東京のど真ん中で音楽・食・マーケットが楽しめる究極の都市フェス「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO〜Best Music & Market」が、9月17日〜19日の3日間、国立代々木競技場(第一体育館、第二体育館、外周エリア)で開催。今回は、3日目に代々木競技場第一体育館の1st STAGEに出演するNulbarichのJQにインタビュー。
Nulbarich初のカバー曲として、山下達郎「MAGIC WAYS」を選んだ理由や、80sポップスについて訊きながら、JQの“インスパイア源”も掘り下げていった。
よりフレキシブルにっていうのと、より色濃くするための存在ですね。Nulbarich自体、僕自身が5年間ぐらいかけて築いてきた分、謎に「僕がちゃんとしなきゃ」みたいな責任感があって、わりと頭でっかちになっちゃう部分があったんです。なので、こういうわけわかんないグループを組むことによって、「あ、それもいいかもね」みたいな感覚になれるのはすごい大きくて。今はリミックスとかアレンジがほとんどなんですけど、既存のNulbarichの楽曲や、僕が作詞作曲して、ある程度できあがったところを天蚕糸でぶっ壊すみたいな、そういう風にできるのが面白いので、新しい窓口みたいなものができたのかなとは思ってます。
――今さらなんですけど、天蚕糸風呂のネーミングの由来は?
えっと、“Thank You Brother”の略語の“THANX BRO”を漢字にしただけっていう(笑)。
――(笑)。漢字だとシルキーですね。
そうなんですよ。天蚕糸は英語にすると“ワイルドシルキー”っていう言葉で、めちゃめちゃいいなあと思って、テーマとして掲げてます。天蚕糸は日本の伝統の繭だったりもするので、一応レペゼンジャパンという意味も込めて。
僕自身、2020年に海外に行って、日本人としてのレペゼン感みたいなものが強くなったんですね。だから、カバーをするなら日本人がいいなっていうのがまず一個あったんです。あとは、アメリカの80sポップスを向こうに行ってかなり聴いてたので、そういった音の日本の代表と言えば達郎さん以外にないんじゃないかなと。向こうに行ってすぐのとき、ちょっと小洒落たバーとかで日本のシティポップが流れてたりしたんですよ。そこは、ウイスキーの「山崎」の年代モノのショットがめちゃめちゃ高かったりするんです。
――それを含めてジャパンブームだったと。
はい。日本のカルチャーがポンと出てるタイミングだったんで、よくプロデューサーの方とか色んなミュージシャンと話すと「日本のこの曲は知ってる」「この人は知ってる」って話になったり。例えばコーネリアスも向こうでお客さんがいて、僕もライブ見に行ったんです。
80年代とか90年代の日本の音楽って、海外にもファンが結構いて、親世代が聴いていて、その息子、娘がコーネリアスのライブで踊ってるみたいな状況があったんで、「これ、何周もしてんな」っていう感じがあって。で、そういう人になってみたいもんですよね、と思って。
――確かに、そういう現実を見ると、自分でも思いますよね。
達郎さんの曲はこれまで、クリエイター目線で没入してサウンド面を掘り下げて聴くってことをあまりしてなくて。改めて聴いてみたら、聴けば聴くほどエグいというか。「このサウンド、このときにやってたんだ」みたいな。ただの雰囲気じゃなくて、クリエイティブとしてもかなり教科書のような音作りだったり、独特のこだわりだったり、やっぱ素晴らしい方だったんで。まさかカバーのお願いが通ると思ってなかったんで、言ってみるもんだなと。
――達郎さんや竹内まりやさんのリバイバルって、アメリカと日本だとちょっと違う感じがしますよね。日本だとやっぱりリアルタイム世代の人がメインですが、アメリカのリスナーは若いと思うので、Nulbarichのカバーはどちらかというとそういう人に訴求するのかなと。
うん。たくさん名曲がある中で「MAGIC WAYS」を選んだのは、僕たちはライブでも楽曲でも、やっぱ踊れること、体が揺れることにどうしても正解が向いちゃうので。「MAGIC WAYS」のオリジナルは圧倒的にグルーヴィーにスイングしてるし、ミドルテンポで、かつ踊れて、自然と体が揺れてみたいなところが選曲の理由ですね。あと全編英語っていうのが歌いやすかった部分もあるんで、全てがマッチしたのがこれなのかなっていう。ライブでオリジナルバージョンのカバーをしてみたいぐらい、オリジナルが好きなんで。
――日本のシティポップムーヴメントとまたちょっと違う聴き方ができるんじゃないかなと。
あえて80sのUSポップのサウンドに寄せなかったのは、それこそ「結局、俺ら何やりたいんだろう?」みたくなっちゃいそうなんで。かと言って、達郎さんの完璧な80年代のサウンドを僕らが真似してやるっていうのも、よくわかならいものになっちゃうなあと思ったんです。だからあえてサウンドに関してはアップデートをして、この楽曲のコード進行とかメロディーラインを僕らなりに解釈したときに、ああいうビート感とかインストゥルメンツになりました。
やっぱり一番はライブですね。ライブをやり続けて、今の規模をキープもしくはさらに上げてくのは簡単なことじゃないんですけど、ライブをやり続けることができないなら、正直、Nulbarichでやることはない。そのくらいライブが大事なんです。ライブができる環境をしっかり作り続けるというか、お客さんに喜んでもらいつつ、どんどんお客さんを増やしつつ……それがすべてなのかな。インスパイアというか、もうすべてな気がしています。
――2つ目は「東京」にちなんでお訊きします。Nulbarichにも「TOKYO」という楽曲がありますが、東京に対して以前と現在で感じ方が違うところはありますか?
Nulbarichが始まったことによって、仲間が増えた部分があるので。前ほど寂しい街じゃなくなっちゃったところが、今ちょっと寂しくもあります。
――「TOKYO」ができた頃とは違う?
そうですね。あのときはこうもっとがむしゃらにいろんなことをやってたし、まあ若かったっていうのもあるんですけど。それこそチームもないし、マネージャーもいなかったんで。その感じは今はなくなって、お友だち増えたなあ、全然寂しくないなみたいな(笑)、そんな感じがありますね。
――ご自分が生活している輪が東京にある、と。
そうですね。ストイックに何かに向き合うモチベーションやガソリンが、前は成功だったり、あまりいい表現じゃないけど、“誰かを見返す”とかに直結するバイブスだったんです。でも今は、みんなに喜んでもらいたいみたいな、ちょっとほんわかしたガソリンになりました。燃費のいいディーゼルっぽいというか、爆発力はないのかもしれないですけど、とってもいいガソリンをいただいているなと思いつつ、僕の中で前の東京とはちょっと変わってきてるのかなっていう感じですね。
――ずっと爆発力だけで行くのは心身がもたないですし。
東京にほんわかしたものがあるからこそ、逆にアメリカに行ったっていうのもありますね。
――もっとヒリヒリするものがある、ということですよね。
そうですね。やっぱアメリカだと周りに誰もいないんで。そういう刺激をちゃんと求めつつ、帰ってこれる場所が東京になったかなっていう。
――では、ロスの何にインスパイアされますか?
自分も意識してないところで勝手に変わった部分も多いというか。それこそ言語もそうなんですけど。一発目にポンと頭に浮かぶのが英語という状況は、日本だとなかなかないと思うんですよね。でも向こうにいると最初に英単語が出てくる。聴く楽曲も、向こうにいるときに聴いたもの調べるうちに、AmazonやNetflixのレコメンドもそっちに偏ってくる。そんな生活へと自然となっていくところにインスパイアされていると思いますね。インターネットは世界と繋がっているって言いますけど、実際はどの国のアカウントかによって出てくる情報も違うし、日本の情報が入りにくかったりして、意外とちゃんと寂しいという。それが結構いいです。
――“ちゃんと寂しくなる”ことが必要なんですね。
うん。なんか幸せになっちゃうと、なんて言うんですかね、アートに落とし込んでいくものの必要性がなくなってっちゃうというか。それこそ、2年前のコロナが始まってからのロックダウンもそうですし。Black Lives Matterがあって、その後には戦争が始まってみたいな状況っていうのは、嘆きみたいな、みんなの心の叫びみたいなのがアートになっていくことが多いので。僕自身も、なるべく満足しないようにしてるって言い方はあれなんですけど、環境的にはちょっとストイックにいられるとか、ちょっと悔しいなと思える場所がないとつまんないなあっていう。
【関連記事】ブラックミュージックを「憧れる」で済ませていいのか─BLM運動を間近で見たNulbarich・JQが向き合った難問
――音楽以外で、日常的にインスパイアされるものってありますか?
洋服ですかね。着てる洋服に自分自身が影響されている部分があるので。何を着てるかとか、今日は何を着ようと考えることで、その日のモードが全部決まっていく感じがする。身に付けるものっていうのにかなり僕は影響を受けている気がします。
――JQさんは、ラグジュアリーなものとカジュアルなものを組み合わせるのがすごくお上手な印象があります。バランスとして、今はどのぐらいの幅がありますか?
わりと混ぜますね。コロナで外に出る機会が少ないときは、「いかにジャージでおしゃれにいたろうか」みたいなバイブスはあったんですけど、最近はちゃんとジーンズとか履くようにもなりました(笑)。かしこまったパーティーとかが開催されることは、まだなかなかないんで、コロナ前よりちょっとカジュアルにはなったかな。そういう場が戻ってきたら、もしかするともう少しパチッとするかもしれません。
フレッシュなアーティストかつ勢いのある人たちですよね。精一杯やることぐらいしかできないんですけど、僕たちでしかできないこともたぶんあるんで。とりあえず一番踊らせたいなと思ってます。VaundyもKroiも知らない仲じゃないんで、3組でしっかり盛り上げられたらなあと思ってます。
――ストイックなんだけどピース、みたいな人たちですよね、みんな。
そうですね。音楽で報われるタイミングって僕の中で曲ができたときと、ライブやってるときで、それ以外はずっと筋トレしているのと一緒なんで。筋トレのときに楽しんじゃうと、できたときの喜びやステージ上での喜びってたぶん半減しちゃうんで、ストイックに筋トレすることが苦じゃないやつらだなって思ってます。がむしゃらにやれちゃって、で、結果ライブやってみたらめっちゃ楽しいじゃんみたいな、ストイックだけど遊んでいる感覚でいられる人たちなのかなっていう感じがしますね。
(取材・文=石角友香)
■都市フェス「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO〜Best Music & Market」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/special/inspire2022/
Nulbarich初のカバー曲として、山下達郎「MAGIC WAYS」を選んだ理由や、80sポップスについて訊きながら、JQの“インスパイア源”も掘り下げていった。
“頭でっかち”を解消する、天蚕糸風呂というプロジェクト
――Nulbarichはかなり自由なグループだと思うんですけど、天蚕糸風呂(テングスブロ)というチームもできて、さらに幅が広がりましたね。JQさんにとってこのプロジェクトの存在の意味はなんでしょう?よりフレキシブルにっていうのと、より色濃くするための存在ですね。Nulbarich自体、僕自身が5年間ぐらいかけて築いてきた分、謎に「僕がちゃんとしなきゃ」みたいな責任感があって、わりと頭でっかちになっちゃう部分があったんです。なので、こういうわけわかんないグループを組むことによって、「あ、それもいいかもね」みたいな感覚になれるのはすごい大きくて。今はリミックスとかアレンジがほとんどなんですけど、既存のNulbarichの楽曲や、僕が作詞作曲して、ある程度できあがったところを天蚕糸でぶっ壊すみたいな、そういう風にできるのが面白いので、新しい窓口みたいなものができたのかなとは思ってます。
――今さらなんですけど、天蚕糸風呂のネーミングの由来は?
えっと、“Thank You Brother”の略語の“THANX BRO”を漢字にしただけっていう(笑)。
――(笑)。漢字だとシルキーですね。
そうなんですよ。天蚕糸は英語にすると“ワイルドシルキー”っていう言葉で、めちゃめちゃいいなあと思って、テーマとして掲げてます。天蚕糸は日本の伝統の繭だったりもするので、一応レペゼンジャパンという意味も込めて。
クリエイター目線で聴いた山下達郎のスゴさ
――8月17日にはNulbarich初のカバーをリリースして、曲は山下達郎さんの「MAGIC WAYS」。お訊きしたいことだらけなんですが。――それを含めてジャパンブームだったと。
はい。日本のカルチャーがポンと出てるタイミングだったんで、よくプロデューサーの方とか色んなミュージシャンと話すと「日本のこの曲は知ってる」「この人は知ってる」って話になったり。例えばコーネリアスも向こうでお客さんがいて、僕もライブ見に行ったんです。
80年代とか90年代の日本の音楽って、海外にもファンが結構いて、親世代が聴いていて、その息子、娘がコーネリアスのライブで踊ってるみたいな状況があったんで、「これ、何周もしてんな」っていう感じがあって。で、そういう人になってみたいもんですよね、と思って。
――確かに、そういう現実を見ると、自分でも思いますよね。
達郎さんの曲はこれまで、クリエイター目線で没入してサウンド面を掘り下げて聴くってことをあまりしてなくて。改めて聴いてみたら、聴けば聴くほどエグいというか。「このサウンド、このときにやってたんだ」みたいな。ただの雰囲気じゃなくて、クリエイティブとしてもかなり教科書のような音作りだったり、独特のこだわりだったり、やっぱ素晴らしい方だったんで。まさかカバーのお願いが通ると思ってなかったんで、言ってみるもんだなと。
――達郎さんや竹内まりやさんのリバイバルって、アメリカと日本だとちょっと違う感じがしますよね。日本だとやっぱりリアルタイム世代の人がメインですが、アメリカのリスナーは若いと思うので、Nulbarichのカバーはどちらかというとそういう人に訴求するのかなと。
うん。たくさん名曲がある中で「MAGIC WAYS」を選んだのは、僕たちはライブでも楽曲でも、やっぱ踊れること、体が揺れることにどうしても正解が向いちゃうので。「MAGIC WAYS」のオリジナルは圧倒的にグルーヴィーにスイングしてるし、ミドルテンポで、かつ踊れて、自然と体が揺れてみたいなところが選曲の理由ですね。あと全編英語っていうのが歌いやすかった部分もあるんで、全てがマッチしたのがこれなのかなっていう。ライブでオリジナルバージョンのカバーをしてみたいぐらい、オリジナルが好きなんで。
――日本のシティポップムーヴメントとまたちょっと違う聴き方ができるんじゃないかなと。
あえて80sのUSポップのサウンドに寄せなかったのは、それこそ「結局、俺ら何やりたいんだろう?」みたくなっちゃいそうなんで。かと言って、達郎さんの完璧な80年代のサウンドを僕らが真似してやるっていうのも、よくわかならいものになっちゃうなあと思ったんです。だからあえてサウンドに関してはアップデートをして、この楽曲のコード進行とかメロディーラインを僕らなりに解釈したときに、ああいうビート感とかインストゥルメンツになりました。
「ちゃんと寂しくなる」のが創作には重要
――ここからは「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO〜Best Music & Market」にちなんで、JQさんをインスパイアするものを伺いたいと思います。まず現在進行形のNulbarichをインスパイアするものとは?やっぱり一番はライブですね。ライブをやり続けて、今の規模をキープもしくはさらに上げてくのは簡単なことじゃないんですけど、ライブをやり続けることができないなら、正直、Nulbarichでやることはない。そのくらいライブが大事なんです。ライブができる環境をしっかり作り続けるというか、お客さんに喜んでもらいつつ、どんどんお客さんを増やしつつ……それがすべてなのかな。インスパイアというか、もうすべてな気がしています。
――2つ目は「東京」にちなんでお訊きします。Nulbarichにも「TOKYO」という楽曲がありますが、東京に対して以前と現在で感じ方が違うところはありますか?
Nulbarichが始まったことによって、仲間が増えた部分があるので。前ほど寂しい街じゃなくなっちゃったところが、今ちょっと寂しくもあります。
そうですね。あのときはこうもっとがむしゃらにいろんなことをやってたし、まあ若かったっていうのもあるんですけど。それこそチームもないし、マネージャーもいなかったんで。その感じは今はなくなって、お友だち増えたなあ、全然寂しくないなみたいな(笑)、そんな感じがありますね。
――ご自分が生活している輪が東京にある、と。
そうですね。ストイックに何かに向き合うモチベーションやガソリンが、前は成功だったり、あまりいい表現じゃないけど、“誰かを見返す”とかに直結するバイブスだったんです。でも今は、みんなに喜んでもらいたいみたいな、ちょっとほんわかしたガソリンになりました。燃費のいいディーゼルっぽいというか、爆発力はないのかもしれないですけど、とってもいいガソリンをいただいているなと思いつつ、僕の中で前の東京とはちょっと変わってきてるのかなっていう感じですね。
――ずっと爆発力だけで行くのは心身がもたないですし。
東京にほんわかしたものがあるからこそ、逆にアメリカに行ったっていうのもありますね。
――もっとヒリヒリするものがある、ということですよね。
そうですね。やっぱアメリカだと周りに誰もいないんで。そういう刺激をちゃんと求めつつ、帰ってこれる場所が東京になったかなっていう。
――では、ロスの何にインスパイアされますか?
自分も意識してないところで勝手に変わった部分も多いというか。それこそ言語もそうなんですけど。一発目にポンと頭に浮かぶのが英語という状況は、日本だとなかなかないと思うんですよね。でも向こうにいると最初に英単語が出てくる。聴く楽曲も、向こうにいるときに聴いたもの調べるうちに、AmazonやNetflixのレコメンドもそっちに偏ってくる。そんな生活へと自然となっていくところにインスパイアされていると思いますね。インターネットは世界と繋がっているって言いますけど、実際はどの国のアカウントかによって出てくる情報も違うし、日本の情報が入りにくかったりして、意外とちゃんと寂しいという。それが結構いいです。
――“ちゃんと寂しくなる”ことが必要なんですね。
うん。なんか幸せになっちゃうと、なんて言うんですかね、アートに落とし込んでいくものの必要性がなくなってっちゃうというか。それこそ、2年前のコロナが始まってからのロックダウンもそうですし。Black Lives Matterがあって、その後には戦争が始まってみたいな状況っていうのは、嘆きみたいな、みんなの心の叫びみたいなのがアートになっていくことが多いので。僕自身も、なるべく満足しないようにしてるって言い方はあれなんですけど、環境的にはちょっとストイックにいられるとか、ちょっと悔しいなと思える場所がないとつまんないなあっていう。
【関連記事】ブラックミュージックを「憧れる」で済ませていいのか─BLM運動を間近で見たNulbarich・JQが向き合った難問
――音楽以外で、日常的にインスパイアされるものってありますか?
洋服ですかね。着てる洋服に自分自身が影響されている部分があるので。何を着てるかとか、今日は何を着ようと考えることで、その日のモードが全部決まっていく感じがする。身に付けるものっていうのにかなり僕は影響を受けている気がします。
――JQさんは、ラグジュアリーなものとカジュアルなものを組み合わせるのがすごくお上手な印象があります。バランスとして、今はどのぐらいの幅がありますか?
わりと混ぜますね。コロナで外に出る機会が少ないときは、「いかにジャージでおしゃれにいたろうか」みたいなバイブスはあったんですけど、最近はちゃんとジーンズとか履くようにもなりました(笑)。かしこまったパーティーとかが開催されることは、まだなかなかないんで、コロナ前よりちょっとカジュアルにはなったかな。そういう場が戻ってきたら、もしかするともう少しパチッとするかもしれません。
制作という筋トレにストイックなるからこそ、ライブが楽しめる
――9月19日(月・祝)にNulbarichが出演する「INSPIRE TOKYO」では、VaundyとKroiという「みんな好きだろう」という3組と共演ですね。Nulbarichとしての意気込みはどうですか。フレッシュなアーティストかつ勢いのある人たちですよね。精一杯やることぐらいしかできないんですけど、僕たちでしかできないこともたぶんあるんで。とりあえず一番踊らせたいなと思ってます。VaundyもKroiも知らない仲じゃないんで、3組でしっかり盛り上げられたらなあと思ってます。
――ストイックなんだけどピース、みたいな人たちですよね、みんな。
そうですね。音楽で報われるタイミングって僕の中で曲ができたときと、ライブやってるときで、それ以外はずっと筋トレしているのと一緒なんで。筋トレのときに楽しんじゃうと、できたときの喜びやステージ上での喜びってたぶん半減しちゃうんで、ストイックに筋トレすることが苦じゃないやつらだなって思ってます。がむしゃらにやれちゃって、で、結果ライブやってみたらめっちゃ楽しいじゃんみたいな、ストイックだけど遊んでいる感覚でいられる人たちなのかなっていう感じがしますね。
(取材・文=石角友香)
■都市フェス「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO〜Best Music & Market」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/special/inspire2022/
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