料理家の土井 光が、父・土井善晴との共著『お味噌知る。』の制作過程や、これからの目標を語った。
土井が登場したのはJ-WAVEで放送された『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。オンエアは12月7日(火)。
フランスでの生活を訊かれた土井は、ポール・ボキューズ学院での日々をこう振り返った。
土井:ポール・ボキューズは料理だけではなくて、レストランのマネジメントとか栄養学、建築学、フランスの法学とかすごくいろんな勉強をしました。私は1000人くらい学生がいるなかで日本人は私だけだったんです。だから逆に「あの日本人ヤバそう」ってざわついて、助けてくれる人がめっちゃいたんです(笑)。食べ物を扱う学校なので授業で「日本」っていう言葉がすごくでるんです。それこそ味噌だったりお酢だったりをみんなが気になって、日本人だから知っているだろうってことで私へのムチャぶりがすごくあったんです。
クリス:だしってなんだ、とか?
土井:そうです(笑)。
クリス:日本の勉強をしないといけないって思ったんじゃないですか。
土井:だからGoogleと父のお世話になりました。母とか父とかに電話したりして(笑)。その辺から、両親ときちんと会話ができるようになった気がします。
【関連記事】料理研究家・土井善晴が伝授する「おいしいおむすびの作り方」 米の洗い方が肝心!
クリス:なぜ、この本を作ることになったんですか?
土井:もともと父が『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)という本を出していて、そこからお味噌汁にフォーカスしたことをしていたので、お味噌汁の本を作りませんか、という声はいろいろあったんですけど、今回少し年月も経ちましたので一回やりましょうかっていう話になりました。そのときに少しカジュアルに若い世代もっていうことで私も参加させていただきました。
クリス:この本の冒頭やところどころに昭和生まれのお父さまと平成生まれの娘さんの世代の考え方の違いとか、暮らしの中で状況も変わっていたり食べ物への手の伸ばし方も変わってることを(土井)光さんの今の感覚で言葉を添えているところもありますよね。
クリス:びっくりしたんですけど、ハンバーグと合わせるトマトのお味噌汁が紹介されてましたよね。そういうのもありなんだなって。
土井:ハンバーグを作ったらカボチャとかイモをふかしたものとかを作ろうと思うものを全部味噌汁の中に入れようっていうような考え方です。
クリス:光さんって友だちとピザパーティーをするときにもお味噌汁を作るんですね。
土井:そうなんです(笑)。ピザをたくさんテイクアウトしたときとか、パスタを作ってステーキ焼いてとか思っても、最初に味噌汁を飲むことでゼロカロリーにはならないけど(笑)。
クリス:ならないでしょう(笑)。
土井:だけど気持ちが落ち着くというか、一気に食べ出さないストッパーにもなるだろうし、ひとつ手が加えてあるものがあるとなんかいいなって。
クリスがこの本の制作過程を訊くと、土井は「味噌汁を作るときや食べるときのシチュエーションで中身が変わる」という話になったと振り返る。
土井:例えば自分が疲れているから一杯だけ味噌汁を飲もうってなったときに、ちょっとおなかが空いてるから、そこにうどんを入れたりご飯を入れたりっていう。それは自分のお味噌汁なんです。人に「どうぞ」っておもてなしするとき用の味噌汁はまた違うものですし、付け合わせとして考えた味噌汁も主菜がメインであるときの味噌汁とかあってそれぞれ全部違うので、それをうまいこと分けてみなさんに味噌汁の使い方とか多様性をお伝えしたいなと思って。
クリス:この本を読んで、もっと味噌汁を楽しんだほうがいいなって感じました。
土井:味噌汁はテンションを変えられるものなので。すごく具沢山にすることもできるし、いろんなお料理があれば具がない味噌汁でもいいと思うんです。そこは自分で自由でできるものなので。
土井:味噌汁が食べたいと思って作る機会よりも、味噌汁に助けてもらいたいときに作ることが私は多くて。その中でいろいろ考えると、味噌とお味噌汁は安心感を提供してくれるものだなと思います。
クリス:確かに。ちょっと調子が悪いときの対処っていろいろあるだろうけど、お味噌汁を自分で作ることで随分解決できることもありそうな気がします。そういうヒントもこの本にはたくさん詰まっていて、いちばん最後の光さんの言葉も泣けるので、ぜひ読んでほしいですね。
クリスにこれからの目標を訊かれた土井は、こう答える。
土井:今の日本って伝統的なものがまだまだあるなって思っていて。父の取材に同行したりするとお味噌も含め、おしょうゆとかお酢とか素晴らしいものが日本にはたくさんあって、伝統工芸品にしてもお料理の中にもたくさんの文化があるので、そういうことをまず勉強して、今の新たな目線で見ていった中で若い世代に伝えていったり、海外の人に発信したりしていけたらと思います。自分で創作したいというよりは、父と祖父(料理研究家・土井 勝)のバックボーンもありますし。
クリス:食を中心に全てつながりますからね。
土井:そうですよね。そういうものをもっと勉強して発信できる立場になれたらと思っています。
J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」は毎週月曜から木曜の14時10分ごろスタート。
土井が登場したのはJ-WAVEで放送された『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。オンエアは12月7日(火)。
授業で日本のことをよく訊かれた
土井は大学卒業後、フランス・リヨンの料理学校、ポール・ボキューズ学院に入学。卒業後は三ツ星レストラン「ミッシェル・ゲラール」「トロワグロ」で料理を、さらに老舗ショコラティエ「ベルナシオン」でパティシエとして勤める。在仏7年を経て2018年に帰国。父で料理研究家の土井善晴の「おいしいもの研究所」でアシスタントとして活動中だ。フランスでの生活を訊かれた土井は、ポール・ボキューズ学院での日々をこう振り返った。
土井:ポール・ボキューズは料理だけではなくて、レストランのマネジメントとか栄養学、建築学、フランスの法学とかすごくいろんな勉強をしました。私は1000人くらい学生がいるなかで日本人は私だけだったんです。だから逆に「あの日本人ヤバそう」ってざわついて、助けてくれる人がめっちゃいたんです(笑)。食べ物を扱う学校なので授業で「日本」っていう言葉がすごくでるんです。それこそ味噌だったりお酢だったりをみんなが気になって、日本人だから知っているだろうってことで私へのムチャぶりがすごくあったんです。
クリス:だしってなんだ、とか?
土井:そうです(笑)。
クリス:日本の勉強をしないといけないって思ったんじゃないですか。
土井:だからGoogleと父のお世話になりました。母とか父とかに電話したりして(笑)。その辺から、両親ときちんと会話ができるようになった気がします。
【関連記事】料理研究家・土井善晴が伝授する「おいしいおむすびの作り方」 米の洗い方が肝心!
世代ごとに違う味噌汁の楽しみ方
そんな土井は10月に父・土井善晴との初の共著『お味噌知る。』(世界文化社)を上梓した。クリス:なぜ、この本を作ることになったんですか?
土井:もともと父が『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)という本を出していて、そこからお味噌汁にフォーカスしたことをしていたので、お味噌汁の本を作りませんか、という声はいろいろあったんですけど、今回少し年月も経ちましたので一回やりましょうかっていう話になりました。そのときに少しカジュアルに若い世代もっていうことで私も参加させていただきました。
クリス:この本の冒頭やところどころに昭和生まれのお父さまと平成生まれの娘さんの世代の考え方の違いとか、暮らしの中で状況も変わっていたり食べ物への手の伸ばし方も変わってることを(土井)光さんの今の感覚で言葉を添えているところもありますよね。
味噌汁はテンションを変えられるもの
『お味噌知る。』では、「家族のお味噌汁」や「組み合わせるお味噌汁」「季節のお味噌汁」など定番の具材で作る味噌汁はもちろん「こんな組み合わせもあるのか」と驚く味噌汁も紹介している。クリス:びっくりしたんですけど、ハンバーグと合わせるトマトのお味噌汁が紹介されてましたよね。そういうのもありなんだなって。
土井:ハンバーグを作ったらカボチャとかイモをふかしたものとかを作ろうと思うものを全部味噌汁の中に入れようっていうような考え方です。
クリス:光さんって友だちとピザパーティーをするときにもお味噌汁を作るんですね。
土井:そうなんです(笑)。ピザをたくさんテイクアウトしたときとか、パスタを作ってステーキ焼いてとか思っても、最初に味噌汁を飲むことでゼロカロリーにはならないけど(笑)。
クリス:ならないでしょう(笑)。
土井:だけど気持ちが落ち着くというか、一気に食べ出さないストッパーにもなるだろうし、ひとつ手が加えてあるものがあるとなんかいいなって。
クリスがこの本の制作過程を訊くと、土井は「味噌汁を作るときや食べるときのシチュエーションで中身が変わる」という話になったと振り返る。
土井:例えば自分が疲れているから一杯だけ味噌汁を飲もうってなったときに、ちょっとおなかが空いてるから、そこにうどんを入れたりご飯を入れたりっていう。それは自分のお味噌汁なんです。人に「どうぞ」っておもてなしするとき用の味噌汁はまた違うものですし、付け合わせとして考えた味噌汁も主菜がメインであるときの味噌汁とかあってそれぞれ全部違うので、それをうまいこと分けてみなさんに味噌汁の使い方とか多様性をお伝えしたいなと思って。
クリス:この本を読んで、もっと味噌汁を楽しんだほうがいいなって感じました。
土井:味噌汁はテンションを変えられるものなので。すごく具沢山にすることもできるし、いろんなお料理があれば具がない味噌汁でもいいと思うんです。そこは自分で自由でできるものなので。
日本の素晴らしい文化を発信したい
土井はフランスで初めて1人暮らしを始めてから自分で味噌汁を作るようになったそうで、なんとなく体調が悪いときに味噌汁を作るようにもしているという。土井:味噌汁が食べたいと思って作る機会よりも、味噌汁に助けてもらいたいときに作ることが私は多くて。その中でいろいろ考えると、味噌とお味噌汁は安心感を提供してくれるものだなと思います。
クリス:確かに。ちょっと調子が悪いときの対処っていろいろあるだろうけど、お味噌汁を自分で作ることで随分解決できることもありそうな気がします。そういうヒントもこの本にはたくさん詰まっていて、いちばん最後の光さんの言葉も泣けるので、ぜひ読んでほしいですね。
クリスにこれからの目標を訊かれた土井は、こう答える。
土井:今の日本って伝統的なものがまだまだあるなって思っていて。父の取材に同行したりするとお味噌も含め、おしょうゆとかお酢とか素晴らしいものが日本にはたくさんあって、伝統工芸品にしてもお料理の中にもたくさんの文化があるので、そういうことをまず勉強して、今の新たな目線で見ていった中で若い世代に伝えていったり、海外の人に発信したりしていけたらと思います。自分で創作したいというよりは、父と祖父(料理研究家・土井 勝)のバックボーンもありますし。
クリス:食を中心に全てつながりますからね。
土井:そうですよね。そういうものをもっと勉強して発信できる立場になれたらと思っています。
J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」は毎週月曜から木曜の14時10分ごろスタート。
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2021年12月14日28時59分まで
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