桑田佳祐やミスチル・桜井和寿の歌い方をピアノで再現すると? ハラミちゃんがカバーのこだわり明かす

ポップスピアニストのハラミちゃんが、ピアノを始めたきっかけや人生の転機、ピアノアレンジの方法を語った。

ハラミちゃんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『ORIENT STAR TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。オンエアは5月28日(土)。

1.5倍速で曲を聴いてインストールしている

「ピアノを身近な存在にする」を目標に、2019年6月から YouTubeを中心に活躍しているハラミちゃん。 絶対音感を持ち、動画総再生数は4億5000万回以上、チャンネル登録者数は190万人を超える。2022年には日本武道館公演を成功させるなど、活躍の幅を広げている。

変幻自在なアレンジ・テクニックで街行く人の足を止め、 ピアノの魅力を発信し続けているハラミちゃんは、これまでどんな人生を歩んできたのだろうか。

まずはハラミちゃんの現在について話を聞く。ハラミちゃんは現在、自身最大規模の14都市28公演の全国ツアー「ハラミ定食2 全国ツアー2022 ~新メニューお届けするぬ!」の真っ只中。

このツアーは、昼公演と夜公演でそれぞれメニューが異なる。昼公演はニューアルバム『ハラミ定食2~新メニュー揃いました!』収録曲の昭和歌謡から今流行りの曲まで定番カバー曲をたっぷり披露。夜公演は裏メニューがコンセプトで、すべてその場のリクエストからくじ引きで即興演奏するライブを行なっている。

ハラミちゃん:耳コピをするのも、ライブだと多くの方を待たせてる状態だから1.5倍速で曲を聴いてインストールしているんですよ。
市川:えっ!? 頭の中で1回楽譜に落としてる感じですか?
ハラミちゃん:たとえば「今『I believe』を口ずさんでください」って言ったら、音とか楽譜はわからないけど歌えるじゃないですか。そんな感じが指でできるんですよね。

ハラミちゃんが、ZARDの『負けないで』やクイーンの『Bohemian Rhapsody』を即興で演奏しながら、カバーやアレンジの方法を説明すると、市川は興味津々の様子。

市川:カバーとかアレンジするときに、いちばんこだわっているところってどんなことですか?
ハラミちゃん:やっぱり原曲を忠実に再現すること。あと自分ならではのこだわりだと“ピアノものまね”(笑)。歌手って歌い方のクセがあるじゃないですか。
市川:桑田佳祐さんとか?
ハラミちゃん:そうですね。桑田さんってちょっと歌い出しが遅れるんですよね。ねっとり、(ピアノでサザンオールスターズの『TSUNAMI』をアレンジしながら)高いところはちょっと弱くなったりして。
市川:すごい。楽しい(笑)。
ハラミちゃん:逆にMr.Childrenの桜井和寿さんは、スパンと頭に当てるんです。
市川:(Mr.Childrenの『シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~』のアレンジを聴いて)本当だ。アタックが結構ありますよね。
ハラミちゃん:最後までスパッと歌われる感じなんですけど、これを桑田さん風にやると、ちょっと揺れたりとか。そういう歌のクセを、ピアノのタッチに落とし込むことは結構こだわってますね。
市川:ヤバい。家にハラミちゃんを連れて帰りたい。一日中聴いていられる。すごく楽しい。

自分が笑える方向に素直に行ってみよう

続いて市川は、ハラミちゃんのこれまでの歩みに迫る。ハラミちゃんは4歳の頃からピアノを学び始めたという。

市川:ポップスをカバーする楽しさはいつ頃から気付いたんですか?
ハラミちゃん:4歳からクラシックを習っていたのですが、クラシックの先生って「クラシック以外は弾いちゃダメ」みたいなことがあるので、本当は禁じられてたんです。でも音楽室にあるグランドピアノで当時流行っているジブリとかジャニーズの曲を耳コピで弾くと、みんながすごく集まってくれたんですよね。学年をまたいで来てくれたりして。
市川:へえ。
ハラミちゃん:私は勉強も運動もあまりできない方だったので、唯一人気者になれる場所が音楽室でした。当時楽譜を全部買う時間もお金もなかったので、家でこっそりテレビの音楽番組を見て耳コピして練習して、それを音楽室で弾いていました。それくらいからポップスの楽しさに気付きました。
市川:ストリートピアノに近いことを幼い頃からやってたんですね。

その後、ハラミちゃんは音楽大学に進学したが、卒業後はIT系の会社に就職した。

ハラミちゃん:会社生活はすごく充実して楽しかったんですけど、自分のやりすぎちゃう性格もあって休職してしまい、家にこもるようになりました。なかなか外に出られないような心境になったときに、仲良かった会社の先輩が「そういえば音大卒だったよね。ちょっと気分転換にストリートピアノがあるから行こうよ」って誘ってくださって。
市川:いい人ですね。
ハラミちゃん:自分も「そんなものがあるんだ」くらいの感じでした。新宿の東京都庁にあるピアノで、なにげなく弾いたRADWIMPSの『前前前世』を会社の先輩がスマートフォンで撮っていて、「これYouTubeに上げていい?」って言われて、誰も見ないだろうから「どうぞ」って言ってたらバズってしまって。

【都庁ピアノ】「前前前世」弾いたら、演奏中に拍手きた!!【ストリートピアノ】Zenzenzense streetpiano YourName

ハラミちゃん:ピアノを弾くことが、自分にとっていちばん幸せかもって気付き始めて。でも1回バズッたからといって、さすがにそっちに人生の舵はきれなかったです。
市川:間違いない。
ハラミちゃん:どうしようって思ってたときに、その会社の先輩に「人生1回でも多く笑った人が勝ち」という言葉をいただき、自分が笑える方向に素直に行ってみようと思って、ハラミちゃんとして1回やり切ってみようと会社を辞めました。
市川:その先輩はすごい存在ですね。
ハラミちゃん:それが今のマネージャーさんです。
市川:すごい物語。
ハラミちゃん:本当に不思議ですね。

世界のストリートピアノでも弾いてみたい

「将来、届けたいパフォーマンスは?」と訊かれたハラミちゃんは、こう語る。

ハラミちゃん:ピアノは「ひとりオーケストラ」と呼ばれるくらい本当にいろんな音が出せるので、オーケストラ、バンド、歌手、ダンスなど、かけ算って無限大だと思うんですね。私はストリートピアノでどこでも弾いてきたので、ここじゃなきゃダメみたいなルールは全くないと思っていて。そういう既成概念にとらわれず、いろんなものと一緒に共演することにも力を入れていきたいです。
市川:ピアノがあれば無敵ですね。世界中の空港とかにもピアノがあるから。
ハラミちゃん:世界のストリートピアノもやってみたいですね。それこそクイーンとかビートルズとかアバとかを本場で弾いたり、現地で洋楽を弾くのは憧れですね。

続けて「これからの展望は?」と質問されたハラミちゃんは、「私は夢や目標を作らないのを目標と決めている」と言う。

ハラミちゃん:昔、目標を追うことに必死になって体を壊しちゃったこともあるので、今は目の前の笑顔になれることを追い求めていこうって決めていています。だからハラミちゃんっていう活動を1日でも多くやるのが夢ですね。

ハラミちゃんが監修したピアノ絵本『ハラミちゃん監修 たのしくひけるピアノえほん』(宝島社)も発売中。

ハラミちゃんの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。

『ORIENT STAR TIME AND TIDE』では、革新的な活動によって各界をけん引している人物をゲストに迎えて、現在の活動はもちろん、これから先どのようなビジョンに向かって進んでいくのかをじっくりと伺っていく。放送は毎週土曜日の21時から。
radikoで聴く
2022年6月4日28時59分まで

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番組情報
ORIENT STAR TIME AND TIDE
毎週土曜
21:00-21:54

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