SOIL & "PIMP" SESSIONSの社長が、クラブジャズシーンのトップDJであるパトリック・フォージと「音声の手紙」を綴り合った。
パトリックが登場したのは、J-WAVEの番組『BENTLEY BEST REGARDS』(ナビゲーター:SOIL & "PIMP" SESSIONS・社長)。オンエアは5月21日(金)。
また同番組は、オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcasts、Amazon Music、Google Podcastsでも楽しめる。エピソードは金曜日22時に更新。
・SPINEARで聞く
https://spinear.com/shows/best-regards/
社長:パトリックとはこれまで何回かDJで共演していますが、ものすごく優しいんですよ。でも好きなことをしゃべるとき、早口になるし、熱くなるんです。そんなピュアな心をいまだに持ち続けている方です。
社長:親愛なるパトリック。ロンドンの郊外に引っ越したって聞いたよ。きっと豊かな自然に囲まれた素敵な場所なんだろうね。都会での生活とは違って、自然と共生していくのが郊外の暮らしの醍醐味だよね。日々の生活の中で、何か大きく変わったことってある?
パトリック:親愛なる社長へ。僕は5年前にフォレスト・ロウという特別な村に引っ越してきた。ロンドンからわずか30マイルの場所で、『くまのプーさん』のモデルになった、ワイルドで美しいアッシュダウン・フォレストの端にあるんだ。そして、有名な子どものキャラクターのように、この地域は少し風変わりなんだ。この町がオルタナティブな人々を引きつけてやまないのは、朽ちかけた大邸宅を囲む壮麗な土地の中にある、この国で最も古いマイケル・ホール・シュタイナー学校の存在が大きいと思う。学校目当てで移住してくる人も多いけれど、僕たちがここに移住してきた理由は「食」なんだ。村にまたがって、「Tablehurst」と「Plaw Hatch」という2つのバイオダイナミック有機農場があり、どちらもファーム・ショップが充実しているから、「サステナブルでローカル」なものを食べるなら、ここは外せないよ。
パトリックは、続けて「この村に来てから、木に対する愛着が増したように思う」と綴る。
パトリック:森は果てしない感動を与えてくれる。そして、サン・ラは木と話すのが好きだった。朝起きると寝室の窓の外には100万ドルの景色が広がっていて、木々に覆われた谷、渓谷の向こうの地平線にはサウス・ダウンズの輪郭が見える。それは幻想なんだ。僕は過密なイングランドの南東部に住んでいて、ロンドンにとても近い場所。僕は両方の世界を楽しむことができるのが好きなんだ。ロンドンに行きたいときに行けるしね。でもここにいる多くの夢想家と同じように、僕も森のどこかにパーフェクトなエコホームを建てて、大切な地球をあまり汚さないようにシンプルな生活を送りたいと考えているんだ。
社長:やあ、パトリック。サステナブルでローカルな食材が揃うファーム・ショップ。それはぜひとも行ってみたい。僕は木と話すことはできないけれども、森の中に身を置くのは大好きだよ。理想のエコホーム、いつか完成したら招待してくれるかな。
社長:パトリックといえば膨大な数のレコードコレクターとしても知られているよね。そのレコード愛には大きな影響を受けているよ。僕もパトリックほどではないけれども、大好きなレコードに囲まれて生活をしている。日本でも今、レコードがたくさん売れているけれども、レコードのミゾを掘る職人は減ってきてしまったよね。だから今あるこのレコードカルチャーは大切にしていきたい。そんな中でふと思ったんだ、きっと僕もこのままずっと聴かない名盤があるな、と。それは次の世代に繋いでいかないといけないなと思って、若いDJにまとまった数のレコードを譲ったんだ。とても喜んでくれたし、レコードがゴミにならず価値のある財産になった。これって素敵なことだと思わない?
パトリック:レコードをたくさん集めるのは欲張りだと思うことがある。環境にも優しくないしね。レコードコレクターに多い、欲深い態度が大嫌いなんだ。人によっては音楽よりもレコードを所有することのほうが重要なようだ。僕にとってレコード(vinyl)は、工芸品であり伝統なんだ。アーティストの創造性、ミュージシャンのスキル、エンジニアの専門知識、マスタリング、カッティング、製造に至るまで、物理的、人的資源を投入して作らなければならないレコードは「音楽とは何か」ということを最もよく表していると思うんだ。ファイルは作るのに何も必要とせず、実質的には何の価値もない。メディアには、音楽を作り、録音するために注がれた技術が反映されていないんだ。有形の芸術品は大切だけど、すべての音楽がデジタルで聴けるようになった身近さも素晴らしいと思う。レコードはコレクションとして置いておくだけではいけないというのは、本当にその通りだよ。所有することに意味はない。鑑賞することにこそ意味があるんだ。
社長はパトリックとのやり取りを終えて「本当にいい言葉をもらった」と総括する。
社長:「レコードは所有することに意味はない。鑑賞することにこそ意味がある」、「vinylは、工芸品であり伝統である」。彼の一言一言にレコード愛、本当の音楽愛を感じました。ますます僕は彼が好きになったようです。
『BENTLEY BEST REGARDS』では、イギリスと東京の声の往復書簡を紹介。社長と相手が音楽やカルチャー、サスティナビリティなど、気になっていることを音声の手紙に綴り合う。放送は毎週金曜日の22時から。
またSpotifyにて、番組でお届けした楽曲のプレイリストも公開中。
パトリックが登場したのは、J-WAVEの番組『BENTLEY BEST REGARDS』(ナビゲーター:SOIL & "PIMP" SESSIONS・社長)。オンエアは5月21日(金)。
また同番組は、オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcasts、Amazon Music、Google Podcastsでも楽しめる。エピソードは金曜日22時に更新。
・SPINEARで聞く
https://spinear.com/shows/best-regards/
好きなことをしゃべるとき、早口になる
パトリック・フォージはクラブジャズを牽引してきた、DJ、ミュージシャン、ラジオDJ。ジャイルス・ピーターソンとともに、ロンドンのクラブ・カルチャーに絶大な影響を与え、DA LATA名義でミュージシャンとしても活躍している。社長:パトリックとはこれまで何回かDJで共演していますが、ものすごく優しいんですよ。でも好きなことをしゃべるとき、早口になるし、熱くなるんです。そんなピュアな心をいまだに持ち続けている方です。
森は果てしない感動を与えてくれる
番組では、社長とパトリックの音声による手紙(ボイスレター)を紹介。まずは社長がパトリックへ、ロンドンの暮らしぶりを尋ねた。社長:親愛なるパトリック。ロンドンの郊外に引っ越したって聞いたよ。きっと豊かな自然に囲まれた素敵な場所なんだろうね。都会での生活とは違って、自然と共生していくのが郊外の暮らしの醍醐味だよね。日々の生活の中で、何か大きく変わったことってある?
パトリック:親愛なる社長へ。僕は5年前にフォレスト・ロウという特別な村に引っ越してきた。ロンドンからわずか30マイルの場所で、『くまのプーさん』のモデルになった、ワイルドで美しいアッシュダウン・フォレストの端にあるんだ。そして、有名な子どものキャラクターのように、この地域は少し風変わりなんだ。この町がオルタナティブな人々を引きつけてやまないのは、朽ちかけた大邸宅を囲む壮麗な土地の中にある、この国で最も古いマイケル・ホール・シュタイナー学校の存在が大きいと思う。学校目当てで移住してくる人も多いけれど、僕たちがここに移住してきた理由は「食」なんだ。村にまたがって、「Tablehurst」と「Plaw Hatch」という2つのバイオダイナミック有機農場があり、どちらもファーム・ショップが充実しているから、「サステナブルでローカル」なものを食べるなら、ここは外せないよ。
パトリックは、続けて「この村に来てから、木に対する愛着が増したように思う」と綴る。
パトリック:森は果てしない感動を与えてくれる。そして、サン・ラは木と話すのが好きだった。朝起きると寝室の窓の外には100万ドルの景色が広がっていて、木々に覆われた谷、渓谷の向こうの地平線にはサウス・ダウンズの輪郭が見える。それは幻想なんだ。僕は過密なイングランドの南東部に住んでいて、ロンドンにとても近い場所。僕は両方の世界を楽しむことができるのが好きなんだ。ロンドンに行きたいときに行けるしね。でもここにいる多くの夢想家と同じように、僕も森のどこかにパーフェクトなエコホームを建てて、大切な地球をあまり汚さないようにシンプルな生活を送りたいと考えているんだ。
社長:やあ、パトリック。サステナブルでローカルな食材が揃うファーム・ショップ。それはぜひとも行ってみたい。僕は木と話すことはできないけれども、森の中に身を置くのは大好きだよ。理想のエコホーム、いつか完成したら招待してくれるかな。
レコードは工芸品であり伝統
続いて社長はパトリックに、ふと感じたレコードへの思いを伝えた。社長:パトリックといえば膨大な数のレコードコレクターとしても知られているよね。そのレコード愛には大きな影響を受けているよ。僕もパトリックほどではないけれども、大好きなレコードに囲まれて生活をしている。日本でも今、レコードがたくさん売れているけれども、レコードのミゾを掘る職人は減ってきてしまったよね。だから今あるこのレコードカルチャーは大切にしていきたい。そんな中でふと思ったんだ、きっと僕もこのままずっと聴かない名盤があるな、と。それは次の世代に繋いでいかないといけないなと思って、若いDJにまとまった数のレコードを譲ったんだ。とても喜んでくれたし、レコードがゴミにならず価値のある財産になった。これって素敵なことだと思わない?
パトリック:レコードをたくさん集めるのは欲張りだと思うことがある。環境にも優しくないしね。レコードコレクターに多い、欲深い態度が大嫌いなんだ。人によっては音楽よりもレコードを所有することのほうが重要なようだ。僕にとってレコード(vinyl)は、工芸品であり伝統なんだ。アーティストの創造性、ミュージシャンのスキル、エンジニアの専門知識、マスタリング、カッティング、製造に至るまで、物理的、人的資源を投入して作らなければならないレコードは「音楽とは何か」ということを最もよく表していると思うんだ。ファイルは作るのに何も必要とせず、実質的には何の価値もない。メディアには、音楽を作り、録音するために注がれた技術が反映されていないんだ。有形の芸術品は大切だけど、すべての音楽がデジタルで聴けるようになった身近さも素晴らしいと思う。レコードはコレクションとして置いておくだけではいけないというのは、本当にその通りだよ。所有することに意味はない。鑑賞することにこそ意味があるんだ。
社長はパトリックとのやり取りを終えて「本当にいい言葉をもらった」と総括する。
社長:「レコードは所有することに意味はない。鑑賞することにこそ意味がある」、「vinylは、工芸品であり伝統である」。彼の一言一言にレコード愛、本当の音楽愛を感じました。ますます僕は彼が好きになったようです。
『BENTLEY BEST REGARDS』では、イギリスと東京の声の往復書簡を紹介。社長と相手が音楽やカルチャー、サスティナビリティなど、気になっていることを音声の手紙に綴り合う。放送は毎週金曜日の22時から。
またSpotifyにて、番組でお届けした楽曲のプレイリストも公開中。
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。
radikoで聴く
2022年5月27日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- BENTLEY BEST REGARDS
-
毎週金曜22:00-22:30
-
SOIL & "PIMP" SESSIONS・社長