“伝説の女王様”を探し求めて。山本直樹が原作の映画『夕方のおともだち』は「歩みだすような希望」がある作品

漫画『BLUE』『ありがとう』『レッド』などで知られるエロス漫画界の巨匠・山本直樹による伝説コミックを実写映画化した『夕方のおともだち』が、2月4日に全国公開される。1月26日には都内で試写会が行われ、AV女優で作家の紗倉まなとSM界の伝説的女王様・飛室イヴがトークショーを行った。

『夕方のおともだち』は、ドM男のヨシダヨシオ(村上淳)が、彼の前から突然姿を消した“伝説の女王様”ユキ子を探し求める姿を描くという内容。飛室は、自らの“奴隷”と共に本作のSM指導を行ったという。「スタッフだけの打ち合わせだったのに、村上さんや菜葉菜さんも熱心に見学に来てくれた。村上さんは鞭を打たれるのが初めて。菜葉菜さんは鞭を打つのが初めて。特に菜葉菜さんは奴隷を鞭打つときに『かわいそう』と言うので『かわいそうじゃないよ! 思いっきり!』とアドバイスしました」と本格的スパルタ指導を回想した。



本物の女王様を前に紗倉は「最近はSっ気、Mっ気と普通に使われるので、自分はどちらの属性?と考えることがあります。私は気持ちで縛るのも縛られるのも好きなので、Sに対しての憧れが結構ありますね」と告白しつつも「本職が AV なので女王様役をやることもあるけれど、なかなか様にならない」と苦笑い。本作を先んじて鑑賞し「性癖が人間味として溢れ出ていて面白かった。時が止まっていた人物が歩みだすような希望もありました」と感動していた。



一方の飛室は「台本を読んだときにこういう想いをしている人っていっぱいいるなって感じて、ホロっときたり、映画を観て切ない気分にもなりました。『あいつ元気かなあ?』と奴隷たちのことを思い出しました」と“Sの目にも涙”状態になったという。劇中でのM男の心理はリアルなようで「ヨシダさんみたいな想いをしているM男ちゃんっていっぱいいる。M男の切なさがよく出ていた」と太鼓判を押していた。



(取材=石井隼人)

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