「投資はつまらないものであるべき」 厚切りジェイソンがそう語る理由

お笑い芸人兼IT企業役員の厚切りジェイソンが、芸人に挑戦した理由や投資について語った。

厚切りジェイソンが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」。オンエアは1月21日(金)。この日はナビゲーターの長谷川ミラがお休みのため、俳優・板谷由夏が番組を担当した。

日本語を習得して「ほかにない存在」に

まずは厚切りジェイソンに、これまでの道のりを訊いた。

板谷:ジェイソンさんはIT企業役員であり、芸人さんでもありますよね。
厚切りジェイソン:不思議な肩書きでしょう? でも、そもそも「肩書き」ってなんですか? 肩に書かれてないよ。Why Japanese people!?
板谷:本当ですよね(笑)。ジェイソンさんはアメリカ・ミシガン州ご出身。初めて日本に来たのはいつなんですか?
厚切りジェイソン:2005年です。大学の途中で研究のために1年間、ちょうど365日、日本にいました。
板谷:もともと日本に興味があったんですか?
厚切りジェイソン:なかったわけではないですけど、みんなと違うスキルを身につけて活躍したいと思って。私はコンピューターサイエンスをやっていて、プログラミングをやっている人が多かったので、プラスなにか(スキルを)を足せば、その組み合わせで活躍できるんじゃないかな、というところで、先進国で技術的に進んでいる日本、日本語を足しました。
板谷:自分の強みとして日本語を習得しようと。
厚切りジェイソン:それをビジネスチャンスにして、やろうと思いました。
板谷:まず1年だけいて、さらに2011年、24歳のときにベンチャー企業の日本法人の社長として再来日されました。
厚切りジェイソン:うまいこと組み合わせた専門性の唯一の人物、ほかにない存在になれました。若かったんですが、ちょうどその会社がほしがっていた人材になれて社長をやらせていただきました。
板谷:ご結婚もされて。
厚切りジェイソン:実はアメリカで結婚したんですよ。初めて日本に来たときに出会って「この人いいな、結婚したいな」と思って、一緒にアメリカに行って結婚して、2006年から2011年の5年ぐらいアメリカで一緒に住んでいました。そのあと一緒に日本に来て。
板谷:娘さんが3人いらっしゃるということで。
厚切りジェイソン:3人とも日本で生まれました。

責任のある挑戦のやり方

厚切りジェイソンは2014年にお笑い芸人としてデビュー。理由は「楽しそうだったから」というシンプルなものだったそうだ。

厚切りジェイソン:深い理由はいらないじゃないですか。楽しそうですし、それをやらない理由もないから。なんの恐れも失敗の恥もないですから。
板谷:好奇心の赴くままに。
厚切りジェイソン:そうですね。やりたいことはどんどんやりましょう。でも責任のある挑戦の仕方をお勧めします。
板谷:責任のある挑戦?
厚切りジェイソン:うまくいかなくても、次の挑戦がまだできるほどの余裕を残すことですね。僕はフルタイムで働いていたんですけど、週末に養成所に通っていて。それは仮に芸人がうまくいかなかったとしても次の挑戦ができるように。だから「反対されませんでした?」とよく訊かれますが、反対される理由がないやり方でやったから。
板谷:ちゃんと考えてやったから。やっぱり好きなことにチャレンジしないと人生が進まないですものね。広がらないというか。
厚切りジェイソン:つまらないですよね。言われたとおりの流された人生になってしまう。自分がやりたい道を自分で探って、そこに冒険していけばいいと僕は思います。そういう人生を生きたいです。生きてます。超楽しい!
板谷:ちゃんと楽しんでいる人じゃないと「超楽しい」って言えない気がする。本当に楽しんでいるんだなと思います。

「投資はつまらないものであるべき」なぜ?

現在35歳の厚切りジェイソンは、家族全員が一生安心して生活できるお金を投資利益だけで得られる“FIRE”を達成したことが注目された。その投資経験をもとに書かれた厚切りジェイソンの著書『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ)が、2021年11月に発売されてから早くも13万部を超えるベストセラーになっている。

板谷:本のなかで「日本人はお金を増やしたいのに、どうしてなにもしないの?」と。
厚切りジェイソン:Why? そう思いますよね。銀行に預けるだけだと金利があまりにも低いので僕はもったいないと思います。投資は「危険なギャンブルじゃないですか?」と思ってしまっている人が多いみたいですが、ちゃんと責任のある、じゅうぶんリスク管理ができる方法があるので、それさえすれば銀行の金利よりずっと儲けを期待できます。

厚切りジェイソンは「長期的な分散投資が大事。ひとつのものに全財産をぶちこむのではなく幅広くいろいろな業界や時間に分けて少しずつ投資していく」と解説する。

厚切りジェイソン:分散投資は面倒くさいと思っている方には投資信託があって、それはひとつの商品を選ぶだけで分散をすべてやってくれるんです。だからなにも考えずに毎月少しずつ定期的に入れ続けると、20年後、30年後はいつの間にか増えているよ、というやり方を本で紹介しています。
板谷:日本では「投資はこわい」というイメージがあるかもしれないけど、そういうことじゃないよと。
厚切りジェイソン:投資は地味でつまらないものであるべきです。スリルを求めるものじゃない。たぶん投資をこわいと言っている人は「これからくる銘柄に全財産ぶちこむ」とか仮想通貨などの激しく動くやつ(をイメージしていると思う)。FXもそうかもしれないです。将来性があるかどうかわからないけど、「もっと高く買ってくれる人がいるであろう」という基準だけで買っている。それは投資じゃない、馬券と同じです。

また、厚切りジェイソンはお金を増やすための第一歩として支出を減らすことも大切だと説明。節約をするためには、まず「把握」することが大事なのだという。

厚切りジェイソン:自分の支出、せっかく稼いでいるお金がどこに流れているのか、わかりますか? クセでコンビニに行って甘いパンを毎日買っていたら、いつの間にか財布が空、しょうがないからATMで引き落として手数料を取られる……何をしているんですか? ちゃんとどこにあるお金をいつ使うのかを計画して、そのとおりにやれば、ある程度いろいろなものが見えてきます。自分の価値がそこにあるのなら全然我慢しなくてもいいんですけど、意識しましょう。意識するのが第一歩。意識したあとに「本当に自分にとって必要なのか」と考えて、そこから節約が始まります。

また、厚切りジェイソンは家族がお金に対して同じ価値観を持つことが非常に大事だとして、家族とのコミュニケーションの重要性も説いた。

厚切りジェイソン:価値観が一致していなくて、片方が頑張って節約して投資しているのに、もう片方がそれを全部使ってしまったら何も残らない。それで喧嘩になるでしょうし、同じ将来に向けて家族を作り上げていかないと、一緒に道を歩んでいかないとダメだと僕は思います。それは夫婦だけではなくて、子どもたちにもそういう話をすべきだと思います。
板谷:娘さんたちにそういう教育をされているんですか?
厚切りジェイソン:あまり説明っぽくは言ってないですけど、日々僕がどうやってお金と接しているのか、モノを買うときはどういう基準で考えているのかを普通に会話しています。

厚切りジェイソンは、正月に娘たちがもらうお年玉でもお金について考えられるような仕組みをつくっている。

厚切りジェイソン:娘たちはお年玉を貯める架空の通帳を作っています、ただの紙なんですけど。年末になると、そこに書いてある残高に対して僕は1割の利子を払います。
板谷:ジェイソン銀行から。
厚切りジェイソン:そうすると複利の説明ができますし、「このお金をいま使うと年末にもらえる利子が少なくなる」という説明もできます。そうするといろいろわかってきて「そうか、待ったほうがいいね」となります。

『START LINE』のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」では、自分らしく輝くあの人のストーリーをお届け。放送は毎週金曜日の18時10分から。
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2022年1月28日28時59分まで

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毎週金曜
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