフラワー・トラベリン・バンドを足して割ったような。
Ryu:あはは(笑)。
クリス:そのバンドのライブで人が溢れんばかりだったんですよ。ああいう今のポップスチャートとかけ離れたような音楽って、ああいう場所ではハマりますよね。
Ryu:この落ち着いた時間があったおかげで、バンドがデータでやり取りできるようになったので、よりアレンジとかに関して「なるほど」っていうやり取りができるようになりました。前まではセッションでやりましょうって感じだったのが、こだわりにこだわれるようになってきたので、むしろありがたいなって思いました。あと、ライブをやってるとインプットが少なくなってしまう部分があるので、それがパタンとなくなったことによって、もちろん家にはずっといましたけど、幸いそのときに娘が生まれて、ずっと娘の成長を2020年はそばで見られたので。それのおかげでいろんなインプットがあって、それを曲に反映できたことは今でも感謝しています。
クリス:なるほど。2020年生まれだと、僕の子どもと同じですね。ひとりの人間がどんどん形成されていく様を見るっていうのはすごいなって思いますね。
Ryu:全くその通りで、それのおかげで新作『from here to there』に入っている歌詞ができてると思うので、ありがたいなって思っています。
クリス:それが音楽に表現されているってことですよね。娘さんに対する愛情とか世の中に対する気持ちとか。心の豊かさってコロナ禍でつくづく考えさせられたので。何が豊かなのかとか。豊かさって結構身近にあるっていうか。
Ryu:まさにその通りですね。
コロナ禍に聴いた音楽を質問されたRyuは「歌詞を聴いて考え込んでしまう人なので、この時期はインスト系のバンドをよく聴くようになった」と答えた。
Ryu:特にハマったのはローファイ・ヒップホップと呼ばれる、サイーブ(Saib)っていうモロッコのアーティストで。これはめちゃくちゃ家で流してましたね。あとは、オーラヴル・アルナルズ(Olafur Arnalds)というアイスランド人のピアニストの曲をずっと聴いてましたね。
クリス:どんなアーティストなんですか。
Ryu:アイスランド人っぽいっていうか、静の中に激しい部分もあって。でもそこまで激しくならず、すごくゆったりとしたシガー・ロスのピアノ版みたいな感じがしますね。
クリス:ステレオティピカルなことを言ってしまいますが、イタリアっていうとすごく情熱的だけど、アイスランドとか北欧系のどちらかというとクールなサウンドにひかれるっていうのは、なぜなんでしょう。
Ryu:ステレオタイプの反骨心じゃないですけど、意識的にはしてないですけど、「イタリア人ってこうでしょ」みたいな、そういう感覚への反骨が表現されているのは、激しい曲じゃなくて、すごく静かな曲で僕は見つけていたような気がしていて。だから特にアイスランド系とか、すごくアメリカでも山奥で聴いていそうな音楽をよく聴いていました。
2週にわたってクリスとトークを展開したRyuは、番組を振り返り「ラジオでこんなにゆっくり話せたのは初めてだったので、とにかく楽しかったです。アイデンティティを話せる番組ってなかなかなかったので、それにゆっくり触れられたのはうれしかったですね」とコメントした。
Ryu Matsuyamaの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
Ryuが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。オンエアは10月7日(金)で、Ryuは前週から続けての登場となる。
【前週の放送】Ryu Matsuyama・Ryuの運命を変えた、イタリアから日本へのデモCD
Ryu Matsuyamaは、9月28日にフルアルバム『from here to there』をリリースした。
20歳で日本に来たものの…
イタリア出身のRyu は、デモCDがある日本のレーベルの目にとまり、それがきっかけで20歳のころに日本へ移住した。クリス:日本に来てからはミュージシャンとして活動してたんですか。
Ryu:それはさすがにムリだったので。収入面もそうですけど、それだけでは生活ができなかったので最初はゲーム会社で働いていました。
クリス:そこからオフタイムに音楽をやるようになって、どんどん音楽がメインになったっていきさつですよね。
Ryu:そうですね。
クリス:今の音楽性と以前の音楽性では違います?
Ryu:ベースにあるものは一緒で、変わってないような気がしていますが、ポップの部分を僕らは研究してると思ってるので、ポップさをどういうふうなかたちで自分たちのベースに持ち込めるかと、ずっと再現しようとしています。
Ryuは、レディオヘッドやシガー・ロス、ボン・イヴェール、モグワイ、ビョークなどの音楽を好むそうで、クリスはそれらのアーティストは心の内面を照らすような音楽だと表現する。
クリス:当然、(Ryuさんの音楽は)そういったエッセンスがありますけど、最近の音楽のほうがシティポップな感じですよね。
Ryu:その部分は共作したOvallのmabanuaさんだったりとか、関口シンゴさんやSuzuki Shingoさんと協力して。僕らの固まっていた部分というか、レディオヘッドとかモグワイとかシガー・ロスを再現しようとしてしまっていたところがあったので、むしろ新しいエッセンスをmabanuaさんたちからいただいて、僕らの中に落とし込めたら最高だなって思っていたので、それでたぶんシティの部分が強くなっているんだと思います。
日本でのモグワイ人気に喜ぶ
クリスが「FUJI ROCK FESTIVAL '22」で久しぶりにモグワイを観たと言うと、Ryuはうらやましがりつつ「僕はオンラインで観たんですけど、最高だった」とコメントした。クリス:あんなにモグワイが日本で人気だとは、ちょっとびっくりしました。人が溢れかえってましたからね。
Ryu:すごく失礼ですけど、僕も思いました。
クリス:3、4分ポップスの方程式とは真逆の音楽じゃないですか。
Ryu:(笑)。昔は僕がモグワイって言うとわからない人のほうが多かったけど、ああいう感じでフジロックに出てくれて、ああいう感じでみんなが観ていたのが胸熱でした。
クリスはフジロックに出演した幾何学模様というバンドが気になったそうで……。
クリス:サイケデリックな感じで、60'sとか70'sっぽい、いまだにベルボトムを履いてるような、すごくヒッピーカルチャーな日本のバンドで。四人囃子とフラワー・トラベリン・バンドを足して割ったような。
Ryu:あはは(笑)。
クリス:そのバンドのライブで人が溢れんばかりだったんですよ。ああいう今のポップスチャートとかけ離れたような音楽って、ああいう場所ではハマりますよね。
ステレオタイプへの反骨心がある
続いて、コロナ禍の音楽活動の話題に。クリスは「静寂な時間が生まれてよかったというアーティストもいれば、ライブもできないしモチベーションも下がったというアーティストもいた」と話すと、Ryuは「前者だった」とコメントした。Ryu:この落ち着いた時間があったおかげで、バンドがデータでやり取りできるようになったので、よりアレンジとかに関して「なるほど」っていうやり取りができるようになりました。前まではセッションでやりましょうって感じだったのが、こだわりにこだわれるようになってきたので、むしろありがたいなって思いました。あと、ライブをやってるとインプットが少なくなってしまう部分があるので、それがパタンとなくなったことによって、もちろん家にはずっといましたけど、幸いそのときに娘が生まれて、ずっと娘の成長を2020年はそばで見られたので。それのおかげでいろんなインプットがあって、それを曲に反映できたことは今でも感謝しています。
クリス:なるほど。2020年生まれだと、僕の子どもと同じですね。ひとりの人間がどんどん形成されていく様を見るっていうのはすごいなって思いますね。
Ryu:全くその通りで、それのおかげで新作『from here to there』に入っている歌詞ができてると思うので、ありがたいなって思っています。
クリス:それが音楽に表現されているってことですよね。娘さんに対する愛情とか世の中に対する気持ちとか。心の豊かさってコロナ禍でつくづく考えさせられたので。何が豊かなのかとか。豊かさって結構身近にあるっていうか。
Ryu:まさにその通りですね。
コロナ禍に聴いた音楽を質問されたRyuは「歌詞を聴いて考え込んでしまう人なので、この時期はインスト系のバンドをよく聴くようになった」と答えた。
Ryu:特にハマったのはローファイ・ヒップホップと呼ばれる、サイーブ(Saib)っていうモロッコのアーティストで。これはめちゃくちゃ家で流してましたね。あとは、オーラヴル・アルナルズ(Olafur Arnalds)というアイスランド人のピアニストの曲をずっと聴いてましたね。
クリス:どんなアーティストなんですか。
Ryu:アイスランド人っぽいっていうか、静の中に激しい部分もあって。でもそこまで激しくならず、すごくゆったりとしたシガー・ロスのピアノ版みたいな感じがしますね。
クリス:ステレオティピカルなことを言ってしまいますが、イタリアっていうとすごく情熱的だけど、アイスランドとか北欧系のどちらかというとクールなサウンドにひかれるっていうのは、なぜなんでしょう。
Ryu:ステレオタイプの反骨心じゃないですけど、意識的にはしてないですけど、「イタリア人ってこうでしょ」みたいな、そういう感覚への反骨が表現されているのは、激しい曲じゃなくて、すごく静かな曲で僕は見つけていたような気がしていて。だから特にアイスランド系とか、すごくアメリカでも山奥で聴いていそうな音楽をよく聴いていました。
2週にわたってクリスとトークを展開したRyuは、番組を振り返り「ラジオでこんなにゆっくり話せたのは初めてだったので、とにかく楽しかったです。アイデンティティを話せる番組ってなかなかなかったので、それにゆっくり触れられたのはうれしかったですね」とコメントした。
Ryu Matsuyamaの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
番組の公式サイトに過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。
・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html
『SAPPORO BEER OTOAJITO』では、毎週さまざまなゲストを迎えてお酒を飲みながら音楽トークを繰り広げる。放送は毎週金曜23時から。
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2022年10月14日28時59分まで
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番組情報
- SAPPORO BEER OTOAJITO
-
毎週金曜23:00-23:30
-
クリス・ペプラー