アーティストや音楽クリエイターが選んだ2021年の「すごい!」楽曲を、J-WAVEが表彰する特別番組『J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARD 2021』が、11月23日(火・祝)にオンエアされた。ナビゲーターは、いきものがかり・水野良樹と藤田琢己が担当した。
なお各賞は、2020年7月1日~2021年6月31日までの1年間に発売された邦楽が対象となる。
【ノミネート楽曲】
Ado『うっせぇわ』
藤井 風『青春病』
優里『ドライフラワー』
■Best of Lyrics 最優秀作詞賞はAdo『うっせぇわ』
まずは『うっせぇわ』の作詞作曲を手掛けたボカロPのsyudouが、この受賞の気持ちやこの曲の歌詞についてコメントを寄せた。
syudou:普段、僕はインターネット上で自分の曲を作っては上げてということをコンスタントに繰り返しているだけですので、こういった賞とは非常に縁遠い生活をしてきたのですが、この度このような賞をいただけて光栄です。『うっせぇわ』はもともとAdoさんがメジャーデビューするにあたっての楽曲ということで、Adoさんの声の魅力が最大に伝わる攻撃的な楽曲になったらいいなと思って考えました。ただ声の魅力が伝わるだけではなくて、2020年に起きたいろんなものにみなさんが耐えながら一生懸命に頑張っているなか、ときにはストレス発散がほしいというようなご時世でひとつガツンといけるテーマはないかなと思い、「うっせぇわ」という言葉、そしてテーマを選びました。とはいえテーマとしてご時世に合わせてというのは後付けであって、何をもってもやっぱり歌は歌っている人のものになるのがいちばん素晴らしいと思ったので、そこに付随する歌詞もAdoさんの声がいちばん魅力的に聞こえる攻撃的なものになればいいかなと思って作りました。
続いて、Adoがコメントで受賞の喜びを語った。
Ado:最優秀作詞賞に『うっせぇわ』を選んでいただきありがとうございます。自分のデビュー曲として思い入れがある曲なのでとてもうれしく思います。この歌詞を初めて見たときは、まさにsyudouさんだなって感じました。『うっせぇわ』より前にもsyudouさんの楽曲は拝聴しており、カバーさせていただいたこともあるのですが、『うっせぇわ』を初めて聴いたとき、いつものsyudouさんのスタイルの楽曲がきて、とてもうれしくなったのを覚えています。その歌詞に寄り添えるように、歌うときには怒りやときにはあおりの感情を使って声を遊ばせることを意識しました。サビ頭はとてもキャッチーでさらにインパクトがあり、かなり耳に残る歌詞だと思います。それ以外も全てsyudouさんらしさが出ている素敵な歌詞なので、今回このような賞をいただきsyudouさんへの感謝、そしてボカロPさんへの感謝を胸にこれからも歌い続けたいと思います。
【ノミネート楽曲】
Vaundy『しわあわせ』
Awesome City Club『勿忘』
Official髭男dism『Cry Baby』
■Best of Compose 最優秀作曲賞はOfficial髭男dism『Cry Baby』
この曲について作曲家の赤澤 佑は「きれいなメロディーに絡み合うように畳み掛ける転調。緻密な設計図がないと、こんな芸当はできないのでは。一度聞くと転調込みで癖になってしまう、そんなすごい一曲」とアンケートで答えた。
水野:ヒゲダンの曲は転調にポイントを置くコメントが多くなりましたよね。それくらい複雑なんですけど、聴いているときに複雑に聴こえない。自然なポップスとして聴こえるのがすごいところなんじゃないかなと思います。
他にも作曲家の吉野小太郎はアンケートで「臨時記号がたくさん付くような複雑なメロディーにもかかわらず、一度聴いた人の耳を魅きつけここまで記憶に残るメロディーはなかなかなく、すごいと思いました」と答えた。
藤田:作曲家ならではのコメントですよね。音符の前に付けるシャープとかフラットとか、そういった臨時記号がたくさん付くような複雑な曲なんですね。でもヒゲダンはそう聴かせないというね。
水野:あと天は二物を与えないと言うけど、二物も三物も与えるのよね。複雑なメロディーになるから歌いづらくもなるけど、(ボーカルの藤原 聡が)これを歌える声っていうのもすごいし、それがひとりの中でおさまっていて、それを受け止めるバンドもすごいから、全員が大谷翔平みたいな感じですね(笑)。
【ノミネート楽曲】
back number『怪盗』
millennium parade『FAMILIA』
米津玄師『感電』
■Best of Introduction 最優秀イントロ賞はback number『怪盗』
この曲について、音楽クリエイターの田畑 健は「back numberさんはいろいろなドラマや映画のタイアップをやっているのもあって、曲が始まったときに『おっ!』とひきつける名イントロの職人かと思います。この曲が主題歌になっているドラマも見ていましたが、エンディングでこの曲がかかると『おっ!』とひきつけられていました」とアンケートでコメントした。
水野:イントロってドラマの中で流れると全然違う文脈のセリフを言ってたり、シーンだったりするから、そこに割り込んでこなきゃいけないんです。そこでパッと人の耳とか目を集めなければいけないから、表現が合っているかわからないけど、暴力的じゃないといけないというか、キャッチャーじゃないといけない。そこらへんを踏まえたことが良イントロじゃないかなと思います。一瞬で世界を変える、みたいな。
他にも、作曲家の内藤英雅は「音色、譜割り共にびっくりした。イントロ前半ではびっくりするのにイントロ後半では王道のイントロ感で安心させる」とコメントを寄せた。
水野:なるほどね。そう言われるともう一回聴きたくなりますよね。こういう風にコメントを聞いて聴くと「そういうところで選んでるんだ」とか「そういう聴き方もあるんだ」って発見がありますよね。
【ノミネート楽曲】
宇多田ヒカル『One Last Kiss』
Aimer『STAND-ALONE』
安田レイ『Not the End』
■Best of Mix 最優秀エンジニア賞は宇多田ヒカルの『One Last Kiss』
この曲のエンジニアリングを担当したスティーヴ・フィッツモーリスが今回の受賞にコメントを寄せた。
スティーヴ・フィッツモーリスは、これまでU2やサム・スミス、クレイグ・デイヴィッドと言ったアーティストのエンジニアリングを担当し、グラミー賞にも輝いた経験を持つ。
Q:『One Last Kiss』が受賞したことについてどう思いますか?
スティーヴ・フィッツモーリス:いつも思うのは、クリエイティブな努力というのは主観的で、それに対して客観的な賞が与えられるというのは不思議な気持ちです。そうは言っても賞をいただくというのは、たくさんの人に知られ、楽しんでもらえるものを作るということなので嬉しいことです。感謝します、ありがとう。
Q:このミックスでフォーカスしたものは?
スティーヴ・フィッツモーリス:この曲のミックスに関しては、リズムトラックがとても重要だと思っていて、それは動きのあるベースが肝になっていると思います。そしてもちろんボーカルですね。ボーカル処理に関してはとても丁寧に時間をかけました。表に出る範囲やバックグラウンド的なリバーブなどの処理、いちばんのフォーカスはリズムトラックと言っていいですね。とても時間をかけました。音楽的な要素としてはピアノですね。あとの音要素はエフェクトだったり、ときにリフも必要な要素ですが、曲をメインで支えているのはピアノですね。
Q:宇多田ヒカルが他のアーティストと違うところは?
スティーヴ・フィッツモーリス:彼女の曲と、僕が仕事をするいわゆるUKのポップミュージックとのメインの違いは、音楽性の斬新さだと思います。最近のUKのポップミュージックは形式化されてしまっているところがあって、たとえばラジオでかかる曲とかサブスクリプションのトレンドで、長いイントロや間奏などはなくなり、楽曲の構成もAメロ・Bメロ・サビである必要もなく、リフレインが続いてサビにいって、別のセクションに入って展開して、という感じになることも多いです。そういった楽曲と比較して彼女の音楽性は斬新さを感じるので、ミックスしていて楽しいです。
【ノミネート楽曲】
CHAI『チョコチップかもね』
Awesome City Club『勿忘』
星野 源『創造』
Best of Arrangement 最優秀編曲賞はAwesome City Clubの『勿忘』
番組にはAwesome City Clubのatagiが登場。受賞の喜びを語った。
藤田:最優秀編曲賞の受賞、おめでとうございます。
atagi:本当にうれしいんですけど、その反面で「当然この曲が獲るでしょ」っていうくらいカッコいいアレンジになっているので、自分の中でもスッと腹に落ちる感じがあって、さらにうれしいですね。
藤田:この曲のアレンジはAPOGEEの永野 亮さんが担当されましたが、それはどういう経緯だったんですか?
atagi:僕が永野さんの大ファンであるってことが大前提にあって、いつかど真ん中の歌ものを永野さんとやったらすごいものができるんじゃないかなって思っていて、この曲しかないって思って満を持してお願いしました。自分が思ってた以上のアレンジメントをしていただいて、この楽曲に対する情熱も注いでくださって本当に素晴らしい結果になりました。
水野:永野さんとどういうやり取りをされたんですか?
atagi:まず、僕は永野さんに「BONNIE PINKさんの『Under The Sun』っていう楽曲とペトロールズさんの『雨』って楽曲をごっちゃに混ぜたようなことをやりたくて、それが頭の中で鳴ってるんですよね」って話をして。「それってどういうことかな」ってことをふたりで深くまで掘り下げる中で永野さんがアレンジメントを作ってくれたりして。そういういきさつがありましたね。
水野:この2曲を聴いて、照らし合わせると『勿忘』がまた違った曲に聴こえるかもしれないし、どの部分がインスパイアされてるのかってことを考えるのもすごく楽しいと思います。
番組にはAPOGEEの永野からこんなコメントが届いた。
永野:Awesome City Clubのスタッフのみなさま、atagiくん、この度は受賞おめでとうございます。Awesome City Clubは音楽性の高い楽曲を作り続けているバンドなので、『勿忘』をバンドと一緒に作るにあたって、メロディーのみならずギターをはじめ各楽器が演奏するフレーズやグルーブにも歌心やスリルを感じられるようにすることを、第一に心掛けました。僕自身もバンドをやっていることもあり、メンバーがライブで気持ちよく歌い、演奏できてバンドとお客さんが一体になってカタルシスを得られるような曲にしたい、という思いもありました。結果としてこの曲が多くの人に聴かれ、大きな舞台でたくさん演奏されていることを本当にうれしく光栄に思います。すてきな楽曲はメロディーのすばらしさはもちろん、その裏のアンサンブルにもいろいろな遊びや仕掛けがありますので、あまりそういう聴き方をしたことがなかったという方はこれを機会にぜひ耳を傾けてみてください。きっともっと音楽が、その曲が好きになると思います。
全ての受賞楽曲が出そろい、水野は「この1年は個性豊かな曲がたくさん出てきたんだなとあらためて感じさせられましたね。このムーブメントがどんどん膨らんでいけばいいなと思いました」とコメントした。
アーティストや音楽クリエイターが選ぶ「すごい!」楽曲
「J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARD 2021」では、音楽の「すごい!」と出会うためのコミュニティ「MUSIC FUN !」とともに、同コミュニティ参加アーティストと、各ジャンルで活躍する音楽クリエイター約50名によるアンケートで選ばれた 「すごい!」楽曲を表彰。「Best of Lyrics 最優秀作詞賞」や「Best of Compose 最優秀作曲賞」など、5部門のノミネート楽曲と共に各部門の最優秀楽曲を決定した。なお各賞は、2020年7月1日~2021年6月31日までの1年間に発売された邦楽が対象となる。
Best of Lyrics 最優秀作詞賞
こちらは、「すごい!」と思わせる歌詞の楽曲に贈られる賞だ。【ノミネート楽曲】
Ado『うっせぇわ』
藤井 風『青春病』
優里『ドライフラワー』
■Best of Lyrics 最優秀作詞賞はAdo『うっせぇわ』
syudou:普段、僕はインターネット上で自分の曲を作っては上げてということをコンスタントに繰り返しているだけですので、こういった賞とは非常に縁遠い生活をしてきたのですが、この度このような賞をいただけて光栄です。『うっせぇわ』はもともとAdoさんがメジャーデビューするにあたっての楽曲ということで、Adoさんの声の魅力が最大に伝わる攻撃的な楽曲になったらいいなと思って考えました。ただ声の魅力が伝わるだけではなくて、2020年に起きたいろんなものにみなさんが耐えながら一生懸命に頑張っているなか、ときにはストレス発散がほしいというようなご時世でひとつガツンといけるテーマはないかなと思い、「うっせぇわ」という言葉、そしてテーマを選びました。とはいえテーマとしてご時世に合わせてというのは後付けであって、何をもってもやっぱり歌は歌っている人のものになるのがいちばん素晴らしいと思ったので、そこに付随する歌詞もAdoさんの声がいちばん魅力的に聞こえる攻撃的なものになればいいかなと思って作りました。
続いて、Adoがコメントで受賞の喜びを語った。
Ado:最優秀作詞賞に『うっせぇわ』を選んでいただきありがとうございます。自分のデビュー曲として思い入れがある曲なのでとてもうれしく思います。この歌詞を初めて見たときは、まさにsyudouさんだなって感じました。『うっせぇわ』より前にもsyudouさんの楽曲は拝聴しており、カバーさせていただいたこともあるのですが、『うっせぇわ』を初めて聴いたとき、いつものsyudouさんのスタイルの楽曲がきて、とてもうれしくなったのを覚えています。その歌詞に寄り添えるように、歌うときには怒りやときにはあおりの感情を使って声を遊ばせることを意識しました。サビ頭はとてもキャッチーでさらにインパクトがあり、かなり耳に残る歌詞だと思います。それ以外も全てsyudouさんらしさが出ている素敵な歌詞なので、今回このような賞をいただきsyudouさんへの感謝、そしてボカロPさんへの感謝を胸にこれからも歌い続けたいと思います。
Best of Compose 最優秀作曲賞
こちらは「すごい!」と思わせるメロディーの楽曲に贈られる賞【ノミネート楽曲】
Vaundy『しわあわせ』
Awesome City Club『勿忘』
Official髭男dism『Cry Baby』
■Best of Compose 最優秀作曲賞はOfficial髭男dism『Cry Baby』
水野:ヒゲダンの曲は転調にポイントを置くコメントが多くなりましたよね。それくらい複雑なんですけど、聴いているときに複雑に聴こえない。自然なポップスとして聴こえるのがすごいところなんじゃないかなと思います。
他にも作曲家の吉野小太郎はアンケートで「臨時記号がたくさん付くような複雑なメロディーにもかかわらず、一度聴いた人の耳を魅きつけここまで記憶に残るメロディーはなかなかなく、すごいと思いました」と答えた。
藤田:作曲家ならではのコメントですよね。音符の前に付けるシャープとかフラットとか、そういった臨時記号がたくさん付くような複雑な曲なんですね。でもヒゲダンはそう聴かせないというね。
水野:あと天は二物を与えないと言うけど、二物も三物も与えるのよね。複雑なメロディーになるから歌いづらくもなるけど、(ボーカルの藤原 聡が)これを歌える声っていうのもすごいし、それがひとりの中でおさまっていて、それを受け止めるバンドもすごいから、全員が大谷翔平みたいな感じですね(笑)。
Best of Introduction 最優秀イントロ賞
こちらは「すごい!」と思わせるイントロの楽曲に贈られる賞だ。【ノミネート楽曲】
back number『怪盗』
millennium parade『FAMILIA』
米津玄師『感電』
■Best of Introduction 最優秀イントロ賞はback number『怪盗』
水野:イントロってドラマの中で流れると全然違う文脈のセリフを言ってたり、シーンだったりするから、そこに割り込んでこなきゃいけないんです。そこでパッと人の耳とか目を集めなければいけないから、表現が合っているかわからないけど、暴力的じゃないといけないというか、キャッチャーじゃないといけない。そこらへんを踏まえたことが良イントロじゃないかなと思います。一瞬で世界を変える、みたいな。
他にも、作曲家の内藤英雅は「音色、譜割り共にびっくりした。イントロ前半ではびっくりするのにイントロ後半では王道のイントロ感で安心させる」とコメントを寄せた。
水野:なるほどね。そう言われるともう一回聴きたくなりますよね。こういう風にコメントを聞いて聴くと「そういうところで選んでるんだ」とか「そういう聴き方もあるんだ」って発見がありますよね。
Best of Mix 最優秀エンジニア賞
こちらは「すごい!」と思わせる、Rec[収録]、Mixが施された楽曲に贈られる賞だ。【ノミネート楽曲】
宇多田ヒカル『One Last Kiss』
Aimer『STAND-ALONE』
安田レイ『Not the End』
■Best of Mix 最優秀エンジニア賞は宇多田ヒカルの『One Last Kiss』
スティーヴ・フィッツモーリスは、これまでU2やサム・スミス、クレイグ・デイヴィッドと言ったアーティストのエンジニアリングを担当し、グラミー賞にも輝いた経験を持つ。
Q:『One Last Kiss』が受賞したことについてどう思いますか?
スティーヴ・フィッツモーリス:いつも思うのは、クリエイティブな努力というのは主観的で、それに対して客観的な賞が与えられるというのは不思議な気持ちです。そうは言っても賞をいただくというのは、たくさんの人に知られ、楽しんでもらえるものを作るということなので嬉しいことです。感謝します、ありがとう。
Q:このミックスでフォーカスしたものは?
スティーヴ・フィッツモーリス:この曲のミックスに関しては、リズムトラックがとても重要だと思っていて、それは動きのあるベースが肝になっていると思います。そしてもちろんボーカルですね。ボーカル処理に関してはとても丁寧に時間をかけました。表に出る範囲やバックグラウンド的なリバーブなどの処理、いちばんのフォーカスはリズムトラックと言っていいですね。とても時間をかけました。音楽的な要素としてはピアノですね。あとの音要素はエフェクトだったり、ときにリフも必要な要素ですが、曲をメインで支えているのはピアノですね。
Q:宇多田ヒカルが他のアーティストと違うところは?
スティーヴ・フィッツモーリス:彼女の曲と、僕が仕事をするいわゆるUKのポップミュージックとのメインの違いは、音楽性の斬新さだと思います。最近のUKのポップミュージックは形式化されてしまっているところがあって、たとえばラジオでかかる曲とかサブスクリプションのトレンドで、長いイントロや間奏などはなくなり、楽曲の構成もAメロ・Bメロ・サビである必要もなく、リフレインが続いてサビにいって、別のセクションに入って展開して、という感じになることも多いです。そういった楽曲と比較して彼女の音楽性は斬新さを感じるので、ミックスしていて楽しいです。
Best of Arrangement 最優秀編曲賞
こちらは「すごい!」と思わせる、編曲・アレンジをした楽曲に贈られる賞だ。【ノミネート楽曲】
CHAI『チョコチップかもね』
Awesome City Club『勿忘』
星野 源『創造』
Best of Arrangement 最優秀編曲賞はAwesome City Clubの『勿忘』
藤田:最優秀編曲賞の受賞、おめでとうございます。
atagi:本当にうれしいんですけど、その反面で「当然この曲が獲るでしょ」っていうくらいカッコいいアレンジになっているので、自分の中でもスッと腹に落ちる感じがあって、さらにうれしいですね。
藤田:この曲のアレンジはAPOGEEの永野 亮さんが担当されましたが、それはどういう経緯だったんですか?
atagi:僕が永野さんの大ファンであるってことが大前提にあって、いつかど真ん中の歌ものを永野さんとやったらすごいものができるんじゃないかなって思っていて、この曲しかないって思って満を持してお願いしました。自分が思ってた以上のアレンジメントをしていただいて、この楽曲に対する情熱も注いでくださって本当に素晴らしい結果になりました。
水野:永野さんとどういうやり取りをされたんですか?
atagi:まず、僕は永野さんに「BONNIE PINKさんの『Under The Sun』っていう楽曲とペトロールズさんの『雨』って楽曲をごっちゃに混ぜたようなことをやりたくて、それが頭の中で鳴ってるんですよね」って話をして。「それってどういうことかな」ってことをふたりで深くまで掘り下げる中で永野さんがアレンジメントを作ってくれたりして。そういういきさつがありましたね。
水野:この2曲を聴いて、照らし合わせると『勿忘』がまた違った曲に聴こえるかもしれないし、どの部分がインスパイアされてるのかってことを考えるのもすごく楽しいと思います。
番組にはAPOGEEの永野からこんなコメントが届いた。
永野:Awesome City Clubのスタッフのみなさま、atagiくん、この度は受賞おめでとうございます。Awesome City Clubは音楽性の高い楽曲を作り続けているバンドなので、『勿忘』をバンドと一緒に作るにあたって、メロディーのみならずギターをはじめ各楽器が演奏するフレーズやグルーブにも歌心やスリルを感じられるようにすることを、第一に心掛けました。僕自身もバンドをやっていることもあり、メンバーがライブで気持ちよく歌い、演奏できてバンドとお客さんが一体になってカタルシスを得られるような曲にしたい、という思いもありました。結果としてこの曲が多くの人に聴かれ、大きな舞台でたくさん演奏されていることを本当にうれしく光栄に思います。すてきな楽曲はメロディーのすばらしさはもちろん、その裏のアンサンブルにもいろいろな遊びや仕掛けがありますので、あまりそういう聴き方をしたことがなかったという方はこれを機会にぜひ耳を傾けてみてください。きっともっと音楽が、その曲が好きになると思います。
全ての受賞楽曲が出そろい、水野は「この1年は個性豊かな曲がたくさん出てきたんだなとあらためて感じさせられましたね。このムーブメントがどんどん膨らんでいけばいいなと思いました」とコメントした。
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2021年11月30日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE SPECIAL MUSIC FUN! AWARD 2021
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2021年 11月23日(火・祝)18:00-19:55